ジゴワットレポート

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「なあなあ」を発動させる、嫌いだったオトナへの階段

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来年度から、役職が変わることになった。客観的には昇進に数えられるのかもしれないが、自分としては最前線で数をこなす方が好きなので、人の管理にも踏み込む今回の拝命を素直に喜べない・・・。これまでもサブリーダー的な感じで形式上の部下はいたものの、今度からはいよいよ本チャンといった感じ。まあ、日々の仕事が少しでも認められたのだと前向きに捉えて、新しいタイプの業務に邁進するしかない。

 

私もアラサーになり、今の会社でも後輩がジワジワと増えてきた。転職組なので、初期の頃は肩身の狭さもあったが、やはり後輩が増えていくとその辺りが「すーっ」と落ち着いていく感覚がある。同じく転職組の同期もそれなりのポストを獲得しているので、先日あった酒の席でも秘かに祝い合ったりしたものである。

 

そんなこんな現状だが、最近少しだけ気がかりなのが、自分も少しずつ「嫌いだったオトナ」になりつつある、ということだ。

 

「なあなあ」という言葉がある。相手と折り合いをつけていい加減に済ませることを指し、往々にして、良い意味では用いられない。新入社員で入った会社で、自分が23歳だった頃、オトナたちが発動させる「なあなあ」がとても嫌いだった。仕事でどうしても引き下がりたくない局面に遭遇した時、舐めてかかってくるお客さんと戦いたくなってしまった時、他部署と冷戦が始まりかけた時。大なり小なり、「怒」に分類される感覚を仕事の中で抱いてしまった際に、先輩や上司といったオトナたちは、その多くを「なあなあ」で済ませてきた。

 

「どうしてそんな有耶無耶にしてしまうんだ!」「ここは戦いましょうよ!」「今後のためにも白黒ハッキリさせましょうよ!」といった主張を、飲み込む時もあれば、つい吐き出してしまうこともあり・・・。何年も働いていれば、「怒」の感情の処理に迷うことがあり、その矛先が事態を「なあなあ」で済ませてしまう先輩や上司に向いてしまわないよう、必死で自制する局面も少なくなかった。

 

白黒つけず、仲裁とも言えないほどに、最前線からスッと身を引く。そんな「なあなあ」な謎テクニックが本当に嫌いだった頃もあった。

 

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しかしどうだろう、曲がりなりにも、社会人として約10年。いよいよ部下を持つような立場になって、その「なあなあ」の真相のようなものが分かってきてしまった。要は、立場が上がれば、少し高い所に立てば、色んなモノが見えてしまうのだ。自分のデスクと営業車のハンドルしか視界になかった頃と違って、他部署の動きや、机を並べている人の私生活での悩み、自社だけでなく業界全体の事情など、それまで見えなかったモノが見えるようになる。関わってこなかった人と関り、行かなかった場所に行くことが増え、段々と、新しいモノに触れていく。

 

そしたらどうだろう。末端の若造が「白黒ハッキリさせましょうよ!」と粋がっている様子なんてものは、視界全体からすれば本当に小さな事象で、それに真剣に向き合うのにどれだけカロリーを要するのか、ということを考え始める。この若造が言っていることは、確かに自分の部署的には正論かもしれない。でも、あの人は実はこう考えているし、そっちの人はこういう過去の事例があるし、社外のあの人とは以前にこのような内容で揉めてしまったことがある。登場人物全員の利益と不利益。その多くが「見えてしまっている」からこそ、身動きが取り辛く、結果、明言を避けるように「なあなあ」で済ましたくなる。

 

気づけば、自分もそんな、「嫌いだったオトナ」になりつつあるのだ。どうしたら、自分より下の人たちが気持ちよく仕事ができるだろう。どうしたら、会社の利益を生み出せるだろう。どうしたら、自分の精神状態も健康に保てるだろう。どうしたら、目の前の鼻息の粗い若造にまた心地よく仕事をしてもらえるだろう。総合的に考えすぎてしまった結果、どこの味方にもどこの敵にもなりたくない、そんな自分に気づきつつある。

 

もちろん、何かと敵を見つけて白黒ハッキリさせることが正しいとは思っていない。「なあなあ」とまではいかずとも、前向きな妥協案を見つけ、皆が少しずつ痛み分けで終わるようなエンディングを探したいとは思っている。反面、時にはこちらも気合を入れて戦わなければならないシチュエーションもあるだろう。

 

しかし、それらには全て、それなりのカロリーが要る。目の前に積まれた量より質の仕事に頭を悩ませ、部下の悩みと訴えに耳を貸し、順番の最後に自分の業務に取り掛かる。そんな日々の中で、どれだけカロリーをかけて戦うことができるだろうか。「なあなあ」で済ませたかったあの日のオトナたちの気持ちが、段々、身に沁みるようになってきた。むしろ、「なあなあ」は一種の高等テクニックだったのかもしれない。

 

こうやって、嫌いだったオトナに、自分もなってしまうのだろうか。粋がる若造を「若いね~」の一言でいなすようになってしまうのだろうか。ん~~、人の上に立つって、こんなにもストレスと自己嫌悪に晒されるものなのか。もちろん、「やる」という答えしか残されていないので、「やる」のだ。ウダウダ言ってもしょうがない。選択肢は二つに一つ、「やるかやらないか」!もう、やるしかねんだ!後がねんだ!止めてくれんな!危険なアドベンチャー!

 

年度末進行で中々ブログを更新できてませんが、こんなこと考えながらここ数日を送っております。

 

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