ジゴワットレポート

映画とか、特撮とか、その時感じたこととか。思いは言葉に。

特撮

感想『仮面ライダークローズ』 Vシネ展開は、原典作品とシリーズの幅との狭間で揺れる

『ビルド』のスピンオフにあたる作品、『ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ』をやっとこさ鑑賞した。限界田舎に住んでいるので、上映規模が小さい劇場公開のタイミングで観るのは非常にハードルが高い。そんな作品が平成の終わりにリリース。そして、鑑…

構想28年の大作『古代戦士ハニワット』と平成仮面ライダーのエッセンス

武富健治先生の新作『古代戦士ハニワット』の単行本がついに発売となった。 武富先生といえば、言わずと知れた名作『鈴木先生』の著者その人である。『鈴木先生』は、原作はもちろんのことドラマも映画も何周もするくらい好きな作品。そんな武富先生の新作が…

「リアルサウンド映画部」に『ライズ ダルライザー』の作品評を寄稿しました

お仕事の報告です。 『アクアマン』『トクサツガガガ』に引き続き、リアルサウンド映画部さんでコラムを書きました。 今回の作品は、福島県白河市のご当地ヒーロー映画『ライズ ダルライザー』。その名の通り「だるま」をモチーフとしたヒーローなのですが、…

『ジオウ』響鬼編に桐矢京介が登場する現実、あるいは『響鬼』という作品への語り尽くせぬ想い

間もなく平成が終わるこのタイミングで、『仮面ライダージオウ』の響鬼編が放送されるという。『仮面ライダー響鬼』という作品には、リアルタイムで観ていた人の多くが様々な感情を抱いていることだろう。 よもや「仮面ライダー」には見えないデザイン、職業…

『リュウソウジャー』における実質的な「等身大戦」の撤廃について

『騎士竜戦隊リュウソウジャー』、これを書いている時点で4話までの放送が終了。以前、放送開始直前に「戦隊はじめ」を勧める記事を書いたけれど、その中で、私は『リュウソウジャー』について以下のようにまとめた。 今回の『リュウソウジャー』のポイント…

感想『劇場版ウルトラマンR/B(ルーブ) セレクト!絆のクリスタル』 私が長年観たかった「特撮」がそこにあった

公開から一週遅れで、『劇場版ルーブ』、鑑賞してきました。本編の前半までの感想については、以前『特撮秘宝』に作品紹介として寄稿させていただいたので、そちらをご参照いただくとして。後半とクライマックスに関してはブログに書くタイミングを逃してし…

年に一度のチャンス、「戦隊はじめ」しませんか? 『騎士竜戦隊リュウソウジャー』への期待

当ブログを読んでくださっている方の多くは、特撮作品に馴染みがある方だと思いますが、言うまでもなくそうでない方もいらっしゃいますので、こういう記事を書いています。タイトル通り、今このタイミングが、年に一度の「戦隊はじめ」チャンスです。 シリー…

感想『仮面ライダー・クウガ マニア白書』 グロンギ語全翻訳に感服!マニアの声を収録した貴重な非公式本

先日Twitterにおいて初めてある本の存在を知り、即日でAmazonでポチり、それが昨日やっと自宅に届いた。娘を寝かしつけた後、ビール片手に読みふけったのは、『仮面ライダー・クウガ マニア白書』という一冊である。 「I‐NETファンクラブ連合軍」により2001…

「リアルサウンド映画部」にドラマ『トクサツガガガ』の作品評を寄稿しました

お仕事のご報告です。 先日の『アクアマン』映画評に続き、「リアルサウンド映画部」にて、ドラマ『トクサツガガガ』の作品評を書かせていただきました。 realsound.jp 【コラム】『トクサツガガガ』特撮オタクがしびれた実写化 “好き”を楽しむ尊さや処世術…

『仮面ライダージオウ』の感想を毎週ブログで書き続けて半年、その結果や所感など

昨日更新した記事が『仮面ライダージオウ』第24話の感想だったので、劇中でもちょうど折り返し地点ということもあり、一連の連載企画の振り返りを行っておこうかと。 「ZI-O signal」(ジオウシグナル)というタイトルで毎週感想を書きます、と宣言して、早…

「劇中グッズ」に感じる浪漫と夢、あるいは「レイダー・シーキング」が通常モデルであることへの賛美

先日Twitterで見かけた以下のページにえらく感動してしまって。SwissPrimeBrands株式会社の、『仮面ライダージオウ』劇中に登場する腕時計に関するプレスリリースである。 prtimes.jp 時計がモチーフの仮面ライダー「仮面ライダージオウ」において主人公・常…

初期平成ライダー特有の「冬の匂い」について

昨日、『ビルド』のVシネマ『仮面ライダーグリス』の制作が発表となり、喜びつつも以下のようなツイートをした。 龍騎やファイズや剣の頃の、激動の最終回と共に作品とはスパッとお別れというあの冬の匂いがやたら記憶に残っているので、近年のライダーが夏…

最終回感想『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』 VS戦隊というメインテーマへの解答と、本当に溶かされたもの

『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』こと「ルパパト」、ついにフィナーレ。感無量の最終回でした。 思い返せば約一年前。初のVS戦隊が始まるとのことで、以下のような記事を書いた。依頼を頂戴して『週刊はてなブログ』に寄稿したものであ…

制作中の同人誌『さようなら平成仮面ライダー』の試し刷り版が届きました

先日、「Kindleで平成ライダーの本を出します」という記事を更新しましたが、紆余曲折あり、結果として普通の(普通の?)同人誌として物理本に辿り着きました。自分の書いた文章が何らかの紙面に載ったことは何度かあるのですが、イチからジュウまで自分で…

実際の「小林靖子脚本」から楽しむ『龍騎』最終回

現在放送中の『仮面ライダージオウ』が「龍騎編」もとい「リュウガ編」に突入し、『龍騎』の新作も制作されるとのことで、にわかに龍騎熱が高まる昨今。ふと存在を思い出し、本棚から取り出した本を読み耽る時間を過ごしてしまった。 朝日ソノラマの『仮面ラ…

(2/1追記あり)KDPで平成仮面ライダー本の出版を計画しています

タイトルの通りで、まだ告知という段階でもないのですが、KDP(Kindle ダイレクト・パブリッシング)で本の出版を計画しています。要は電子書籍ですね。 ありがたくも以前より私のブログを読んでくださっている方はご存知かと思いますが、はてなに移転する前…

社会人オタクよ、ゴールデンボンバーの新曲『ガガガガガガガ』を聴いてくれ

社会人でありながらオタクをやる、というのは、学生時代とはまた意味が変わってくる。 よく使われる物言いだが、学生は「お金は無いが時間がある」。新しくハマったジャンルの作品を片っ端から鑑賞したり、とにかく関連書籍を読み込んだり、そうやって内に籠…

感想『映画刀剣乱舞』 刀剣男士である、という設定を真摯にフォローしたシナリオ構成に感服

ネットに生息していると数年前から幾度となくその名を目にしていた『刀剣乱舞』。「刀が男になって戦うらしい」「元はゲームで舞台とか色々めっちゃ人気らしい」という非常にざっくりとした知識しかなかったのですが、昨年末の紅白でもかなり力の入ったパフ…

漫画『トクサツガガガ』が扱ってきた問題提起やテーマを書き並べてみる(1~8巻編)

特撮オタク漫画『トクサツガガガ』も気づけば長期連載ですね。そして遂にドラマ化もされるということで。月日が経つのは本当に早い・・・。 連載開始が2014年ということで、世間的に「特撮」といえば市場規模的にも戦隊やライダーが強かった時勢。2013年に『…

ジゴワットレポートの平成仮面ライダー記事まとめ

本ブログのメインコンテンツと言っても差し支えない平成仮面ライダー関連の記事ですが、やたらめったらその時のパッションだけで書いたものが多いので、あまり体系化されていないんですよね・・・。まあブログなんて本来そういうものなんでしょうけど。 決定…

『平成ジェネFOREVER』2回目鑑賞の感想。ティードの目的、戦兎の先輩ぶり、時系列や物語構造について

なんだかんだ大晦日までブログを書いている。 先日、『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』の2回目鑑賞に行ってきました。1回目はテーマが持つあまりのエモーショナルな打撃にボコボコにされた感じがあったので、より細部を観察しつつ、ちょいと複…

【結果発表】 #ニチアサエピソード総選挙2018 投票数3,345票の頂点、今年最も印象に残った「仮面ライダー」「スーパー戦隊」のエピソードはこれだ!

2018年に放送された「仮面ライダー」「スーパー戦隊」のエピソードの中から、特に印象に残った回(盛り上がった回・好きな回・映像がすごかった回・人に薦めたい回など)にひとり5つ投票していただき、一年間を振り返る企画『ニチアサエピソード総選挙2018』…

最終回感想『SSSS.GRIDMAN』 ラストの実写パートと「作りもの」の世界が持つ意味

とにかく、感無量である。予想だにしていなかった最終回(12話)ラストの実写パートの意味を悟った瞬間、あまりの制作スタッフの「電光超人愛」に鳥肌が立ってしまった。あの実写パートが挟まってはじめて、『SSSS.GRIDMAN』は『電光超人グリッドマン』の系…

感想『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』 フィクションを愛してきた人に贈る、平成ライダー有終の美

今回は、過去類を見ないほどに事前情報が少なかった。どのような内容なのか、分かるようで分からない予告やあらすじばかりが並び、それが一体どう繋がるのか、物語が何を描こうとしているのか、輪郭がぼやけたままの鑑賞となった。 『平成仮面ライダー20作記…

【投票終了】 #ニチアサエピソード総選挙2018 開催!今年最も印象に残った「仮面ライダー」「スーパー戦隊」のエピソードはどれだ!?

2018年も年の瀬ですね。今年も年間を通して「仮面ライダー」と「スーパー戦隊」をずっと追いかけてきた訳ですが、何かこう、振り返り記事のようなものを書こうかと思い立ち・・・。しかし、書きたいことは割とその時その時で書いてきたんですよね。せっかく…

ラジオ番組「STEP ONE」に電話出演した感想、あるいは2018クリスマスに贈る特撮ヒーロー玩具について

先日の記事で告知したように、今回、J-WAVE さんにお声がけいただき、ラジオ番組「STEP ONE」に出させていただきました。こんな僻地に棲む田舎者が、まさか Tokyo のラジオに出演するだなんて・・・。おこがましい。いやァ、おこがましい。 この後9:35頃から…

『仮面ライダーファイズ』8話「夢の守り人」の密かな欠点

『仮面ライダーファイズ』は、私が一番好きな仮面ライダーである。 複雑な群像劇とスタイリッシュな戦闘、魅力的なキャラクターたちが織りなす種の生存争いは、当時中学生だった私をこの上なく夢中にさせた。Blu-ray BOXは言うまでもなく発売日に買ったし、…

『烈車戦隊トッキュウジャー』における乗り換え変身の「無意味さ」

『烈車戦隊トッキュウジャー』のことを考えると、以前勤めていた会社の40代の上司に、「なんで若者に比べて俺たちは毎日が早く感じるか分かるか?」と聞かれたのを思い出す。 「20代の君にとって、1年間は1/20だ。でも40代だと、1/40になる。そりゃ短く感じ…

ルパパト42話という秒単位で待望シーンが提供される至高の展開、あるいはダブルレッド構造の功罪について

『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』、本当に毎週面白いですね。これでもかと面白い。試しに自分のTwitterをさかのぼってみると、年間を通して同じような感想ばかり呟いている始末。 いやー、ルパパト面白いわ。毎週めちゃくちゃ楽しい。 …

感想『GODZILLA 星を喰う者』 ゴジラや怪獣を再解釈する「観念的怪獣映画」として秀逸

公開日から約2週間遅れで鑑賞。何かと賛否が割れるアニゴジでしたが、終わってみて率直に、自分は結構好きでしたね。 3部作を並べて俯瞰すると、このシリーズの「やりたいこと」がくっきり浮かび上がる感じもあって。それが顕著に示された完結編『星を喰う者…