『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』、本当に毎週面白いですね。これでもかと面白い。試しに自分のTwitterをさかのぼってみると、年間を通して同じような感想ばかり呟いている始末。
いやー、ルパパト面白いわ。毎週めちゃくちゃ楽しい。
— 結騎 了 (@slinky_dog_s11) March 11, 2018
は???????
— 結騎 了 (@slinky_dog_s11) March 18, 2018
ルパパト、面白すぎでは???????????
ルパパト、おもしれ〜!!
— 結騎 了 (@slinky_dog_s11) April 8, 2018
ルパパト面白いな〜〜〜〜〜〜
— 結騎 了 (@slinky_dog_s11) September 2, 2018
ルパパト、毎回「巧い〜〜〜〜」ってなるよね。
— 結騎 了 (@slinky_dog_s11) September 2, 2018
やっとルパパト観たけどクッソ面白いやんけ... なんでこんなに毎週面白いのってくらい面白い......
— 結騎 了 (@slinky_dog_s11) September 9, 2018
あーー、ルパパトおもしれぇええええ!!!
— 結騎 了 (@slinky_dog_s11) December 2, 2018
以前書いたように、夏の劇場版もすごく良かったんですよね。ルパンレッドとパトレン1号がギャングラー世界に放り込まれる物語の中で、両レッドの譲れない信念と矜持が交わり合い、果てに絶妙なタッグを生む。視聴者の「ルパパトのここが美味しい!ここが観たい!」という要望を丁寧にフォローする展開だらけで、制作陣と視聴者の信頼関係のようなものがグッと上昇する一編でした。
快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film コレクターズパック [Blu-ray]
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そんなルパパトもいよいよ年末を控えクライマックスに突入。先日放送された42話「決戦の時」では、相容れない快盗と警察が並び立ち、強敵・デストラを遂に撃破するドラマが描かれた。ダブルレッドの、互いに互いを敵として立ち回ってきたからこその信頼感。言葉を交わさない作戦の成立。ここぞという時にのみ合体するグッドクルカイザーVSXと、合計7名が協力して撃破する強力な幹部。いやあ、もう、感無量というか、「まさにこれが観たかった!」なストーリーでした。
ルパパト最大の特徴は、やはり戦隊がふたつあるということ。そして、その双方を司るレッドの存在。40話以上をかけて着々と、「ルパン三世と銭形」のような、「江戸川コナンと怪盗キッド」のような、「敵として認めつつ、しかし絶対に相容れない存在」という奇妙な信頼関係が積み重なってきている訳ですね。
「とにかく快盗は許さない!」と断固とした姿勢が印象強かった圭一郎も、その信念は曲げぬまま、場合によっては快盗を利用して呉越同舟で共闘するクレバーな判断に至るまで、ほどよい軟化を見せる。以前、つかさ(パトレン3号)が快盗との共同戦線を持ちかけた時はかなり反発していたものの、遂に自らそれを提案し出す始末。もちろん、彼は「快盗と協力しよう」などという直接的なフレーズは吐かない。警官としてのプライドを保ったまま、より市民に被害を与える存在を排除するために動く。
対する魁利も、最初は御邪魔キャラのように疎んでいた警察官への認識を、半年以上かけて軟化させてきた。彼(ら)の中にある絶対的な正義の信念と、他者を思いやる人間性、不器用ながら筋の通ったキャラクター。失ったはずの自らの兄にその姿を重ね合わせながら、悩みに悩みつつ、警察戦隊をまた別の意味で「利用」するに至る。快盗が警察を利用する展開は初期からあったが、その多くはまさに文字通り警察に面倒ごとを押し付けるニュアンスであった。しかし今回の「利用」は、そこに確かに「信頼」が根差していた。ここが熱い訳である。
何度も敵対してきたからこそ、手の内が読める。何度も主義主張を交差させてきたからこそ、「ここでアイツが倒れる訳がない」と確信できる。絶対に相容れないからこその、信頼関係。この構築を40話以上をかけて丁寧に描いてきたので、そりゃあもう、42話の展開はクリティカルヒット間違いなしなのだ。Bパートの録画を何度再生したことか・・・!
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いつも颯爽と美味しい所だけをかっさらっていくルパンレッドが、ルパンマグナムを連射する泥臭い正面突破を引き受け、警察官であるパトレン1号が、まさかのコレクション奪取を担当する。「両者の目的」が最大限ギリギリのところで合致した結果、双方とも、「どっちがどっちを担当してでも目的を遂げる」という答えに至る。
初期の頃なら、「俺が体を張るなんてタイプじゃないでしょ」とか、「例えどんな状況であろうと警察官が金庫を開けて中身を取り出すなどあり得ん!」とか、そういう台詞が飛び交っただろうことは容易に想像できる。しかし、ダブルレッドは言葉を交わさずに「目的」のために両者の役割をスイッチさせた。ここが本当に、痺れる展開であった。
「まだだ!」
「まだだ!」
「あいつは絶対諦めない!」
「絶対あいつは立ち上がる!」
「その体で無茶な真似を!俺が動かなければ、今頃お前はバラバラになっていたぞ!」
「そん時はそん時だ。でも、あんたなら意地でも金庫開けると思った。でしょ?」
「ずるい男だ・・・」
「それが俺の売りなんで」
・・・いやね、もうね、このやり取りの一言一句が・・・ せ、積年の・・・(※放送開始から一年も経っていません)・・・ 思い描いた・・・ 理想の応酬・・・ 全視聴者が待ち望んだ・・・ 「観たいシーン」を秒単位で全問正解しながら繰り出していく・・・ 至高の・・・ なんてこったい・・・ 己の視聴と予測に限界を感じ・・・ 悶えに悶え抜いた結果・・・ 私がたどり着いた結果(さき)は・・・ 「感謝」であった・・・・・・
などと満を持した展開に感動しつつも、ネットでは結構「本筋が動き出すのが遅いのでは?」という意見も見かけるのがルパパトである。確かに、この幹部撃破展開があと10話くらい前にあっても良かったかも、と思いつつ、しかしここまでじっくりと煮込んできたダブルレッドのキャラクターと関係性があってこそ活きた流れだったので、悩ましいところである。
温泉旅行回、ルパンマグナム回、強制帰宅回を経て、じっくりコトコトと煮込んできた人間模様。それが戦闘シーンで何らかの結実に至るから熱いのであって、この展開が前倒しで行われていたら果たしてここまでグッときただろうか。ルパパトのいわゆる「日常回」は、確かに話の縦筋は動かないのだけど、キャラクターの横筋の動きはしっかりと積み重ねてきた感があるので、個人的にはそこまで不満はない。
やはり、みんなが観たい「正体バレ」こそが物語のクライマックスだろうから、そこから逆算すると、横筋に注力するのは順当とも言える。
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閑話休題。ルパパトについてこのタイミングで感想を書くならば、不自然に避けるよりはむしろちゃんと触れておきたい、玩具展開について。スーパー戦隊というIPの玩具売上が落ちていることは明確に数字として開示されており、それにより番組内での玩具の扱いに変化があったことは、やはり熱心な視聴者なら特に、察してしまうところである。
バンダイナムコホールディングス<7832>は、本日(8月7日)、第1四半期(4~6月期)の連結決算を発表し、IP別の売上高を公開した。
(中略)
他方、スーパー戦隊はグループ全体では46.9%減の26億円、国内トイホビーでは51.7%減の14億円と大きく減らした。シリーズ史上初のダブル戦隊「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」を2月より放送している。
・バンナムHDのIP別売上高、ドラゴンボールが30%増の256億円と引き続き好調 ガンダムやライダー、プリキュアも伸長 スーパー戦隊とアイカツは不振 | Social Game Info
これが、ルパパトという番組自体に要因があるのか、放送時間変更の結果なのか、玩具の売り方そのものの問題なのか、他IPの躍進の煽りなのか、それは私のような素人があれこれ挙げてもしょうがないだろう。ただ純然たる結果として、数字が芳しくない。企業として何かしらの手を打ちたい。当然の運びである。
消防車のVSビークル「トリガーマシンスプラッシュ」。普通に考えればどう見ても快盗より警察に似合う車種であり、玩具公式サイトにも載っているように、「警察ブースト!」の音声が用意されている。続く「サイレンストライカー」も、警察のシンボルマークであるSの文字が車体にデザインされており、音声も「グレイトパトライズ!」と「超・警察チェンジ!」だ。
ノエルことルパンエックスが金色のアーマーを装着するのも、その胸に躍るSの刻印を考えれば不自然としか言いようがない(せめてまだこれがパトレンエックスなら・・・)。スーパールパンレッドの両肩のダイヤルをブルーとイエローが回すのならば、スーパールパンエックスの両肩の持ち手は、戦隊シリーズお馴染みの肩に手をやるバズーカー図式で2号と3号が担うものと、想像に難くない。
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数字が芳しくないことを受け、玩具展開をルパン側に一極集中させる。「君はどっちを応援する?」というダブルレッド構造が、本来ひとつのまま年間を通して変遷する玩具の需要を目減りする形で二分してしまったのかもしれない。ふたりのレッドがもたらす物語的な旨味は、数字には繋がらなかったと見るべきか。
まあ、玩具展開が絡む特撮ヒーロー番組において、番組内容が当初のそれと異なっていくのは、哀しきかな「よくある」ことである。仮面ライダーも、ウルトラマンも、スーパー戦隊も、あえて作品名は挙げないが、私も幼少期から何度か「それ」に遭遇してきた。もちろん、公式側から明確に「不振です!手を入れます!」なんてリリースが発せられることはなく、それは、誰もが口に出さないまま、暗黙の了解のようにするりと進行していくものだ。
そんな「暗黙」を今年もまた感じ取ったもので、ルパパトを心の底から楽しみながらも、やはりその片隅に言い知れぬモヤッとしたものを抱えていたここ数ヶ月。毎週の展開に「おお!面白い!」と声を上げながら、次々と武装が増えていくルパンレンジャーを真顔で眺め、ほぼ初期装備のまま奮闘するパトレンジャーに真顔でエールを送り、それでもルパパトの物語の「良さ」を自分なりに楽しんできた。
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というごく個人的な感情のバランスからの、迎えた42話。爆炎の向こうに並び立つ、スーパールパンレッドとルパンレンジャー、そして、スーパールパンエックスとパトレンU号。「快盗も!警察も!ギャングラーには屈しない!」という魂のこもった雄叫び。
私ごときの面倒臭いオタクが心に飼っていたモヤモヤを一蹴するかのような熱さに、なんだかちょっと恥ずかしさを覚えるほどであった。そりゃあね、確かに、明らかに、事情を察するところではあるけれど。でも、「史上初のVS戦隊」が幕開けた時に抱いた期待値は、十二分に満たすどころか、しっかりと超えた上でこちらを気持ちよく殴ってくれる。そんな展開が、無事に放映された。私はそれを観た。幸せだな、と。
・・・物語の感想を書きながら、どんどん一介のオタクの独白になってしまって恐縮だが、これが今の私のルパパトに対する素直な感情である。お目汚し、失礼いたしました。
さてさて。前述のような、皆が待ち望む「正体バレ」。そして、ノエルの行動の真意、ルパン家の謎、帰還する元パトレン2号、ギャングラーとの決着。ルパパトにはこの後、否が応でも盛り上がる展開がいくつも用意されている。そのひとつひとつをじっくりと噛みしめながら、正義のアウトローと絶対のヒーローの活躍を、引き続き応援したい。
ちなみに映像ソフトは過去最高の売上とのことで、まあ、色んな意味で納得感がありますよね。
9月に発売された「Blu-ray COLLECTION1」 は、戦隊シリーズのブルーレイコレクション史上最高の初回出荷数を記録したそうです。誠に有難うございます。何卒、「2」 も「en film」も宜しくお願い致します。
快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー Blu-ray COLLECTION 1
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快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー Blu-ray COLLECTION 2
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