ジゴワットレポート

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感想『仮面ライダージオウ』第19話「ザ・クイズショック2040」ZI-O signal EP19

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『仮面ライダージオウ』第19話は諸田監督が撮るクイズ編の前編。脚本はシノビ編に引き続き、メインライターの下山さん。またもや記事の更新が土曜日になってしまった後悔の念の話は置いておいて、今週は本編以外で驚きのニュースがありましたね。超英雄祭は地方民にとってはリオのカーニバル的な遠い異国のお祭りなのですが、それにあわせて『仮面ライダー龍騎』の新作が作られる、というビッグニュースが発表。 

 

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『龍騎』は以前にも記事に書いたように、私が中学生の頃の作品なんですよ。「普通」ならとっくに仮面ライダーを卒業していた年齢ですが、当時はもう『クウガ』から始まった平成ライダーにとにかく夢中で。なので、「周囲はあまり観ていない」「自分はどっぷり観ている」という環境から、自分のオタク的な素養を自覚したのもこの時期なのです。ラジオ番組『アフター6ジャンクション』で宇多丸さんが「今の自分と連続する自分になったのはいつからか」という文脈を使っていましたけど、自分の場合はまさに『龍騎』前後のこの時期がそれに該当するんですよね。

 

そういう意味で『龍騎』は、個人的にすごく思い入れのある作品のひとつ。犯罪者の仮面ライダーが出てきたり、劇場版で最終回を先行して描いたり、TVスペシャルの結末を電話投票で決定したりと、常に変化と挑戦をアイデンティティにしてきた平成ライダーシリーズの「コンテンツとしての祖」とも言える作品なんですよね。ちなみに、「群像劇とミステリーで引っ張るストーリーの祖」は『アギト』。『クウガ』という最大の変化球は、今になって思えばとても「平成ライダーらしくない」作品である。(もちろん、その偉大な変化球あっての『アギト』『龍騎』なのは言うまでもなく)

 

などといきなり『ジオウ』から横道に逸れてしまいましたが、兎にも角にも、『龍騎』の新作は非常に楽しみですね。このタイミングで購入していたCSMのドラグバイザーが届いたのも、何かの運命なのか・・・。

 

ということで、『龍騎』への想いも一通り語ったところで、『仮面ライダージオウ』の感想を綴る「ZI-O signal」(ジオウシグナル)、今週もいってみましょう。

 

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仮面ライダークイズ、未来より参上

 

2040年の未来からやってきた仮面ライダークイズ。前回のシノビはあくまで2019年に来ることはなく、「未来で作ったアナザーウォッチを過去の変身者に使用する」というスウォルツのロジカルなハメ技に利用されて終わってしまった(だからこそスピンオフが楽しみですね)。対するクイズは、正真正銘の本物が過去へ移動。ジオウやゲイツと一戦交える構図になっている。

 

仮面ライダージオウ DXクイズミライドウォッチ

仮面ライダージオウ DXクイズミライドウォッチ

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首のネックレスでベルトを起動させる辺りは、アクセサリー的な何かをドライバーに転じさせるウィザードの「ドライバーオン」を彷彿とさせる。女性ボイスの変身音は特撮ヒーローだとウルトラマンXでも前例があるので、なるほど面白いな、と。スーツはシノビと同じくライドプレイヤーを基にしているのかな。マスク部分はゴーストのものを転用してるっぽい。体中に「?」マークが浮かぶ面妖な姿なのに、ちゃんと「平成ライダーっぽく」見えてしまうのは、我々視聴者が慣らされてしまっているからか・・・。

 

上で『龍騎』を “平成ライダーシリーズの「コンテンツとしての祖」” と書きましたけど、『龍騎』も当初は怪人を全て仮面ライダーに置き換えようとしていたのは有名な話。単純計算で年間約50人のライダーが現れる、という企画。白倉プロデューサーのハッタリの効いたアプローチはこの頃から健在で、『ジオウ』の「未来の仮面ライダーという設定で次々と新ライダーが姿を現す」というプロットにも通じるところがある。

 

仮面ライダー龍騎 Blu‐ray BOX 1 [Blu-ray]

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私もそうなのですが、どうしても視聴者は「仮面ライダー」にドラマを求めてしまうんですよね。それは単に作劇の話ではなく、玩具展開や役者の演技の積み重ねも含めた、広義の「ドラマ」。でも、今『ジオウ』がやっている未来のライダーは、そういった視聴者の願いをへし折るような、インスタントな仮面ライダーと言えてしまう。

 

情報解禁から予告公開、映画での先行登場や玩具の発売、そういった「TVと視聴者の共通認識」で育てていく「ドラマ」を全部すっとばして、即席で仮面ライダーをリリースする。「仮面ライダー」という屋号を、良い意味で視聴者ほど大事にしない。そういう切り口を持てる土壌がある。だからこその「平成仮面ライダー」だよなあ、と。

 

何が言いたいかというと、シノビやクイズといったこの即席な仮面ライダーたちは、「仮面ライダー」という屋号と取っ組み合ってきた平成仮面ライダーの歴史を象徴するような存在に思えるんですよね。そして、その即席な仮面ライダーであっても、老舗の東映がやるのだからちゃんと「ドラマ」を感じるような、そんな錯覚を抱かせてくれる演出になっている。このやり方が実にニクいなあ、と。この上なく「平成ライダーライク」であり、「白倉プロデューサーライク」なのだ。

 

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本来のライドウォッチ入手方法

 

今回の19話を観ていて引っかかったのが、ライドウォッチの入手方法。白ウォズは、近い未来のゲイツリバイブのためにクイズの力を奪おうとしている。対する黒ウォズは、「ゲイツリバイブ未来」の結果ともいえるクイズの力をなんとか無効化し、自身が属する「オーマジオウ未来」の確度を高めようと思っている。

 

しかし、そもそも、ライドウォッチとはどうやって生成されるものなのか。「オーマジオウ未来」における史実では「オーマジオウが歴代ライダーの力を奪った」という物言いが何度かあり、しかし2018年のソウゴは「奪う」というより「継承する」という物語を進んできた。これが結果的に「ジオウに力が集中していく」という史実と同じである、という展開が第一部の肝であった。なので、本来であればライドウォッチは「奪う」ものであり、「継承する」というソウゴのやり方自体がイレギュラーだったのかもしれない。

 

仮面ライダージオウ DXビルドライドウォッチ

仮面ライダージオウ DXビルドライドウォッチ

 

 

つまり、対象のライダーを攻撃し、弱らせ、ブランクウォッチに向けて力を吸い上げてしまう。まるで野生のポケモンを捕獲する手順のようだが、本来のオーマジオウはそうやって歴代ライダーのライドウォッチを収集していたのかな、と。しかしそれは我々の知るソウゴのやり方ではなく、あくまで彼はレジェンドが「自発的に」力を込めたライドウォッチを譲り受けてきた。この仮説(?)が正しいとすると、黒ウォズはこの差異にどういう見解を持っていたのだろうか。

 

ということは、今回白ウォズが仕掛けた「ゲイツにクイズの力を奪わせる」というやり方は、実は本来のウォッチ入手方法に忠実なそれなのかもしれない。予告ではクイズミライドウォッチが生成されていたので、この辺りがもうちょっと補完されることを期待したい。

 

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揺れ動くふたつの未来

 

今回、連続失踪事件を受けてツクヨミが「次の事件は~」と未来の情報を探してましたけど、あれは本当に可能なのだろうか。描写的に結果は分からず仕舞いだったが・・・。

 

要は、「ゲイツリバイブ未来」に属するクイズ、そこから生まれたアナザークイズが起こした事件は、それこそ「ゲイツリバイブ未来」に帰属する事象なんじゃないかな、と。シノビ編でゲイツやツクヨミが「ゲイツリバイブ未来」に干渉できない描写があったので、あくまで「オーマジオウ未来」に属するツクヨミが持つ未来の情報は、「オーマジオウ未来」に限ると思うんですよね。

 

あと、クイズとアナザークイズが同居している点。原則として、アナザーライダーが発生した時点でオリジナルの仮面ライダーは偽史に放り込まれ、ライダーとしての記憶や変身能力を失ってしまう。それは、前回のシノビにも同様の描写があった。今回は結果として同居しているので、これは「未来のライダーが過去に来ている」というイレギュラーがもたらしたことではないか、と推測できる。

 

つまり、「アナザーライダーは該当年度での発生によって初めてオリジナルを除去できる」、と。(しかしそうなると、そのアナザーを倒せるライダーが継続して存在しているので、アナザーライダー最大の攻撃である「自分を倒せる存在の除去」が叶わなかったことになる。オーラちゃん、焦っているからといってポンコツなのでは・・・)

 

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アナザーリュウガ急襲

 

三度『龍騎』の話ですが、アナザーリュウガが登場するようで。ま~~た捻ってきましたね。

 

 

そもそも、元のリュウガ自体が「アナザー龍騎」と言っても差し支えない存在なので、そのアナザーってどういうこっちゃ、という興味を惹きますよね。本家本元である龍騎の、裏の裏のような存在。ということは、その行動原理は「戦いを止めたい」だったりして。

 

そして、須賀貴匡と津田寛治さんのご出演も実に嬉しい!公開された情報によると「OREジャーナル」関連で話が発展するようで、そのカラクリが気になるところ。

 

  ソウゴたちはアナザーリュウガに襲われた人たちが、すでに閉鎖されたニュースサイト「OREジャーナル」をフォローしていたことをつかみ、かつての編集長・大久保大介を訪ねます。その大久保から真司という気持ちの熱い記者がいたことを聞き出すと、ソウゴたちはさっそく真司の自宅へと向かうのですが、その窓には全て目張りがしてあり…。


 なぜ真司は窓に目張りをしているのか? ソウゴは真司からアナザーリュウガを倒すヒントを手に入れることができるのか? アナザーリュウガとの戦いを通してジオウ、ゲイツ、白ウォズの関係も微妙に変化していきます。

 

「仮面ライダー龍騎」の世界が復活!城戸真司/須賀貴匡&大久保大介/津田寛治も参戦!|ニュース|仮面ライダージオウ|テレビ朝日

 

『龍騎』は正義の解釈を幾重にも提示した作品なので、その辺りのメッセージが『ジオウ』に転化されると面白いかもなあ、と。上で引用した公式サイトの記事には「須賀貴匡、津田寛治という「龍騎」オリジナルキャストを迎えるリュウガ編EP21&22は、「ジオウ」の大きなターニングポイントのエピソードにもなっています」とも書かれているので、本筋への絡め方にも期待がかかるところ。

 

そんなこんなで、今回もそろそろ約5,000字。

 

「過去を変える」のではなく「過去にある正解を知りたい」、そんなクイズこと主水のドラマはどこに決着するのか。シノビ編でソウゴの信条を改めて描いた『ジオウ』ですが、今回のクイズ編ではゲイツにフォーカスしている模様。ソウゴを信頼し、それでも場合によっては彼を倒すと誓った男は、突き付けられた救世主の未来とどう向き合うのか。そして、シノビの力を手にしたウォズはどんな出題をするのか!?

 

(あ、ディケイドアーマーのタジャドルですけど、せめて手刀に炎のエフェクトがつくとかもうちょっと「らしい」活躍が観たかったのが本音ですね・・・)

 

仮面ライダージオウ DXキカイミライドウォッチ

仮面ライダージオウ DXキカイミライドウォッチ

 
仮面ライダージオウ DXダブルライドウォッチ

仮面ライダージオウ DXダブルライドウォッチ