ジゴワットレポート

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感想『仮面ライダージオウ』第47話「2019:きえるウォッチ」ZI-O signal EP47

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『仮面ライダージオウ』第47話は、柴崎監督&下山脚本による、最終章前編。ここから3話構成っぽいので、最終回まで引き続き柴崎監督が担当になるのかな。今回、チェイス関係で剛とのやり取りが回想シーンで流れましたが、奇しくもその回も柴崎監督の担当でした。しかも、『ドライブ』も最終3話が同監督。懐かしい。

 

ということで、このジオウシグナルも残すところあと3回。いよいよですね。最終回の感想は、『ジオウ』全体の感想を兼ねてしっかり書き上げたいと思っております。最終回が近くなってくるこの時期、毎年、『○○』ってどういう作品だったかな、と思い返すことが多くて。『ジオウ』は、本当に色んな意味で早い一年だった気がする・・・。2017年にタイムスリップした先にスカイウォールがあって「あ、あるのか!?」と驚いたあれから一年。早い・・・。そして懐かしい。

 

あ、先に宣伝だけさせてください。いつもお世話になっているリアルサウンドさんで、『ゼロワン』の記事を書きました。以前ブログに書いた内容と一部重複してますが、『ジオウ』夏映画とも絡めつつ、『ゼロワン』への期待を挙げていく内容になっております。どうぞよろしく。

 

www.jigowatt121.com

 

ということで、『仮面ライダージオウ』の感想を綴る「ZI-O signal」(ジオウシグナル)、今週もいってみましょう。

 

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スウォルツの目的、20の世界

 

さて今回、スウォルツの目的が割としっかり明かされたことで、まさにクライマックスという感じですね。色々と、こう、概念的なところは大きかったですが。

 

以下、自分なりに整理をしていきたい。まず、劇中でのワードの使われ方を見るに、「世界」と「時間軸」って近い意味と捉えて良いのかな、と。スウォルツが守りたい自分の世界と、平成ライダーが存在する計20の世界。そもそもそれは「時間軸」が違うという話だったが、破壊を逃がすことが可能な先として近しい模様。なので、便宜上、「スウォルツ時間軸」もひとつの「世界」として扱うことにする。

 

すると、前提の設定として、以下のような「世界」が存在していたことになる。

 

世界1 クウガの世界

世界2 アギトの世界

世界3 龍騎の世界

・・・

世界19 ビルドの世界

世界20 ジオウの世界

世界XX スウォルツとツクヨミの世界

 

『ゼロワン』の世界が分類上の21に該当するかどうかは置いておくとして、『ジオウ』の物語上確認できる世界はクウガ〜スウォルツまでの計21。おそらくこれ以降も無限に存在しているのかもしれないが、今現在話題になっているのがこの系列。「太陽系」のように、ライダーが中心となる惑星同士の構造みたいなものがあるのかもしれない。

 

そして、それぞれの世界には世界XXを除いて仮面ライダーがひとりずつ存在し、その世界を司っている。「なんで仮面ライダーが各世界の象徴のように扱われているのか」という疑問もあるのだけど、まあ、今観ているのは「仮面ライダー」だしなぁ・・・。「そういうこと」なのかもしれない。ホビーアニメのような世界観だけど。

 

そして、宇宙の彼方で星が日々消滅し、あるいは誕生するように、「破壊」という事象が不可避なものとして存在している。順番があるのか、ランダムなのか、兎にも角にも、どこかの世界が「破壊」を引き受けなければ宇宙の均衡が保てないとか、そういうシステムやルールがあるのかもしれない。そんな「破壊ルール」の次に指名されてしまったのが、世界XX。スウォルツとツクヨミが生きる世界。しかし、スウォルツはそれをどうにかして回避したいと思うようになる。

 

自身の世界の破壊を回避するには、どうすれば良いのか。彼が採った選択は、「他の世界に破壊を押し付けること」。仮に他の世界が破壊されれば(そっちが破壊を肩代わりしてくれれば)、世界XXは破壊を免れることができるだろう。であれば、世界20を中心に世界1から世界19までを融合させることで、対消滅のように、出来上がった融合世界の破壊を発生させることができるのではないか。大筋、こういうことなのかな、と。

 

世界1から世界19が、世界20に集まるように融合する。つまりこれは、『クウガ』から『ビルド』までの世界が『ジオウ』の世界に取り込まれることを意味する。このため、常磐ソウゴという少年を「生まれながらの王」に仕立て上げ、彼がウォッチ(存在権)を集める行為そのものが「後に破壊されるための世界融合」であるように絵を描く。バスジャックを実行し、彼に王の思想を植え付けることで、融合世界を作ろうとした。

 

世界が融合するということは、各々の世界の災厄が集うことも意味する。今回の47話のように、インベスもロイミュードもミラーモンスターも、その全てがひとつの世界にはびこる。災厄同士がぎゅうぎゅう詰めで発生し、世界同士の設定が所狭しと同居することで、計20の世界が融合して生まれたその世界は、自重に耐えきれず、自壊してしまうのだろう。そして、それこそがスウォルツの成し遂げたかった「破壊」。

 

しかし、このスウォルツの野望をいち早くキャッチしたのが、門矢士。平成ライダーの代表として各世界の構造を承知していた士は、それが融合しかけていることに気付く。

 

更には、スウォルツがタイムジャッカーという組織を結成し、アナザーライダーという方法を用いて歴史を改変していることを知る。「アナザーが生成された時点でライダーの力が消滅してしまう」ことへの対抗策として、自身のディケイドの力をふたつに分割。ひとつは引き続き自分のもの。そして、もうひとつをディケイドウォッチに変え、ゲイツを通してソウゴに預ける。

 

仮面ライダージオウ DXディケイドライドウォッチ

仮面ライダージオウ DXディケイドライドウォッチ

 

 

士の目的は、「世界20を破壊するか否かを見極める」こと。つまり、世界融合の核にあたる『ジオウ』の世界を破壊さえしてしまえば、『クウガ』から『ビルド』までの世界は独立性を保ったまま守られることになる。士は、平成ライダーの個々の歴史を守るために活動していたのだろう。これがもう、『ディケイド』のシナリオ的にも熱い話なんですよね。

 

しかし同時に、仮面ライダーの後輩としてジオウを見守りたくもあった士。問答無用で世界20を破壊してしまうのではなく、彼が仮面ライダーとして成長し、世界の破壊を自ら回避できる器になり得る可能性に賭けて、手を下さずにいた。ソウゴはパーソナルな面でも仮面ライダーとしても成長を遂げたが、肝心の世界融合については、「ウォッチが集まる」ことで依然として進行してしまっていた。そして、遂に集まる20のウォッチ。

 

一方、その少し前のタイミング。スウォルツは思いもよらないハプニングに見舞われる。それは、妹であるアルピナが兄より力が強く、その世界の王位継承者となってしまったこと。これに激怒したスウォルツは、アルピナの力を封じ込め記憶を奪い、世界20に追放。後々融合して破壊される運命にある世界20。直接手を下さなかったとしても、彼にとって同じことだったのかもしれない。更にはアナザーディケイドの力まで手に入れ、世界XXの王に成り上がろうとする。

 

かくして、スウォルツの思惑通り、計20の世界が融合。自壊が始まってしまう。ギリギリまで後輩を見極めようとしていた士だったが、もう時間がない。「大体分かった、この世界を破壊する」。『クウガ』から『ビルド』までの世界を守るために。

 

Ride the Wind

Ride the Wind

Ride the Wind

 

 

果たしてソウゴは、スウォルツに利用された傀儡として、魔王の汚名を受けてしまうのか。それとも、融合世界の破壊を回避することができるのか。しかし、「融合世界の破壊を防ぐこと」は、「ツクヨミの世界の破壊を確定させること」でもある。これが、前回の最後にスウォルツが突きつけた選択肢の意味だろう。スウォルツ世界を犠牲にするか、融合世界を犠牲にするか。あるいは、オーマジオウに身を堕とす第三の選択肢があるのか・・・。(このまま世界破壊を成し遂げてしまったソウゴこそが本来のオーマジオウなのかもしれない)

 

などとまあ、妄想たっぷりにお送りしました。今回の本編で語られたピースを自分なりに繋げてみると、こういうことなのかな、と。

 

もちろん、この説には色々と疑問点も残るんですよ。夏の劇場版との関係性や(一応ネタバレ配慮のために詳細な言及を避けてます)、タイムマジーンによるタイムトラベルは世界の横移動だったのか否か、本来のオーマジオウ成立問題(つまり一周目?には何があったのか)、等々。来週の予告ではオーマジオウと対決しているけども、そもそも仮に「オーマジオウを倒した」からといって世界融合と破壊の問題は解決されないと思うんですよね。

 

東映公式サイトには「起死回生の作戦」ともあるので、ここを上手く絡めたロジックが湧いてくるのかな、とも思ったり。

 

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魔進チェイサー登場!

 

何が言いたいかって、上遠野太洸さん、相変わらず声が渋い!そうそう、チェイサーってこういう機械兵士だったよな、と懐かしくなりましたね。『ドライブ』序盤の、執拗にドライブを狙ってくる敵キャラクターとして、チェイサーはかなり魅力的でした。当時発売されたボーイズトイのフィギュアが、また相当出来が良かったんですよ。これはいじくり倒したなあ。

 

仮面ライダードライブ TK06 魔進チェイサー

仮面ライダードライブ TK06 魔進チェイサー

 

 

ウォズの説明によると、彼らは「ジオウが各ライダーの歴史を奪ったことで倒されなかった敵」のようなものらしい。そもそも、「正史が消滅すると敵も一緒に消滅する」ルールじゃなかったのか、という気もするのだけど、この混沌とした融合フェイズに至っては、もう一枚大きな器で考える必要があるのだろうか・・・。 とはいえ、完全に「倒されなかった」で分岐するのではなくて、それはあくまで考え方の問題であり、彼らには適役としてそれを全うした記憶もあるようですね。(チェイスが剛の名前で揺らいでいたので)

 

しかし、この世界融合における災厄の集結、色んな作品を思い出しますよね。ハイドラグーンが空を飛び回っているのは『龍騎』の劇場版、巨大な魔化魍がビルにうようよしているのは『ディケイド』の1話、街のそこかしこで怪人がウロウロしているのはヘルヘイムの侵略が進んだ『鎧武』だし、何より、敵が悪夢のように集結している絵面は『響鬼』クライマックスのオロチ現象。そういった、平成ライダーのあらゆる歴史のイメージが融合している印象で、理屈より感情に訴えてくる説得力がある。

 

そして、そんな世界で戦うゲイツとウォズ。物語序盤、ゲイツは人々を襲うアナザーライダーを放っておこうとしたシーンもありましたが、「民を守る」というソウゴに感化されたのか、襲われた一般人を守るように戦線に突入していく。ウォズも同様。こういうの、ベタですが、良いですよね。

 

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ディケイドの狙い、ツクヨミの力

 

さて、話を主軸に戻すと、やはりツクヨミの力こそが物語の鍵を握っているのかな、と。

 

予告でもウォッチのような物を持っていましたし、何より、士がその身を犠牲にしてまで彼女を助けた。つまり、スウォルツが嫉妬して激怒するほどのアルピナの強大な力が、世界融合を回避するための何らかの策なのかもしれない。上では、「士は後輩であるソウゴを見極めるために世界の破壊を待っていた」と書いたけれど、もしかしたら、このアルピナの覚醒こそを待っていたのかもしれませんね。各世界と関わるソウゴと共にいることで、アルピナの力が目覚めていくのを狙って。

 

あと、Twitterにも書いたんですけど、ディケイドライドウォッチってもしかしたらこうだったのかもね、というやつ。

 

 

これもそうですが、今回は海東の色んな意味で彼らしい動きも含め、『ディケイド』のジオウの世界という感じであった・・・。「コウモリにはコウモリ」とか言っちゃう士なので、「ジオウにはジオウ」にもニヤリ。

 

さて、「世界の破壊を防ぐために世界20を破壊したい士」「友の王への道を助けたいゲイツ」「ソウゴのために自身が仕えるオーマジオウにまで立ち向かうことになるウォズ」「秘めた力が物語の鍵を握るツクヨミ」、そして、「“時計”を修理してきたおじさん」と、「民を守り、最悪の運命を退け、王様になりたいソウゴ」。

 

一枚岩のチームのようで、実は少しずつ目的とゴールが異なっているかもしれない、凸凹な面々。彼らが辿り着く結末は、如何に!

 

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