ジゴワットレポート

映画とか、特撮とか、その時感じたこととか。思いは言葉に。

きっとブレイク前夜だと信じてるよChevon

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何処かの貴方もぜひこの熱に触れて欲しい、という一心でこれを書いている。

 

 

半年以上の前だろうか。きっかけはYouTube。本当にたまたま。「Chevon」と書いて「シェボン」と読む、北海道札幌発のスリーピースバンドと出会った。

 

なにより変幻自在でフックのある歌声に一発で惚れ込んでしまい、貪るように楽曲を掘りまくった。時に乾いた、時に重厚なサウンド。殴ったかと思えば撫でて、持ち上げたかと思えば突き落として。センチなメロディからエグいリフまで、良い意味で「表情に一貫性が無い」音楽性。楽曲によってガラリと世界観が変わる(しかし魂が同じ顔をしている)リリックにも中毒性がある。なんてこったい、こんなバンドがあったなんて。

 

それから、過去曲だけに飽き足らず、ほぼ毎月のようにリリースされる新曲を必ず聴いている。供給量とペースがすごい。

 

アッパーかつキュートに始まり勢いのまま駆け抜けていく、ライブで飛び散る汗までを幻視するアップチューン、『革命的ステップの夜』。

 

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丁寧に諦念を、しかしそれでも回っていく世界を歌い上げるアンニュイさが魅力の『No.4』。

 

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切れ味のある言葉遊びでソリッド&パンクに畳みかける自身決定打であろうロックナンバー、『クローン』。

 

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「なにがあったか」ではなく「どう生きていくか」にフォーカスする、後ろ向きでも前向きに、聴けば聴くほど染みるバラード(あえてバラードと言いたい)、『セメテモノダンス』。

 

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この6月に結成2周年を迎え、ほぼ同時にYouTubeの登録者数が2万人を超えた。さっき確認したらもう2.2万人だった。ペースが上がってきている……!そしてこの度の新曲『Banquet』の再生回数は約2週間で13万回。き、きている。きているぞ。くるのか!? くるのかChevonよ!!

 

 

Chevonの楽曲の魅力は何か。私なりに語るならば、それは楽曲ごとに「やりたい」「伝えたい」がハッキリしていること。

 

特定のジャンルに縛られることもなく、何かに影響を受けているような影もなく。いや、むしろ様々なものに影響を受けているからこそ、その時その時の彼らの魂からひねり出されたものが “たまたま” 新曲になっているような、そんな印象を受ける。バチバチのロックも、優雅なクラシックも、横に揺れるブルースも、縦に揺れるラップも。Chevonというボウルの中にごちゃ混ぜになったそれらが、今回は何色のポーシュに詰め込まれるのか。それが毎回楽しみでならない。清も濁も、着飾ることも取り繕うこともせず、その時の刹那の「伝えたい」に全振りしてみようじゃないか。ジャンルなんて後からついてくるものだと、そんな声が聞こえるような気もする。

 

……といった印象を抱いていたので、新曲の『Banquet』には思いっきり殴られるような衝撃を受けた。すごい。やばい。キレッキレ。結成2周年を記念した、これが最新で最強のアンセムだ。

 

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元々「Chevon」とは「ヤギ肉」を指す単語で、この「Banquet」は「晩餐会」の意味。もうこの時点でいい。痺れる。そして楽曲の足取りの重量にガツンとやられ、トドメは歌詞。これがすごい。今回の「やりたい」「伝えたい」は明白だ。自分たちのこと。Chevonが、誰よりも力強くChevonの所信表明を歌っている。しかも個人的にその内容があまりに解釈一致で飛び上がるほど嬉しかった。

 

いくつか、歌詞を引用する。

 

他じゃ味わえないこの品と感(センス)
一度喰らっちまったらendless
現在進行形の中毒性
常に変化を続ける一等星

 

韻を踏む、ライミングが多用される歌詞がChevonの強みだが、その技は『Banquet』でもキレッキレ。歌い出しの「品とセンス」「endless」や「中毒性」「一等星」でガツガツに踏んでいくところでまずもう耳にぬるっと入ってきてやばい。そう、他じゃ味わえないからこそエンドレスで中毒性なんですよ。そう、そうなんですよ……!

 

我等「君の分身だ」とか言って
自分自身も何か分かっちゃ無いな
肥大した自尊心並びに 酷い膿の様な劣等に、葛藤

 

善悪美醜綺麗も汚いも
余すこと無くこの身削って一生を賭けたフルコース

 

さあ、ご賞味あれ
我が命枯れるその時まで終わること無き晩餐会

 

時にファンの人生に寄り添う世界観をも打ち出す彼らが、「君の分身だ」と言いつつ「自分自身も何か分かっちゃ無い」と卑下する。このバンド活動が「肥大した自尊心」の結果だとしても、それは間違いなく「この身削って一生を賭けたフルコース」で。「さあ、ご賞味あれ 我が命枯れるその時まで終わること無き晩餐会」!??? 完璧か!??? この勢いでサビに行くのマジ!??? ふおおおおお!!!!!!

 

Banquet 喰らい尽くしてくれ
伝い流れる血の一滴まで飲み干して、欲して
Banquet 歌い明かしてくれ
最期を告げる一時まで、毎夜続く山羊の宴さ
君だけのBanquet

 

サビ頭を楽曲タイトルで殴り抜け、「喰らい尽くして」「飲み干して」「欲して」とファンを煽りまくる。「干して」と「欲して」でライミングするこの気持ちよさよ。そして音がスッと落ちた時のボーカル・谷絹さんのイケボな「君だけのBanquet」が心臓を掴む。た、た、たまんねぇぇぇ~~~~~~!!!!!!!!!

 

その後の歌詞も、「描きたいのは私の脳内の往来の奇ッ怪な愛」とか、「この憂いが叫びが君の血肉に成れば 万々歳」とか、「廃り流行りなんて通り越してしまえ 手を取って 挙って 踊って」とか、徹頭徹尾、このバンドがこれまでやってきたことと、これからやっていくことが綴られている。ダークにハイテンションに、新鮮さもノスタルジックも節操なくぶち込んだサウンドで、Chevonそれ自体を叩きつける。なんて、なんて気持ちがいいんだ。

 

Banquet

Banquet

Banquet

  • Chevon
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

ぜひ、何処かの貴方もこの熱に触れて欲しい。ほら、YouTubeで聴いてみて!耳に!耳に残るというより!耳に棲む感じあるから!ぬるっと棲み始めるから!!

 

ご馳走様にはまだ早いぜ!いつかどうにかこうにかしてライブに行きたいぞ!!

 

クローン

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Banquet

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プノペタリラ

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