ジゴワットレポート

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感想『ミスター・ガラス』 奇怪なヒーロー映画が着地した純な結論について

元より、M・ナイト・シャマラン監督の作品は数えるほどしか観たことがなかったが、TwitterのTLでは程なくして公開される『ミスター・ガラス』への注目度が高まっていた。少し調べてみると、同監督の『アンブレイカブル』『スプリット』と世界観を共有する特異な三部作、ということで、それならばとここ数日で前二作を予習してから臨むことにした。

 

結果としては、大当たりどころか本当に大満足の結果で、『ミスター・ガラス』は今後も定期的に思い返してはその感慨深さに浸る作品になるだろう。私のようなギリギリのタイミングで予習して駆け込んだトーシローがそう思うのだから、2000年公開当時に『アンブレイカブル』を劇場で観た人は、まさかの着地点に感動もひとしおだろう。実に羨ましい。

 

以下、同作のネタバレがありますゆえ、ご注意を。

 

ポスター/スチール写真 アクリルフォトスタンド入り A4 パターン8 ミスター・ガラス 光沢プリント

 

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『アンブレイカブル』は、骨がガラスのように異常に脆い人間が、自身が生まれた価値を見出そうと、不死身の肉体を持つ男と出会う様を描いた作品であった。物語がどこへ向かうのか予測できない不穏な展開が続き、最終的には、まさかの「ヒーロー:オリジン」として着地する。その結論が提示されて初めて、ヒーローやヴィランといった同作の持つ全体像に光が当たるような、非常に奇怪な語り口を持つ作品であった。

 

続く『スプリット』は、多重人格を有する主人公の魅力が印象深いサイコスリラー。誘拐された女子高生の脱出劇で話が進行するかと思いきや、多重人格者が秘める常軌を逸した獣の存在が見え隠れし、児童虐待というテーマをはらんだ予想だにしない方向に物語が転がり出す。結果、傷ついた者同士の相互理解を経て物語は終幕となるが、最後の最後に、実に16年前に公開された『アンブレイカブル』と共通の世界観を持つことが明かされる、という構造だ。

 

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この二作をたった数日で続けて観た私でさえ良い意味のショックがあったのだから、リアルタイムで追っていた人はもっと面白かったのだろう。『スプリット』においては、まさか同じ監督とはいえかなり前の作品をフォローしてくるとは思いもよらないだろうし、多重人格と内に有する獣の存在を「超人的なもの」、つまりは『アンブレイカブル』と同様にスーパーヒーローのジャンルに落とすという語り口は、びっくりするほどにアクロバティックだ。

 

二作とも、着地点が見えないまま進行する物語が、着地して初めて全体像を明らかにするような、そんなサプライズと「構造上のどんでん返し」に満ちた作品であった。監督のセンスや遊び心が実ににくい。

 

そして、続く『ミスター・ガラス』。まさかの同一世界観となった前二作を踏まえて、「不死身の男」「ガラスのように脆い男」「多重人格の男」が一堂に会する夢の完結編。単なる三部作というよりは「世界観共有」の方がニュアンスとして濃いので、やはりこれは「ユニバース」と呼称するべきだろうか。

 

終わってみると、これまた予想していなかった箇所に着地した作品であり、そのあまりのメッセージの純な魅力に、ひどく感動してしまった。今でこそアメコミヒーロー映画は世界のエンターテインメントを席巻しているが、まだサム・ライミ監督版『スパイダーマン』が公開されるよりも前に『アンブレイカブル』というヒーロー作品を撮っていたシャマラン監督。私有地を担保にし、私財を投じて『ミスター・ガラス』の制作にまで辿り着いたとのことで、監督がどうしてもこのテーマを描きたかったと考えると、思わずこみ上げるものがある。まさに苦節の19年。

 

『ミスター・ガラス』が伝えたいメッセージは、「ワンダーを愛そう」とでも言うのか、コミックが持つフィクションの魅力の、更に根っこにあるポイントにフォーカスした、実にシンプルなものであった。

 

劇中で、精神科医によって「実はスーパーヒーローも超人的能力も無い」という洗脳にも近い誘導を受ける3人。しかし彼らは、ミスター・ガラスという「ヴィラン」によって、導かれるままにその力を解放させていく。また一人、また一人と命を失うも、「黒幕」の真の目的により、超人的能力の実在性が全世界に公開されてしまう。「誰もがヒーローになることを許す」。それは、多様性を認めるといった端的な言葉に収まらない、コミックを愛する全人類が持つ「驚き」や「不可思議」への憧れを全力で肯定するものだ。

 

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『アンブレイカブル』当時の2001年のインタビューで、シャマラン監督は以下のように語っている。

 

「アメコミは子供のころから大好きでした。でも、ガレージに3000冊も積み重ねるようなマニアじゃない。アメコミに限らず、神話や伝説、ヒーローものとか、大好きだったんです。だから私はここで、現代の神話を作り出したいと思ったんです」

 

(中略)

 

「自分の居るべき場所、やるべきことを見つけた人はキラキラしていますよね。反対にそうじゃない人は寂しい感じがしてしまう。この映画ではそんなこともテーマにしました。この世で与えられた目的を認識して、自分のいるべき場所を見つけることがいかに大切か、です。これは人生においてとても重要なことですから」

 

アンブレイカブル インタビュー: M・ナイト・シャマラン インタビュー - 映画.com

 

「この世で与えられた目的を認識して、自分のいるべき場所を見つけることがいかに大切か」。この部分は、『ミスター・ガラス』でも前のめりなほどに語られている。超人的な能力に限らず、人は誰しも固有の能力や可能性があり、それをどういったフィールドで生かすか、という選択を毎日のように行っている。不死身の肉体や、怪力、超人的な頭脳がなくても、それでも、各々が自らの居場所を探し続ける。

 

アメコミヒーローたちの日々も構造としてはそれと同じであり、彼らは自らが持つ超人的なパワーの「生きどころ」を探し、苦悩し、奮い、その様がまた実社会の我々の目に「面白さ」として映る。彼らがフィクションの住人だからこそ持つ「驚き」や「不可思議」は、構造的には我々が歩む人生と同じ箱の中にあり、だからこそ、あり得ないと分かっていながらも幻のヒーローを空想したりする。ある日突然、自分も超人的な力に目覚め、新たな居場所に向けて駆け出すのかもしれない。

 

『ミスター・ガラス』のクライマックスは、そういった「フィクションが持つ魅力と可能性」といったものを、我々の足元に転がすような形で進行していく。もしかしたら、街を歩くあの人も、あの人も、あの人も、普通の人間ではないのかもしれない。そのワンダー、ときめき、ワクワクは、コミックをはじめとするフィクションを愛する人々が一番最初に抱く感情なのだ。そういったテーマに、子供の頃からアメコミが好きだった監督が、私財を賭して、それも19年かけて到達した。なんと美しい話だろう。

 

シャマラン監督は、マーベルやDCからのオファーを断っていたらしが、『ミスター・ガラス』の着地点を噛みしめれば噛みしめるほど、その意味が分かるような気がしてくる。彼は、「コミックの世界」を描きたいのではなく、「コミックがもたらしてくれたもの」を描きたかったのかもしれない。だからこそ『ミスター・ガラス』は、作中でコミックの様式美やパターンをメタフィクション的に盛り込みながら、最終的に、その構造から脱していく作劇となっていた。

 

theriver.jp

 

世界は驚きに満ちている。コミックが与えてくれた面白さは、もしかしたらすぐ隣にあるのかもしれない。という本作が持つ愛に溢れた語り口は、そういった嗜好を持つ人間にしか響かない、非常に局所的なテーマとも言えてしまう。これがこの規模で公開された、という事実が、重ねて感慨深い。

 

最後に。作中には世界の均衡を守るために超人能力の実在性を隠蔽してきた組織が登場するが、彼らのトレードマークは三つ葉のクローバーであった。それは言うまでもなく、マジョリティを意味しているのだろう。「持たない」多数派が、「持つ」少数派を狩る。本作においては、そういう構造があった。しかし、(諸説あるようだが)、対するマイノリティである四つ葉のクローバーは、どうやら1/10,000の確率で見つかることがあるようだ。これだけ見れば途方もない数字だが、人口規模で考えてみると、むしろ世界には思っていたより沢山の「超人」がいるのかもしれない。なにせ10,000人にひとりなのだ。

 

・・・などと、荒唐無稽な空想してしまうのだけど、それすら許して肯定してくれるような、実に素敵な作品であった。こういう映画に出会えるからTwitterはやめられない。

 

 

これがディズニーの描きたいことなら私にとっては辛い。『シュガー・ラッシュ:オンライン』感想

『シュガー・ラッシュ:オンライン』、私の感想を率直に言ってしまうと、かなり「しこり」が残りました。話の大筋というか、「歩みたい人生の選択」「与えられた役割からの脱却」「共依存からの自立」という、掲げられた個々のテーマについては、良いと思うんです。

 

ただ、物語的にそれらが収束した決着は本当にあれで良かったのか、『シュガー・ラッシュ』の続編として相応しいエンディングだったのかは、鑑賞してから数日経ってもモヤモヤが払拭されず。以下、そういうニュアンスの話ですので、心から楽しめた方はブラウザバックをオススメします。同時に、ネタバレ満載です。

 

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楽しめた点から書くとすると、まずは圧倒的な資本力というか、ディズニーのエンターテインメントの帝王たる姿勢が堪能できたことですね。プリセンス大集合な絵面の圧倒的なインパクトはもちろんのこと、ピクサー、スター・ウォーズ、マーベルと、世界的なコンテンツを次々と自らの軍門に加えていく驚異的な体力。

 

あんな、まさに絵に描いたような「夢の国」は、ディズニーじゃないとやれない。「ヘイヘイ!俺たちが持ってるエンタメコンテンツの見本市でござい!寄ってらっしゃい、見てらっしゃい!」みたいな中盤の映像は、観ていてとにかく面白かった。

 

また、「インターネットあるある」の映像化という意味でも、アイデアと技術が高次元で融合していて、とても見ごたえがあった。特に、検索窓で検索すると該当のページに乗り物で運ばれていく、という検索サービスの一連の表現は、なるほど興味深い。

 

よくデジタルに強くない方が「インターネットってどこにあるの?」「ネットってなんなの?」という抽象的な質問を投げかけたりするが、そういう方にこそ観て欲しいですね。「2018年現在のインターネットって、良くも悪くもこういうところです」というのが、これでもかと視覚化されている。ポップアップのウザさ、広告を踏むと怪しいサイトに飛ぶ、オークションサイトのイメージ、決済手順のやり取りなど、普段サーフィンしている人は皆ニヤニヤしながら観たことだろう。

 

そういった、ディズニーならではの高次元な手法で彩られた本作は、圧倒的な視覚表現の面白さを土壌に、ヴァネロペとラルフの関係性に焦点を当てていく。

 

ラルフは、前作で手に入れた幸せを今後もずっと続けていきたいと願う。「悪役」という与えられた役割に感情を振り回されるのではなく、彼なりにできることを、一緒にやりたい仲間とやる。前作でそこに幸せを見い出したラルフは、前向きに現状を受け入れている。対するヴァネロペは、フタを開ければ実はプリンセスだった、という前作のオチを受けて、シュガー・ラッシュというレースゲームの人気キャラクターとなっていた。が、彼女は次第にその刺激のないレースの繰り返しに退屈し、新しい生活を望むようになる。

 

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前作『シュガー・ラッシュ』は、「与えられた役割」をめぐるお話だった。ラルフは悪役で、ヴァネロペはターボにより操作された不具合のプリンセス。自身の役割に悩み苦しむ者と、本来持っていたはずの役割を不当に剥奪された者。その凸凹コンビが互いを補ってハッピーエンドに至る、そういう物語であった。

 

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それを受けて今作『オンライン』では、その更に一歩先へ踏み出す。「与えられた役割」を成熟させた彼らは、その次の選択を迫られる。つまり、「その役割にずっと浸っていたい」、もしくは、「自ら新しい役割を勝ち取りたい」。相反するふたりの思惑はすれ違い、インターネット全体を巻き込む大騒動にまで発展するのだけど、結果的に彼らは前向きに別れることになる。

 

まさに「選択の自由」。軋轢は起こるかもしれないが、彼らは互いに互いの希望を尊重し、共依存から自立していく。「選べなかった」者たちのドラマから、「選ぶ」という行動の尊さへ。まさに、前作から正統的に発展したテーマと言える。

 

安易にポリコレという語り口は使いたくないのだが、昨今のディズニーの作品傾向的に、「脱プリンセス」のような構造を挙げることができる。近年で言えば、『マレフィセント』や『アナと雪の女王』で王子様がもたらすハッピーエンドに反証したのは記憶に新しい。『スター・ウォーズ / 最後のジェダイ』では、シリーズの要にあった血統主義から脱却し、「誰もが」「みんなが」主人公である可能性を提示した。『シュガー・ラッシュ』的に言えば、「与えられた役割」にひとつずつ問題提起をぶつけていくような、そういう方向性が垣間見える。

 

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「みんなが選びたい人生を選べる」「誰もが誰かに頼らずとも(精神的な)プリンス・プリンセスになれる」。そういった、70億人の70億とおりの幸せのルートを提供する。フィクションが持つ可能性、ディズニーが持つ圧倒的なエンタメの歴史と腕力、それをもってすればこそ結実する、圧倒的な「正」のメッセージである。

 

そこに続くように、ヴァネロペも自らの人生を選択した。シュガー・ラッシュを飛び出し、もっと殺伐とした、しかし刺激に溢れたオンラインレースゲームの世界へ移住する。それを引き留めたいラルフを、大騒動の末に説得し、理解に至る。彼女は、前向きに「選択の自由」を行使したのだ。ディズニーが昨今の作品群で展開する主張に、非常にマッチしている。旧来の価値観が次々とひっくり返される現代において、なるほどタイムリーな物語だと感じる。

 

しかし、その「選択の自由」は、全てを投げうっても良いのか。彼女のそれは、何にも増して尊重されるべきものなのか。私は、ここがとても気になってしまった。

 

シュガー・ラッシュというゲームにおいて、彼女は人気キャラクターの座にあった。現実のゲーセンでのプレイヤーは、嬉々として彼女を選び、レースゲームを楽しむ。しかし彼女は、ラルフの作ったオリジナルコースにプレイヤーの操作を無視して突入し、挙句、ゲームのハンドルを破壊してしまう。ハンドルが無ければ、シュガー・ラッシュという筐体は撤去されてしまうかもしれない。

 

これは、「いるはずのキャラクターが不在になりそれが不具合に相当する」という、前作で散々叫ばれた「ターボ」の概念(ひとつの電脳世界の消滅)とほぼ同じである。ひとりの行動が、筐体全体の危機を招く。『シュガー・ラッシュ』において、ラルフが自身のゲームを抜け出すと、多くのキャラクターが「ターボしたのか!?」と顔を青くするのだ。それが、「役割」というテーマともリンクする前作のマクガフィンであった。

 

まあ、ハンドルの件はまだいいとしよう。彼女も、わざとやった訳ではない。だから、彼女自身インターネットに出かけて、ハンドルを手に入れようとする。私が本当に「しこり」に感じているのは、最後のヴァネロペの決断である。「私は沢山いるキャラクターのひとりだから、私がいなくなっても構わない」。そういった理由を述べながら、彼女はシュガー・ラッシュというゲームを構成する一員という責任を清々しいまでに放棄して、「選択の自由」を行使する。

 

ちょっと待ってくれよ、と。たとえハンドルが戻っても、人気キャラクターであるヴァネロペが選択画面から突如として姿を消したら、それは立派な不具合ではないのか。筐体存続の危機に該当する、いわゆる「ターボ」と何が違うのか。彼女を選んで遊んでくれるプレイヤーへの想いは、そこには全くないのか。一緒にゲームを構成するキャラクターたちに対して、何も想わないのか。「選択の自由」とは、それらを全て有耶無耶にしてでも「是」とされるのか。

 

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前述のように、物語のテーマとしては良いと思っている。「選択の自由」が無かった者たちが、ケンカしながらも「選択の自由」を行使する。そしてふたりは別れる。それは分かるし、『シュガー・ラッシュ』から続くテーマとして相応しいだろう。決断そのものは、むしろ尊重されるべきだ。

 

しかし、「選択する」という行為は、そこに生じる覚悟やリスク、それらにもう少しだけ決着をつけてからではダメだったのだろうか。ヴァネロペが、自ら選びたい人生のために数々の障壁をラルフと共に解決して、突破して、胸を張ってシュガー・ラッシュを旅立っていく。そういう筋書きは難しかったのだろうか。これでは、単に周囲の都合を無視してワガママを貫き通す、そういうニュアンスが色濃く感じてしまうのだ。

 

仮にこの後、彼女がいないことで不具合認定されてシュガー・ラッシュの筐体が撤去されてしまったとしたら、彼女自身はそれで本当に幸せなのだろうか。それが「そんなの関係ない、私の人生と幸せは私のもの」の範囲に収まるとは、私にはどうしても思えないのだ。「自身の歩みたい人生を選ぶ」は、故郷の仲間を消滅させる危険性を冒してまで優先して良いのだろうか。あまりにも天秤の片方が重いのでは、と。

 

70億とおりの幸せを、「選択の自由」を、その可能性を提示する。なるほど素晴らしいし、感服する。しかし、そのためには責任を放棄しても良いのか。自らの進みたい道のためには、何を犠牲にしても良いのか。「ヴァネロペが歩みたい人生を選ぶ」という決着は、「そのための責任を果たす」と必ずしも二者択一ではないはずだ。

 

前作で「ゲームを抜け出す」ことの危険性をあれだけ語っておいて、続編ではポーンとそれをやってのける。それはやっぱり、私にとっては「しこり」に感じてしまう。せめてこの『シュガー・ラッシュ:オンライン』が単体作品ならまだしも、これは『シュガー・ラッシュ』の続編なのだ。前作で語られたあらゆる価値観と、決定的に食い違ってはいないか。テーマや決着を優先するがゆえに、前提としてあったその世界の価値観に齟齬や歪みが生じていないか。そこがどうにも気になってしまうのだ・・・。

 

末筆ながら、私個人の話として、人生の分かれ道で選びたい道を選べなかった経験がある。もちろん詳細は書かないが、自分のやりたいこと・やってみたいこと・続けたい関係・住みたい土地、そういったものをどうしても「選べなかった」局面があった。もちろん、今となってはその選択を後悔していないし、目の前の道を邁進するのみである。

 

しかし、だからこそとでも言うのか、ヴァネロペのあまりに責任を放棄した「選択」を観て、率直に、憤ってしまったのである。そんなのがあるか、と。「選ぶ」って、そんな感じでやっていいことなの?、と。天下のディズニーが、「選ぶ」なんて大事なことを、こんなふうに(結果優先で)描いてしまうという辛さ。私が言いたいのは、「選ぶな」ではない。「選ぶ」ことの意味、同時に、それを実行するための強さや仲間を描くアプローチではダメだったのか、ということだ。

 

・・・といった人生観を見事に炙り出された作品としては、2018年文句なしのトップだった。ディズニー作品は、こういう、個々人の人生観や価値観と照らし合わせてくるものが多く、それは時に、首元にナイフを突きつけられたように錯覚してしまう時もある。それほど、感情の描き方、普遍的なテーマの採択と深堀りに長けているのだろう。『シュガー・ラッシュ:オンライン』も、まさに私にとって、そういう作品のひとつである。

 

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シュガー・ラッシュ:オンライン(オリジナル・サウンドトラック)

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ジゴワットレポートの映画ランキング2018

さてさて、今年もこの季節がやってきました。今年映画館で鑑賞できた作品は36本。やはり、娘が大きくなってきて、段々と自由な時間が取れなくなってきた・・・。一年間は52週ということで50本前後を密かな目標にしているのだけど、中々難しいですね。

 

加えて、今年はかなり取りこぼしが多い。『ボヘミアン・ラプソディ』『カメラを止めるな!』『万引き家族』、この辺りを中心に話題作をカバーできていない。本当に悔しい。観たい作品のスケジュールと時間の都合はもちろんのこと、やはり映画館まで野を越え山を越え遠路はるばる通うのは辛い。なんて遠いんだ。映画館に棲みたい。(毎年言っている気がする・・・)

 

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ちなみに昨年のランキングはこちら。

 

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気を取り直していきましょう、『ジゴワットレポートの映画ランキング2018』。今年劇場で観た映画から、独断と偏見のベスト10を書いていきます。

 

 

第10位『ブラックパンサー』

 

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相変わらず繰り出してくる作品のアベレージが高いMCU。この『ブラックパンサー』は、後に控える『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』の前哨戦のような作品でした。とはいえ、若き王となったティ・チャラの運命や、魅力的なワカンダという秘境の王国など、見所が盛り沢山。MCUのキャラクターは基本的に「自分の人生と戦う」タイプのストーリーが多いですが、この作品は「国の運命と戦う」という筋書き。個ではなく、王となったティ・チャラが守り率いるべき国こそが主人公のような物語。闇夜でアクロバティックに跳ねるアクションや、民族音楽を盛り込んだ劇伴など、どれも一級品でした。エンタメ映画として隙が無い。

 

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第9位『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』

 

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制作過程での紆余曲折もあって中々カラッとしたニュアンスでは語られない本作ですが、自分はかなり好きなんですよね。そりゃあ、「どこかで観たような展開の見本市」な印象はありますが、単純に、「ワクワクドキドキ冒険活劇」として面白い。そしてその物語の構成は、かの『新たなる希望』を踏襲しているようにも受け取れる。また、若き日のハンのニヒルだけどワルになり切れないキャラクターとか、スター・ウォーズネタを怒涛の勢いで回収していく感じとか、細々した部分も気に入ってます。4DXで観たので、終盤の興奮は数倍増しでしたね。「先に撃つ」のも良い。

 

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第8位『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』

 

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個々の作品を紡ぎながら様々なジャンルを取り扱ってきたMCUが、ついに「クロスオーバー」そのものをジャンルとして昇華させる。内容云々以前に、まずもってこの映画が成立していることに多大な感謝を伝えたい。『アイアンマン』から10年間映画館に通っていた自分にとって、毎シーンがご褒美の連続でした。よくもまあ、これだけの物量を整理し、ストーリーも美術もひとつにまとめあげたものだ、と。資本力と技術力、双方の面で感服です。とはいえ、どうしてもこれは「前編」に相当する作品なので、構成上「しこり」が残ってしまうのが本音。早く『エンドゲーム』が観たい。

 

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第7位『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film』

 

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率直に、傑作ですよ。戦隊映画の歴史に残る傑作。戦隊夏映画はその性格から本編のちょうど真ん中くらいのタイミングで公開になるので、「何を」やるかがポイントになるんですよね。番外編に位置付けるか、イベントを盛り込むか。そんな中、今年の『ルパパト』は「本編の醍醐味を全部やる」というアプローチ。つまり、ダブルレッドのキャラクター対比を軸に、CGで派手に動き回るロボ戦、縦横無尽なカメラワークで彩るアクションなど、TV本編が持っている魅力、もっと言えば「ウケている要素」を、約30分の上映時間に全部注ぎ込む。そして、それを破綻しないバランスでまとめ上げる。そういうコンセプトが見事に成功した一作ですね。

 

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第6位『ランペイジ 巨獣大乱闘』

 

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なんかこのランキングを改めて見ると、ドンパチ中心のアクション映画ばっかりですね・・・。すみません、趣味なもので。そして、『ランペイジ』もご多分に漏れず「ドンパチ」な映画なんですけど、とにかく怪獣映画として好きなんですよね。スケール感の出し方や、カメラの捉え方など、すっごく怪獣映画ライクなカットが多くて。ストーリーは巨大ゴリラと人間がタッグを組んで戦うというバカ丸出しのやつなんですけど(褒めてます)、それがまた良い。至極分かりやすい。「エンタメとは!アドレナリンとは!こういうものだー!」って叩きつけられて、笑顔で「OK~~!」って返したいタイプの作品です。未見の方は、年末年始にでもお酒片手にどうぞ。

 

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第5位『search サーチ』

 

Searching End Titles

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「最初から最後までPCの画面で描く」、という挑戦的な作品。面白さを感じたポイントは個別の感想記事にほとんど書いてしまったのだけど、最大の魅力は、「PC画面上だけで完結させる」というアイデアがそれ一発で終わっていないところ。そういうアプローチで作るのであれば、どういう物語が組めるだろうか。そういった仕掛けを施せるだろうか。どんな演出で新しい感じ方を提供できるだろうか。といった、ワンアイデアをワンアイデアに終わらせない工夫が、最初から最後まで作品そのものを引っ張ってくれる。この気持ち良さ。小気味よさ。痛快さ。映画館でゾクっときましたね。

 

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第4位『祈りの幕が下りる時』

 

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足掛け8年の「新参者」シリーズ、満を持しての完結編。最初の連続ドラマ版からずっと同シリーズのファンだったので、やはり感慨深いものがありました。そして、東野圭吾特有のロジカルさと、感情の死角を突いた、にくらしい物語構成。その双方とも一級品な訳です。種明かし後の全体像が見えてからは、ずっと泣いてました。単に感動して泣くとか、そういうことではなく、人間ってのはなんて愚かで美しい生き物なんだろう、という「業」(ごう)に対する涙ですよね。阿部寛と松嶋菜々子という、美男美女の極上の演技合戦もお見事。ツーッと涙が出るタイプではなく、嗚咽寄りというか、堪えきれないタイプのやつでした。こういう「痛み」のある作品も好きですね。

 

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第3位『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』

 

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つい先週末に観た作品ですが、3位に入れました。これもまた個別感想記事でひたすら語ってしまいましたが、あまりにも私自身の半生に対して熱を込めたメッセージをぶつけてくれるタイプのそれだったので、感涙しかなかったです。みんな、ヒーローがいないことは嘘だって分かっているんですよ。もっと言えば、フォースもジェダイも作り話だし、アイアンマンはいないし、ミッキーのような生物だっているはずがない。でも、やっぱり人って、フィクションを観て、そこに何らかの感情を抱く。心を動かされる。それに対して、20年を積み上げた平成仮面ライダーが、「その感情は嘘じゃないんだよ」って語りかけてくれるんだから、そりゃあ、たまらんですね。

 

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第2位『ミッション:インポッシブル / フォールアウト』

 

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シリーズの最新作がバツグンに面白い、ってのは、そのシリーズが持つ底力を感じさせてくれます。言わずもがな、トム・クルーズがいつ命を失ってもおかしくないアクションに挑み続ける訳ですが、前作辺りからそれがもはや狂気の域に達してきて。そして、今作では更に進化している訳ですよ。ついスクリーンに向かって「いやいやいや」「んな馬鹿な」と言いたくなる怒涛のチャレンジ。単純に、アクション映画としての水準が高い。それでいて、今作『フォールアウト』は、イーサン・ハントという人間を描いているんですね。過去のM:Iシリーズは監督が交代して続いてきたので、イーサンのキャラクター造形には微妙なズレがあって、それが少しずつ蓄積していた。初のシリーズ続投となったクリストファー・マッカリー監督は、そこにメスを入れ、イーサンという人間を総括しようと試みる。ここが真の見所な訳です。

 

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第1位『ちはやふる 結び』

 

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ちはやふる ―結び― 通常版 Blu-ray&DVDセット

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正直、すごく迷いました。体感的には、4位くらいからは全部1位なんです。どれも劇場で涙を流した大好きな作品たち。でも、この『結び』は、その中でもトップクラスに「心を震わされた」んですよね。そこに嘘はつけないので、1位です。『ちはやふる』三部作でいくと『上の句』がものすごく好きで、それに対する『下の句』は少しパワーダウンしたかな、という印象があって。それらを受けてのこの『結び』は、小泉徳宏監督の「世界で誰よりも実写ちはやふるを愛しているのは俺だッ!」という魂の叫びが聴こえてきそうな、見事な完結編でした。前二作の色んな要素をしっかりすくい上げ、継承し、そして未来に繋げる。周防名人の圧倒的な存在感や、相変わらずロジカルな魅せ方に余念がない競技かるた、そして、眩しいまでのアオハル。文句なしです。

 

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ということで、今年の映画ベスト10でした。

 

 

ちなみに、泣く泣くベスト10から漏れたのは、『ジュマンジ / ウェルカム・トゥ・ジャングル』『イコライザー2』あたり。どちらも本当に良い映画でした・・・。

 

www.jigowatt121.com

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ということで、来年も映画の感想をぼちぼち書いていきたいと思います。改めまして、よろしくお願いします。以上、『ジゴワットレポートの映画ランキング2018』でした!

 

映画秘宝EX 究極決定版 映画秘宝オールタイム・ベスト10 (洋泉社MOOK 映画秘宝EX)

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BD / DVDが1枚500円の「どれ6」(Amazonサイバーマンデーセール)からどの映画を選ぶか

当ブログでもバナーを貼っているAmazonの一大セール「サイバーマンデー(2018)」ですが、昨日TwitterのTLで「どれ6」というのが流れてきまして。BD / DVDを6枚選んで総額3,000円とのことで、なんと単価500円。これはもうまんまと乗せられちゃいましょう、と。

 

 

Amazon.co.jpは、12月7日18時~11日1時59分まで、80時間実施するビッグセール「サイバーマンデー」において、全600タイトルの海外映画のBlu-rayとDVDから、6枚選んで3,000円で購入できる「どれ6」セールを実施する。1作品あたりの単価は500円。「デッドプール」や「タイタニック」、「007 スペクター」のBDなどをラインナップする。

7日からのAmazonサイバーマンデー、BD/DVD 6枚選んで3,000円の「どれ6」セール - AV Watch

 

DVDが1枚1,000円以下で安売りされるのはよくあるのですが、BDも500円という同額で対象になっているのが熱いですよね。まあ、昨今は配信サービスでの鑑賞が台頭してきてますが(私もアマプラ・ネトフリ入ってますが)、やっぱり実際のブツを買って棚に並べる快感って、良いんですよねぇ。

 

▼ Amazon「どれ6」メインページ(対象商品検索可)

 

www.amazon.co.jp

 

Amazon Cyber Monday(サイバーマンデー) | どれでも6枚3000円セール | DVD・ブルーレイ

 

ラインナップを見てみると、DVDが395点、BDが205点。Amazonの円盤セールカテゴリーは定期的に巡回しているので、割とお馴染みの作品群ではあるんですけどね。加えて、そのいくつかは別途「〇〇ディション」「4K盤」「リマスター版」等がリリース済みのやつで、そっちの方は当たり前のように今回のセールには入ってこない訳ですよ。つまり、「そこまで豪華バージョンじゃなくても構わない」という作品を選ぶ流れになる。

 

BDを一通り見たところ、私が買うとしたらこの辺りかな、というやつをいくつか。

 

十二人の怒れる男 [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

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X-MEN:アポカリプス [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

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ゴーン・ガール [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

ゴーン・ガール [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

 
ポセイドン・アドベンチャー [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

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スペースボール [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

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ファンタスティック Mr.FOX [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

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大脱走 [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

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ビッグ 製作25周年記念版 [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

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脳内の「いずれ買う」リストに入っていた作品群と、「500円なら問答無用で買い!」な名作たち。『ビッグ』は以前勤めてた会社の上司が好きだったなあ・・・。『ポセイドン・アドベンチャー』は父が好きなので、プレゼントしても良いかな。確かDVDしか持ってなかったはず。

 

DVDだと、発売日的に新作寄りなのはこの辺りですかね。私の趣味傾向でのおすすめピックアップですが。500円なら大満足でしょう。そして『パシフィック・リム』もある。何枚買っても良い物は良い。

 

キングコング:髑髏島の巨神 [WB COLLECTION][AmazonDVDコレクション][DVD]

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ドリーム [AmazonDVDコレクション]

ドリーム [AmazonDVDコレクション]

 
猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー) [AmazonDVDコレクション]

猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー) [AmazonDVDコレクション]

 
LOGAN/ローガン [AmazonDVDコレクション]

LOGAN/ローガン [AmazonDVDコレクション]

 
パシフィック・リム [WB COLLECTION][AmazonDVDコレクション] [DVD]

パシフィック・リム [WB COLLECTION][AmazonDVDコレクション] [DVD]

 

 

既に所持している作品でいくと、私個人のオススメならこれらかな、というやつ。どれも面白いので、もし未見の方でも良かったら是非。

『オデッセイ』は先日TVでもやってましたね。『特攻野郎~』はまあ、好きな人はめっちゃ好きなやつですよ、言わずもがな。『ライフ・オブ・パイ』は公開当時からほんと大好きな作品で、映画館で喰らった衝撃はよく覚えてます。

 

オデッセイ [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

オデッセイ [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

 
ナイト&デイ (エキサイティング・バージョン) [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

ナイト&デイ (エキサイティング・バージョン) [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

 
デッドプール [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

デッドプール [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

 
特攻野郎Aチーム THE MOVIE (無敵バージョン) [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

特攻野郎Aチーム THE MOVIE (無敵バージョン) [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

 
ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

 

 

なにせ6枚まで選べるということで、ラインナップを見てみると、『X-MEN』『エイリアン』『ホームアローン』『ロボコップ』『ナイトミュージアム』あたりはシリーズを一気にそろえることも可能かな。一部BDとDVDでまたがってますけどね。セール時のコンプリートBOX等々よりは安い価格帯なので、そういう買い方もアリでしょう。

『ウエスト・サイド物語』『レインマン』『荒野の七人』『サウンド・オブ・ミュージック』あたりの言わずもがなな名作をこれを機にコレクションするのも良いですね。

 

などと書いているとつい12枚くらい買っちゃいそうだあ。もう本棚もぎゅうぎゅうで置き場がないというのに・・・。広い家に住みたい。

 

Amazon Cyber Monday(サイバーマンデー) | どれでも6枚3000円セール | DVD・ブルーレイ

 

 
 

感想『ヴェノム』 魅力的なバディは、その成熟過程が濃密に描かれてこそ映えるはず

まずは、本作が無事に制作から公開にまで辿り着いた、そこに敬意を表したい。

 

サム・ライミ監督版『スパイダーマン』から、『アメイジング・スパイダーマン』を経て、遂にMCU入りを果たしたスパイダーマンの実写映画シリーズ。ヴェノムと言えば『スパイダーマン3』に登場したものの、それ単独に尺が割かれた訳ではなく、後年の『アメイジング・スパイダーマン』では悪役集団のスピンオフ『シニスター・シックス』の企画も動いていたが、こちらは幻に消え・・・。MCU入りするだの・しないだの、といった噂話も飛び交いながら、やっとこさ『ヴェノム』は銀幕を飾った。本当に、長い年月だった。

 

ヴェノム [Explicit] (ミュージック・フロム・ザ・モーション・ピクチャー)

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しかも、興行成績も良いらしく、作中で可能性が示されまくっていた続編も、無事に作られそうな予感。良かった良かった。

 

 

「人間+非人間のバディ物」は、もはや鉄板の描き方がある程度固まっているように思う。まずは出会いから始まり、最初は反発も多かったコンビが、互いに互いを利用する所から関係をスタートさせ、徐々に互いのキャラクターを理解し、ついに当初そこにあったはずの「利害関係」を超えたモーションにまで辿り着く。「まさか俺がお前を助けるとはな」「キミならやってくれると思ってたよ」、なーんて、粋な台詞が飛び交って拍手喝采な訳だ。

 

このブログの読者層的に、そして私の趣味の範疇でも、やはり「人間+非人間のバディ物」といえば『仮面ライダー電王』の良太郎とモモタロスだったり、『仮面ライダーオーズ』の映司とアンクがすぐに頭に浮かんでくる。まあ、『電王』はバディ関係が中心にありつつ最終的にはチーム物・疑似家族物に寄っていったので、『ヴェノム』を語るならば、この場合『オーズ』の方が近いのかもしれない。

 

S.H.フィギュアーツ アンクスタンドセット

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映司とアンク。人を助けたいという思いがその過去により屈折してしまっていた青年と、欲望のままに自身の完全復活を目指す怪人。それぞれ、強すぎる部分や弱すぎる部分があり、最初は利害関係のコンビだったのが、次第に唯一無二の相棒に育っていく。そして、遂には自己を犠牲にしてでも互いのために動いてしまう。そういった変遷が年間を通して描かれるからこそ、『オーズ』のバディ要素は見応えがあるし、今でもファンの語り草となっている。

 

『ヴェノム』の主人公であるエディ・ブロックは、ジャーナリストとしての取材の果てに、宇宙生命体であるヴェノムに寄生されてしまう。当初は、「ヴェノムと相性の良い人間の肉体」として、そしてエディからしたら、「自身を狙う敵組織と戦う力」として、双方の利害が一致する。凸凹のコンビは、やがてその利害関係を超えたコンビネーションを迎える。・・・と、この大筋は確かに正攻法で、よく出来ている。ヴェノムの、ハードながらチャーミングなキャラクター造形も、実に心地よい。

 

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しかし、肝心の「バディが育っていく過程」が完全に不足しているため、そこに万感の思いは訪れない。なぜヴェノムはエディを「ただの人間」以上に認めるに至ったのか、エディはヴェノムのどこにパートナーとしての絆的な何かを見い出したのか、そこがあまり伝わってこない。そんな肝心の過程が描かれないまま、コンビはどんどん成熟という結果に向かっていく。結果としてのコンビ像は、終盤のやり取りも含め、理想的なバランスだ。しかし、それを成立させるための前段階が圧倒的に物足りない。

 

ヴェノムら宇宙生命体は寄生する人間との相性が大事だと語られ、じゃあエディはその融合係数的な何かがヴェノムと一致した、まさにヴェノムにとっては千載一遇の寄生対象なんだな!・・・と思いきや、すぐに犬や他の人間に寄生しちゃって、何ともなかったりする。え、そこは、「この俺はお前の身体と相性が良い。使ってやるからありがたく思え」な展開では? そこからの、「ただの乗り物だと思ってたお前だが、案外使えるな」を経ての、そしてあのクライマックスじゃないの? 違うのか?

 

などといった、肝心の「エディとヴェノムのバディ成熟過程」が描かれないので、非常に喰い足りない印象になってしまった。むしろ、ここさえ濃密に描けていれば、他の話の筋が例えボロボロでも「あり!!」になる可能性があったと思うのだ。優先すべきは小奇麗な起承転結にまとめることではなく、エディとヴェノムというキャラクターをしっかりと丁寧に描くことだったのではないか。せっかく「負けてきた野郎どもコンビ」という共通項も用意されているのに、それも目立って活かされない。つくづく惜しい。残念に思えてならない。

 

とはいえ、人より少し大きいサイズのヴェノムの不気味な威圧感であったり、「俊敏なゴリラ」的なスピードとパワーを兼ね備えたアクション、破壊たっぷりのカースタントなど、見所は多かった。ぜひ続編では、改めて主役ふたりの関係性を描きながら、新しいヴェノムワールドを描いて欲しいと思う。

 

ヴェノム:リーサル・プロテクター (ShoPro Books)

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