ジゴワットレポート

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令和ライダー『仮面ライダーゼロワン』が発表!蛍光色の昆虫ライダーは「仮面ライダー」の本歌を取る

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ついに発表されました、新ヒーロー『仮面ライダーゼロワン』。今や特異なビッグコンテンツとして成長した「平成ライダー」が、ついに「令和ライダー」にバトンを渡す。

 

『クウガ』から数えて20作、『ダブル』からは10作。そんな平成ライダー20作の歴史を総括する『ジオウ』も佳境に突入。2019年の新ライダーは、『ゼロワン』。「01」という文字列も、「新時代の01号ライダー」「令(ゼロ)(ワ)」「0と1のデジタル世界」と、色々と連想できますね。

 

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出典:平成仮面ライダー20作品記念公式 @HKR20_official

 

www.youtube.com

 

 

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ゼロワンのデザイン

 

平成ライダーらしい奇抜な印象を黄色の蛍光カラーに、昭和ライダーの偉大なる昆虫(それもバッタ)の意匠を全身に。温故知新、すごく良いバランスだなぁ、というのが第一印象。

 

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出典:仮面ライダーゼロワン [画像ギャラリー 5/6] - 映画ナタリー

 

何より、すごく「ぎょっとする」デザインですよね。誤解を恐れずに言ってしまうと、「怖い」というか、「気持ち悪い」というか。やけに鮮やかすぎる色合いの昆虫が、巨大化して二足歩行をしているイメージ。まさに「バッタ人間」である仮面ライダーの精神を受け継いだデザインだな、と。

 

平成ライダーは、桃が割れる電王や、瞳がデザインされたエグゼイド、顔に文字が書いてあるジオウなど、20作をかけて「ぎょっとする」デザインを推し進めてきた。しかし、時代と共に「奇抜さ」は担保しつつも「奇怪さ」が薄れていた面もあり、本作ゼロワンは、ちょうどその真ん中をぎりぎりの線で狙いに行った印象がある。

 

特徴的な触覚に、王道の涙ライン。スーツはシンプルで、マスクの造形も前面に寄せた「仮面」のアプローチ(横から見るとより分かりやすい)。黒いスーツにシルバーのラインを走らせつつ、全体をスタイリッシュにまとめる。それも、黒地はよく見るとテクスチャ素材。瞳そのものは釣り目じゃないのに、アンテナによってしっかり釣り目になっているのも上手い。

 

 

ベルトがタイフーンを模した円形なのも良いですね。光る!鳴る!回る!、ですよ。

 

スタッフ

 

テレビ朝日のページによると、東映側のプロデューサーは『エグゼイド』『ビルド』の大森敬仁。パイロット監督は『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』や『ジオウ』アギト編が記憶に新しい杉原輝昭。脚本は『エグゼイド』の高橋悠也(クレジット上は「高橋悠也 ほか」なので今回は全話執筆ではなさそう)、音楽は『ゴースト』の坂部剛。更にアクション監督には渡辺淳と、近年の東映ヒーロー特撮に携わったスタッフ陣が軒並み集結したような印象を受ける。

 

しかし大森プロデューサー、『エグゼイド』『ビルド』と異例の二年連続からの、『ジオウ』で一年置いて『ゼロワン』とは。往年の白倉プロデューサーを想起させる・・・。

 

 

注目したい・嬉しい点としては、高橋脚本の再来。『エグゼイド』で見せた、「毎回盛り上がりを細かく設ける」「びっくり箱が頻繁に閉じたり開いたりする」といった作劇が、『ゼロワン』ではどう展開されるのか。期待が高まる。まさかこんなに早く、高橋脚本のライダーがまた観られるとは。

 

 

そして、杉原監督のライダー本格参戦!『ルパパト』ではルパンレンジャーの縦横無尽なアクションに代表される工夫に満ちた映像が見所でしたね。先の『ジオウ』アギト編でも、合成でアナザーアギトを増やして集団戦を描いたり、原典『アギト』への愛を感じる演出を詰め込んだりと、見応え抜群でした。こちらも非常に楽しみ。

 

あと、ナレーションがまさかの山ちゃん!

 

 

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初のレギュラー女性ライダー

 

特筆すべきは、仮面ライダーバルキリーという女性ライダーが番組開始早々に参戦していること。

 

 

「女性仮面ライダー」の論争は歴が長い。古くは電波人間タックルから、『龍騎』のファム、そして『ファイズ』以降では女性も仮面ライダーに変身するシーンが着々と増えてきた。そして、キバーラやなでしこといった映画での登場、マリカやポッピー等のテレビシリーズへの途中参加を経て、令和元年、ついに「番組開始からレギュラーの女性ライダーが登場」へ。いやぁ、ついにここまできましたね。感慨深い。

 

令和という新時代。あらゆる作品が、旧来の価値観と新しいそれとの折り合いを目指していく中で、本格的に登場する女性仮面ライダー。新しいトピックとして注目が集まる。ベルトがバルカンと共通で男女が対になる設定は、『炎神戦隊ゴーオンジャー』のゴーオンウイングスを思い出したり。

 

ストーリー

 

 舞台は新しい時代を迎えた日本。人工知能のリーディング・カンパニー『飛電インテリジェンス』が開発する人型AIロボ、「ヒューマギア」の本格的な実用運転が始まっていました。ヒューマギアは人間と見分けがつかないほど精巧に作られ、様々な職場に溶け込んでいました。

 一方でこの状況を良しとしないテロリスト『滅亡迅雷.net』は、ヒューマギアをハッキングして暴走させ、人類の滅亡を企みます。政府もいち早く彼らの行動を察知し、内閣官房直属の対人工知能特務機関『A.I.M.S.(エイムズ)』を設立。暴走するAIロボの鎮圧と治安維持を目指します。
 そんな中、笑いのセンスがないにもかかわらずお笑い芸人を目指す飛電或人(ひでん・あると)は、AIによってお笑いの活躍場所を奪われてしまいます。ショックに打ちのめされる或人ですが、『飛電インテリジェンス』の創立者で社長の祖父が死去。彼の遺した遺言によって、『飛電インテリジェンス』の二代目社長に指名されるのです。

 巨大企業の社長などに興味がない或人でしたが、目の前で『滅亡迅雷.net』のハッキングによりヒューマギアが暴走。『飛電インテリジェンス』の社長のみが手にできる「ゼロワンドライバー」を受け取り、仮面ライダーゼロワンへと変身を遂げるのです!
『飛電インテリジェンス』の新社長に就任し、AIを巡るバトルへと身を投じていくことになった或人。彼は『滅亡迅雷.net』だけでなく、AIを敵視する『A.I.M.S.』、AIの開発競争や利権を巡る人間たちの思惑とも戦うことになっていくのです。

仮面ライダーゼロワン|テレビ朝日

 

・・・といった感じで、「AI」を題材としたハードなSFが描かれそうな予感。現行の『ジオウ』もタイムトラベルというド直球のSFを描いてますが、これはまた路線が違った、例えば手塚治虫でいうところの『メトロポリス』な路線ですよね。

 

メトロポリス

メトロポリス

 

 

AIや人工知能というと、最近では恋愛感情を絡めた『エクスマキナ』という映画もありましたが、そのAIがどこまで人間の仕事を奪うのか、という議論も盛んで。早速、『ゼロワン』のストーリーでは主人公が目指した「お笑い」の活躍場所がAIに奪われるとのこと。「ヘッドギアを着けた俳優は全部アンドロイドです!」という演出も、いかにも東映って感じで良いですね。

 

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仮面ライダーシリーズとしては、『ドライブ』における人口生命体・ロイミュードが近い感じだろうか。造られた命である彼らは、一体何のために生きているのか。その主題が最終回まで描かれた作品でしたが、ヒューマギアは果たしてどういう立ち位置になるのか。人間のために身を粉にするヒューマギアもいれば、ハッキングを受けて暴走してしまうヒューマギアもいる。仕事としてそれを粛正する組織と、そのヒューマギアを開発した会社の社長になってしまった主人公。いくらでもハードに寄りそうな、多彩なドラマが想像できる。

 

また、本作は国立情報学研究所という機関が企画協力・監修に入っているとのこと。こういう情報って、否が応でもワクワクしますよね。

 

 

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あと、東映がおくる「01」といえば、当然、『キカイダー01』が思い出されるところ。これまでの平成ライダーでも、過去の石ノ森ヒーローの影響を感じるアプローチは無数にあったので、その系譜ということだろうか。

 

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新ヒーロー『仮面ライダーゼロワン』。様々な情報をさらった上での私の第一印象は、「手堅さ」だ。良い意味で、あまり「斬新さ」を感じない。

 

それは、仮面ライダーというヒーローが持つ「異形のヒーロー」「昆虫モチーフ」「アンテナや涙ライン等のデザイン」といった伝統要素を踏襲しつつ、平成ライダーが発展させてきた「奇抜なアプローチ」「ハードSF路線」「アイテムを用いた変身ガジェット」「女性ライダー登場」等のトピックを同居させているからこその印象だろう。

 

言うまでもなく初めて見るヒーローなのに、なぜか、昔から知っていたような気もする。それほどに、長年追ってきた「仮面ライダー」という看板の精神を見事に汲み取ったような存在だ。

 

以前リアルサウンド映画部で「平成ライダー」の記事を書いた時にも触れたが、この「平成ライダー」という単語は、そもそもがファンの間で使われていた俗称である。単に、それ以前の昭和の仮面ライダーと区別するための、便宜上の呼び名。それが、いつのまにか公称となり、「昭和ライダー」「平成ライダー」という明確な区分けが制定され、今現在は「平成ライダー」の時代と歴史を巡る総括作品が放送されている。

 

平成ライダーは、その時その時の「やれること」「やりたいこと」にハングリーに取り込み、半ばキメラ的に進化してきたシリーズである。良くも悪くも節操がない。「平成ライダー」という俗称を公式が取り込んでしまった流れは、その性格の最たる部分と言えるだろう。取り込んだからこそ、「終わり」が訪れる。そして次は当然のように、公式自ら「令和ライダー」を大々的に打ち出していく。そもそも、仮面ライダーと元号は全く関係がないのだけど、いつの間にか切っても切り離せない間柄となっているのだ。

 

「7月17日に制作発表をします!」という「予告の予告」も、これまでの同シリーズではあり得なかったことだ。少しずつ、仮面ライダーに新風が流れ込んできている。『ゼロワン』の本歌取りに、心から期待したい。