ジゴワットレポート

映画とか、特撮とか、その時感じたこととか。思いは言葉に。

感想『カムヤライド』 久正人が描く古墳時代の仮面ライダー!

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Twitterで1巻発売を知って、「おおっ!?」となった十数秒後にはAmazonでポチっていました。久正人先生の新作漫画、『カムヤライド』の1巻。

 

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『ノブナガン』『エリア51』等を描かれた久正人先生ですが、このブログ的には、『宇宙戦隊キュウレンジャー』『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』にデザインで参加されている方、といった方が分かりやすいでしょうか。ルパパトのあの個性的すぎる怪人たちをデザインされている漫画家先生です。

 

 

直近だとヒーローズで『ニンジャバットマン』の連載も始められていたり。

 

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そんな久先生の『カムヤライド』ですが、非常にこれ、ヒーロー物として面白かったです。それは、いわゆる「ヒーローの善悪論」とかそういう方向ではなく、ごくごく単純に、かっこいいアクションとかっこいいギミック、そして、すこぶる「っぽい」のがズンズンと響いてくる感じ。

 

舞台は古墳時代。埴輪を扱う露天商の男・モンコは、特殊な土で作られた埴輪を土の上で踏みしめ「ライド」と唱えることで、その身に装甲をまとい、カムヤライドへ変身する。古墳時代で古めかしい言葉が飛び交う物語で、変身シーンだけは片仮名で「ライド」ですよ。こういう細かな描写がどれもたまらない。

 

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そして、敵は巨大怪獣。「開ける者」という黒幕が、日本各地の神(=怪獣)を目覚めさせ、カムヤライドは「閉じる者」としてそれらを封印していく。「怪物を送り込む敵サイド」と「それを封印する変身ヒーロー」という構成がいかにもな特撮ヒーロー要素で読んでいてニヤニヤ。

 

しかも、その怪獣を封印するギミックがまた素晴らしい。ただ倒してドカーン!ではなく、封印するためにスーツのあるギミックを解放して怪獣の身体に「鍵穴」を生成し、そこにまたもや脚のギミックを解放してキックを打ち込む。怪人を倒すための必要手順が物語に組み込まれているあたり、これもまた平成の特撮ヒーローっぽいんですよね。というか、キックに至るまでの一連の流れは直球で「平成ライダーっぽい」。ベルトをがちゃがちゃやって必殺技に至る、あのイメージ。

 

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敵が巨大怪獣と化した神ということで、やはり見所は、「巨体を相手に立ち回る等身大の変身ヒーロー」という構図。要所で見開きを使いながらサイズ感を演出してくれるので、スケール感はばっちり。何より、「巨大怪獣vs等身大ヒーロー」というのは、実写特撮で継続して演出するのは中々難しいんですよね。それはもう、予算的な意味で。そういう意味で、『仮面ライダー響鬼』の序盤はかなり目を見張ったものですが。加えて舞台設定も古墳時代ときている。

 

つまりは、変身ヒーローのメイン土壌である実写特撮では描写し辛い設定や舞台の上で、いかにも特撮ヒーローな物語とギミックを展開する、というバランスの作り方が面白いんですよ。

 

だからこそ、漫画でやる意義がある。久先生のベタがしっかり塗られる独特の画風は、古墳時代という舞台設定とも親和性が高いですしね。「漫画で特撮ヒーローをやる」という命題にじっくり取り組まれた感があって、そういうのが大好物な人間としてはニヤニヤが止まりませんでした。(加えて、神話の扱い方も魅力的!)

 

・・・といった御託はともかく、カムヤライド、ストレートにかっこいいヒーロー漫画です。まさに古墳時代の仮面ライダー!「変身したらキメ台詞」「敵は巨大怪獣」「主人公の改造人間要素」「相棒ポジが人間」「必殺技はキック」「キック時にスーツのギミックが発動する」「封印した敵はアイテム化する」。この辺りの要素に「仮面ライダーっぽい!」という匂いを嗅げる人に、熱くオススメしておきます。

 

カムヤライド 1 (乱コミックス)

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カムヤライド (1) (SPコミックス)

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