今年もこの時期がやってまいりました!
「今年映画館で鑑賞した新作映画」の中から、独断と偏見で選ぶマイベスト10。毎年のことですが、このランキングは作品のクオリティを何ら保証するものではなく、ただ単に「私自身がどれだけ好きか・感動したか・心を揺さぶられたか」に基づいて構成されていますので、何卒、その点をご了承ください。
2014~2016年までのランキングは、こちらをどうぞ。
今年映画館で鑑賞できた新作映画は、ちょうど50本でした。
辺境のド田舎なので映画館までかなり車を飛ばさないと辿り着けないのですが、その環境の中で平均週一ペースで観られたのは、自分としては上等かと。嫁さんの理解の賜物です。感謝してもしきれない・・・!
ちなみに50本目は『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』でした。あと、4DXで『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス』と『最後のジェダイ』を観たので、総鑑賞回数は52ですね。
昨年までは観た映画すべてに順位を付けていたのですが、改めてタイトルを書き出して考えてみたら今年はかなり横並びの作品が多く、ちょっとやり方を変えてみることに。
ベスト10を除いた40作を大きく5段階に分けたので、そのリストを貼っていくスタイルでやってみようかと。(なので、同じゾーン内での順位付けはなし)
では早速ですが、鑑賞後に「おいおいおい・・・」となったワースト部門から。
『本能寺ホテル』は、俗に言われる「ダメな邦画にありがちなこと」の煮こごりですね。『超スーパーヒーロー大戦』は、なんというか、鑑賞しながら段々と感情が無になっていく新手の療法みたいな映画でした。ナーガに涙を流させたのは後の『キュウレンジャー』本編を思うとほんとアレだったな、って。『ミックス。』は下の記事どおりです。
次が「う~ん??」ゾーン。「いや、悪くないんだが・・・」みたいなのから、「自分には合わなかった!」というやつまで。
『ローガン』は、やはりどうしても「これまでのX‐MENユニバースを牽引してきた存在の最期がこれではあまりにも報われないのでは」という思いが拭えず、どうにもノリきれなかった。ウルヴァリンとしてもそうだけど、ミュータントの扱いの面で。いや、むしろそこが売りであり魅力というのは、分かるんですが・・・!
『ザ・サークル』は「テーマは分かるんだけどなんだかな~」で、『ローガンラッキー』は基本的に良い映画だと思うんですけど自分の中のどこにも引っかからなかったです。
続いて、「普通かな」ゾーン。全部、いわゆる「普通に面白い」やつです。同時に、自分の中で飛び抜けてはハネてこなかった作品群でもありますが。
『劇場版ウルトラマンオーブ』はセブンが美味しかったですね。『ドリーム』は実話が基というのは分かるんですが、ちょっと「正し」すぎる感じが説教臭く感じてしまった面もあり。
『亜人』はアクションがエキセントリックすぎて好き。『氷菓』は原作・アニメ共に未読だったのでメインの謎ときが楽しめたけど、所々演出が杜撰すぎる。『斉木楠雄の~』は、キャラクターの表面部分だけ拾ってるのでギャグとしては良いけど原作が持つハートフルな側面が薄かったのが残念。
以下、感想を書いた作品は個別記事で。
「良かった!」ゾーンは、文字通り観た後に「良かった!」と叫びたくなった作品群です。今年はこの層が厚くて良いですね。楽しかった。
『ザ・コンサルタント』はとにかく主人公造形の勝利。『モアナ』は猫目リンクの世界観でもののけ姫をやる感じで、むしろ日本人が作りそうなイメージすら沸いた作品。『キングコング』はこのご時世に所謂「俺たち」向けの宣伝をやってくれたのにびっくりでした。
『ホームカミング』は「無茶な大胆」から「覚悟が伴う大胆」への成長譚として抜群。『ソー』はとにかく楽しく出来ていて、『鋼の錬金術師』は原作ファンとして満足、『KUBO』は映像があまりにもあまりすぎて早くディスクが欲しいです。
『オリエント急行』はリメイク前より好きかもしれません。とにかく情景が素晴らしい。
さて、続いては惜しくもベスト10入りを逃した作品群、「ほぼベスト10」。というかもう、実質ベスト10です。12作入りのベスト10ですね!!!(錯乱)
『ラ・ラ・ランド』は、エンディングが好きなんですよ。大好物のメリーバッドエンド。現実と理想の狭間にある落し所として、あまりにも鮮やかな幕引き。『最後のジェダイ』は、テーマや挑戦の姿勢は財布をひっくり返してでも買いたいけど、単純にシナリオの洗練性が甘いのが残念で。
・・・という感じで、ざっくりですが、ベスト10選外の作品群でした。
それでは本命のベスト10、いってみましょう。
第10位『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』
ここ数年、自分の中で緩やかにコナン熱が高まってまして、原作を一巻から読み返したり、アニメの重要な回をピックアップして鑑賞したり・・・。そんな流れの中で鑑賞した本作ですが、これはいわゆる「組織とFBI」が関連しないお話なんですね。「ラブコメ&殺人ミステリー」という、これぞコナン!と言うべき直球王道テーマ。そんな物語の原則論に立ち返った作品が興収的にも記録を伸ばした訳で、コナンというコンテンツの強さを思い知りますね。
平次が飛び抜けてかっこいいというのはもう予告から明らかで、実際にそうだったのですが、実は全体の構成がとても丁寧。というのも、劇場版コナンでお馴染みとなっていた「コナンのエクストリームアクションシーン」、絵的にも映えるのでついついクライマックスに持ってきたいところを、これを前半の山場で消化させる。これにより、中盤以降は緩やかに平次と和葉の話に移行し、最後は平次がバッチリ決める。そういうバランス感覚がしなやかな作品でした。
と言いつつも、本作のエクストリームアクションもご多分に漏れず「あまりのかっこよさと規格外なアクションに笑えてくる」という味になっているので、そこもオススメですね。あの「回転」、映画館で笑いを堪えるのに精一杯。
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第9位『仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』
これはもう個別記事で書いた感想が全てではあるのですが。ファンサービス云々はもちろんのこと、何より監督ご自身の各作品への愛と思い入れがビシビシ伝わってきた映画で、ライダーファンとして感謝しか出てこない、という。
ちょうど昨晩読んでいた『エグゼイド公式完全読本』のインタビューでも、上堀内監督は以下のように語られていまして。
そしてレジェンドライダーはみんな、僕が助監督時代に関わった作品の主人公たちだったから、嬉しかったですね。武藤(将吾)さんと悠也さんが仕上げてくれたホンもよくて、それぞれの見せ場がしっかり書かれていた。なので僕としては、それぞれのライダーの現役時代に「自分だったらこう撮ってみたい」と思っていたことを、ぶつけてみたという感じです。当然ですけど、みんな場数を踏んでいて、とても成長していました。
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つまりは、『オーズ』から数えて「実質構想8年」とも言えてしまえたり?
あと、『ビルド』の東映公式ページでも、例のバイクシーンの苦労が書かれていました。
予告編でも使われた6人のライダーがジャンプで走り抜けるカットは、「合成だよね」と言われることも多いですが960コマ/秒のハイスピードカメラで撮った今回のバイクアクションの目玉シーンです。爆発のタイミング、6バイクとジャンプとスピードなどコンマ数秒のズレでもハイスピード撮影のため致命的な欠陥になります。爆発が早すぎたり、あるバイクが遅れたり、早すぎたりしてなかなか画面におさまらず、監督が妥協しかけたのをスタッフがもう一度やりましょう!と盛り立ててやりきりました。
なんかもう色んな意味で「並々ならねぇな」という感想なのですが、まさに並々ならない熱気がスクリーンから漂ってくる作品で、大満足でしたね。
第8位『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』
史実を基にした「いかにしてマクドナルド兄弟が作ったマクドナルドは他の男の手に渡ったのか」の物語ですが、これが本当に面白かった。私自身が大のマクドナルドフリークということもあるのですが、マクドナルドの本当に凄い部分というのは、その美しいまでの「効率性」にあると思っていて。レジの向こう、マクドナルドの厨房のあのシステム化された全ての動きと設備、本当に惚れ惚れします。本作は「そこ」をかなり重要なポイントとして描いていたので、最高でしたね。
あと、マイケル・キートンの人たらし演技がいい具合に脂が乗っていて、今年だと『スパイダーマン ホームカミング』での悪役演技もありましたが、個人的にはこっちのマイケル・キートンの方が好きかもしれません。なんというか、単にワルい奴、ではないんですよね。どちらかというと、ズルい奴。愛嬌のあるずる賢さ。そういう絶妙なバランスで出来上がった主人公造形でした。
「お仕事映画」として、昨年なら『シン・ゴジラ』が好きでしたが、今年だとこれですね。彼がやったことは、人道的・倫理的には「悪」だったのかもしれませんが、じゃあビジネス的にはどうだったのか。ぜひ社会人に観て欲しい作品です。
第7位『帝一の國』
観客の多くは女性だったそうですが(これだけ旬のイケメンを取り揃えれば当たり前ですが)、個人的にはむしろ男性に自信をもってオススメしたい作品ですね。いやー、思い返してもやはり素晴らしい。コメディテイストでまとまっていますが、やっていることは泥まみれの権力闘争!・・・という原作の魅力を余すことなく映像化していましたね。なんと耽美に暑苦しいんだ、と。
『バクマン。』でいうところの「シリアスな笑い」というか、本人たちが大真面目に権力闘争に汗を流せば流すほど、その様子が滑稽で笑えてくるという構図。裏切り・裏切られの物語の中に、しっかりと友情・努力・勝利も兼ね備えている隙の無さ。原作のエピソードを上手く取捨選択して組み上げられていて、クライマックスの次年度選挙戦なんかは観ているこっちがもはや万感の思い、という。最後にしっかりもうひと捻りしてあったのも良かったですね。
特筆すべきは、エンドロールに入る直前のラストカット。主人公である帝一がある台詞を発して、そこからスパッとエンドロールに入って流れる主題歌が『イト』。こんな鮮やかな幕引きがあっていいのか、と。思い出しても身震いしますね。
第6位『トリプルX 再起動』
今年の「脳が弛緩していく~~トリップしていく~~」枠。ポスターのキャッチコピーに「極限世界を体感せよ」とありますが、本当の「極限世界」とはッ!この作品を鑑賞した人の麻痺していく脳内のことであるッ!・・・という、未曾有のテンションを含んだ作品でした。とにかくアクションが「やべぇ」の一言だし、「トリプルX」を名称(コードネーム)から概念(ファミリー)に昇華させたのは面白かった。
何より、シリーズを観た人なら誰もがうっすら思っていたであろう「2作目はパワー不足だったのでは?」という感覚をちゃんと続編でひっくり返してきたのが良かったですね。なんというか、安易に黒歴史にしないという姿勢が素晴らしい。とはいえ、「グーチョキパーよりグレネードランチャー」という圧が強すぎる台詞は一体何日徹夜したら書けるんでしょうね・・・。
奇しくも三部作になった訳ですが、1作目と2作目をちゃんと拾って、実質完結編・シリーズ総括の意味合いをこれでもかと持たせたサービス精神が高得点でした。
『xXx 再起動』かと思った。
— 結騎 了 (@slinky_dog_s11) 2017年4月15日
⚡️ “20年前から「出番がくるのを待ってたトースター」”https://t.co/pKa5b4hFg1
第5位『メッセージ』
観念的・哲学的なSFはどちらかというと苦手な方なのですが、本作は「それ」に見せかけて、クライマックスの打開策が超~~ロジカル!もう本当にここが素晴らしい。あの解決法に辿り着いたシーンはもうあまりにも鮮やかで口を開けて観てましたね。
『メッセージ』、クライマックスの○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○という展開には痺れた。最高にロジカルだ。 https://t.co/qcpDRgCHBr
— 結騎 了 (@slinky_dog_s11) 2017年6月3日
異星人とのファーストコンタクトを言語学の観点から進めていくアプローチも面白かったです。ガシガシと知的好奇心がくすぐられるあの感覚。最終的に主人公が選んだ決断の是非について、観た人とついつい議論したくなる辺りも良い。
何度も鑑賞したくなる中毒性、というよりは、数年に一度思い出したように鑑賞して「ああ~」と唸りたい、そんな作品です。ソファに寝転がってダラダラ観るというよりは、たまにはちょっとしっかりと腰を据えて映画を観たいぞ、という人にオススメ。
第4位『ベイビー・ドライバー』
これも個別の感想記事にほぼ全部書いてしまったのですが、音楽の扱い方も見事ながら、主人公の「逃避」の物語がどう決着するのか、という点が好きですね。とにかく「魅せる」ことをとことん追求したカーチェイスに痺れながら、段々と主人公と一緒になって逃げているような錯覚に陥るトリップ感。「逃がし屋」として犯罪の片棒を担ぐ彼には、一体どのような過去があり、そして、どのような未来が「許される」のか。ゾクゾクするほど可愛いヒロインを巻き込んだ逃避行には、手に汗握ること間違いなし。
クライマックス前の、「音楽が流れないと車のエンジンがかけられない」というシーンが、狂おしいほどに好きで。ヒヤヒヤするシーンなのに、あそこで泣けてきちゃうんですよね。主人公・ベイビーがどういう人生を送ってきたのか、むしろ、“送ってきてしまったのか”、それが如実に表れてる名シーン。
公開規模が大きくなかったので、観れなかった人も少なくないと思うんですけど、ぜひレンタル等で鑑賞することをオススメしたいです。鼻息荒く人に勧めたくなる作品ですから。上映時間が2時間を切っているあたりも素晴らしい。
第3位『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス』
高すぎる前作のハードルをきっかりと超えてくる頼もしさ。まるで『スーパーダンガンロンパ2』を全クリしたあの日のような感動!(伝わる人には伝わる)
「ならず者たちが意図せずチームになった」という過程を辿った前作に続き、今作のテーマは「失い続けてきた者たちが互いに家族として求め合い、承認される」というもの。この「互いに承認される」の描き方がスマートすぎるので、結果としてやたらエモくなるという。相変わらずジョークは気が利いているし、燃えるシーンはしっかり燃える。前作と合わせて、エンターテインメントという物の一種の到達点とするのは、流石に褒めすぎかな。
ピーターが父親とキャッチボールするシーンが好きなんですけど、これの何が泣けるかというと、父親・エゴのピーターへの愛そのものには何ら偽りが無いから。そこが純粋だからこそ、その後の展開も活きてくる。最も恐いのは、悪だくみでも画策でもなく、「純粋」であることなのだ。そういう意味で、本作は「愛を選択する物語」とも言えるのかもしれない。
使用曲の中では『ブランディー』がお気に入りです。あと、監督自ら動きを付けたという4DXが最高でしたね。アンプの振動音と一緒に椅子が振動するあの高揚感といったら!
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第2位『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』
これはもう!!やられた!!完全なダークホース!!カップルだらけの映画館で独りで号泣するアラサー!!鼻水が止まらない!!おえっ、おえっ、って泣いた!!!
もちろん、青春恋愛映画なのだけど、次第に明かされるSF設定がお見事で。矛盾をはらんだタイトルの真相が明かされていく度に、そのSF設定のトリックがじわりじわりと効いてくる。「あー、あれはああいうことだったのか~」が細かく細かく積み重なって、そのあまりの切なさと儚さに涙が止まらなくなる、という。
小松奈々、決して直球の美人という訳ではないと思うんですけど(私見です)、その立ち振る舞いというか、発するオーラに物凄く存在感があって。今回は「秘密を抱えた存在」でもあったので、その特質性が上手く生きていたなあ、と。福士蒼汰は『仮面ライダーフォーゼ』の頃から何度も観ていますが、この作品はすごく演技が上手く観えたのが印象的。監督の演出と相性が良かったのかな。
監督の来歴を調べるとミュージックビデオを多く撮っている方で、道理でと言うべきか、光の扱い方が抜群に良かったですね。全体的に色調が淡い。その淡さが、物語の儚さにベストマッチしてました。
※2016年公開作品ですが、鑑賞したのが2017年だったので、今年のランキングに入れています。
第1位『ジョン・ウィック チャプター2』
なんというか、作品の完成度が云々というより、物語が好みすぎました。前作もとにかくガンフーアクションが話題になった作品でしたが、私はそのストーリーが大好きで。
妻を失い、車を失い、愛犬を失った主人公が、次第に復讐中毒になりながらも裏社会との距離を探っていくそのスリリングさ。一歩間違えればそのまま裏社会に逆戻りし伝説の仕事人になりそうなところを、何とか思い留まりながら銃をぶっ放す屈折した爽快感。
そういう側面が好きだったので、そこがより深まった、というより、もういいよと言いたくなるくらいに濃くなった『チャプター2』は、私の好みにドンピシャすぎました。鮮やかに撃ち抜かれたのは、俺だった~~。いや、もうね、あのエンディングですよ!あんな幕引き、あり!? 主人公が次第に何を「失う」のか、どうしようもなく復讐に駆られる男の生き様として、あまりにズルすぎるかっこよさ。早くディスク発売してくれ・・・!!
アクションも前作より進化していて、本作はロケーションにかなり凝っていたのが印象的。洞窟ダンジョンから鏡張りの美術館、そして一般市民がうろつく市街地。駅構内でサイレンサーを撃ち合うあのシリアスすぎる爆笑シーンは殿堂入り間違いなし!引き続き登場する裏社会ホテルの独自ルールやそのスタンスの魅力も迸る。
アクションはよりバイオレンスに、ストーリーはより深淵へ。「前作の何がウケたのか」をこれでもかと研究して作られたであろう、「続編」として点数カンストの素晴らしさ。思い出すだけで胸が高まりながら股間が ひゅっ となりますね。
・・・ということで、2017年の映画ランキングでした。頑張ってネタバレを避けて書いたので(所々怪しいけど)、気になった作品があった人はぜひ年末年始にでも観てみてください。
しかしまあ、来年は忙しいですよ。
年明け『キングスマン』続編にはじまり、春先には『リメンバー・ミー』や『ちはやふる』など明らかに良作の香りしかしない作品があって、劇場版『コナン』を挟みつつ、待ちに待った『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』。
そしてまさかの同時期に『パシフィック・リム』の続編があり、5月には『決戦起動増殖都市』、6月には『ハン・ソロ』と『デッドプール2』、7月は『ジュラシック・ワールド』の続編。8月の『インクレディブル・ファミリー』に、夏休み実写映画枠として『銀魂』続編や『BLEACH』。
そして、秋冬に向けて『ニンジャバットマン』や『バンブルビー』と続いていく訳です。今分かっている大作だけでもこれだけ・・・!すごい・・・。
そんなこんなで、2018年も好きな映画と沢山出会えることを願って、終わりにしておきます。ここまでお付き合いいただいた皆様、良い年末年始をお過ごしください。
◆過去記事