この記事は、はてな界隈向けの内容です。
先日起きた、何十回目かの「互助会」批判の流れ。一時期に比べればかなりその温度は低くなったと感じるが、それでも、いわゆる「互助会」への風当たりは強い。
ただ、「互助会」の定義ってすごくフワフワだと感じていて。①複数人が新着掲載のために示し合わせて互いにブクマし合う、②ブロガー同士が交流していく中で結果的に互いにブクマを付け合うような空気が(その集団の中でのみ)醸成される ・・・以上ふたつのパターンだと、その意味は全く異なってくる。
①は明確にはてブにおけるスパム行為として示されているので、ガイドライン違反なのでやめましょう、という他にない。問題は②なのだ。
ブログを一定期間やっていると、(私も含めて)、「仲の良いブロガー」「互いのブログを読み合う仲」は自然と創られていく。その結果、濃淡の差はあれど、②に寄っていく可能性は誰にも否定できないだろう。私も、神羅万象すべてのブログを読めるはずもなく、読者登録やRSSで収集した「いつもの巡回先」を目にしているに過ぎないのだ。どうしたって、寄っていく。
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そんな中、②において、テキストサイト文化や2ちゃんねるを経験した世代なら、肌感覚として「慣れ合い」と距離を取る性質があるので、実態は②でありながらも、自然と「そうでない」ように振る舞う傾向があるだろう。
毎日読んでよくブクマするブログでも、いかにも「その日初めてその記事単体に出会ったような雰囲気」を醸し出しながら、偶然目にした新聞記事に意見するような「てい」で、ブクマしてコメントを残す。そういったポーズにしておくことが、「慣れ合い」との距離の取り方なのかもしれない。
しかし、②をそのままストレートにやってしまう人も少なくない。「参考になりました」「いつもすごいです!」「お互い頑張りましょう」。おそらく多くの場合が結果的に醸成された②の環境なのだろうが、②をあまりにそのままやってしまうと、「見え」は①に寄ってしまう。そうして、「新着を汚染するな」「慣れ合うな」という斧が飛んできてしまう。
そんな「互助会」に関する直近の話題としては、ブクマしたり引用されたりした以下の記事群をご参照頂きたい。
特に、このくだりには思わず「ぐぅ~~」っと。めちゃくちゃ分かります。そういう、「馴れ合いじゃないけど、でも数字は伸ばしたい、ゆえの距離を取ったアピール」みたいなの、私もはるか昔にやっておりました。ぐぐぐ、古傷が痛む・・・。
最初の頃は僕も誰かに読んでほしくて、人気テキストサイトの掲示板に感想を書くという名目で、自分のサイトのURLを貼り付けて、少しでも人が来ないかな、とか試行錯誤していたんですけどね。「リンク集」とか作って有名サイトにさりげなくアピールしてみたり、わざとらしく「文中リンク」してみたり。
まあなんというか、あの頃の「自分の若気の至り」を無かったことにして、今の「互助会勢」にキツイことも言えないかな、というのはあるんですよ。
なので、明確に①をやるのは普通に駄目なんですけど、結果として互いを励まし合うようなブロガーたちが②の空気を醸成してしまう流れは、一概に否定しきれないんですよね。「もっとブログを読まれたい」の気持ちは、嫌というほど分かるので。(まあ、ただ、結果的に②だったとして、せめて無言ブクマにしておけばいくらかは「見え」がマシになるのに、とは思います。これも連続してそうなっていると、糾弾される場面が多いけれど・・・)
結局何が言いたいかというと、「互助会」なんてものは往々にして実体として存在しないと思うのですよ(完全に無いとは言わない)。一定の固定読者をまだ獲得し切れていないブロガー同士が互いを励まし合って、結果的に②の空気を醸成する。示し合わしちゃうと①だけど、応援と配慮と返報性が悪魔合体して②になる。おそらく、その多くがこのパターンじゃないかと。もちろん、その醸成それ自体を指して「互助会」と呼ぶのであれば、そうなのかもしれませんけど。
ただ、何度も書いているように、「せっかく書いたのだからブログをより多くの人に読まれたい」という気持ちを、私は全く否定しない。というより、できない。これを書いている今だってそう思っているから。
しかし、飛び交う斧と高頻度のボヤを回避しながら「より読まれたい」をはてな界隈で発露していくのは、相当な「経験値」が求められる。いわゆる「立ち回り」とも言えるのだけど、「慣れ合っていないふうを醸し出しながら馴れ合いと同じ結果を求める」ような、そんな屈折したブランディングが必要になってしまうのだ。こればかりは、数年ROMって時に火傷して学ぶ他にない。
結局、「一時期に比べて互助会ブログがホッテントリ入りしなくなった」とは言われるものの、はてな側のアルゴリズムはユーザーとして知る術がない。つまるところ、一介のブロガーとしては「自分が面白いと思う記事をどんどん送り出していく」しか方法がないのだけど、はてな界隈にはブロガーを兼任しないブクマカーも多いので、これもまた広い意味での結論にはなり得ない。
ブクマというシステムそのものが、コミュニティの性格を簡単に持ててしまうので、そう易々と片付く話でもないのだ。
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閑話休題。今度は、「初心者が読まれる機会を獲得し辛い」という部分に焦点を当てたい。これは私も感じていたことで、約2年前にはてなブログに引っ越した際に、「どうやってブログを宣伝していくか」という壁にぶち当たったのをよく覚えている。
はてなブログ界隈において、「どうやってブログを宣伝していくか」。無論、答えは「面白い記事を」「高頻度で送り出して」「ホッテントリ常連になり」「読者登録数を増やす」。そう簡単じゃないことを分かっていてあえてこう書くが、これこそが王道であり正道であると言える。しかしそれが難しいから、ブクマ営業・読者登録営業・スター営業、という行為に手を出す人が出てくる。そうやって獲得した読者は真の意味での「読者」にはなり得ないけどね。
はてな界隈という土壌を抜きにしても、ブログというのは基本的に地道に書き続けて少しずつ成長させるものだと思っていて、そう簡単にバズってヒットするものではない。先日このブコメで書いたのも、同じ話だ。
もう互助会やってもいいから、増田じゃなくてはてなブログの記事がもっとホッテントリしてほしいっていう気持ちになりつつある - この夜が明けるまであと百万の祈り
- [ブログ]
- [はてな]
ブログは何よりも地道に書き続けて読者を得るしかないのに、「バズって努力過程省略」の夢に囚われる人が多い。それはもはや宝くじレベルの話であり、ネットには怪しい「宝くじの買い方教えます」が蔓延している。
2019/06/17 12:36
各ブログサービス、ブロガー同士でコミュニティのようなものを作るシステムはあるが、中々ブレイクスルーには至っていないように感じる。結局は、営業行為が行き交って形骸化していく、というか。はてなブログにも一応グループ機能があるのだけど(私もいくつかのグループには参加しているけども)、あまり積極的に活用されている印象はない。
また、私も度々「ブログは地道に書き続ける他にない」と言ってはいるものの、それが全てにおける最適解でないことは分かっている。いくら地道に書いても読まれない状況だって、ある。残酷だが、ある。「地道に書き続けてじわじわと読者を増やす」は、最大公約数なノウハウに過ぎない。それでも、それが分かっていても、とにかく書いて書いて書いて書いてくんだ。それがたとえパイオニアたちの通った道のリフレインだとしても。
こういった諸々の現状(「馴れ合いを嫌う文化・風土」「はてなにおける初心者のブログ宣伝の難易度」「公式には活性化し辛いブロガー同士のコミュニティ」)に対する私の考えとしては、はてなブックマークに「はてなブログ」のカテゴリーがあったら良いな、と。数年前からそう思っていて、日に日にそれが増してきている感覚がある。
「一般」「世の中」「政治と経済」「暮らし」「学び」・・・。この並びの中に、「はてなブログ」と称して、はてなブログだけをピックアップするカテゴリーがあった良いなあ、と。他カテゴリーとの重複を前提とした「総合」と同じ考え方。まあ、読者を多く抱えるブログが「はてなブログ」カテゴリーのホッテントリを占めてしまう事態が容易に想定できるのだけど、それでも、「新しいはてなブログに出会える機会」は現状より格段に増えるんじゃないだろうか。
これと同じ意味で、個人的には「増田」カテゴリーも欲しい。「今ホットな記事」「新着記事」を、「はてなブログ」「増田」に絞って閲覧したい。
ブログを書くのと同じくらい読むのが好きなのだけど、はてなブログはどうにも、「新しいはてなブログを探す(=読者登録したくなるブログと出会う)」という意味で、フォローが浅いように感じてしまう。同じはてなが運営している「はてなブログ」「増田」くらいは、個別カテゴリーを設けて出会いの頻度を増やしても、損はないんじゃなかろうか。(ただこれについては、妙なコミュニティ化が加速しないように意図して注力していない可能性もある・・・)
私も、もっと色んなはてなブログと出会いたい。しかし、はてなブログのトップページや、ダッシュボード内の「こんなブログもあります」等々では、どうにも弱いのだ。
一方の「最近増田ホッテントリしすぎ」説については、純粋に増田ユーザーが増加している感触がある。その増田が増田自身を指して「このブログは~」と表記したり、明らかに「増田慣れ」していない投稿を目にすることが昨今多いような・・・。まあ、こればかりは印象論なので、独り言程度に思っていいただきたい。
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「ブログをどうやって宣伝するか」。その命題において、前述の②という形での「互助会」はどうしようもなく発生しやすい土壌があり、しかし同時に、そこにある「宣伝したい」「もっと読まれたい」という思いそのものは、安易に否定すべきではないと感じている。
ポイントは、その思いをどういうアプローチで発露させるか。はてな界隈に絞って言えば、「読んでください!」「見てください!」は悪手寄りだと、そういう話なのだ。こればっかりは、「風土」のようなものをよくよく感じ取らねば、火傷してしまう。「うるせ~!俺の好きにさせろ~!」でも全然構わないのだけど、斧や火傷の傷は浅くないかもよ、とだけ。傷は負わないに越したことはない。
私だって、記事更新からの閑古鳥を何度も経験してきたのだ。 だからこそ、「どうやったらより読まれるか」については、ずっと考えてきた。
今も、Twitterで必ず記事の更新を通知し、Instagramでも同様のことをしている。他メディアに寄稿する際は必ずブログへのリンクを貼ってもらえるようにお願いしている。細い糸を手繰るように導線を増やす。その上で、とにかく書いて書いて書いて書いて・・・。並外れた才能も、インフルエンサーとのコネも、宝くじが当たりそうな予感も無かったので、これしか方法を知らないのである。