ジゴワットレポート

映画とか、特撮とか、その時感じたこととか。思いは言葉に。

再録(加筆修正)

漫画のウソは音楽のホント。『SOUL CATCHER(S)』はなぜこんなにもファンタスティックなのか

改めて数えてみたら、私が吹奏楽を始めて約20年が経っていた。 まあ、絶え間なくやっていた訳ではなく、離れた時期もあったけれど、その間もよく吹奏楽の演奏を聴きに行っていた。パートはパーカッション(打楽器)。高校時代の青春はその9割が吹奏楽だし、…

『NARUTO』全73冊+映画2本+傑作『BORUTO』を完走したので1万字かけて感想を語り尽くすってばよ

「螺旋丸!」「千鳥!」ドカーン「俺は兄貴とは違うやり方で色々目指す(ドヤァ」。これが私の中の『NARUTO』の記憶だった。 学生時代に友人から借りて読んだ第一部の記憶はかなり薄れていたが、ジャンプは毎週読み続けていたので、15年の連載を経て完結した…

ウルトラマンネクサスが『X』で魅せた11年ぶりの「夜襲」

思わず、咽び泣いてしまった。 場所は自宅のリビング。風呂上りの嫁さんはサッパリしてリビングに戻ったら旦那が嗚咽を漏らしていたので、正直ドン引きしたことだろう。しかし、『ウルトラマンX』第20話「絆 -Unite-」を観たその時の私は、人目(嫁目)をは…

『カクレンジャー』から続く忍者戦隊の系譜 。「人に隠れて悪を斬る」から「忍びなれども忍ばない」まで

これまで、「人に隠れて悪を斬る!」と、指を立てながら何度口にしてきただろう。 『忍者戦隊カクレンジャー』は、私の最も思い出深いスーパー戦隊である。放送開始は1994年。この時期は今の日曜朝(ニチアサ)ではなく、金曜の夕方に放送されていた。前年の…

『仮面ライダーファイズ』8話「夢の守り人」の密かな欠点

『仮面ライダーファイズ』は、私が一番好きな仮面ライダーである。 複雑な群像劇とスタイリッシュな戦闘、魅力的なキャラクターたちが織りなす種の生存争いは、当時中学生だった私をこの上なく夢中にさせた。Blu-ray BOXは言うまでもなく発売日に買ったし、…

『烈車戦隊トッキュウジャー』における乗り換え変身の「無意味さ」

『烈車戦隊トッキュウジャー』のことを考えると、以前勤めていた会社の40代の上司に、「なんで若者に比べて俺たちは毎日が早く感じるか分かるか?」と聞かれたのを思い出す。 「20代の君にとって、1年間は1/20だ。でも40代だと、1/40になる。そりゃ短く感じ…

感想『遊戯王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』 「続編を製作する意義」に一切の妥協なし!

原作連載開始20周年となる2016年に公開された新作映画、『劇場版 遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』。 劇場版『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』 [Blu-ray] 出版社/メーカー: ポニーキャニオン 発売日: 2017/03/08 メディア: Blu-ray この商品…

『特命戦隊ゴーバスターズ』Mission15「金の戦士と銀のバディ」における挿入歌使用の素晴らしさについて

スーパー戦隊シリーズ第36作目にあたる『特命戦隊ゴーバスターズ』。前作『海賊戦隊ゴーカイジャー』がアニバーサリー戦隊としてド派手に暴れたのとは対照的に、過酷な運命を背負わされながらもストイックにミッションに挑む若者たちの日々が描かれた。 ※当…

『仮面ライダークウガ』の病的なまでの完成度と、それ故に生まれてしまった呪い

2015年秋、特撮ヒーローファンにビッグなサプライズが舞い込んだ。2000年放送『仮面ライダークウガ』のプロデューサー・髙寺成紀氏がパーソナリティを務める「髙寺成紀の怪獣ラジオ」に、ゲストでオタギリジョー氏が出演したのだ。 クウガの主役・五代雄介を…

『仮面ライダー龍騎』という、あまりにも残酷で楽しい命の物語

『仮面ライダー龍騎』が駆け抜けた2002年当時、私は中学生だった。 前年に起きたアメリカ同時多発テロ事件の記憶がまだ生々しい頃に、『龍騎』は放送が開始された。 『クウガ』の衝撃を小学生で体感した私は無事に特撮畑からの卒業タイミングを逃し、その辺…

感想『仮面ライダーアマゾンズ(シーズン1)』 平成ライダーという仮想敵に挑む、最後まで答えの無い物語

『仮面ライダーアマゾン』は、私の特撮オタクの師匠(?)にあたる叔父が好んでいた作品で、彼の「アマゾンみたいなのが “いい” んだよ」という教育を受けて育った。 とはいえ、幼心にアマゾンに正統派なカッコよさを覚えることはなく、しかし謎の存在感と異…

完全なる伏線消化。『仮面ライダーディケイド』の最終回とは一体なんだったのか

改めて考えると、『仮面ライダーディケイド』ってすごい作品だったなあ、と。 小学校高学年の頃に『クウガ』を観てそれから平成ライダーシリーズと共に特撮オタクとして育ってきた自分にとって、『ディケイド』はやはりかなり思い入れが強いというか、本当に…

なぜ『セッション』のラスト9分19秒は素晴らしいのか?

映画『セッション』(原題:Whiplash)、本当に素晴らしい映画だった。 興奮したし、泣いた。アカデミー賞の助演男優賞・編集賞・録音賞を受賞しているにも関わらず、日本では上映館数が極端に少ないのが非常に悔しい。事前の情報や予告を観て期待値がうなぎ…

『仮面ライダーエグゼイド』はいかに計画的に九条貴利矢を散らせたか

今、『仮面ライダーエグゼイド』が面白い!…という三流文句を叫びたくなるほどに、今、『仮面ライダーエグゼイド』が面白い。自分の中では「絶賛大ヒット!」という声が毎週鳴り響いている状態だ。『クウガ』から観てきた平成仮面ライダーシリーズも遠いとこ…

【総括】閉眼!『仮面ライダーゴースト』のメッセージ!

最終回放送から約2ヶ月半遅れで、『仮面ライダーゴースト』TVシリーズ全話の視聴を終えた。当ブログを以前から読んでいただいている方はご承知と思うが、『ゴースト』は1クールあたりまで「ゴーストウォッチメン」と題して毎週必ずレビュー記事を投稿して…

【総括】小説で真に完結する「仮面ライダー鎧武」。リプライズされるシリーズへの色目と継承の物語

発売から約2ヶ月が経ってしまったが、やっとこさ「小説 仮面ライダー鎧武」を読了した。 TVシリーズ最終回後、もっと正確に言うと「MOVIE大戦フルスロットル」におけるメガヘクス襲来やOV鎧武外伝におけるナックル奮闘劇の、その更に後の時系列に当たる物語…

さようなら平成仮面ライダー【剣~電王編】動乱期の作品群が挑み、蓄積させたものとは何か?

こんにちは、結騎 了(@slinky_dog_s11)です。 前回に引き続き、「“平成”が終わる前にひたすらにシリーズへの自らの想いを語り尽くしてみよう」企画の第二弾。もし第一弾『さようなら平成仮面ライダー【クウガ~ファイズ編】シリーズ黎明期の作品群は日曜の…

さようなら平成仮面ライダー【クウガ~ファイズ編】シリーズ黎明期の作品群は日曜の朝に何を提示したのか?

こんにちは、結騎 了(@slinky_dog_s11)です。 「オタクになったきっかけは?」という会話はオタク同士なら当たり前のように交わされるものだが、例えば学生時代の友人だとそれは『新世紀エヴァンゲリオン』だったり『灼眼のシャナ』だったりしたのだが、私…