ジゴワットレポート

映画とか、特撮とか、その時感じたこととか。思いは言葉に。

雑記ブログのGoogleアドセンス導入は儲かるのか、という生々しい話

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ブログにGoogleアドセンスを導入して2年が経ったので、その経験をもとにアレコレ書いてみることにする。

 

まず先にことわっておきたいのは、「雑記ブログ」の定義である。私が言うこの場合の「雑記ブログ」は、「個人ブログ」とイコールだ。例えば、観た映画の感想。今日あった面白い出来事。インターネットで感じたこと。仕事の悩み。家族の思い出。小説の考察。漫画やアニメへの想い。エトセトラ。・・・そういった個人の日常を切り取った、言うなれば「日記の延長」を指す。決して、「ミニサイト」や「キュレーションサイト」のことではない。ここを混同する人も少なくないようなので、最初に明示しておく。

 

私は雑記ブログを約10年間運営しているが(そのうち二度移転している)、Googleアドセンスの導入に踏み切ったのは2年前。タイトル通り、「雑記ブログにGoogleアドセンスを導入」した形になる。なので、アドセンスで収益を得るためにブログを始めたというより、ネットの海で駄文を書き散らしてきた場所に新たに広告を貼ってみた、と形容した方が正しい。

 

だから、あまり専門的な施策は行っていない。シンプルに勉強不足というのもあるけれど、「どうすれば効果的にアドセンスの収益が伸びるのか」、薄い経験則しかないのが実際のところだ。

 

日々の流れとして、ブログの記事を書いたら、文章の長さを見ながら文中にアドセンスの広告コードを張り付けていく。はてなブログの「見たまま編集」を使っているので、その時だけ「HTML編集」に切り替えるという、単純な手順だ。広告を貼る位置は、必ず文章の転換点に置くようにしている。意図しない位置に広告が出るのがどうしても許せないため、自動広告には踏み切れないのが現状。

 

あと、PCでブログを閲覧した際のサイドバーに広告を数ヵ所。記事の最後にも関連広告のコードを埋め込んでいる。よって、「記事を読み始める → 文中に広告がn回 → 読み終わったら関連記事+広告」、という見栄えになっている。一応、検索されやすいキーワードやSNSからの流入など、色々と気を配っていはいるものの、ガチガチというほどではない。結局は、書く文章が面白くないと「読まれない」のだ。小手先を追求するより、ひとつでも多く記事を書きたい。

 

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肝心の収益をぶっちゃけてしまうと、導入初年度の2018年がちょうど7桁に届いたほど。そして、続く2019年はその約8割に落ち込んだ。無の状態からこの結果が出たので、嬉しいといえば嬉しい。とはいえ、常にグラグラの橋の上を歩いている感覚は拭えない。

 

その要因は、2019年の収益がガクッと落ち込んでいることにある。前年対比8割といえば聞こえは良いが、秋以降に相当な下落を記録しているのだ。それ以前は日に4桁は確実ラインだったのに、今は数百円もザラである。日によっては漫画一冊も買えない程度だ。これは、2019年の秋にGoogleのコアアルゴリズムアップデートが実施されたことが影響している。つまり、自分のブログ記事が有していた検索順位が大きく変動したのだ。これまでググったら上位に表示されていたページの多くが、大きく下落した。

 

そう、Googleアドセンスの広告をクリックしてくれるのは、多くが検索からの「一見さん」なのだ。検索順位が変動すれば収益も影響を受ける。シンプルな事実である。

 

大変ありがたいことに、このブログのはてな読者数は現状1,800を超えており、私のTwitterのフォロワーももうすぐで9,000に届くほどだ。固定読者、つまりリピーターとして訪れてくれる読者に、ある程度恵まれていると言って良いだろう。しかしそれでも、日の広告収入は数百円である。これはもう当たり前のことで、読者は目的として「文章を読みに来ている」のだから、「広告をクリックしてブログを離脱する」ことが少ないのだ。おそらくリピーターの方は、文中の広告を無意識に無視する読み方をしてくれているのだろう。そして、これはもう頭が上がらないほどに、「感謝」の二文字に尽きる。

 

よって、これも明白なことだが、主たる収入源(この表現はちょっと俗っぽ過ぎて嫌なのだけど他に適当なワードが思い浮かばない・・・)は、検索から読みに来てくれた「一見さん」だ。あるいは、Twitterやはてなブックマークでバズった際に訪れる、これまた「一見さん」。そういう方々が、「うーん、読んでみたけど期待通りの内容じゃなかったな。それよりちょっと気になる広告が出てるからこっちをクリックしよう」という動きをすることで、私の収益に繋がるのだ。

 

これが何を意味するかというと、構造面での極論として、「真に面白い雑記ブログは儲からない」ということである。万人の興味を強く惹き付ける内容であれば、広告離脱が起きることなく記事は最後まで読まれ、また別の関連記事に関心が移っていく。理論上、マジにそのブログに熱中したならば、広告には移動しないのだ。

 

だからこそ、収益が出る状態というのは、雑記ブログの管理人として一抹の寂しさがある。あるいは、悔しさ。「ああ、今日も私のブログから広告離脱した人がいたのだな」。雑記ブログにおけるGoogleアドセンスというのは、そういう負の感情と不可避なのである。そりゃあ、書くからには読まれたい。読まれることを意識して書いている。そうじゃなければ鍵付きの日記帳に書けば良いのだ。でも、「読まれない」時に、「儲かる」。なんとも屈折している。

 

もしGoogleアドセンスで思いっきり収益を出そうと思ったら、①検索されやすい流行りのワードを山のように盛り込んで、②内容を思いっきりつまらなくすることである。これが哀しい現実だ。そしてこれを反映したように、無味無臭のサイトが今も量産され続けている。田中太郎の恋人は? 出身地は? 趣味は? いかがでしたか? 調べてみたけど分かりませんでした。

 

しかし、そんな無数の「一見さん」の核の部分に、リピートで読んでくれる読者がいる。そういう読者がいるからこそ、シェアやRTで記事が広がり、新たな「一見さん」の目に留まる。雑記かつ個人ブログと収益の関係性は、重ね重ね、屈折しているのだ。

 

Googleアドセンスは文字通りGoogleに生殺与奪権を握られているため、彼らの指先ひとつで大きな影響を受ける。検索の順位が変われば、収益もガクっと下がる。あるいは、一気に上がる可能性もあるだろう。しかし、そのどちらにせよ、「グラグラの橋の上」であることに変わりはない。「安定」とは程遠いのが、雑記ブログ+Googleアドセンスの現実だ。

 

よって、収益を維持する絶対的な方法は無い。強いて言えば、コアアルゴリズムアップデートによる順位下落の打率を少しでも下げるために、記事を沢山書いておくことだろう。とはいえ、そもそも個人のブログ記事は検索に弱いのだ。ガチガチにワードを固めて作られたサイトには、ちょっとやそっとじゃ勝てない。(まあ、特段「勝とう」という意識がある訳ではないけれど・・・)

 

それに連なるように、何の施策もしていない雑記ブログは、1PVあたりの単価も低い。私の2019年の「アドセンスによる総収益(円)」を「年間総PV」で割ると、出てきた数字は0.185だ。特別に作り込んでいない個人ブログだと、所詮この程度である。100PVで18.5円。2,000PVで370円。5,000PVで925円。実際にブログを運営している人には、この数字の生々しさが伝わるだろうか。

 

よって、損益分岐点の計算も容易だ。例によってはてなブログでいくと、「はてなブログPRO」の1年コースが8,434円。独自ドメインの取得は1,000円ほどだろう。よって、経費となる計9,434円をペイするには、年間で50,994PVが必要になる。ひと月あたり4,249PV、デイリーで137PVだ。これを超えることができて、初めてプラスマイナス0となる。言うまでもなく、記事執筆にかかる人件費は0だ。

 

もちろん、先の0.185という数字は個人差が大きい。あくまで私のブログにおける実績値である。しっかりと対策してアドセンスで結果を出している人からすれば、鼻で笑いたくなる数字だろう。とはいえ、例えば日に100PVもいかないブログが収益化したところで、赤字になるのは火を見るより明らかだ。そこそこの収益に繋げたければ、やはり最低でも日に1,000PVは欲しい。

 

つまりは、個人が趣味の域で運営する雑記ブログで収益を得たければ、まずはPVが無いと話にならないのだ。数で殴る他にない。しかも、仮にその数を積み上げたとしても、Googleが一度コアアルゴリズムアップデートを行えば全てが水泡に帰す可能性すらある。なんとも世知辛い話だ。

 

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だからこそ、個人が雑記ブログで「儲けよう」と思ったら、Googleアドセンスだけに頼らない「分散」の構造を作らなければならない。「グラグラの橋」はどうやってもグラグラで、個人がどうこうできる代物ではない。要は併用である。

 

私の場合は、Amazonのアフィリエイト(Amazonアソシエイト)も併用して貼っている。しかし、これもまた特別な施策を行っている訳ではなく、記事の途中や最後に関連する商品をペタリと貼っているだけだ。収益は、アドセンスの1/4ほど。クリックされるだけで収益が発生するアドセンスに比べ、実際に商品が購入されないと発生しないアフィリエイトは前提が不利である。とはいえ、額の大小ではなく、アドセンスよりは若干の「安定感」がある。

 

また、ここ一年ほどで原稿依頼のお仕事が急激に増えた。大変ありがたいことである。雑誌やウェブサイトに記事を寄稿して原稿料を頂戴しているが、これもまた「分散」に一役買っている。他にも、Amazonではなくもっと収益性の高い成約型のアフィリエイトがあるけれど、「買ってもらうための文章を書く」行為がどうしても難しい。原点が「書きたいことを書く」だからだ。この点、雑記ブログである以上は、不向きな選択肢なのだろう。

 

そうして「分散」を意識しても、2019年の実績でいくと、Googleアドセンスが総収入の60%、Amazonが15%、原稿料その他が25%、という割合である。総収入の6割が「グラグラの橋」なのだ。なんとも危うい。だって、翌年には利益に対する税金を払う必要があるのだ。その時に橋が陥落していたら最悪である。よって、収益のほとんどを念のために大事に大事に貯めておかねばならない。明日訪れるかもしれない陥落のために。

 

以上が、雑記ブログにGoogleアドセンスを導入した、その2年間の実体験である。

 

かなり生々しい数字を羅列してしまったが、同じく雑記ブログを運営している人には、いくらか参考になるだろうか。ひとつだけ確実に言えるのは、「雑記ブログ+Googleアドセンスはとにかく不安定」ということだ。儲かるか・儲からないかと問われれば、そりゃあ、数字があればある程度は儲かる。けれど、それはいつ壊れるかも分からない道を歩んでいるに過ぎない。簡単にガッポガッポの金儲けだなんて、そんな簡素な話ではないのだ。

 

www.jigowatt121.com

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とはいえ、収益とはまた別に「ブログを育てたい」「もっと読まれたい」という想いは痛いほど分かるので、そっち方面の話は先月書いた上記の記事をどうぞ。

 

Google AdSense マネタイズの教科書[完全版]

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