ジゴワットレポート

映画とか、特撮とか、その時感じたこととか。思いは言葉に。

「家で観る」ために。Amazonプライムビデオの面白い映画を50集めました

こんな未曾有のコロナ禍において、場末のブロガーにできることなんて、そうそう無い訳である。

 

とはいえ、一応ここは「映画ブログ」の仮面を被っていて、はてなブログからもお題「#おうち時間」が奨励されているタイミングなので、シンプルに「この映画がオススメです!」をやってみようかと。

 

調べてみると(2019年1月の調査なのだけど)、日本におけるAmazonプライムビデオの加入者数は509万人。次いで、Netflixが171万人とのこと。改めて数字で見ると、ここまで開きがあるとは・・・。なので、「Amazonプライムビデオで配信中の映画」からピックアップするのが良いだろう、という結論に。

 

「オススメの映画はこれ!」なんてブログ記事、今更感が強いけれど、どこかのだれかの Stay Home の一助になれば。そんなこんなで、選んだ映画は合計で50作。(※2020年4月28時点でプライム配信を確認できたものに限ります)

 

それでは、簡単な感想も併せて、一気にいきましょう。

 

 

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ゴーストバスターズ

ゴーストバスターズ (吹替版)

ゴーストバスターズ (吹替版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

まずは色んな意味で「間違いない」やつ。やややケッタイな。こういう、シンプルに楽しめて笑顔になるというか、エンターテインメントのお手本のような作品、定期的に観たくなるんですよね。コーラ飲んでポップコーン食べながら観ましょう。

 

ジュマンジ

ジュマンジ (吹替版)

ジュマンジ (吹替版)

  • メディア: Prime Video
 

これも同様に、お手本のような楽しさ。近年のリブート2作も大好きだけど、やはり原典は偉大。パニック系コメディーでありながら、「父と息子」の物語としても非常に収まりが良い。SFXとVFXのバランスがこの時代ならではで、世代的に「テレビでやってるめっちゃ面白い洋画」の枠。

 

ジュラシック・ワールド

ジュラシック・ワールド (吹替版)

ジュラシック・ワールド (吹替版)

  • 発売日: 2016/02/10
  • メディア: Prime Video
 

リブート版?続編?の一作目。クリス・プラット演じる主役がとにかく良い。元の『ジュラシック・パーク』はその映像表現が伝説的だけど、この『ワールド』はその変遷にとても自覚的で、作中でわざわざ「イマドキ恐竜が動いてるだけじゃ誰も驚かない」とか言わせちゃう。そして、そうして自分で上げたハードルをしっかり超えてくる。この安定感よ。

 

ジョン・ウィック

ジョン・ウィック(吹替版)

ジョン・ウィック(吹替版)

  • 発売日: 2016/02/10
  • メディア: Prime Video
 

このブログでも幾度となくオススメしているやつ。こういうスカッとしたアクション映画も、定期的に摂取したくなる。キアヌがとにかく体当たりで演じていて、所作の全てに「歴戦のプロ」感がすごい。彼はなぜ戦い続けるのか。本当は何に復讐したがっているのか。多くを語らない物語も程よい。アマプラでは続編もプライム配信中。

 

ミュータント・タートルズ

ミュータント・タートルズ (吹替版)

ミュータント・タートルズ (吹替版)

  • 発売日: 2015/05/13
  • メディア: Prime Video
 

マイケル・ベイ製作総指揮なのに、こんなにアクションが整理されていて観やすいなんて・・・!(失礼) 細かいツッコミは、まあいっぱいあるんですけど、作品のカラッとしたトーンで全部割とどうでもよくなってくるんですよね。あと、 ミーガン・フォックスの「イイ女」っぷりがすごい。マイケル・ベイと和解したのか!?

 

ナイト&デイ

ナイト&デイ (吹替版)

ナイト&デイ (吹替版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

安定安心、俺たちのトム・クルーズのアクション映画。この作品で好きなのは、トムをアクション熱の高い一種の狂人としてかなり自覚的にキャラ付けしているところ。こんなに浮世離れしたキャラクターなのに、トムだからこそ説得力が出る。ずるい。

 

コードネームU.N.C.L.E.

コードネームU.N.C.L.E.(吹替版)

コードネームU.N.C.L.E.(吹替版)

  • 発売日: 2016/01/20
  • メディア: Prime Video
 

ガイ・リッチー監督のスパイアクション映画。「スマートで!かっこいい!スパイ映画!」というシンプルイズベストな三拍子。面白ガジェットが飛び出す路線というより、古き良きスタイルに重きを置いている。ラストのメイン2人の「探り合い」シーンがとにかく好き。

 

亜人

亜人

亜人

  • 発売日: 2018/03/04
  • メディア: Prime Video
 

佐藤健主演の漫画原作のアクション映画。邦画におけるアクションの水準は近年物凄い勢いで上がっているけれど、その波に確かにカウントしておきたい一作。佐藤健特有の、あの・・・ なんて言うんですかね、かっこいいけど絶妙に死んでる冷たい目線。あれがめちゃくちゃ効いている。中盤の綾野剛の一騎当千っぷりも好き。

 

いぬやしき

いぬやしき

いぬやしき

  • 発売日: 2018/11/02
  • メディア: Prime Video
 

こっちも佐藤健出てます。「冷たい目線」でいくとこっちの方がマッチ度は上かも。いわゆる和製アイアンマン的なシーンが見せ場で、なるほど邦画でこのレベルが観られるのか、と。原作特有の物悲しさやナンセンスギャグをしっかり映像化していて、真摯。

 

ナショナル・トレジャー

ナショナル・トレジャー  (吹替版)

ナショナル・トレジャー (吹替版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

みんな大好き「昔金曜ロードショーで観たやつ!」系映画。鉄板。「ほー、いいじゃないか。こういうのでいいんだよ、こういうので」。大塚明夫さんの吹替も最高。

 

デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム

デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム

デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム

  • 発売日: 2015/09/30
  • メディア: Prime Video
 

Amazonプライムビデオ、実は結構デジモン系が手厚い。今更オススメしなくても同世代の人はほぼ全員観ているだろうけど、それでも定期的に推していきたい。細田守監督の演出もキレキレだし、脱力感と緊迫感のバランスも良い。所要時間もコンパクト。

 

映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん

藤原さんが亡くなられたこのタイミングで観ると、より一層キツいものがあるかもだけど・・・。ギャグテイストに味付けされているけれど、「人造人間の自我」的なテーマに割と踏み込んでいる。中盤のみさえが駆け寄るシーンとか、当時映画館で観てスクリーンを直視できなかった。クライマックスのナンセンス大爆発な異次元決戦もクレしんならでは。

 

ゲゲゲの鬼太郎 大海獣

ゲゲゲの鬼太郎 大海獣

ゲゲゲの鬼太郎 大海獣

  • 発売日: 2015/09/21
  • メディア: Prime Video
 

鬼太郎映画でも飛び抜けて好きな一作。鬼太郎が大怪獣ならぬ大海獣に変容してしまうお話。文字通りの巨体が海から街に迫り来る一連のシーンは、まさに怪獣特撮映画。ビル群の俯瞰視点や、窓ガラスの向こうの巨体。ミニチュアと合成を想起させるアニメーション演出が怒涛の勢いで出てくる。

 

ドラゴンボール超 ブロリー

ドラゴンボール超 ブロリー

ドラゴンボール超 ブロリー

  • 発売日: 2019/06/05
  • メディア: Prime Video
 

シンプルに、アニメーションが素晴らしい。祭囃子のような攻め攻めの劇伴と共に、どこまでもグリグリと動く。ドラゴンボール特有の、「地に足がつかないアクション」が楽しく、空中でぎゅんぎゅんと動き回る超人たちのバトルが繰り広げられる。ストーリーが本来骨太なのにバトル一直線になるのが流石。

 

テッド

テッド (吹替版)

テッド (吹替版)

  • 発売日: 2016/01/11
  • メディア: Prime Video
 

お馴染みのナンセンスコメディ映画。改めて観ると、演出の文法はモノクマのそれだなあ、と。当時は結構批判も多かったと記憶しているけれど、自分は有吉さんの吹替が割と好きでして。アマプラでは2も配信中なので、そちらも併せてどうぞ。

 

帝一の國

帝一の國

帝一の國

  • 発売日: 2017/11/29
  • メディア: Prime Video
 

シンプルに傑作だと思っている。原作漫画が持っているあの独特のケレン味を、こうも映像に昇華してしまうとは。旬のイケメンがこれでもかと出てくるのも楽しいし、コメディのテンポも、そこに滲む血と汗も良い。ラストの「一言」とエンディングへの入りが最高。何度観ても鳥肌。

 

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密

暗号解読がメインのお話しだけど、特筆すべきは、この映画こそがまさに「暗号」として機能している点。ストーリーの点と点が、ある時、副題にもある「天才数学者の秘密」でバシッと繋がっていく。この爽快感。「あ!嗚呼・・・!」という心地よいショックは必見。

 

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グランド・イリュージョン

グランド・イリュージョン (吹替版)

グランド・イリュージョン (吹替版)

  • 発売日: 2014/03/20
  • メディア: Prime Video
 

「どこまで本当に可能なのか?」というツッコミはともかく、堂々たる演出とアプローチが良い。こういう、アンダーグラウンドなプロ集団がキャッキャウフフする映画、定期的に観たいじゃないですか。劇場効果狙いというか、「演出をする者たち」の面白さがしっかり滲み出ていて、ワクワクする。

 

フライト・ゲーム

フライト・ゲーム(字幕版)

フライト・ゲーム(字幕版)

  • 発売日: 2015/04/02
  • メディア: Prime Video
 

「二―アム・リーソン主演のサスペンスアクション映画」といえば、最早、そういうジャンルとして一種確立されている。本作は、まさに典型的なそれ。誰を疑うべきか。何が真実なのか。終わりのない極限状態と、飛行機が舞台だからこそのクライマックスのアクション。観たいものが観られる幸せ。

 

ユージュアル・サスペクツ

いわゆる「騙しの映画」として一級品。小説でいうところの「新本格ミステリ」が好きな人には強くオススメしたい。四の五の語るより、はよ観てくれ、というやつ。二度目も漏れなく楽しい。

 

LOOPER

LOOPER/ルーパー (字幕版)

LOOPER/ルーパー (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

後半少し失速する印象もあるけれど、設定が抜群に良い。こういうSFはやっぱり楽しいんですよ。「未来からタイムマシンで送られてきた者を始末する暗殺者」の目の前に、「未来の自分」が送られてくる。この導入ですでに「勝ち」。

 

In Time

In Time (字幕版)

In Time (字幕版)

  • メディア: Prime Video
 

これも濃い目のSF。時間が通貨として利用されている設定で、何をするにも、時間を切り売りしなくちゃならない。設定や美術が結構作り込まれていて、「なるほど~ 時間を売り買いするとはこういうことか~」という気づきが連発。SFは、要は「俺設定お披露目大会」が肝なのだ。

 

天使と悪魔

天使と悪魔 (吹替版)

天使と悪魔 (吹替版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

ベストセラー『ダ・ヴィンチ・コード』の映画化、の、続編。とはいえ、原作小説的にはこちらの方が前日譚だったり。「終始画面が暗い!ずっと喋ってるだけ!」的な批判が相次いだ『ダ・ヴィンチ~』から明確に改善されており、舞台となるバチカンの観光映画としてもポイントが高い。ただ、原作クライマックスのあの最高に馬鹿馬鹿しいシークエンスは実写で観たかったかも。

 

オールド・ボーイ

オールド・ボーイ(字幕版)

オールド・ボーイ(字幕版)

  • 発売日: 2017/06/23
  • メディア: Prime Video
 

あえてのこっち、韓国版よりハリウッド版を推したい。原作漫画の『オールドボーイ』は、こう言っては何だけど、「めちゃくちゃ盛り上げるけどラストが少し肩透かし」な印象が強い。その点、このハリウッド版は、敵の復讐の方法やその明かし方、ラストの主人公の選択に至るまでに、かなり劇的なシナリオと演出が用意されていて、好感が持てる。

 

ナイトクローラー

ナイトクローラー(吹替版)

ナイトクローラー(吹替版)

  • 発売日: 2016/02/19
  • メディア: Prime Video
 

これぞゲス!!最高のゲス!!スクープ専門のパパラッチという社会的な正義が問われる職業。そこに身を堕としていく主人公のギラギラとした生き様。『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』でも存在感抜群だったジェイク・ギレンホールが、その爬虫類寄りな眼力をこれでもかと発揮。いっそホラーというか。

 

鑑定士と顔のない依頼人

鑑定士と顔のない依頼人(字幕版)

鑑定士と顔のない依頼人(字幕版)

  • 発売日: 2014/11/02
  • メディア: Prime Video
 

これも「騙しのミステリ」の部類。あまり解説しすぎると全てがネタバレになってしまうのだけど、ラストの展開は相当に「喰らう」。絵を鑑定する物語にあわせてか、美術のクオリティも高く、見惚れるカットも多い。

 

LIAR GAME REBORN -再生-

LIAR GAME REBORN -再生-

LIAR GAME REBORN -再生-

  • 発売日: 2014/07/09
  • メディア: Prime Video
 

ドラマ版『ライアーゲーム』の続編でありリブートなので、前作を観ていなくても大きな問題はない。原作でも長い期間をかけて連載された「椅子取りゲーム」を一本の映画にまとめている。体力が必要とされる椅子の取り合いに、どう頭脳でアプローチするのか。邦画らしい大仰な演出も多いが、気軽に楽しめる一作。

 

白ゆき姫殺人事件

白ゆき姫殺人事件

白ゆき姫殺人事件

  • 発売日: 2014/09/03
  • メディア: Prime Video
 

もはやSNSは社会に無くてはならないものになりつつあるが、そういったツールやメディアの怖さを取り上げた作品。これもミステリと言って良いのかな。加えて、人の記憶や主観による感想というのは、こんなにも不安定なものなのかと、少し背筋が凍る感じも。井上真央の「ダサい」演技が一級品。

 

容疑者Xの献身

容疑者Xの献身

容疑者Xの献身

  • 発売日: 2014/02/19
  • メディア: Prime Video
 

まあ、これも観ている人が多いですよね。ドラマ『ガリレオ』とは全く毛色が違うけども、ミステリとしてかなりギリギリの線を狙った作品。原作小説は、いわゆる「ノックスの十戒」を守っていないのでは、と当時話題になった。雪山のシーンは、まあ、無くても良いかな。

 

真夏の方程式

真夏の方程式

真夏の方程式

  • 発売日: 2014/02/19
  • メディア: Prime Video
 

ガリレオ映画としては、『容疑者~』よりこちらの方が好み。ロケーションも手伝った、ひと夏の物語としての「閉じた」構造。そして、東野圭吾の十八番である、「人間の業と愛憎が絡み合った悲劇」。福山雅治演じる湯川のリアリストな立ち居振る舞いが、全容の見えない悲劇に「理」を加えていく。キャスト陣がまたすごく良いんですよ。

 

カラスの親指 by rule of CROW's thumb

カラスの親指 by rule of CROW's thumb

カラスの親指 by rule of CROW's thumb

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

これも同じく「騙しのミステリ」ですね。最後にスカッとする部類。話の全容がギリギリまで見えるようで見えないので、少し根気が要るかもしれない。石原さとみがすっごくだらしない女の役をしてるんだけど、こういうのもしっかりモノに出来るから強いよなあ。

 

鍵泥棒のメソッド

鍵泥棒のメソッド

鍵泥棒のメソッド

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

堺雅人と香川照之といえば、『半沢直樹』よりこっちなんですよね、自分としては。ざわざわからのスッキリ、騙される作劇。内田けんじ監督お得意のパターンなので、これが気に入った人には、大泉洋&佐々木蔵之介の『アフタースクール』もオススメ。

 

紙の月

紙の月

紙の月

  • 発売日: 2015/06/02
  • メディア: Prime Video
 

宮沢りえという女優は、どうしても私の世代的には「一昔前にすごかった人」なのだけど、そういう自分の中の思い込みが更新された一作。この妖艶で病的な感じ。思わず目を奪われる儚さ。事態がどんどん悪い方向に転んでいく、あの勢いもすごい。監督は、『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八。

 

シン・ゴジラ

シン・ゴジラ

シン・ゴジラ

  • 発売日: 2017/03/22
  • メディア: Prime Video
 

今更もう説明不要の面白さ。日本国ならではの「面倒臭さ」が丁寧に描かれており、特に前半における非常時の四苦八苦が観ていて面白い。特撮面でも、フルCGで描かれたゴジラの実在感がとにかく素晴らしい。予告時点で「絶対にギニョールだ!」と信じて疑わなかったカットもあったのに・・・。

 

ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦

戦隊映画で一本選ぶとしたら、まさにこれ。シンプルに「100点の映画」ってこういうのを指すのだろうか。懐かしい戦隊も沢山出てくる(というか総登場)なので、学校も全国的にお休みなっている今の時期、ぜひ親子で観て欲しい作品。

 

仮面ライダーZO

仮面ライダーZO

仮面ライダーZO

  • 発売日: 2014/04/23
  • メディア: Prime Video
 

近年のライダー映画はどうしてもテレビシリーズ等の事前・予備知識が必須になりがちなので、ここはあえての『ZO』をオススメしたい。もちろん、単体で完結します。後に『牙狼』を大ヒットさせる雨宮慶太監督作品で、48分とは思えない濃密さ。終盤の長回しも伝説的だけど、序盤の「市街地に降り立つドラス」のシーンがたまらなく好き。

 

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パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト

パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト(字幕版)

パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト(字幕版)

  • 発売日: 2016/02/04
  • メディア: Prime Video
 

実在した超天才ヴァイオリニストであるパガニーニを、現役のプロヴァイオリニストのデイヴィッド・ギャレットが演じる。個人的には、同じ音楽映画の『アマデウス』へのアンサーを感じる作品。ロックスターのように黄色い声に囲まれるヴァイオリニストのシーンにニヤニヤ。一種のダークヒーロー物というか、そういう「堕ち」の描き方も好き。

 

トゥルーマン・ショー

トゥルーマン・ショー (字幕版)

トゥルーマン・ショー (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

傑作。「自分の人生が壮大な作り物だったら」という壮大な社会実験はあまりにも有名。作中におけるキャストやスタッフの奮闘がいちいち面白い上に、やはりジム・キャリー演じる主人公・トゥルーマンのキャラクターが素晴らしい。将来子供に観せたい映画。 

 

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(字幕版)

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(字幕版)

  • 発売日: 2018/01/24
  • メディア: Prime Video
 

マクドナルドはいかに「完成」したのか。その史実を元に、骨太なヒューマンドラマに仕上げた一作。マクドナルドが大好きな自分だけど、その真骨頂は神経質なまでに効率化されたシステムにあると思っている。あの厨房のマニュアル然とした動き。美しい・・・。本作は、そんな徹底的な合理主義こそがテーマになっていて、実にマクドナルド的な魅力に満ちている。

 

ウルフ・オブ・ウォールストリート

ウルフ・オブ・ウォールストリート(吹替版)

ウルフ・オブ・ウォールストリート(吹替版)

  • 発売日: 2017/07/07
  • メディア: Prime Video
 

半ば人生の相棒化していて、特に仕事で悩んだ時に観ることが多い。マッサージや温泉に行くんじゃなくて、栄養ドリンクを飲む感じですね。「観る栄養ドリンク」。やってることはもちろんダメゼッタイなのだけど、仕事にかける熱意や情熱、圧倒的な強欲っぷりは、摂取に値する。

 

バクマン。

バクマン。

バクマン。

  • 発売日: 2016/04/06
  • メディア: Prime Video
 

原作漫画のどこをピックアップし、どこをオミットするか。そういう「漫画の映像翻訳」作業において、本作は、ひとつのモデルケースと言っても良いかもしれない。同原作には非常に独特な価値観や思考が存在するのだけど、それを割と徹底的に撤廃し、「爽やかだけど泥臭いスポ根」テイストに寄せている。

 

何者

何者

何者

  • 発売日: 2017/05/10
  • メディア: Prime Video
 

題材としては「就活映画」なのだけど、本質は、人間誰もが持つパーソナルな問題。「自分は特別だ」という根拠のない思い込みから、いつ、どのようにして、降りるのか。旬な役者がこぞって参戦しているので、その演技バトルも楽しい。ティーンに観て欲しい一作。

 

アヒルと鴨のコインロッカー

アヒルと鴨のコインロッカー

アヒルと鴨のコインロッカー

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

伊坂幸太郎原作の「騙し」系。仙台が舞台の物語で、そのロケは実際に宮城で行われたとのこと。原作小説を先に読んでいると「映像化は無理でしょ!」と言いたくなるのだが、これがどうして、巧妙に成功させている。瑛太のキャスティングが神業級。

 

県庁の星

県庁の星

県庁の星

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

こういう「お仕事映画」、好きなんですよ。現場で働く人間だからこその肌感覚と、お役所ならではの理屈と効率化と積み上げるセンス。それぞれが上手く交錯した時に、どう化学反応を起こすか。オチがちょっとビターなのもあわせて、色々と考えさせられる。

 

青天の霹靂

青天の霹靂

青天の霹靂

  • 発売日: 2014/12/10
  • メディア: Prime Video
 

劇団ひとりって、才能の塊に見えますよね。全てにおいて「巧い」。テレビで披露する馬鹿っぽい言動も、そのベースに知的な計算が見え隠れする。そして、それが鼻につかない。ここがすごい。『青天の霹靂』は、そんな劇団ひとりのスキルやスタンスというものが、そっくりそのまま映像にまとまっている。そんな一作。

 

空飛ぶタイヤ

空飛ぶタイヤ

空飛ぶタイヤ

  • 発売日: 2019/07/31
  • メディア: Prime Video
 

みんな大好き池井戸潤原作。 長瀬智也、ディーン・フジオカ、高橋一生という面々が中心ということもあり、とにかく絵が良い。脂汗、イケメン、塩系。ストーリーは池井戸潤らしさが爆発しているパターンで、企業による大きな陰謀に迫っていく系統。主題歌がサザンなのもあわせて、40代や50代に向けた「お仕事映画」に仕上がっている。

 

SCOOP!

SCOOP!

SCOOP!

  • 発売日: 2017/03/29
  • メディア: Prime Video
 

大根仁監督が愛して止まないテレビ映画『盗写 1/250秒』を、積年の想いでリブート。福山雅治があのいつもの感じでゲスいパパラッチを演じるのだけど、これがまた、笑ってしまうくらいにハマっている。吉田羊の吉田羊っぷりもとても良い。リリー・フランキーの怪演もあわせて、良い意味での「邦画らしい」一本。

 

ラ・ラ・ランド

ラ・ラ・ランド(字幕版)

ラ・ラ・ランド(字幕版)

  • 発売日: 2017/08/02
  • メディア: Prime Video
 

今更説明不要だけど、やはりミュージカル映画は良い。軽快な音楽に合わせて歌って踊るというのは、有無を言わせない「楽しさ」がある。この映画はオチがとにかく最高なんですよね。愛を誓い合ったふたりがどういうゴールに辿り着くのか、それをどう切り取るのか。ラストの後味が程よい。

 

ぼくは明日、昨日のきみとデートする

ぼくは明日、昨日のきみとデートする

ぼくは明日、昨日のきみとデートする

  • 発売日: 2017/06/14
  • メディア: Prime Video
 

映画館でたまたま時間が合って観たら、予想外に良すぎて泣いてしまったやつ。ラブロマンスとSFがじっくりと融合していて、SFで組まれた作品の大枠が見えていくほどに、ラブロマンスの方が旨味を出していくという、構成のバランスがお見事。光の加減を淡く切り取った映像も印象的で、小松奈々の透明度が三割増し。

 

イニシエーション・ラブ

イニシエーション・ラブ

イニシエーション・ラブ

  • 発売日: 2015/11/02
  • メディア: Prime Video
 

元々原作小説のファンなのだけど、実写化を知って、「これは流石に無理でしょ」と声を上げた。結果、無理ではなかった。まさかこんな回答を持ってくるとは。ラストのネタバラシシーンのくどさも併せて、原作小説を100点満点で映像化している。前田敦子というキャスティングが色んな意味で絶妙なのだけど、個人的には「木村文乃の都会のイイ女感」にやられた。

 

※※※

 

以上、50作。緊急事態宣言も予想通り延長の運びとなり、まだまだ「家で過ごす」期間は長引きそうですが・・・。友人知人とも容易に語らえない今、やはりエンタメを能動的に摂取していくしかないのかな、と。

 

Amazonプライムビデオは、初回30日間無料です。

 

www.jigowatt121.com

 

「観る」より「読む」派の方は、こちらをどうぞ。

 

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  • 発売日: 2020/04/18
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リークされたボツ草案『スター・ウォーズ EP9 運命の戦い』があまりにも「観たかったもの」すぎて嗚咽

EP9こと『スカイウォーカーの夜明け』が個人的に残念極まりない作品だったことは、公開当時に書いた感想記事が全てである。

 

www.jigowatt121.com

 

ネットでは「EP8の惨状から無難にまとめてくれて有難かった」という意見を多く目にする。私としては、それがそっくりそのままマイナスの要因だ。仮にもスター・ウォーズなのだ。EP8が世界的に不評だったことよりも、「スター・ウォーズという大作が『無難』な路線を選択した」事実が残念だった。強力な資本力で寝た子を起こし、EP6のハッピーエンドを覆し、そうまでして始まったシリーズの行き着く先が「無難」だなんて。つくづく、残念である。

 

「縮小再生産のお手本」のようなスター・ウォーズなんて、私は観なくなかった。

 

各監督が云々というよりも、スタジオとして一貫した舵取りが行われていなかった、その結果がこれなのだろう。監督個々の作家性に任せるといえば聞こえは良いが、せめて大枠や設定くらいは連続させるべきである。

 

また、EP8が不評だったからといって、そこで描かれた要素を後付けで「なかったこと」にしてしまうのは、いくならんでも不誠実に思える。EP8が映画として凸凹だったのは言うまでもない。しかしせめて、そこで示唆された路線くらいは継承できなかったのか。年末年始、そんな答えのないことをずっと考えていた。

 

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しかし年が明けた1月中旬、EP9の幻のプロットと噂される情報が、界隈に流れ始める。

 

当初同作を監督する予定だったコリン・トレボロウが携わった草案、と記されたリーク情報は、あまりにも「観たかったもの」だった。大枠のみが記された記事ではあったが、大きく想像が膨らんだ。そうそう、EP8の流れを踏襲するとこうなるよね、と。

 

jp.ign.com

 

まあ、あまりに同人すぎるというか、良くも悪くも「オタクが好きそうなダークなやつ」ではある。真偽はもちろん分からない。とはいえ、特に以下のくだりは、EP9で擦り切れた私の魂をいくらか癒すものではあった。これが偽りのリークだとしても、その可能性の存在自体がささやかな「救い」である。

 

また、テーマ的にも『最後のジェダイ』に近く、レイとベンはジェダイとシスが二分されている旧来の考えから離れたいと望む。レイアもレイが「何か新しい存在」だと語り、自分の道を見つけるよう後押しする。

「スター・ウォーズ」コリン・トレヴォロウによるエピソード9の脚本がリーク、その内容とは? スター・ウォーズ特集

 

そして今週になって、今度はもっと詳細な情報がTwitterのタイムラインに出回った。

 

starwarz.org

 

あくまで2016年12月の時点でのドラフトですが、仮題は『Star Wars: Duel of the Fates』(運命の戦い)とされ、その中身もかなりユニークな箇所があって興味深い内容です。

 

あれから詳細も明らかになり、取り上げるには面白いトピックだし、この記事ではせっかくだからオープニングからエンディングまで全てのパートを書いていくことにします。

 

一応、大事なこととして

 

・ドラフトの日付は2016年12月16日。キャリー・フィッシャー急逝前の案
・コリン・トレボロウと共同脚本家デレク・コノリーが書いた最初の草案
・リークした人物はRobert Meyer Burnett。メイキングドキュメンタリーなどを手掛ける業界人
・複数のメディアが独自の情報源からリークの信ぴょう性を確認済み

 

と、あくまでボツになった古い草案のリークということには注意したいところ。

 

コリン・トレボロウ監督は関連ツイートを「いいね」していることから、どうやらマジのリークといってもいいかもしれません。

コリン・トレボロウ案の『スター・ウォーズ エピソード9』ストーリーの詳細が判明 | 未知領域

 

これまた、真偽は不明だ。ネットに散らばったコンセプトアート等をヒントに、どこかのファンが書いた同人妄想プロットかもしれない。しかし、やはりどうしようもなく「観たかったもの」に満ちていた。

 

まあ、これが本当だろうと、偽物だろうと、出来上がった『スカイウォーカーの夜明け』が全てである。スター・ウォーズという聖書は、昨年末、確かに記されたのだ。部分的異教徒が、「ありえたかもしれない」という可能性に縋っているだけである・・・。それが「公開されなかった」のであれば、本物のリークだろうが、ファンの妄想だろうが、大きな差はない。

 

といった前置きはほどほどに、幻の完結編『運命の戦い』を読む。スマホを握りしめながら眼を見開き、そして、ある展開が訪れた際に思わず嗚咽を漏らしてしまった。レイの両親をカイロ・レンが殺害していたことが判明し、互いにフォースの深淵を体感した後に、満を持して決闘する。レイは光と闇の対立構造に疑問を抱き、カイロ・レンは自身の闇の力を増長させていく。

 

レイとカイロ・レンが対峙する。

レイ「私たちのマスターは間違っていた。私は自分の怒りを否定しないし、愛も拒絶しない」

ライトセーバーが宙を舞い、彼女の手に戻る。

レイ「私は闇。私は光」

カイロ「お前はなんでもない。何者でもない」

ライトセーバーを起動するレイ。

レイ「何者でもない人なんて、どこにもいない」

コリン・トレボロウ案の『スター・ウォーズ エピソード9』ストーリーの詳細が判明 | 未知領域

 

これなんですよ・・・。レイが「何者でもない」というEP8の解答が物凄く好きだったので(同シリーズの血統主義からの解放)、このプロットはその思想を推し進めて描いている。「何者でもない人なんて、どこにもいない」。なんとも明快だ。ウウウッッ、と声が漏れてしまった。

 

そう、「何者か」なんてものは、スター・ウォーズという物語がスカイウォーカーを特別視していた、確固たる下地でこそ機能する問いなのだ。その下地を疑い、物語を解放する。光か闇の二者択一ではなく、どちらも有していることを受け入れる。これまでのスター・ウォーズが持っていた物語の構造を、大胆に分解しながら更に先へ推し進めるスタイル。仮に無からいきなりこれが描かれたら驚いたかもしれないが、EP8で示唆されていたのは、確かに「この路線」なのだ。

 

出自がスカイウォーカーではない新しい主人公が、「何者でもない人なんて、どこにもいない」と言い放つ。むしろ誰もが「何者」なのだ、と。そうして開かれた物語にすることで、既存のスター・ウォーズも相対的に神格化されていく。そうそう、これこれ。これなんですよ、自分が期待していた『夜明け』は。こういうベクトルのものが観たかったんですよ。

 

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そして、カイロ・レンはレイに生命フォースを与えることで命を落とす(この辺りは最終プロットまで活きたのかもしれない)。その瞬間、レイの名である「ソラナ」を口にする。しかしキスはしない。そう、キスは無い方が良い。その後、幽界に誘われるレイ。

 

レイの目の前に姿を現すヨーダ、ルーク、オビ=ワン。

レイ「これが死なの?」

オビ=ワン「この場所には死など存在しない」

視力を失ったはずのレイだったが、目が見えることに気付く。

ヨーダは自分たちが失敗したことを彼女が成し遂げたと告げる。

ルーク「お前はダークサイドとライトサイドを受け入れた。その間にあるバランスを見つけたのだ」

ここでレイにふたつの選択肢が与えられる。この快適な世界に留まり続けるか。あるいは、愛と喪失を経験するであろう、生の世界に戻るか。

彼女は決断した。

レイ「ありがとう」

霊体が消え去っていく。

ルーク「お前はジェダイだ、レイ・ソラナ。お前が最後ではない」

コリン・トレボロウ案の『スター・ウォーズ エピソード9』ストーリーの詳細が判明 | 未知領域

 

ふぉぉぉぉ~~!!!「お前はジェダイだ、レイ・ソラナ。お前が最後ではない」!!!オタクはサブタイトル回収が好き~~~!!!!

 

このシーン、ルークの「お前はダークサイドとライトサイドを受け入れた」がとても良いと思うのです。旧三部作は「光と闇の戦い」、新三部作が「その狭間で揺れ動き闇に堕ちるまでの物語」、そして、続三部作が「光と闇が対立構造から解放される話」。こう並べると、なるほど一貫性を保ちつつ前進していくイメージもある。フィンが帝国の支配から解き放たれたストームトルーパー軍団を率いる展開も、実に痛快だ。

 

こうやって思考をぐるぐるさせていくと、私が『夜明け』に感じた不満は、やはり「新しくない」ことに尽きるのだろう。新規要素という意味ではなく、テーマの前進という意味での「新しさ」。旧作らしい展開を旧作ファンサービスたっぷりに描くのも良いけれど、『夜明け』は最初から最後までそれで終わってしまった。スター・ウォーズを今後も末永くエンタメ超大作として君臨させたいのであれば、ある程度の「新しさ」を提示しておく必要はあったのではないか(多くの長寿シリーズがそうであったように)。しかも、その萌芽はすでにEP8に存在していたのだから。

 

そういう意味では、創造主ジョージ・ルーカスの構想によるとEP7以降はミディクロリアンに関するミクロ世界のお話しだったらしく、仮に実現していたら、これまた随分ぶっ飛んだ方向の「新しさ」があったのだろう。

 

www.cinematoday.jp

 

最後に、先のリーク草案のエンディングを引用しておきたい。これがまたあまりに「オタクが好きなやつ」すぎて同人妄想説をむしろ濃厚にしているのだけど、シリーズを通して登場してきたドロイドが語り部となる落としどころは、すごく好きですね。シリーズのアイコン、その本懐ですよ。

 

R2-D2を修理しているチューイと、それを眺めるC-3PO。3POはR2を失うことが不安で、それをしきりにレイアに話している。レイアがメモリーバンクを挿入すると、R2は息を吹き返す。

R2-D2が彼の視点から見た60年の記憶を投影する。

ジャワからR2を買い取るルーク。アナキンのライトセーバーを手にしたとき、デススターのトレンチランのシーン。メダルが贈呈されるハン。沼からXウィングを浮かべるヨーダ。ジャバのセール・バージで敬礼するルーク。エンドアで一緒のハンとレイア。

レイアはこの光景に驚きを隠せない。

コリン・トレボロウ案の『スター・ウォーズ エピソード9』ストーリーの詳細が判明 | 未知領域

 

アート・オブ・スター・ウォーズ/最後のジェダイ

アート・オブ・スター・ウォーズ/最後のジェダイ

 
ベスト・オブ・スター・ウォーズ~ミュージック・アンソロジー~

ベスト・オブ・スター・ウォーズ~ミュージック・アンソロジー~

 

 

『インセプション』のコマは止まって欲しいか、回り続けて欲しいか

ふと思い立って、映画『インセプション』に関するアンケートをツイートしたところ、非常に面白い結果となった。情報や解釈ではなく「物語の好み」として、ラストシーンはどちらの展開が「好み」か。

 

 

2,332票も集まったのに、結果はほぼ半々。「回り続ける」が若干上回ったが、それで何かを言えるほどの差ではない。

 

『インセプション』は、クリストファー・ノーラン監督による2010年の作品。主演はレオナルド・ディカプリオ。他人の夢に潜り、深層意識から情報を盗み出す、あるいはアイデアを植え付ける。そんな荒唐無稽なミッションに挑む男らの奮闘を描く。夢の中の夢、更にそのまた夢と、階層を下っていく小気味好さ。そして、課せられたいくつものルールと自由自在に変幻する映像。観る者を虜にする、スタイリッシュかつ骨太な一作。

 

同作にて、レオナルド・ディカプリオ扮するコブが持ち歩いていたコマ。トーテムと呼ばれるその小道具を使って、「今の自分は現実と夢のどちらに居るのか」を見分けるのだという。夢に潜り続け、現実を見失いかける彼らの、貴重な判断材料である。物語のクライマックス、階層の果てにある「虚無」世界から生還したコブは、待ち焦がれた家族との再会を果たす。そこで回したコマは、そのまま回転を失って止まりそうにも、引き続き回りそうにも見える。どちらとも判断できない絶妙のタイミングで、物語は容赦なく幕を下ろす。

 

世界中の観客が笑顔で悲鳴を上げた、そんな瞬間である。

 

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当時、一緒に観に行った友人とひたすらに語り合ったのをよく覚えている。通いのシネコンの近くにあったセブンイレブンの駐車場で、あのコマは止まったのか・回り続けたのか、「虚無」世界をどう解釈するか、この物語はどこまでが「信じられる」のか、そんなことを延々と討論した。懐かしい思い出である。

 

もちろん、それを考察するためのピースは劇中に無数に存在するのだけど、究極のところ、「止まったか・回り続けたか」は問題ではないのだろう。明確な答えを劇的に取り上げる衝撃を入り口に、「もしかしたら我々が見ているこの現実も誰かの夢じゃなかろうか」と、ふとそんな想像が頭をよぎる。クリストファー・ノーランによって、多くの観客が「現実を疑う」というアイデアを見事に植え付けられてしまった。そういった構造そのものが、この上なく痛快なのである。

 

だからこそ先のツイートでは、考察を抜きにして、「物語としてどちらが好みか」という質問をしてみた。解釈の度合いや深度、あるいは方向性ではなく、シンプルに「好み」の問題。

 

私の場合は、「回り続ける」方が好きだ。単にバッドエンドが好きというよりは、作品が円環構造のようにどこか「閉じて」いる、そういった枠組みに爽快感を覚える。

 

例えば手塚治虫の『火の鳥』なら「異形編」が狂おしいほどに好きだし、ハリウッド版『オールド・ボーイ』のオチなど、物語がどこかしら「一巡」していく着地に強いカタルシスを感じる(単にお話がループしている、ということではなく、「物語のカルマが巡る」的なニュアンス)。『インセプション』だと、主役のコブには大変悪いのだけど、「そこは途切れることなき夢幻」「ただし夢を彷徨うことを受け入れるのならそれもまたハッピーエンド」という落とし所の方が、自分の中にストンと落ちる感覚があるのだ。重ね重ね、単にフェチの話である。

 

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これで思い出すのが、学生時代の国語の授業だ。

 

芥川龍之介の『羅生門』を習った際に、国語の先生がふと「この物語の続きを考えてみよう」と言い始めた。明確な宿題というよりは単なる雑談の延長だったのだけど、教室がやや盛り上がったのを妙に覚えている。

 

羅生門

羅生門

 

 

「完結済みの物語の続きを考える」という発想は、読み手それぞれの「物語の汲み取り方」を浮き彫りにするのだろう。その読み手が、テーマを探しながら読んだのか、登場人物に思い入れながら読んだのか、あるいは、自分の好みや願望を投影しながら読んだのか。

 

当時の私は、仮に『羅生門』に続きがあるのなら、「その後、下人も見知らぬ他人の悪行に踏みにじられるべき」だと信じていた。下人が老婆にやったことが、名も知らぬ第三者によって他でもない下人当人に降りかかる。「生きるため」「悪」といったキーワードで描かれるエゴイズム。そういった悲痛な連鎖こそが現実であり、老婆の主張そのものじゃなかろうか、と。そうやって、巡りつつ「閉じる」話を妄想していた。今なら、下人は牛車に轢かれて異世界に転生でもするのだろうか。

 

「物語の好み」は、俗に表現される(オタク用語の)「性癖」にも通じるのだろう。その人がどのように物語を受け取り、光明、あるいは深淵を見い出すか。「どう転べば自分好みか」という問いは、そっくりそのまま、「その物語をどう受け取ったか」「自分の性癖のどこが反応したか」を意味しているのかもしれない。私は、例えば下人がハッピーエンドを迎えるような展開には「違うだろう」と思ってしまうのだ。

 

うーん、『インセプション』、めちゃくちゃ観返したくなってきた。あのコマが一瞬よろめく感じ、絶妙なんですよねぇ・・・。今年はクリストファー・ノーラン監督の最新作『TENET』の公開が控えているので、実に楽しみ。また気持ちよく殴られることを願って。

 

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ジゴワットレポートの映画ランキング2019

年の瀬恒例、一年間の映画の振り返り。今年はマイホーム計画に奔走したこともあり、近年でも最低クラスの鑑賞本数になってしまった。うーん、まあ、こればっかりはしょうがない。休日はそのほとんどをメーカーや工務店と打ち合わせをしていた気がする。

 

とはいえ、割と「観たいと思っていた映画」は観られたんですよ。「これは外せない!」は、およそ外さなかった。ただ、本数が少なくなると自ずと「予期せぬ出会い」が減ってしまう。あんまり期待していなかったり、あるいは、たまたま時間が空いたから観るような映画に、気持ちよく殴られるあの体験。ダークホースとの出会い。これがまた良い訳ですよ。だから、やはり私はある程度の「数」の目標は定めておきたいなあ、と。

 

そんなこんなで、2019年に劇場で鑑賞した映画から選ぶ、個人的ベスト10です。

 

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10位『ゴジラ / キング・オブ・モンスターズ』監督:マイケル・ドハティ

 

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(オリジナル・サウンドトラック)

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ゴジラというコンテンツは、時代やクリエイターによって明確に性格が異なる。恐ろしいゴジラもいれば、お茶目なゴジラも、勇敢なゴジラも、異質なゴジラもいる。そういった幅の広さ、つまるところの多様性を、マイケル・ドハティは欲張りにも一本の映画にぎゅうぎゅうに詰め込んだ。だからこそ本作は、ゴジラファンそれぞれに多くの発見があるだろう。

 

キングギドラやラドン、モスラといった東宝有名怪獣が、ハリウッドの最新技術で何の照れもなく暴れ回る。それはもう、豪快に。こんなにも熱い「俺の愛を喰らえ!」を提示されては、同じく怪獣王を愛好してきたオタクのひとりとして、首を垂れない訳にはいかない。

 

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9位『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』監督:田崎竜太

 

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  • 発売日: 2020/01/08
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これは非常に個人的な話なのだけど、過去のブログ記事でも5月に開催したトークショーにおいても、私は平成ライダーのことを「不揃いで」「混沌とした」「統一感が無いという統一感」のシリーズだと語り続けてきて。だからこそ、平成ライダー最後の劇場版『Over Quartzer』で、それそのものが強烈なメッセージとして打ち出された時、心中でガッツポーズを決めた訳です。いわゆる「解釈一致」というやつ。

 

まあ、今になって考えれば、そうしてある種開き直ってしまわないと「平成ライダー」という枠組み語ることはできないんですけどね。でも、まさかそれを平成という一時代と重ね合わせ、その30年間を生きてきた人達にまで語りかける内容にしてしまうとは・・・。良くも悪くも、平成ライダーにしか作れない作品として、ひどく奇天烈な体験でした。

 

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8位『コンフィデンスマンJP ロマンス編』監督:田中亮

 

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  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2019/12/04
  • メディア: Blu-ray
 

 

テレビシリーズの大ファンだったこともあって、心底楽しめた作品。いわゆる「テレビ的」な演出やキャラクター造形で塗り固められた作品なので、駄目な人はとことん駄目かもしれないけど。ただ、本作がしっかりしているのは、テレビシリーズからそこそこ間が空いた続編だということ。つまり、多くの観客は「色々あってピンチに陥るけど」「騙し騙されが飛び交うけど」「結局主人公たちが勝って終わる」というパターンがかなり身に染みている。重々承知している。

 

そんな観客相手にきっちりと「面白い」を提供するのは、生半可じゃないと思うのです。もちろん、途中でそこそこネタが割れてしまうけれど、演者のエネルギッシュな魅力でそこを気にさせる前にぐいぐい引っ張っていく。長澤まさみの過剰な演技が、最高の煙幕になっている。そういうのを分かって作っているであろう脚本も、クレバーだなあ、と。

 

7位『スパイダーマン / ファー・フロム・ホーム』監督:ジョン・ワッツ

 

Spider-Man: Far from Home

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  • アーティスト:Original Soundtrack
  • 出版社/メーカー: Sony Classical
  • 発売日: 2019/07/05
  • メディア: CD
 

 

普通に映画としての出来も良いのだけど、それより何より、あの『エンドゲーム』の直後にこれを繰り出せるマーベルスタジオに感嘆。映画のユニバース構想を追随する例も少なくないけれど、やはり本家本元であるマーベルが頭一つ抜けているのは、このタイミングで『ファー・フロム・ホーム』を出せるハンドリングにある。ヒーロー大集合映画、その功罪・余韻・余熱に、世界中の観客誰よりも作り手が自覚的。それがなんと恐ろしく、頼もしいことか。

 

また、巨大プールを囲うヴェネツィアのセットや、相変わらず驚異の身体能力を発揮するトム・ホランドなど、映像面もアベレージが高い。ラストのサプライズは超ド級だが、もはや普通に本編そのものの出来が良すぎるので、あまり驚けなかった思い出。感情のリソースが上手く割けなかった。

 

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6位『ミスター・ガラス』監督:M・ナイト・シャマラン

 

Glass (Original Motion Picture Soundtrack)

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  • 発売日: 2019/01/18
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 

シャラマンユニバースの完結編。Amazonプライムビデオの『ザ・ボーイズ』もそうだけど、これが『エンドゲーム』と同じ2019年に公開されたのが実に良い。「スーパーヒーローは存在するのか?」。その実在性を問いながら、ヒーローというアイコンに何度も何度もメタ解釈を重ねる。どこからがヒーローで、どこまでが人間なのか。そういった禅問答を繰り返しながら、物語は「ヒーロー映画らしい大舞台」に向かっていく。

 

最終的に提示される「フィクションやワンダーを愛そう」というシンプルかつ力強いメッセージは、『エンドゲーム』や他ヒーロー映画に熱中する観客に、今一度足元を見つめ直させる。この熱狂や興奮、その根っこには、ひどくシンプルな「フィクションへの憧れ」があったはずなのだ。複雑な計算式に頭をグルグルさせるタイミングで、ふと教科書の最初に載っている「はじめに」を読んだような、そんな感覚。愛すべき一作。

 

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5位『きみと、波にのれたら』監督:湯浅政明

 

きみと、波にのれたら DVD通常版

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  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2019/12/18
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もっと上位でも良かったかもしれない、そんな一作。とにかく泣いた。ボロッボロに泣いた。「音楽と人生」についてこういう掘り下げ方をされると実に弱いのだ。今でも、聴くだけで人生を思い出す音楽が沢山ある。景色も、人も、その時の感情も。そういった誰もが抱く普遍的な体験を通して、青春ラブストーリーから少しのホラーへ、そしてフィクションを膨らませた大きなオチにまで持っていく。

 

興行収入的に振るわなかったらしく、作品のファンとして残念。『君の名は。』の大ヒット以降アニメーション映画が増えたと聞いているけども、その類型に数えられてしまったのだろうか。ぜひ、沢山の人に、恋人同士や夫婦で観て欲しいと願う。

 

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4位『劇場版ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル』監督:武居正能

 

劇場版ウルトラマンR/B セレクト! 絆のクリスタル(特装限定版) [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: バンダイナムコアーツ
  • 発売日: 2019/07/26
  • メディア: Blu-ray
 

 

これはもう、映像の勝利。クライマックスに現れるウルトラマングルーブ、それがフルCGで描かれている。ストーリーやその他のシーンも勿論大好きなのだけど(本編では兄妹を引っ張る役回りだったカツミにスポットが当てられている)、そのフルCGの一点突破でこの順位。とにかく感涙してしまった。こんなに胸が高まって、良い意味でざわついたウルトラ映画も、久々だったかもしれない。

 

ウルトラマンのCG描写でいえば、平成三部作を経て、『ネクサス』の板野サーカスや坂本浩一監督によるアクロバティックなアクションなど、その歴史は着実に重ねられてきた。その流れの最新作として本作が挑戦したのは、従来の特撮であるSFXとの完全融合。スーツのウルトラマンとCGのウルトラマンが共に並び、CGのウルトラマンが吹っ飛ぶとミニチュアのビルが崩壊する。まさに、こんなハイブリッドが長年観たかったのである。歴史的な一歩ですよ、これは。

 

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3位『アルキメデスの大戦』監督:山崎貴

 

アルキメデスの大戦 DVD 通常版

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  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2020/01/22
  • メディア: DVD
 

 

菅田将暉主演というだけで加点が大きいのだけど、これはもうラストの展開が全てを持っていってくれた。まず前提として、「お偉いさん」たちの惨めな足の引っ張り合いとプライドの張り合いに、数学という合理的な拳で殴りに行く構造が痛快。そして、本当にその数学が得意な菅田将暉が、お得意のまくし立てる演技で数式を書き殴るシーンの迫力も良い。「変人天才もの」「バディもの」としても観たいものを観せてくれる。

 

そんな積み上げの果てに訪れるクライマックスの「決断」。これがまあ、実に良かった。数学という合理性を信奉してきた主人公、だからこその判断。悪魔と相乗りする勇気。「結局、戦艦大和は建造されて沈没してしまう」という、日本人なら誰もが知っている結末の手前に置かれたどんでん返し。この原作からの脚色に、見事に一本を取られた。

 

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2位『ジョン・ウィック / パラベラム』監督:チャド・スタエルスキ

 

John Wick: Chapter 3--Parabellum (Original Motion Picture Soundtrack)

John Wick: Chapter 3--Parabellum (Original Motion Picture Soundtrack)

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  • アーティスト:Joel J. Richard
  • 出版社/メーカー: Varese Sarabande
  • 発売日: 2019/06/07
  • メディア: CD
 

 

期待していた続編が期待通りに、いや、期待以上に面白い。それほど幸せなことはない。同シリーズのポイントは、回を増すごとに色んな意味でアップデートが重ねられていること。一作目より二作目が、二作目より三作目が。それはアクションの凝りようやバリエーションに限らず、世界観の広がり、設定の深化においても同様。一作目の頃は、まさかここまで最高に馬鹿馬鹿しい世界になるとは思ってもみなかった。

 

復讐中毒に陥った主人公は、より一層、世界への怒りを加速させる。何かと「落とし所」を求められる日常において、スクリーンの中でひたすらに突き進むキアヌは、ある意味で眩しい。もちろん、あんな狂人じみたアクションも立ち回りもできないけれど、我々が実社会で抱く小さな破壊衝動を何倍にも増幅して代行してくれているような、そんな爽快感があるのだ。爽快、痛快、大喝采。

 

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1位『アベンジャーズ / エンドゲーム』監督:アンソニー・ルッソ ジョー・ルッソ

 

Avengers: Endgame

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  • アーティスト:Original Soundtrack
  • 出版社/メーカー: Hollywood Rec
  • 発売日: 2019/05/31
  • メディア: CD
 

 

いや、まあ、これはもうしょうがないですよ・・・。もはや不可抗力。色々と悩んだというか、皆が大好きなこれをわざわざ1位にしなくても、もっと自分らしいセレクトがあるんじゃないか、とか、とか、とか。でも、考えれば考えるほど、これを今年の首位にしないのは自分への嘘に他ならないと、そういう結論が台頭してくる訳です。うん、そうだよね。やはり2019年は、「アベンジャーズが完結した年」ですよ。間違いない。

 

前世界中のファンが無意識に設定していたハードル。「結局全員が復活してアッセンブルするんでしょ?」。それを叶えつつ、予想していたファンまでもをまんまと感涙させる構成の確かさ。前作の絶望的なエンディングから一転、割と軽快なテンポでの幕開け。タイムスリップという形で、ユニバースそのものを本家本元が同人ノリで扱う懐の大きさ。「面白い」というシンプルな答えに向けて、妥協せず、挑戦しつつ、ひたすらに突き詰めたであろうことが全編を通して伝わってくる。

 

ここまでのシリーズ、連作を、見事にコントロールしてみせたその手腕に感服。「挑戦」と「王道」のバランス、オタク心をくすぐる描写の数々、愛すべきキャラクターの創造、ユニバースだからこその流れを意識した展開。ケヴィン・ファイギ、宗教法人を立ち上げてくれ。入ります。

 

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・・・といった感じで、2019年の個人的ベスト10でした。やっぱりこうして並べてみると、ベスト10に選ぶような作品はほとんど感想記事を書いてますね。観た映画の全ての感想を残している訳ではないのですが、やはり記憶に残る・強い感銘を受けた作品は、いても立ってもいられずに打鍵している、ということか。

 

今年は、アベンジャーズもX-MENもスター・ウォーズもそれぞれ一旦の「終わり」を迎えるということで、エンタメ映画好きには何かと忙しい一年でした。来年も、良い映画と出会えますように。

 

ブログも年末進行ということで、色々と振り返り系の記事も書かねば・・・!

 

映画秘宝 2020年 02 月号 [雑誌]

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感想『スター・ウォーズ EP9 スカイウォーカーの夜明け』 観たかったのは「終わらせるための物語」じゃない

上映前、馴染みのシネコンの入り口で、ポケットティッシュが配られていた。不動産屋か、ネカフェか、カラオケか。何らかの宣伝ペーパーが封入されたそのポケットティッシュを、いつもなら断るのについ受け取ってしまった。

 

2015年に『フォースの覚醒』を観た、その時を思い出したのだ。ジャクーを舞うミレニアム・ファルコンに魂が震え、思わず泣いてしまった。レイがライトセーバーを起動させた瞬間、そして、クライマックスにてついに邂逅する神話の人物・ルーク。感情が昂る数々の名シーンは、何度観てもじわっと涙が流れる。大好きな一本だ。

 

レイ、レン、フィン、ポー。彼らの物語の終着点として公開された、EP9『スター・ウォーズ / スカイウォーカーの夜明け』。またあの日のように感情が昂るだろうか。エモーショナルに殴られるだろうか。いつでも取り出せるよう、胸ポケット仕込んだポケットティッシュ。

 

だが、エンドロールが始まっても、それが濡れることは無かった。

 

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け オリジナル・サウンドトラック(限定盤)

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確かに、『フォースの覚醒』には大きな「ズルさ」があった。

 

それは、物語の縦筋に関わる要素をほぼ全て次回作にぶん投げた、その構造を指す。レイの出自も、敵であるファースト・オーダーの背景も、ルークのその後も、彼とベンとの確執の詳細も、『フォースの覚醒』を観ただけではよく分からない。その代わり、レイやフィン、ポーといった、新しいスター・ウォーズを彩るキャラクターをしっかり魅力的に描く。そこに多くの尺が割かれていた。

 

物語の大筋で『新たなる希望』をなぞりながら、『帝国の逆襲』っぽいシチュエーションや、『ジェダイの帰還』っぽい展開を散りばめる。言うまでもなく、ハン・ソロもルークも登場する。いわゆる「接待」要素は少なくない。しかし、私が『フォースの覚醒』が大好きなのは、その「接待」と同じくらい「新しさ」を感じられたからだ。

 

物語のクライマックス、フィンが賢明にライトセーバーを操るも、カイロ・レンの前に倒れてしまう。お腹をバンバンと叩きながら、感情を絞り出すように戦うレン。彼が雪に刺さったセーバーを引き寄せようとしたその瞬間、その手をすり抜け、主人公・レイの手にセーバーが収まる。驚きと決意に満ちた、絶妙の表情でのセーバー起動。そして、両雄の決闘。つばぜり合いのシーンでは、フォースを感じるために目を瞑るレイを前に、レンが思わず見惚れるような表情を作る。

 

この一連のシーンには、過去6作のスター・ウォーズが横たわっていなかった。フィンと、レンと、レイ。同じ世界観でありながら、ルークでもレイアでもソロでもないキャラクターが、自身の魅力を爆発させながら交わる。映画全体に「接待」要素が多くても、こういった肝心の部分だけは「新しさ」に寄せる、そのバランス。「ああ、彼らの新たな物語をこれから追うことができるんだ」、という感慨深さ。高まる期待。40億ドルをかけて偉大な「宇宙」を買収したディズニーが見せた、新しい第一歩。

 

10年ぶりにスター・ウォーズの本流が動くのだから、徹頭徹尾「新しさ」をやるのはあまりにリスクが高い。それを受け入れてもらうのは至難の業だろう。だからこそ、「接待」を散りばめてバランスを取る。でもやっぱり、「新しさ」やその予感も含ませる。針の穴に糸を通すような絶妙かつギリギリのバランス。それが、私の感じた『フォースの覚醒』であった。当時、映画館に何度足を運んだことだろう。

 

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  • メディア: Blu-ray
 
スター・ウォーズ/最後のジェダイ MovieNEX(初回版) [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]

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  • 発売日: 2018/04/25
  • メディア: Blu-ray
 

 

そして2年後、2017年。物議をかもしたEP8『最後のジェダイ』。

 

確かに、歪な作品だった。色々と凸凹ではあった。「このくだり要る?」というプロットを挙げればきりが無いし、物語も大筋として撤退戦なので、カタルシスに欠ける。シンプルに、シナリオとして「上手くない」点が散見された。『フォースの覚醒』では生き生きとしていた新たなキャラクターたちにも、どうにも前作ほどのエネルギーを感じない。

 

しかし、レイの出自を「名もなき者」としたその種明かしに、私は衝撃を受けたのだ。なるほどそうきたか、と。確かに、スター・ウォーズとスカイウォーカーの血脈は切っても切り離せない関係にあった。だからこそ、「名もなき者」設定に批判が飛び交うのも分かる。それでも、「ディズニーが描く新しいスター・ウォーズ」というアプローチを考えれば、これほど納得感のある筋書きもない。近年のディズニー作品に顕著な、脱・プリンセスの構造。それを踏襲するように、「スカイウォーカーの物語」を「みんなの物語」に推移させる。

 

だからこそ、エンドロールに入る直前、夜空を見上げる少年が印象に残る。彼のような「名もなき者」が、次の歴史を作るのかもしれない。血脈によって、一種「閉じられていた」作品。それを、全世界の人類に向けて「開く」。あなたも、あなたも、あなたも、物語の主人公になり得るかもしれない。スター・ウォーズでそれをやるリスクは素人目にも分かるのに、それでもやる。なるほど、それは私が『フォースの覚醒』で感じた「新しさ」の延長にある。

 

40億ドルをかけて買収したスター・ウォーズに、エンターテインメントの帝王ことディズニーのイズムを持ち込む。なんともセンセーショナルだ。強烈だ。しかし、その決死の挑戦にこそ、私はついていきたいと思った。わざわざ巨額を投じて一度終わった歴史を動かすのだから、「これくらい」はむしろやって然るべきとも感じていた。レイが「名もなき者」であるならば、そんな彼女こそが、スカイウォーカーの名ではなく精神性を継ぐのだろう。そんな期待が膨らむ。

 

更に2年後、2019年12月、『スカイウォーカーの夜明け』。あの頃感じた「新しさ」に、ついに終わりが来る。(以下、ネタバレ込みで感想を記す)

 

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しかしどうだろう、スクリーンで展開されるのは、終始「終わらせるための物語」であった。

 

『フォースの覚醒』でこうなって、『最後のジェダイ』でああなったのだから、「こういう感じ」にしておきます。兎にも角にも、崩壊だけはさせません。ある程度しっかり「着地」させますから、観ていてください。見届けてください。と、終始このように制作サイドから語りかけられる感覚があった。

 

『最後のジェダイ』の世評が芳しくなかったことも、スピンオフ『ハン・ソロ』の興行成績が振るわなかったことも、もちろん知っている。この完結編の監督が当初予定されていたコリン・トレボロウからJ.Jエイブラムスに変更になったことも、その後のコンテンツとしての展開をスタジオとして一旦休めることも、聞いている。だからこそ、『スカイウォーカーの夜明け』は非常に難しいポジションに立たされたのだろう。それは東の島国のトーシロー映画ファンでも、よく分かる。

 

だからこそなのか。展開される「終わらせるための物語」は、「無難」に満ちていた。

 

思い出したようにレイたち新キャラクターでチームを組ませ、冒険に旅立たせる。いくつかのマクガフィンを設定しながら、色んな景色を見せる星々を巡る。なるほど、スター・ウォーズだ。ダース・シディアスことパルパティーンを復活させて、これまでのあれこれは全部彼の策略だったことにする。なるほど、以前までの6部作と同じパターンだ。スター・ウォーズである。そしてレイをその孫娘ということにして、「血脈の物語」としての側面を強調する。うん、スター・ウォーズだ。

 

批判された新キャラクターについては、出番を少なくしよう。これ以上ファンの反感を買う訳にはいかない。ダークサイドに染まり切れないカイロ・レンは、レイとの交流を受けて改心することにしよう。そして、闇の出身であったレイがスカイウォーカーを名乗るラストにしよう。「新しい」ことに挑戦するにはタイミング的にリスクが大きいので、「王道」の物語にしよう。パターンを踏襲しながら、リスクは取らず、しっかり「着地」させることに専念しよう。

 

そして、「接待」要素もしっかりと散りばめよう。離れそうなファンを喜ばせる必要があるし、スター・ウォーズらしさを演出しておくのは今後のコンテンツ延命のために重要だ。これは、ディズニー作品じゃなくて、スター・ウォーズなんですよね。大丈夫、分かっていますよ。ルークを霊体で再登場させて、幻影ということでハンも出します。過去のジェダイの声も響かせます。チューバッカには勲章をあげます。アナキンが成し得なかった「愛する者の死する運命からの解放」もレンがやります。ルークがXウイングを持ち上げるのは、みんなお馴染み、あのシーンと同じですね。そして最後はルークとレイアのセーバー二刀流で勝ちます。いいでしょう? スター・ウォーズしてるでしょう?

 

・・・142分もの間、私はずっと、こういった声を聞いていた気がする。前作までに生きていた「新しさ」は、漏れなく「無難」「着地」に置き換えられ、それを補うように過剰投入される「接待」。とにかくスター・ウォーズらしく、とにかく破綻の無いように。そこに心血が注がれていることはよく分かった。これでもかと伝わってきた。でも、私はこれが観たかった訳じゃない。「そつなく終わるスター・ウォーズ」が観たかった訳じゃないのだ。

 

もちろん、「着地」しない可能性もあった。エンターテインメント大作は常に橋の上を走るようなもので、気付けば続編で足を踏み外して落下した作品も沢山ある。そういった意味では、しっかり走り抜けた。「着地」はした。J.Jエイブラムスはそつなく「着地」させたし、それこそが彼に課されたテーマだったのだろう。この点については、異論も反論もない。レイは闇の陰に追われながらもスカイウォーカーを継ぎ、レンはその礎となった。全宇宙の有志が結集する総力戦は、完結編に相応しいスケールだった。そう、間違いなく、「着地」はした。「軌道修正」はした。「まとめ」はした。

 

しかし、私が観たかったのは「跳躍」、あるいは「新しさ」だった。『フォースの覚醒』には確かにその萌芽を見たし、『最後のジェダイ』でも地続きの挑戦を感じた。でも、『スカイウォーカーの夜明け』はその芽を綺麗に摘み取ってしまった。「終わらせる」ために、「敵としての敵」以上の役割を持たないパルパティーンを登場させて、全てを彼の仕業にする。レイやレンにも「よくある悩み」を経験させ、「よくある解決」に向かわせる。

 

どこかで観た展開。どこかで聞いた展開。どこかで読んだ展開。「王道」と「無難」は紙一重だが、今回の私の理解では、完全に後者である。ただ黙々と、終わらせるために終わらせる。過去の功績でファンサービスをして、スター・ウォーズの香りをつけて、終わらせる。そして、目論み通り物語は終わる。終わらせるために物語ったのだから、終わるに決まっているのだ。そりゃあ、終わりますよ。終わるでしょ。そこだけを見つめて作ったのなら。

 

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こうなるといよいよ、「ディズニーは何のためにスター・ウォーズを買ったのだろう」という思考が存在感を増してくる。

 

もちろん、それは儲けるためだ。映画は、コンテンツは、ビジネスである。それは揺るがない。でも、それを世界中の皆が十二分に理解していても、「そうじゃない」ふうを巧妙に装うのが筋ってもんじゃないんですか。「私たちがスター・ウォーズの新しい物語を紡ぎます」と、そう自信満々に言ってのけるのが、エンターテインメントの帝王の立場じゃないんですか。「色々と上手くいかなかったから軌道修正して無難に終わらせます」なんて、そんなことを馬鹿正直にやってしまったら、「儲けるためにスター・ウォーズを買いました」と真顔で言っているのと同義じゃないですか。いや、そうだけど、そうなのは分かっているけど、「そうじゃない」のでは? うーん・・・。

 

いや、良かった。良いシーンも、カットも、演出も、沢山あった。スター・デストロイヤーの甲板での白兵戦や、荒波に囲まれたロケーションでの決闘など、目を見張る部分もあった。『最後のジェダイ』で印象的だったレイとレンのフォース無線通信、それを活用したセーバーの受け渡し、息をのむ間の取り方。良かった。すごく良かった。アガった。

 

しかし、例えばパルパティーン。さっきまで「レイ、お前が私を殺すのが目的。さあ殺せ!」とか言っていたのに、数分後には「お前たち一対のフォースを吸収して私が君臨する!」とか言い出す。いや、分かるよ。敵の策略を打破する主人公と、ついに共闘するふたり。その構図は「王道」だよね。分かるよ。

 

全世界から反乱の有志が集まって総力戦が行われる。レイはフィンたちが何をやっているか全く知らないし、その逆も同様。お互いの状況は全然分からないけど、全てが終わったら泣きながらハグだよね。いや、分かるよ、それが「王道」だから。死線を一緒に潜ってはいないけど、潜った感じにした方が感動的だよね。分かりますよそれは。

 

一事が万事、こんな感じなのだ。たとえよくある展開と言われようと、とにかくそつなく終わらせる。そして、それを誤魔化すかのようにファンサービスを散りばめる。チューバッカが死んだと思った? 安心してください、生きてます。C-3POの記憶が消えたと思った? 安心してください、バックアップがあります。『フォースの覚醒』にあった溜めて溜めて爆発させるスコアの使い方もやめて、とにかくキャラに応じたテーマを何度でも流します。瞬間瞬間はエモくしておきます、インスタントなエモをそこらに沢山置いておきます、そんな展開のつるべ打ち。

 

そこには、「新しさ」も「挑戦」も薄い。少なくとも、私が期待した要素は皆無に等しい。「淡々と終わっていくスター・ウォーズ」だけがそこにあった。そうまでして「新しさ」を剥ぎ取ってしまうのは、本当にコンテンツ延命の一助になるのだろうか。

 

クライマックスの手前、レイが乗ってきたXウイングと、レンが乗ってきたTIEファイターが並ぶ、そんなカットがあった。たった数秒だが、あの日の私が覚えた「新しさ」に通じるものが、あの一瞬にあったのかもしれない。私が勝手に期待値を上げて勝手に憤っているだけだろうか。「スター・ウォーズなんてそもそもこんな感じだよ」と言われるだろうか。それはそれで構わない。私は、とにかく残念に思えてならなかったのだ。

 

「私は、レイ・スカイウォーカー」。主人公がそう名乗って、物語は幕を下ろす。分かるよ、分かる。夜明けね、スカイウォーカーの夜明けだよね。そう、継承したよね。精神性を継承するんだよね。確かに期待してたよ、分かるよ。

 

でも、「名もなき者」が偉大な血脈であるスカイウォーカーを継ぐのと、闇の出身者が悩んだ末に光に身を置くエンドでは、全然意味が違うのではないか。パルパティーンの名をさらっと捨てているけど、命をかけて娘を守った両親もまた、同じパルパティーンじゃなかったの? そこはむしろ、両親の想いを継ぐように「私はレイ・パルパティーン」と名乗り、しかし観客はスカイウォーカーという概念の確かな継承をそこに見い出す、こっちの落としどころじゃないの? うーん・・・。

 

つくづく、残念である。「無難」な「着地」を、つまり全身全霊で「置きに行く」ことで、本来喜ばしいはずのファンサービスの数々も、空虚に感じられてしまう。これが、あの『フォースの覚醒』からの終着点とは。ひどく寂しい。

 

・・・前もって買っていたムビチケには、まだ余りがある。なんだかんだ言って、まだ一度しか観れていない。吹替キャストも大好きだし、年末年始は時間も取れるだろう。Blu-rayも買うだろう。テレビで放映されれば観るだろう。これから何度も、私は『スカイウォーカーの夜明け』と向き合うのだろう。

 

いつの日か、どう感情が転んでも大丈夫なように、ティッシュだけはそばに置いておきたい。

 

アート・オブ・スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け

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