ジゴワットレポート

映画とか、特撮とか、その時感じたこととか。思いは言葉に。

感想『シン・ウルトラマン』 繊細な愛と露悪。そして、祈り。

『ウルトラマン』はどんな作品か。日本の特撮文化、ならびにエンターテイメント史に如何なる影響を与えたのか。 それは、今更私なぞが語る必要もないだろう。偉大なる銀色の巨人の物語を、それらを幼少期に脊髄にまで叩き込んだであろうスタッフの面々が、こ…

(おそらく)『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』が企んでいること、そしてけしかけたいこと

『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』が面白い。 私がスーパー戦隊シリーズを観始めたのは『鳥人戦隊ジェットマン』や『忍者戦隊カクレンジャー』辺りからだが、2022年の第46作にして同シリーズをこんなにも新鮮に観られるなんて、よもや思ってもみなかった。シンプ…

インタビュー企画「あなたとトクサツ。」に参加しました。(特撮原体験やブログの裏話など)

かねてより仲良くさせていただいておりますRyoさんのブログ『僕が僕であること(仮)』にて、インタビュー企画に参加いたしました。という、ご報告です。 www.bokuboku12.net Q.どういうインタビュー企画? A.「特撮と人生」に関する自分語り企画。 「特撮…

『仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』という非妥協的な詰将棋、あるいは「続編を制作する意義」について

続編、それも本編終了から時が経った続編ほど、「それを制作する意義」に真摯に向き合って欲しいと、そう願うばかりである。 どうして世の続編は制作されるのか。商業作品である以上、「売れる見込みがあるから」という予実管理があるのは当然として、私の願…

総括感想『機界戦隊ゼンカイジャー』 キャラクターの強度が凸凹を謳う、スーパー戦隊の根っこ

しばしば、「キャラクターの強度」という視点で作品を観ることがある。 これは自分の中で、「キャラクターの魅力が大きい」と近いようで少し異なるもの。つまり、キャラクターという駒があまりに強力なため、それ自体が戦略を吹き飛ばして盤面を支配してしま…

感想『Pokémon LEGENDS アルセウス』 嘘を減らしてくれて、ありがとう。

「自分に合わなかった」という体験は、「合う」と出会えるまでの必要な寄り道である。 「う~ん、なんだかこの作品、自分とは合わないなぁ・・・」。誰もが一度や二度は経験しているのではないだろうか。しかし、その「not for me」にこそ金脈が眠っている。…

感想『未来戦隊タイムレンジャー』 抽象概念を人間ドラマで「子供番組化」する、戦隊史に残るエポックメイキング

『未来戦隊タイムレンジャー』のDVD-COLLECTIONが発売されるとの報、Twitterで目にした次の瞬間にはAmazonでポチっていた。迷いはなかった。 TTFC(東映特撮ファンクラブ)に加入しており、いつでもどこでも見放題な環境はある。が、やはりどうしようもなく…

娘と一緒に過ごした『トロピカル~ジュ!プリキュア』が終わってしまった

終わってしまった・・・ 『トロピカル~ジュ!プリキュア』が、終わってしまった。最終回から早くも一週間、言い知れぬ喪失感と共に過ごしている。これが、世間で言うところの「ロス」! 結婚し、娘が生まれ、初めてちゃんと鑑賞した人生初のプリキュア。長…

ウルトラマントリガーくんと僕

トリガー「次のウルトラマンは、ニュージェネレーションティガ!」 僕「ニュージェネレーションティガ!?」 トリガー「そう、新しい世代のティガだよ!」 僕「なんてこったい。まさかそんなアプローチのウルトラマンが出てくるなんて」 トリガー「ティガの…

「創作の筋トレ」と題してショートショートを毎日書いています

2022年の目標として、「毎日ショートショートを書く」というのをやっています。 kakuyomu.jp 更新場所は、KADOKAWAとはてなが共同開発した「カクヨム」という小説投稿サイト。本日は2022年1月16日なので、すでに16の短編を書きました。三日坊主になったらど…

感想『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』 大いなるオリジンと通過儀礼は「お祭り」と同じ舞台上でよかったのか

実写映画スパイダーマンとは、「大人の事情」の歴史である。 — 結騎 了 (@slinky_dog_s11) 2022年1月8日 サム・ライミ監督による『スパイダーマン4』が制作されなかったことも、マーク・ウェブ監督の『アメイジング・スパイダーマン』シリーズが2作で途絶え…

挿入歌だいすきオタクがフルオーダーで「存在しない挿入歌」を制作した話

皆さん、挿入歌って好きですか? 私は好きです。 特撮に限らず、アニメでもドラマでも映画でもゲームでも。主題歌やEDとは異なり、作中で流れる楽曲のことですね。一般的に注目を集めるのは言うまでもなく主題歌ですが、挿入歌って、こう・・・ もっと作品の…

『仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』観たくない!いや観たい!観なくてもいいのでは!観るでしょ!観る? 観るの? 観ちゃうの!? 観たくないのでは? クゥァアアア!!

俺A「うわぁぁァァァァーーーー!!!!」 俺B「うわぁぁァァァァーーーー!!!!」 俺C「うわぁぁァァァァーーーー!!!!」 仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル [Blu-ray] 渡部秀 Amazon www.youtube.com 俺A「ちょっと待って一旦落ち着こう。落…

感想『テン・ゴーカイジャー』 10年ぶりの「ゴーカイジャーはなぜ面白かったのか」にしてやられる幸せ

「やるのか!?」という驚きが、初報へのリアクションだった。「やったー!」や「うわあああ!」もあったが、何よりもまず、「やるのか!?」と。適度な緊張感と、ほんのりこわばる体。それ程までに、『海賊戦隊ゴーカイジャー』はやはり特別な作品なのだ。 …

オリジナルイメージソング制作プロジェクト【Fic Sound】ティザームービーを公開しました

中々どうして時間の使い方が下手で、ブログ更新が満足にできてませんが・・・。『テン・ゴーカイジャー』の感想については7割方書けたので、近々アップしたいところ。 そんなこんなで、(当初の予定より遅くなってしまい恐縮ですが)、YouTubeにティザームー…

感想『ホワット・イフ…?』 「もしも」の解釈戦争と、MCUが挑まざるを得ない課題への自己言及

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)初のアニメーション作品として、2021年8月よりDisney+にて配信された『ホワット・イフ…?』。全9話で構成された本作は、タイトル通り「もしもあのシーンで○○が××だったら」というIF(もしも)の展開を軸に、MCU…

感想『映画トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!』 救いきれない「トロプリ概念キラー」との出逢い

娘の成長と共に『アンパンマン』映画館デビューを果たしたのが、2019年7月のこと。そこから更に2年、この2021年に『プリキュア』映画館デビューを無事に完遂。鑑賞前夜から遠足以上の盛り上がりを見せた娘は、当日早朝、誰よりも早起きして着替えを済ませて…

人生初のプリキュア、『トロピカル~ジュ!プリキュア』の「日常」に泣かされる

娘が幼稚園に通い始めプリキュアに興味を持ち始めたのが、約半年前のこと。そして、ドンピシャのタイミングで放送が開始されるシリーズ最新作、『トロピカル~ジュ!プリキュア』。「娘・・・ やるんだな!? 今・・・!ここで!」「ああ!勝負は今!ここで…

ご無沙汰しております&YouTubeはじめます

こんにちは、結騎了( @slinky_dog_s11 )です。 ご無沙汰しております。実に9ヶ月ぶりのブログ更新・・・。すみません、何か病気を患った訳でも、決定的なアクシデントがあった訳でもありません。ぶっちゃけた話、ちょっと、こう、どうにも、「ブログを書く…

漫画・アニメ実写化の「成功」とはなにか

何かと、良い意味でも悪い意味でも盛り上がる「実写化」。主に漫画やアニメからの実写映像化を指すが、2021年1月にこれを語るのならば、まずは2020年末に放送されSNS等で話題沸騰となったNHK制作『岸辺露伴は動かない』に触れねばならないだろう。 ・引用 ht…

2021年のご挨拶

「去年の正月には、ここまで世界が一変するだなんて誰が想像していただろうか」。そんな陳腐なセンテンスが何度も頭をよぎる賀正2021。皆さんいかがお過ごしでしょうか。明けましておめでとうございます。まあしかし「2021年」って・・・ 未来だなあ・・・。…

総括『ウルトラマンZ』 立ちはだかる「壁」を取り込んで輝く、「さいきょうのうるとらまん」

「Blu-ray BOXを買った経験」は数あれど、まだ最終回を迎えていない放送中の番組の、それもまだ序盤の段階で、躊躇なくAmazonの予約ボタンを押したのは、おそらくこれが初めてのことであった。 『ウルトラマンZ』。2020年の特撮分野は、これを外しては語れな…

感想『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』 「本来やりたかったゼロワン」を感じさせる夏映画的エピローグ

つい、気づけば2ヶ月半ぶりのブログ更新となってしまった・・・。引き続き猛威を奮う新型コロナに仕事の現場で振り回されつつ、別名義で始めた創作活動が思いの外の結果を出し、これまた「つい」そちらに時間をかけてしまったりと、色々な背景があるのだけど…

最終回感想『半沢直樹(シーズン2)』 半沢ブームを取り込んだ半沢の火傷寸前なポテンシャル

「毎週日曜日の楽しみが終わってしまった」と、いわゆる「ロス」に突入している人は、少なくないだろう。 コロナ禍の影響で放送開始がズレ込んだだけでなく、制作が遅れた影響で生放送特番が放送されるなど、「2020年に作られた国民的ドラマ」として、色んな…

TENETくんと僕

僕「クリストファー・ノーラン監督の最新作!『TENET』!楽しみだなあ」 TENET「こんちわ。予告、観る?」 僕「もう何度も観たよ。予告だけじゃストーリーが全然分からないけど」 TENET「映像すごいっしょ?」 僕「相変わらず抜群の雰囲気があるよね」 TENET…

Nintendo Switch『スーパーマリオ64』はゲーム苦手マンの魂を時を超えて三度救う

私はゲームが大の苦手である。 特に、アクションゲーム。例えばフィールドにある橋の上を渡れば、取りあえずノルマのように落ちる。どうにも距離感を掴み辛い。まっすぐ歩くというシンプルなアクションが難しい。崖から崖に飛び移る際には、冷や汗と手汗をか…

コロナ禍と戦う『仮面ライダーセイバー』を心から応援したい

2020年初秋、令和仮面ライダー第2弾となる『仮面ライダーセイバー』が放送を開始した。 前番組の『仮面ライダーゼロワン』は、物語中盤頃に未曾有のコロナ禍に突入し、緊急事態宣言で撮影そのものがストップ。総集編でなんとか放送枠を継続しつつ、話数を短…

総括『仮面ライダーゼロワン』 「AIの可能性シミュレーション」と「特撮ヒーロー活劇」に共存の可能性はあったのか

まずは何より、『仮面ライダーゼロワン』が最終回までの放送を無事に終えられたことを、心から喜びたい。 「特撮ヒーロー番組が毎週放送される」という現実は、金曜の夕方にスーパー戦隊シリーズを観ていたあの頃から、自分にとっては疑いようもない「当たり…

感想『コンフィデンスマンJP プリンセス編』 詐欺師の本質、シリーズの心臓部に触れる、しっとりとした秀作

TVシリーズから大好きだった『コンフィデンスマンJP』シリーズ。いつの間にか「シリーズ」と呼ぶことに全く違和感が無くなったが、毎回安定の面白さである。昨年の劇場版『ロマンス編』も秀作だったが、個人的には同時期にTVで放映されたスペシャルドラマ版…

感想『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』 バランスの良い脚本を映像はどこまで遵守するべきか

Twitterで過去のツイートを確認してみると、実に5ヶ月ぶりの映画館であった。 コロナ禍の影響を受け、公開が延期された『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』。『ウルトラマンギンガ』から始まる新世代ウルトラマンの変身者が一堂に会す…