通称「ルパパト」は早くも半年の放送を重ねたわけだけど、正直、そのクオリティの高さに毎週驚いている。「こんなに面白いものが観れて良いのか!?」という感動を味わいながらTVの前で待機できほど、幸せなことはないですね。
私のルパパト本編に関する感想は、以下の過去記事にて。
そんなルパパトの待望の劇場版、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film』。毎年おなじみ、仮面ライダーとの併映。
戦隊夏映画はどうしても尺の側面からライダーの前座扱いされることがあるけども、ちょうど放送折り返し地点で公開されることもあり、「前半総決算」という意味で毎年とっても楽しみにしています。

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近年の戦隊夏映画で私が特に好きなのは、『特命戦隊ゴーバスターズ』の東京エネタワー。当時の制作陣のインタビューでも語られていた、「(毎週の放送で)ウケているものを全部やる」という姿勢がばっちりキマっているのが印象的で。
具体的には、「手数の多いアクション」「メイン3人のウィークポイント描写」「凝りに凝ったロボ戦の特撮」といった要素を、30分弱の中にしっかり詰め込んで彩っているんですね。なので、非常に「観たいものが観られた」という満足度が高い。
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今回の『en film』も、良い意味で似たような印象。
「縦横無尽なカメラワークで魅せる大乱戦」「レッド2人に両戦隊を象徴させるプロット」「キャラクターの掛け合いで物語を牽引」「実写特撮にこだわらないスピード感重視のロボ戦」といった、ルパパトの持っているいくつかの魅力的な要素を、今回の映画にはギチギチに詰め込んでいる。なので、やはり満足度が異常に高い。
更に、本編ではまだ踏み込んでいる最中である「両戦隊の交流」を各レッドに絞ってメインに据えることで、「みんなが観たかったシーン」が連発するという構成。
安定感の土台の上で期待値を満たすという、ファン向けには盤石すぎる作りである。
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ルパンレッドの目元を隠すマスクが常軌を逸するレベルで有能すぎるというツッコミはさておき、「なぜそうまでしてコレクションを追うのか」と問いかける圭一郎のシーンは良かった。
幾度となく衝突している両レッドだけど、互いに互いの過去や背景は知らずとも、その行動(職務)にかける想いの真摯さだけは認めている状態。いずれ崩れることが分かっている積み木が順調に積み上がっていく高揚感は、ルパパトならではである。
だからこそ、魁利は怪我をしてでもお巡りさんを助けるし、圭一郎は快盗を信用し決死の行動に出る。
絶対に相容れないけれど、そこにある信念だけは認め合う。屈折したコンビの成長を短い尺の中でしっかり描いてくれたので、満腹感がすごい。
反面、両レッド以外のキャラクターは少し割を食った感があったけれど、まあ尺的に仕方がないのかな、と納得できる域。レッド不在でも2人と2人で呉越同舟に至るなど、美味しいシーンもしっかり用意されていた。
両戦隊が利害の一致とはいえ横一列に並び立つのは物語的にまだとってもフレッシュだし、それが「戦隊」としてはオーソドックスな型というのが、じわじわ効いてくる爽快感を演出する。「よっ!待ってました!」感がすごい。
ロボ戦もさすがのルパパトという感じで、これについては、つい先日公開された杉原監督のインタビューが興味深かった。
――「スーパー戦隊」の場合、クライマックスには巨大化した怪人と巨大ロボットが戦いますから、そこでお芝居をひっぱるというより、戦いに特化している部分がありますね。そういった作風の違いがそれぞれの個性となって表れていると思いますが、今回の『ルパパト』のメイン監督を務められるにあたって、杉原監督なりに巨大ロボ戦のアイデア出しなどはやられていたりしますか。
僕が「戦隊」の現場に来て、ロボ戦というものに携わらせてもらったとき、以前からずっと疑問に思っていたことが明確になったんです。それは、巨大ロボットと周辺のビル・建物との比率の問題です。アクションの都合上ではあるのですが、建物に比較してロボットがデカすぎるんですよね。最近の都会だと、どのビルも大きいじゃないですか。だから、ビルの高さがロボットの腰くらいしかないと、それはとんでもない大きさのロボじゃないか、って印象になってしまうんですよ。反対に、ロボ基準で考えると今どきそんな低いビルばっかりじゃないでしょうってね。
――巨大怪人とロボットの格闘を見せるにあたって、ビルの大きさは「見え方優先」で低いものが使われていたということですね。
ロボットの動きも、ゆっくりと重厚にというよりは、街の中をスピーディに駆け回り、乱立しているビルの合間をぬって敵と戦うという、高速移動のイメージがあったほうが、新しくてカッコいいかなと思ったんです。そこで特撮監督の佛田(洋)さんと相談して、ロボ戦はミニチュアよりもCGの割合の多い画面にしていただきました。
・『ルパンレンジャーVSパトレンジャー』はロボ戦にも革命があった! 杉原輝昭監督が語る新しい戦隊への挑戦 (1) すべてにおいて「新しいことをやろう」 | マイナビニュース
個人的なベストカットは、まさにこのスピーディーなロボ戦の最後、敵を両側から斬って倒すその瞬間。
交差するパトカイザーとルパンレックスに、圭一郎と魁利の表情がオーバーラップする。泥臭く大きく口を開けて敵に突っ込む圭一郎と、それをフッと笑うかのように流し目で通りすぎる魁利。2人のキャラクターの旨味が凝縮された一瞬に、思わずニヤけてしまった。
「ステイタス・ゴールドな金庫は暗証番号が6桁」という情報が既知のものになっていたので、時系列的には25話の後、と見て良いのかな。ちょうど、放送内容と公開タイミングがぴったりという感じ。

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