ジゴワットレポート

映画とか、特撮とか、その時感じたこととか。思いは言葉に。

社会人オタクよ、ゴールデンボンバーの新曲『ガガガガガガガ』を聴いてくれ

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社会人でありながらオタクをやる、というのは、学生時代とはまた意味が変わってくる。

 

よく使われる物言いだが、学生は「お金は無いが時間がある」。新しくハマったジャンルの作品を片っ端から鑑賞したり、とにかく関連書籍を読み込んだり、そうやって内に籠って数を当たることができる。対する社会人は、「お金はあるが時間が無い」。何かと仕事や社会人としてのアレコレに忙殺されてしまうので、以前より数を拾うことができなくなるが、お金をかけた「大人買い」や「遠征」といったアクションが可能になる。

 

しかし一番の違いは、「周囲との折り合い」なのかもしれない。私はよくこれを「パブリックイメージとの差」と表現するが、哀しきかな、未だに「オタク」を素直に受け入れてくれない人は多い。

 

といっても、これは例の88年の事件当時と比較すると劇的に変化した認識だと思われるが、しかし未だに「オタクであることを隠している」もしくは「積極的にオープンにしていない」人は少なくないだろう。日々一緒に仕事をする同僚や上司にどこまで趣味嗜好をオープンにするかは、学生時代のそれとは違う判断が求められてしまう。

 

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私もアラサーでありながら日曜の朝に活躍するヒーローを毎週楽しみにしている人間だが、職場ではそれをオープンにしていない。よくネットではマッスル志向のオタクが「趣味ならオープンに当たっていけ!何も隠す必要はない!」と主張するが、私の場合は、恥ずかしいから隠しているというより、面倒だから隠している、という方が近い。

 

要は、未だに「オタク」であることを奇異の目で見てくる人は(体感調べで)少なくないので、あえてそのギャンブルに自ら飛び込む必要性は薄く、それとなく隠しておいた方が人間関係で無用の消耗をせずに済むからである。端的に言えば、処世術のそれだ。茶化すような質問攻めや要らぬ先入観を持たれるのが面倒なのだ。

 

・・・などと前置きが大変長くなったが、そんな社会人オタクにとって何かと感情を揺さぶってきそうなナンバーが、ゴールデンボンバーからリリースされた。『ガガガガガガガ』という曲である。

 

ガガガガガガガ

ガガガガガガガ

ガガガガガガガ

 

 

タイトルやジャケットで一目瞭然だが、これはNHKで先週から放送開始となったドラマ『トクサツガガガ』の主題歌。タイアップ曲である。意外にも、ゴールデンボンバーのドラマ主題歌書き下ろしはこれが初めてらしい。

 

www.barks.jp

 

サウンドは流石の天才・鬼龍院翔で、往年の戦隊ヒーロー主題歌っぽいティンパニーやいかついベースが鳴り響くケレン味たっぷりの仕上がり。戦隊好きとしてはコード進行が耳馴染みがありすぎて嬉しい。 

 

しかしそれ以上に素晴らしいのは、原作である『トクサツガガガ』を読み込んだ上で書かれたという歌詞。「オタクを隠して生活する主人公の心情」が、そのまま歌詞として表現されている。

 

トクサツガガガ(1) (ビッグコミックス)

トクサツガガガ(1) (ビッグコミックス)

 

 

「どうせ理解してもらえないから隠す」というオタクの哀しい生き様を歌いながら、「それでも好きなものは好きなんだよなぁ・・・」という偽れない本音を吐露していく、このリアルな感じ。全体的に女々しいというか、どこか言い訳じみた言い回しになっている辺りも、オタクの面倒っぷりをよく表現している。

 

まあとにかく実際に聴いて欲しいので、公式のYouTubeを貼ります。歌詞のクレジットもありますよ。

 


ゴールデンボンバー/ガガガガガガガ Full size

 

特に好きなのは、二番のサビの歌い出しの部分。

 

仕事で死にそうなほど疲れた時に、そんな自分を助けてくれたのは、誰にも理解されない趣味でした。家に帰って、録画した番組を観て少しだけ笑顔になったり、気分を切り替えて積んでいた本に手を伸ばしたり、ゲームにログインして気を休めたり、そうやって精神のバランスを取る社会人オタクって、少なくないと思うんです。その光景を切り取って、こうもメロディアスに歌われたら、思わずジーンときちゃうんですよね。

 

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PVはタイアップ先に合わせて戦隊ヒーローのショーという題材でまとめ上げてますけど、歌詞そのものはジャンルを特定することなく、「理解されない何かを隠して生活する社会人」という広い取り方をしている。だからこそ、戦隊ヒーローに興味がない人にも、聴いて欲しいと思うんです。

 

かくいう自分も、十数年前には「特撮好きで何が悪いんだ!」と思っていて時期がありましたけどね。いや、今でも別に「悪い」とは全く思っていないんですけど、何かと「生き辛い」と感じてしまうシチュエーションは少なくないので。

 

ただでさえ、仕事そのものだったり、職場の人間関係だったり、キャリアが云々だったり、色々と悩みの種が尽きない中で、たった数人の相手でも奇異の目で見られてそれで消耗するなんて、歓迎しない訳ですよ。結果論として「隠す」という行為に落ち着く訳ですけど、中々これがどうして、妙に偏屈に流れてしまう時もあって。

 

だからこそ、こうやってブログにリビドーを吐き出すような生活を送っているのかもしれません。

 

ゴールデンボンバーのボーカルだけどなんか質問ある?

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