ジゴワットレポート

映画とか、特撮とか、その時感じたこととか。思いは言葉に。

ウルトラマン

ユニバースに備えて。『SSSS.GRIDMAN』再・訪

公開が迫る映画『グリッドマン ユニバース』に備えて、『SSSS.GRIDMAN』全12話を再訪した。 ところで、人はなぜBlu-ray BOXを持っているのにわざわざタブレットで視聴してしまうのだろう。どこでも気軽に観られる利便性の高さと、BOXとはつまり所有欲を満た…

公式がネタバレをどんどん投下する『シン・ウルトラマン』の広報戦略がイマドキ

映画『シン・ウルトラマン』の広報まわり、とても興味深い。 俗な表現でいくと「公式がネタバレをどんどん投下してくる」パターン。これは色んな意味でイマドキだなと、公開から約2ヶ月、楽しんで見ていた。(公式が正式に情報を出してるのでネタバレもへっ…

感想『シン・ウルトラマン』 繊細な愛と露悪。そして、祈り。

『ウルトラマン』はどんな作品か。日本の特撮文化、ならびにエンターテイメント史に如何なる影響を与えたのか。 それは、今更私なぞが語る必要もないだろう。偉大なる銀色の巨人の物語を、それらを幼少期に脊髄にまで叩き込んだであろうスタッフの面々が、こ…

インタビュー企画「あなたとトクサツ。」に参加しました。(特撮原体験やブログの裏話など)

かねてより仲良くさせていただいておりますRyoさんのブログ『僕が僕であること(仮)』にて、インタビュー企画に参加いたしました。という、ご報告です。 www.bokuboku12.net Q.どういうインタビュー企画? A.「特撮と人生」に関する自分語り企画。 「特撮…

ウルトラマントリガーくんと僕

トリガー「次のウルトラマンは、ニュージェネレーションティガ!」 僕「ニュージェネレーションティガ!?」 トリガー「そう、新しい世代のティガだよ!」 僕「なんてこったい。まさかそんなアプローチのウルトラマンが出てくるなんて」 トリガー「ティガの…

総括『ウルトラマンZ』 立ちはだかる「壁」を取り込んで輝く、「さいきょうのうるとらまん」

「Blu-ray BOXを買った経験」は数あれど、まだ最終回を迎えていない放送中の番組の、それもまだ序盤の段階で、躊躇なくAmazonの予約ボタンを押したのは、おそらくこれが初めてのことであった。 『ウルトラマンZ』。2020年の特撮分野は、これを外しては語れな…

感想『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』 バランスの良い脚本を映像はどこまで遵守するべきか

Twitterで過去のツイートを確認してみると、実に5ヶ月ぶりの映画館であった。 コロナ禍の影響を受け、公開が延期された『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』。『ウルトラマンギンガ』から始まる新世代ウルトラマンの変身者が一堂に会す…

『ウルトラマンサーガ』における「別に理由なんてねぇよ!ずっと昔からそうやってきた!ただ、それだけのことだ!」について

先日、実業之日本社から発売された『ウルトラマン公式アーカイブ ゼロVSベリアル10周年記念読本』を買ったのですが、これがもう本当に、素晴らしい一冊でして。 ウルトラマンゼロの鮮烈なデビューから10年。これまでの活躍に携わってきたキャストやスタッフ…

ミニライスくん ミニ日記 ベストセレクション『いくじなしのファンファーレ』に育児記事を寄稿しました

お仕事の報告です。 サークル「CREATE MALL」さんより販売される『いくじなしのファンファーレ』に、育児記事を寄稿しました。ライスさん( @rice811 )がTwitterで3年に渡り投稿された、ヒーロー大好きミニライスくんの楽しいミニ日記。本書は、その傑作選…

感想『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』 ニュージェネという歴史の映像化は文脈を渋滞させる

YouTubeにおける新作配信という形態も、今や珍しくなくなった。露出メディアの変遷は猛スピードだ。とはいえ、『ウルトラマンギンガ』から続いてきた通称・ニュージェネレーションの集大成を、まさか配信という舞台で披露するとは。驚きである。 「そんな大…

ジゴワットレポートの映画ランキング2019

年の瀬恒例、一年間の映画の振り返り。今年はマイホーム計画に奔走したこともあり、近年でも最低クラスの鑑賞本数になってしまった。うーん、まあ、こればっかりはしょうがない。休日はそのほとんどをメーカーや工務店と打ち合わせをしていた気がする。 とは…

ウルトラマンネクサスが『X』で魅せた11年ぶりの「夜襲」

思わず、咽び泣いてしまった。 場所は自宅のリビング。風呂上りの嫁さんはサッパリしてリビングに戻ったら旦那が嗚咽を漏らしていたので、正直ドン引きしたことだろう。しかし、『ウルトラマンX』第20話「絆 -Unite-」を観たその時の私は、人目(嫁目)をは…

特撮ヒーロー番組は常に「現行が旬」である

『シン・ウルトラマン』の制作が発表された。特撮オタクとしてはもう色んな意味で驚きのタイトルなので、少なくとも同作の公開まではまたひとつ死ねない理由ができたな、といういつものムーブに突入している。続報が楽しみでならない。 そんなタイミングでTw…

『別冊映画秘宝 平成大特撮 1989-2019』に作品レビューで参加しています

お仕事の報告です。 7月8日に洋泉社より発売される『別冊映画秘宝 平成大特撮 1989-2019』にて、執筆陣の末席を汚しております。タイトル通り、「平成という時代に放送・公開された特撮作品」をシリーズや制作会社を問わず網羅する、ある種の決定版&資料性…

「特撮はライダーや戦隊だけじゃない」問題に思うこと

「特撮」という漢字二文字に抱くイメージ、あるいはそれが意味するところは、もちろん、人によって異なるのだろう。それを撮影技法として解釈するか、映像文化のジャンルのひとつで扱うかで、話はいくらでもややこしくなるのだけど。 私も特撮好きのひとりと…

感想『劇場版ウルトラマンR/B(ルーブ) セレクト!絆のクリスタル』 私が長年観たかった「特撮」がそこにあった

公開から一週遅れで、『劇場版ルーブ』、鑑賞してきました。本編の前半までの感想については、以前『特撮秘宝』に作品紹介として寄稿させていただいたので、そちらをご参照いただくとして。後半とクライマックスに関してはブログに書くタイミングを逃してし…

漫画『トクサツガガガ』が扱ってきた問題提起やテーマを書き並べてみる(1~8巻編)

特撮オタク漫画『トクサツガガガ』も気づけば長期連載ですね。そして遂にドラマ化もされるということで。月日が経つのは本当に早い・・・。 連載開始が2014年ということで、世間的に「特撮」といえば市場規模的にも戦隊やライダーが強かった時勢。2013年に『…

『別冊映画秘宝 特撮秘宝vol.8』に『ウルトラマンR/B(ルーブ)』の作品紹介を寄稿しました

お仕事の報告です。『映画秘宝』の別冊として展開する『特撮秘宝』(洋泉社)に、久々に参加させていただきました。 現在放送中のウルトラマンシリーズ最新作『ウルトラマンR/B(ルーブ)』について、作品概要を紹介するコーナーを1ページ、担当しておりま…

特撮監督界の仮面ライダーディケイド、坂本浩一監督の魅力(感想『映画監督 坂本浩一 全仕事』)

2009年に『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』を映画館で観た時のショックは今でもよく覚えている。スクリーンを縦横無尽に飛び回りながらインスタントに光線技を放つウルトラマンたちは、確実に「観たことがなかったもの」だった。 そしてその翌年…

どうして着ぐるみの怪獣が生まれたのか? NHK Eテレ『JAPANGLE』(ジャパングル)の特撮特集が素晴らしかった、という話

タイトル通り、NHK Eテレの番組『JAPANGLE』(ジャパングル)の特撮特集が素晴らしかった、という話。 「特撮」、つまり「特殊撮影」が、どういう歴史で生まれ、いかなる職人の技で支えられているのか。今現在、どんなニュアンスで日本の文化として認知され…

【総括】『ウルトラマンジード』が描く運命論。抗い築いた「GEEDの証」を振り返る

最終回の放送から数日遅れで鑑賞できた『ウルトラマンジード』。 『ギンガ』から復活したテレビシリーズが、『ギンガS』『X』と目に見えて画が豪華になり(おそらく予算が増え)、『オーブ』では遂に『ウルトラマン列伝』の看板が外れスピンオフまで製作さ…