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感想『仮面ライダージオウ』第30話「2019:トリニティはじめました!」ZI-O signal EP30

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『仮面ライダージオウ』第30話は、山口監督&下山脚本によるブレイド編の後編。今回からタイトルの表記が変わってますね。これまでは年号が末尾にきていたけれど、今回はそれが頭に。しかも、来週のアギト編もこのパターンのタイトルのようなので、要は「オーマの日」を境にしている、と。細かいけど遊び心があって面白い。

 

さて、今回は『剣』の新たなエンディングを提示したという点でとても感慨深いストーリーでしたが、中々ブログをゆっくり書く時間が取れず・・・。以前別の記事にも書きましたが、今年度の4月から職場において役職が変わりまして、そのスタート時期も含めて、絶望的に多忙さが増す、という。仕事・育児・趣味の三すくみのバランスをちょっと本腰入れて再考しないと、と感じています。そんなこんなで、今週もあっという間に土曜日の更新。うーん、もっと熱があるうちに書きたかったかも。南無。

 

ということで、『仮面ライダージオウ』の感想を綴る「ZI-O signal」(ジオウシグナル)、今週もいってみましょう。 

 

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剣の新たなエンディング

 

先週に引き続きテレビ本編のネタバレ全開で書きますが、『剣』のエンディングって、やっぱりかなり壮絶なものだったんですよ。主人公が自らを犠牲にして、人間の世界の中に居場所を見つけた異種の存在をそこで生かす。「戦わなければならない」という運命のゲームに、「戦いを終わらせない」という対抗策を突きつける。それがそのまま、「終わらない物語」としての余韻に繋がる、ショッキングな結末だったんですよ。

 

それが十数年の時を経て、「終わる」時がきた。今回の30話において、オリジナルのジョーカーと剣崎ジョーカーのその力はアナザーブレイドに吸収され、そのまま撃破され、ライドウォッチにその力が込められた。つまり、「勝者不在」という結末で、バトルファイトは幕を閉じたのだ。剣崎と始は人間として新たな人生を歩むことになる。これは、テレビ本編の最終回を受けたものとして、非常に大きな意味を持つ展開だ。

 

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正直、ちょっとした物悲しさというか、呆然とした感情を抱いたのは本音である。あの「終わらない物語」の余韻は強力で、十数年経った今でも、思い返したり見返したりする度に胸がキュッとなる。「終わらない」という終わりへの愛着は、この十数年、ずっと続いてきたのだ。それが、ついに終わってしまった。それに対する喪失感のようなものは、確かにある。

 

とは言いつつも、『剣』は劇場版も含め、様々なアナザーエンディングがすでに用意されている作品なので、そのひとつとしてするりと受け入れている自分もいる。まあ今回は、オリジナルのキャストが複数登場した実写映像作品ということで、正史の濃度が過去トップクラスに高い訳だが。

 

 

ただ、『ジオウ』のストーリーにおいて、ライドウォッチの譲渡と共にオリジナルのライダーのストーリーが変わっていくのは、最初のビルド編から何も変わっていない。前向きな雰囲気で先輩ライダーの力を受け継ぐも、やっていることは正史を歪める行為。このバランスこそが、まさに『ジオウ』なのだ。今回はビルドやエグゼイドのような「偽史のまま復旧しない」ではなく、正確には「本編の続編として新たなエンディングが用意される」というパターンだけど、「放送当時に覚えた読了感(ならぬ観了感?)を歪める効果」としては同じなのかなあ、と。

 

そして、その「歪み」を是とするか非とするかは受け手次第で、作り手側も決して「全てにおいて善い結果」として描いていないのは明白なんですよね。この妙な居心地の悪さは、かなり自覚的なものだと思われる。

 

まあ、重箱の隅と分かってて書きますが、ジョーカーはヒューマンアンデッドの皮を被るように姿を変えていて、そのスキルこそがジョーカーそのものの能力なので、ジョーカーの力を吸収したら人間になりました、というのはちょっと苦しいかなあ、とも。しかし、アナザーブレイドの変身者である天音ちゃんの無自覚の願いが「始さんに新しい人生を歩んで欲しい」だったとしたら、概念的にそういう結果に着地する、ということもあるのかも。

 

今回のポイントとして、始が人間になったことで、晴れて「天音ちゃんと一緒に歳を取って死ねる」状態になったんですよね。始が天音ちゃんの元を離れた理由も、もしかしたら、人間の中で暮らすうちに人間でない自分と天音ちゃんの関係の継続に思い悩んだからかもしれない。天音ちゃんがお婆ちゃんになっても、始はあの姿のままなのだ。それが今回、ジョーカーの力を失ったことで、老けて死ぬことが可能となった。案外、万々歳でハカランダに戻るルートもあるのかもしれない。始は今度こそ「人間として」「人間の世界で」生を全うすることができるのだ。

 

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オーマの日と未来編の終結

 

来るべき「オーマの日」にはジオウとゲイツの決戦が繰り広げられる、と、数話前から語られていたけども、今回のトリニティ登場をもって「結果的にここがオーマの日でした」という落とし所になったのは、とっても上手かったと思う。

 

「オーマの日」は、ふたつの未来の可能性、その二者択一が決する日だったんですよね。「オーマジオウ未来」と、「ゲイツリバイブ未来」。年明けからの『ジオウ』は、両陣営が互いの未来の確度を上げ合う戦いだった。黒ウォズが属する未来か、ゲイツが救世主となる未来か。どっちを選んでも、友として互いを確認し合ったソウゴとゲイツの片方が命を落とすことが決まっていた。

 

そんな前提の中で、ソウゴは、まさに文字通り「第三の未来」を切り拓いた。トリニティは、単に3人のライダーが融合した姿ではなく、これは要は、「オーマジオウ未来」と「ゲイツリバイブ未来」をどちらも取り込んだ姿なんですよね。ふたつの未来の片方だけは選べない。ゲイツはソウゴを善い魔王に導きたいし、ソウゴはゲイツを倒してまで王様になりたい訳ではない。しかし、白ウォズを筆頭に、運命は二者択一を迫ってくる。

 

そんな袋小路へのアンサーとして、「どちらも選ばず、どちらも取り込む」、そんなソウゴの王様としての器の大きさを体現したトリニティフォームが誕生する。年明けからずっと未来争奪戦を繰り広げていた『ジオウ』第二部において、こんなに綺麗な着地はないんじゃないだろうか。まさに神のシナリオからの見事な脱走。

 

仮面ライダージオウ DXジオウトリニティライドウォッチ

仮面ライダージオウ DXジオウトリニティライドウォッチ

 

 

黒ウォズの「祝え」口上に不確定なワードが多いのも、黒ウォズが知っているはずの歴史から段々とズレが発生していることを感じさせ、良かったですね。トリニティが、単なるパワーアップではなく、存在自体に非常に意義がある。腕時計にファイナルフォームライドされたゲイツとジオウを体にくっつける絵面も面白いし、その前のシーンの、天空から光が降り注いで導かれる流れも良い。王から指名される光栄さを感じさせる演出。

 

しかし、第三の未来をトリニティで体現したとはいえ、「オーマジオウ未来」が消滅した訳ではない。「過程」のフェイズはどんどん新しい未来になってきているけども、その先にある「結果」は未だ変化なし、ということだ。ゲイツと黒ウォズの過去の出来事こそが変えられる未来でもあるように、ソウゴはこれから、最終的な「結果」を変える戦いに、本格的に踏み出すことになるのだろう。

 

しかしトリニティのデザイン、主に下半身の金色のパーツとか、オーマジオウに近づいている感じが不穏ですよね。

 

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海東が手に入れたお宝

 

思い返せば海東が初登場した『ディケイド』のファイズの世界の後編。お話が終わった後に、誰も求めていなかった王のベルトを喜々としてゲットする海東は、この2019年においても相変わらずのムーブを炸裂させていた。

 

なるほど、白ウォズの未来誘導ノートが目的だったのか。彼は、集めたお宝を使うため、というよりは、集める行為そのものにエクスタシーを見出しているっぽいので、あのアイテムの行き先が『ジオウ』の本筋に影響を及ぼす可能性は低いかなあ、と思うのだけど。

 

 

海東が面白いのは、当時のファイズの世界でもそうだったように、彼だけが本筋とは全く別のところにある理屈で動いていることなんですよね。主要登場人物が抱えているテーマとか、ゲストキャラの悩みとか、そういうのは距離を取った位置にいる。だからこそびっくりするくらいドライに動くこともあるし、利己的な行動が結果として第三者の背中を押したりもする。根っからのトリックスターだよなあ。

 

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目覚めるアギト編、ライドウォッチは残り6個

 

そして次回はアギト編。龍騎や剣、そしてアギトと、平成初期の作品がグイグイきますね。『アギト』といえば、当時は驚異的な視聴率を記録していたとされる人気作。神々の戦いや超能力者を扱ったスピリチュアルな雰囲気、そして、その中で光るミクロな「人の居場所」を巡る群像劇。ミステリー要素と多人数ライダーの物語は、何度もこのブログで書いているように、『クウガ』以上に平成ライダーの雛形として力強い。

 

そんなアギトが2019年に再演されるとのことで、期待が高まりますね。番組制作発表当初から「アナザーアギトがすでにいる問題」はファンの間で何度も語られてきましたが、それを逆手に取るように、「アナザーアギトが増殖する」というプロットが登場。これはもちろん、『アギト』本編終盤で語られた「アギトが大挙として人間を襲ってきたらどうするのか」「アギトが善人とは限らない」という問題提起への、十数年越しのアンサーでもある訳ですね。

 

仮面ライダーアギト 第1話

仮面ライダーアギト 第1話

 

 

そして、ライドウォッチは残り6個。ここまで明確に残数を教えてくれる、ということは、レジェンドなキャストも含めて、残り6編制作の目処が立っている、ということだろうか。現在30話ということで、仮に2話ずつ6編なら42話。ライドウォッチを集め終わって、残り数話で最終章とすると、ペース的にはかなり良い感じにも思える。

 

『ジオウ』は、男同士の友情を描いた後に剣編とか、3人ライダーの集結をやった流れでアギト編とか、それとなく原典作品のテーマを本筋に汲んでいる印象があるので、王位継承問題でキバとか、プライドと信念を貫く強さでカブトとか、そういう話運びも観てみたいなあ、と。

 

そんなこんなで、剣編後編の感想でした。なんとか土曜夜の更新でフィニッシュ。まもなく零時になれば、スピンオフ龍騎の最終話が公開ですね。どうなるのか。こちらの感想も追って記事にまとめる予定ですので、その際はよしなに!

 

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仮面ライダージオウ ライダーヒーローシリーズ16 仮面ライダージオウトリニティ

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