ジゴワットレポート

映画とか、特撮とか、その時感じたこととか。思いは言葉に。

怪獣

感想『ゴジラ-1.0』 山崎貴監督が語る「ゴジラとはなにか」。東宝の映画スター、その価値が最大化される銀幕にて

『シン・ゴジラ』から7年である。 加齢に従い「もう7年?」と驚きつつ、ゴジラというコンテンツにおいては「まだ7年?」というリアクションが発生する。このたった7年間で、ゴジラに対するスタンスや気構えのようなものは、随分と変化した印象を受けるからだ…

感想『ウルトラマンブレーザー』第13話「スカードノクターン」 #俺が観る EP13 真実は雄弁に語る

前半戦折り返しの第13話。毎年恒例の総集編ではありますが、これまでの大筋を整理しつつ後半戦に向けた要素の整理、仄めかし、あるいは種蒔きがガッツリ行われるという、見逃し厳禁な回でした。 『ブレーザー』第13話。我が商業デビュー作『長髪大怪獣 ゲハ…

感想『ウルトラマンブレーザー』第12話「いくぞブレーザー!」 #俺が観る EP12 手にしたのは、雷をも断つ剣

すっかり肌寒くなって参りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。私はといいますと、所用で遠出した際に寄ったデパートの玩具売り場で「DXブレーザーストーン」を発見し「よっしゃ!近所に入荷してなかったんだよ!まさかここで出逢えるとは!」とホクホ…

感想『ウルトラマンブレーザー』第11話「エスケープ」 #俺が観る EP11 隕石が開くとき、破滅が顔を覗かせる

予告まで含めると、「親と子」「エスケープ」「いくぞブレーザー!」までで三部作っぽい流れでしょうか。もちろん、監督・脚本のスタッフが切り替わっているので、あくまでシリーズ構成の域の話ですけどね。これまでSKaRD内部の人間関係、そこに発生するコミ…

感想『ウルトラマンブレーザー』第10話「親と子」 #俺が観る EP10 命の選択が迫る

まずはお詫びから、すみません……。第10話の感想記事、実質2週間後のアップになってしまいました。以下全て言い訳なのですが、体調を崩してしまったことと、職場で起きた前例のないトラブルの火消し担当みたいなのが続きまして、上手く時間を捻出できませんで…

感想『ウルトラマンブレーザー』第9話「オトノホシ」 #俺が観る EP09 最後のコンサートが、始まる

実は数年前に、東儀秀樹さんのステージを鑑賞したことがありまして。とても長身でスラッとした方だなぁ、という印象が強く残ってます。作曲家や俳優としてもご活躍されている東儀さんですが、やはり雅楽でしょう!私が観たステージでも和装に身を包み雅楽器…

感想『ウルトラマンブレーザー』第8話「虹が出た 後編」 #俺が観る EP08 賽の目は、神のみぞ知る

「虹が出た」というタイトル、作中の緊張感からすると少しとぼけた印象もあるのですが、私はこれ昭和シリーズのオマージュ的なそれだと思うんですよね。 初代『ウルトラマン』でいえばケロニア回の「来たのは誰だ」、『ウルトラセブン』だとペロリンガ星人が…

感想『ウルトラマンブレーザー』第7話「虹が出た 前編」 #俺が観る EP07 天に数多の虹が輝くとき、それは現れる

シリーズ初の前後編、強敵怪獣・ニジカガチ編。まずもって、タイトルにきっちり「前編」「後編」って銘打たれてるの、いつぶりだろうか。どうしても平成三部作世代なので、例えば『ティガ』の「GUTSよ宙へ・前編」とか、『ダイナ』の「移動要塞(クラーコフ…

感想『ウルトラマンブレーザー』第6話「侵略のオーロラ」 #俺が観る EP06 バンドウヤスノブを誘う言葉は天使の福音か、それとも悪魔の囁きか

まさかのカナン星人復活!な第6話、の前に、特別総集編「巨大生物の正体を追え」の感想を……。マスコミの目線から怪獣やウルトラマン、そしてSKaRDを追いかける構成それ自体は面白く、モキュメンタリー(フィクションをドキュメンタリー映像のように見せかけ…

感想『ウルトラマンブレーザー』第5話「山が吠える」 #俺が観る EP05 その封印を解いてはならない

『ウルトラマンブレーザー』の感想を綴る連載シリーズ #俺が観る 、5話にして金曜の更新になってしまいました。ギ、ギリギリだ......。いや違うんですよ!皆さん、今日が何の日かご存知ですか? 8月11日の祝日、そう!「山の日」なんです!山怪獣ドルゴが登…

感想『ウルトラマンブレーザー』第4話「エミ、かく戦えり」 #俺が観る EP04 才女の瞳が、真実を映す

『ウルトラマンブレーザー』も早くも4話。約一ヶ月をもうこの番組と過ごしたことになりますが、毎週とっても見応えのあるエンターテイメントを提供してくれて感無量であります。おかげで我が家のアースガロンちゃんも大活躍。ちょっとしたポーズを取らせなが…

感想『ウルトラマンブレーザー』第3話「その名はアースガロン」 #俺が観る EP03 戦士たちが駆るは、鋼の体を持つ獣

DXアースガロンを買いまして、自宅でいつも拝んでいます。いってきます、アースガロン!ただいま、アースガロン! この手のフィギュアって、よく「可動域がすごい!」「存分にブンドドできる!」と言われますが、実は私はあまりそういう楽しみ方をする人間で…

感想『ウルトラマンブレーザー』第2話「SKaRDを作った男」 #俺が観る EP02 結集せよ、志共にする者たちよ

『ウルトラマンブレーザー』のことを考えていたらあっという間に一週間が過ぎて『ウルトラマンブレーザー』が始まった。こんな幸せな日々があと半年もあるだなんて。ありがたやァ、ありがたやァ。……などと、拝むような心持ちで過ごしております。 つい先日サ…

感想『ウルトラマンブレーザー』第1話「ファースト・ウェイブ」 #俺が観る EP01 ネオンの街に巨神たちの咆哮が響く

いよいよ始まりました、2023年のウルトラマン新作『ウルトラマンブレーザー』。いやぁ、面白かったですね。本当に、すごくすごく、心底面白かった!最高!OK!ヨシ!感想は以上ッ! ……と切り上げてしまっても良いくらい、兎にも角にも「面白かった」に尽きる…

7月より『ウルトラマンブレーザー』の感想を毎週ブログに書くシリーズ連載「 #俺が観る 」をはじめます

さかのぼること2018年、『仮面ライダージオウ』の感想を全話分(毎週必ず)書くというシリーズ連載企画をやりました。 www.jigowatt121.com それはもう、キツかったです。ある程度の分量を心掛けていたので、映像・脚本・演出・元ネタ・小ネタ・エトセトラ、…

ユニバースに備えて。『SSSS.GRIDMAN』再・訪

公開が迫る映画『グリッドマン ユニバース』に備えて、『SSSS.GRIDMAN』全12話を再訪した。 ところで、人はなぜBlu-ray BOXを持っているのにわざわざタブレットで視聴してしまうのだろう。どこでも気軽に観られる利便性の高さと、BOXとはつまり所有欲を満た…

公式がネタバレをどんどん投下する『シン・ウルトラマン』の広報戦略がイマドキ

映画『シン・ウルトラマン』の広報まわり、とても興味深い。 俗な表現でいくと「公式がネタバレをどんどん投下してくる」パターン。これは色んな意味でイマドキだなと、公開から約2ヶ月、楽しんで見ていた。(公式が正式に情報を出してるのでネタバレもへっ…

『ゴジラ バトルライン / GODZILLA BATTLE LINE』 #ゴジバト リリース1周年によせて

スマートフォン向けゲーム『ゴジラ バトルライン / GODZILLA BATTLE LINE』、通称「ゴジバト」が、2022年6月でリリースから1周年を迎える。 TwitterのTLで見かけて「おっ、新しいゴジラのゲームか。ちょっとやってみようかな~」と興味を惹かれて早一年。気…

感想『シン・ウルトラマン』 繊細な愛と露悪。そして、祈り。

『ウルトラマン』はどんな作品か。日本の特撮文化、ならびにエンターテイメント史に如何なる影響を与えたのか。 それは、今更私なぞが語る必要もないだろう。偉大なる銀色の巨人の物語を、それらを幼少期に脊髄にまで叩き込んだであろうスタッフの面々が、こ…

インタビュー企画「あなたとトクサツ。」に参加しました。(特撮原体験やブログの裏話など)

かねてより仲良くさせていただいておりますRyoさんのブログ『僕が僕であること(仮)』にて、インタビュー企画に参加いたしました。という、ご報告です。 www.bokuboku12.net Q.どういうインタビュー企画? A.「特撮と人生」に関する自分語り企画。 「特撮…

総括『ウルトラマンZ』 立ちはだかる「壁」を取り込んで輝く、「さいきょうのうるとらまん」

「Blu-ray BOXを買った経験」は数あれど、まだ最終回を迎えていない放送中の番組の、それもまだ序盤の段階で、躊躇なくAmazonの予約ボタンを押したのは、おそらくこれが初めてのことであった。 『ウルトラマンZ』。2020年の特撮分野は、これを外しては語れな…

コロナ禍を最強の小道具とした自主制作映画『怪獣のいる暮らし』を「今」観て欲しい

「特撮」という2文字には様々な意味がある、といったことは、このブログでも何度も取り上げてきた。今や「ヒーロー番組」として使われることの多い単語だが、その根底にあるのは、「現実には無いものを創造する」ための技術、ならびにアイデアの粋である。 …

「家で観る」ために。Amazonプライムビデオの面白い映画を50集めました

こんな未曾有のコロナ禍において、場末のブロガーにできることなんて、そうそう無い訳である。 とはいえ、一応ここは「映画ブログ」の仮面を被っていて、はてなブログからもお題「#おうち時間」が奨励されているタイミングなので、シンプルに「この映画がオ…

「2010年代の自分」を映画で追憶する(映画テン年代ベストテン)

2010年から2019年までの10年間。私にとっては、人生で最も激動の10年間であった。 就職、結婚、転職。子供も生まれ、住む土地も何度か変わった。来年にはマイホームが建つ。それ以前からこうしてブログなどでネットにテキストを残していたが、今では大変あり…

『別冊映画秘宝 平成大特撮 1989-2019』に作品レビューで参加しています

お仕事の報告です。 7月8日に洋泉社より発売される『別冊映画秘宝 平成大特撮 1989-2019』にて、執筆陣の末席を汚しております。タイトル通り、「平成という時代に放送・公開された特撮作品」をシリーズや制作会社を問わず網羅する、ある種の決定版&資料性…

「特撮はライダーや戦隊だけじゃない」問題に思うこと

「特撮」という漢字二文字に抱くイメージ、あるいはそれが意味するところは、もちろん、人によって異なるのだろう。それを撮影技法として解釈するか、映像文化のジャンルのひとつで扱うかで、話はいくらでもややこしくなるのだけど。 私も特撮好きのひとりと…

「いらすとや」のフリー素材のみで『ゴジラ / キング・オブ・モンスターズ』を全編作ってみた

以下、マイケル・ドハティ監督『ゴジラ / キング・オブ・モンスターズ』のネタバレが含まれますので、ご注意ください。 ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(オリジナル・サウンドトラック) アーティスト: ベアー・マクレアリー 出版社/メーカー: ADA 発売日:…

感想『ゴジラ / キング・オブ・モンスターズ』 多様性の悪魔合体と、ドハティ監督の「愛」ほとばしる豪腕ぶり

「私とゴジラの思い出」から語っていくと相当長くなってしまうので割愛するが、要は、平成VSシリーズで育った世代である。 ゴジラは人類の脅威ではあるが、明確な敵とも言い切れず、毎年ゲストで登場する怪獣とそれらに翻弄される人間たちが、あの手この手で…

漫画『トクサツガガガ』が扱ってきた問題提起やテーマを書き並べてみる(1~8巻編)

特撮オタク漫画『トクサツガガガ』も気づけば長期連載ですね。そして遂にドラマ化もされるということで。月日が経つのは本当に早い・・・。 連載開始が2014年ということで、世間的に「特撮」といえば市場規模的にも戦隊やライダーが強かった時勢。2013年に『…

感想『GODZILLA 星を喰う者』 ゴジラや怪獣を再解釈する「観念的怪獣映画」として秀逸

公開日から約2週間遅れで鑑賞。何かと賛否が割れるアニゴジでしたが、終わってみて率直に、自分は結構好きでしたね。 3部作を並べて俯瞰すると、このシリーズの「やりたいこと」がくっきり浮かび上がる感じもあって。それが顕著に示された完結編『星を喰う者…