ジゴワットレポート

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『名探偵プリキュア!』の推理パート、実に「ちゃんとしている」!

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ミステリ好きが好きな言葉、「本格」「フェア」「解決編」「消去法」。今年のプリキュア、全て実装してます。

 

娘と観始めたプリキュアも、新作『名探偵プリキュア!』でもう6作目。いつしか幼稚園児から小学生になり、ほどなくして卒業するかと思いきや、今年も全力でプリキュアにお熱。ま、まあ…… 君のお父さんはアラフォーだけど毎週欠かさず仮面ライダーとか観ているので、その “道” を辿るんでしょうか。引き続き、温かく見守っていきたいものです。

 

『名探偵プリキュア!』、すごいぜ!という話をTwitterにぽつぽつ呟いたら割と反響があったので、簡単にですが、それをブログにも記しておきます。

 

引用:https://x.com/TVanime_precure/status/2018838392826651121

 

というのも、まずもって児童向け「推理もの」ですよ。『名探偵コナン』が国民的コンテンツとなって久しいですが、元々かなり定番のジャンルではあるんですよね。

 

最近では『放課後ミステリクラブ』というシリーズが人気で、書影の帯によると「2024年、1番売れた小学生中学年向け児童読み物」だとか。娘が図書館で借りてきて私も読んだのですが、これがまあ、まさに「ちゃんとしている」。こういう言い回しをすると上から目線みたいで恐縮ですが、最も正確に感情を言語化するとこれなのです。言い換えれば、「決して子供だましになっていない」。作者は『天久鷹央の推理カルテ』などの知念実希人。

 

 

私の世代でいくと、それこそ『ズッコケ三人組』なんかもミステリ要素がありましたね。謎解きというか、それを解明していく面白さ。ホームズだって児童向けリライト版が定番だったり。根強く、書店の児童書コーナーの一角を担うジャンルな訳です。

 

なので「今度のプリキュアは名探偵!キュアット解決!」と報じられた際、深い「なるほど~~~~」が腹の底から出てきまして。そりゃ面白い、人気も出そう。蓋を開けてみると本編中にしっかり推理パートが設けられている作りで、それが毎回「ちゃんとしている」んですよ。これ、気を抜いたら大人でも解けないぞ、みたいな。

 

一番いい!と思ったのが、「解決バンク」の存在。主役ふたりが謎を解くとお決まりのバンクでそれを演出してくれるのですが、これ構造的に「ガリレオで湯川先生がいきなり計算式を書き出してメインテーマが流れる」やつですよ。あの、お決まりのやつ。これを私は勝手に「解決バンク」と呼んでいるのですが、これがまぁ、気持ちがいい。ミステリの映像作品を観ている、あの達成感がしっかり摂取できる。実に面白い。

 

加えて、この「解決バンク」が流れてからCMに入るんですよ。ここも素晴らしくて、このインターバルで毎週親子の会話をしています。「誰が犯人だと思う?」「私はあの人が怪しいと思う!」「どうしてそう思うの?」と。やっているとすぐに解決編が始まる。

 

いわゆる「ノックスの十戒」や「ヴァン・ダインの二十則」あたりも基本的な作法として踏まえつつ。気に入っているのは、毎回のように「出入口の確認と外部犯の可能性を潰す」から推理が始まること。今ここにいる関係者の中に犯人がいます、という前提を、ちゃんと推理して確定させてくる。ホームズの名言にもある通り、不可能なものを除外していき残ったものが真実なのです。たとえ不都合でも。だからこそ、ミステリ及び推理の基本は「消去法」。これを、きっちりやってみせる。

 

ちゃんと前振りがあって、伏線が用意され、それで解けるように作られている。いわゆる「ルール違反」が一切ない。容疑者全員にわざわざ字幕がついて紹介されるのもフェアですね。あと、「敵が一般人(容疑者の誰か)に化けてマコトジュエル(誰かの大切なものへの想いの結晶)を奪おうとしている」という筋にすることで、いわゆる「動機の説明」を省いてしまっているのも潔い。これを仮にちゃんとやると、結構な時間を取られてしまいますからね……。推理して、解決して、敵が出てきて戦闘というタスクが詰まっているので、個々の動機をやっている時間はない。むしろ、子供たちに極めて純粋に「推理」のみを提供している、とも言える。もちろん、「解決する」=「マコトジュエルを敵の手から守る」という構造なので、それ自体が人助けに映るのも抜かりがない。

 

どうやら物語の縦筋にもミステリ要素を配置しており、探偵事務所にいたらしいが今は不在の先代プリキュア、なぜか敵サイドにいるプリキュア、主人公の母親、モブにしておくには惜しいキャスティング(CV)のキャラクターがいて君はまさか後で変身するのかい、といったワクワクも完備。プリキュアたちをサポートする少年科学者・ジェットは、ビジュアルからして『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のイメージで、主人公はタイムトラベルして過去に、そして「過去でこうやって敵と戦っているけど未来でそんな存在は聞いたことがない」というエクスキューズを序盤にきっちり口にしてくれる。これぞまさに「後回しのサイン」ですよ。

 

私自身、ミステリ小説が好きでよく読む(正確には「よく積む」)のですが、こうやって娘が「推理もの」への興味を強めてくれたらまた親子共通の趣味がひとつ増えそうで、心から楽しみにしています。大きくなったら、お父さんの部屋の本棚、一緒に行こうな!ちょっと肉体がバラバラになるやつとか多めだけど!