ジゴワットレポート

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感想『仮面ライダージオウ』第25話「アナザージオウ 2019」ZI-O signal EP25

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『仮面ライダージオウ』第25話は、諸田監督&下山脚本。諸田監督担当回は、ウィザード編・ゴースト編・クイズ編に続いて四度目ですね。

 

前回の第24話では、キカイ編後編でソウゴの未来創造能力が明かされ、当ブログでも鼻息荒く感想を書いたところでした。一気にその姿を現した「不穏さ」は、第25話でも大暴れ。2009年のバス爆発事故と、両親を失ったソウゴ。そして、同じく生き残ったもうひとりの少年。予知世界のオーマの日にゲイツリバイブへのカウントダウンと、色々と要素の多い回でした。なんというか、仕掛けていたカードがゆ~っくりと表にめくられてきている感覚があって、楽しみやら、怖いやら・・・。

 

ということで、『仮面ライダージオウ』の感想を綴る「ZI-O signal」(ジオウシグナル)、今週もいってみましょう。

 

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2009年のバス爆発事故

 

さて、今回の本題とも言える部分は、2009年のバス爆発事故。「物語の重要な部分に関わってきそうな事件」というニュアンスでは、あかつき号事件とか、サバト、グローバルフリーズ、ゼロデイ等々、色々と思い出すところではあります。

 

このバス爆発事故は、主人公・常盤ソウゴの過去に関わる問題。前回のキカイ編で、ソウゴの未来創造能力という驚異的な能力の存在が明かされた訳ですが、そうなると必然として、そんな彼の生い立ちも気になるところ。このタイミングで両親の他界を扱うのも納得です。というより、話運びが巧い。ちゃんと誘導されてる感がある。

 

劇中の新聞記事によると、時は2009年、4月24日午前11時頃。イチゴ狩りツアーに向かう乗客を乗せたバスが、なのはな湖に続くトンネル内で爆発。爆発の原因は不明。この爆発による死者は22名、生還者は2名。その2名が、常盤ソウゴと加古川飛流、共に8歳の少年であった。その片方は、9年後にジオウとなり、もう片方は10年後にアナザージオウとなっている。

 

平成ライダー史でいくと、2009年の4月は『ディケイド』の頃。放送回でいくとアギト編から電王編あたりですが、これは何か関係が出てくるのか。ディケイドはずっと横軸でリイマジネーションされた世界を移動していたので、ソウゴらが時間を行き来する縦軸とは簡単には絡まないとは思うのですが。まあ、「間の出来事」というか、アギトの世界から電王の世界へ行く途中にジオウ世界線を通りすがっていた可能性は否定できず・・・。

 

仮面ライダージオウ VOL.4 [DVD]

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あと、これもまあどの程度の確度かは疑わしいのですが、ディエンドのライドウォッチが今月発売されるんですよね。うーん、どうなんだろう。関係性は半信半疑。

 

仮面ライダージオウ DXタイムマジーンゲイツモード&ディエンドライドウォッチ

仮面ライダージオウ DXタイムマジーンゲイツモード&ディエンドライドウォッチ

 

 

そんな、まだ情報の少ないバス爆発事故ですが、テレビ朝日の予告ページを見ると、身の毛がよだつ文言が・・・。

 

 すべてのアナザーライダーの力を取り込もうとし、ソウゴ(奥野壮)を狙う飛流(佐久間悠)とは何者なのか? ツクヨミ(大幡しえり)は過去へ飛び、飛流がソウゴと共にバス事故に遭遇していたことを掴む。

 飛流の家族の命を奪った原因となったのがソウゴだった! ソウゴと対峙した飛流は、ついにソウゴを狙う理由を明らかにする。飛流は事故を起こしたバスで、ソウゴの名前を呼びながら銃の引き金を引いた“白い服の女”がいたことも覚えていると言い放つ。

 ジオウⅡとアナザージオウが再び戦う一方、バス事故当日に移動したゲイツ(押田岳)は、“白い服の女”の正体を知り愕然とする。そして、2019年の世界に舞い戻ったゲイツは、ジオウⅡらの戦いに割って入り、強い思いとともにゲイツリバイブウォッチを手にする!

 

ネクスト|仮面ライダージオウ|テレビ朝日

 

「ソウゴの名前を呼びながら銃の引き金を引いた白い服の女」・・・。これ、まあ、今の情報だけで考えるなら、やっぱりツクヨミということになると思うんですよ。いきなり「8歳のソウゴを乗客ごと殺害しよう」なんてクレイジーな発想には至らないと思うので、例えばバスに迫る何らかの外敵を退けようとした威嚇射撃が事故を引き起こしてしまったとか、何かそういう背景があるんじゃないのかな、と。

 

ストーリーテリングとして面白いのが、前回のキカイ編で「一体どこまでがソウゴの未来創造能力によるものなんだろう」と視聴者に言い知れぬ不安を抱かせておいて、今回のアナザージオウ編で「そんな『今のソウゴ』の原因を作ったのがツクヨミかもしれない」という可能性を提示してきたこと。膨らんだ不安が一気に最悪の可能性に直下していく、このジェットコースター感覚。なんていやらしいんだ・・・。

 

未来に平和をもたらすために、過去を変えようと2018年にやってきたゲイツやツクヨミ。しかし彼らこそが、将来の魔王を生み出す原因を作ったのかもしれない。両親を失ったソウゴが、暗い人生の中で明るい未来を願った結果、未来創造能力を発現させたとしたら。しかも、先週も書いたように、その未来創造能力でもってゲイツらが無自覚に2018年を訪れた可能性もあるので、これはもう「輪廻の蛇」ですよ。スタートとゴールが同一かもしれない、鶏も卵も超えた時の悪戯。無限に循環するパラドックス。

 

などと、もう予告の時点で寒気がしそうな感じ。こういった最悪の真実が明かされたことで、もう迷っている場合ではないと冷徹に決意を固めるゲイツに繋がるのかもしれません。未来から干渉している自分たちにこそ「罪」があったとしたら。それは、他でもない自分たちで落とし前をつける他にない。・・・という流れ。

 

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アナザージオウとジオウの共存

 

さて、この感想連載でも何度も書いていますが、アナザーライダーという怪人は、登場した時点でチート級に強い訳ですね。正史に生きるライダーを、問答無用で偽史に改変してしまう。そして、その変身能力を含めた「歴史」そのものを奪う。

 

www.jigowatt121.com

 

ただ、今回のアナザージオウ、普通にジオウと共存しているんですね。この例外は過去にアナザークイズがありましたが、これはタイムパラドックスによる理論で例外的に共存できていたケース。白倉さんは東映HP「クイズのときとは、微妙にロジックが異なります。考えてみてください」と書かれていますが、振り返りページには「アナザーライダーが生まれると、元となったライダーの歴史はなくなるはずだが、まだ歴史にはなっていない現在進行系のライダーだからなのか、ジオウはそのまま存在している。」という記述が。

 

なるほど、「アナザーライダーは正史を改変する」という能力持ちですが、その「史」の部分が大事なのかもしれない。つまり、「歴史」こそが改変対象である、という理論。ジオウはまだ番組が終わっていないので、「歴史」には至らないニューカマー。アナザージオウは、そもそも改変対象である「歴史」がまだ存在しないアナザーライダー、という可能性が考えられる。

 

まあ、それ以前に単純問題として、アナザージオウって本来「2018」表記じゃないかな、と思うんですよ。『ジオウ』は2018年に放送が始まっているので、それに合わせる形で。過去のライダーの年代設定もこのルールなんですよね。でも、アナザージオウが持つ数字は「2019」。もちろん、年を超えたこの3月に生まれたので発生タイミングは「2019」で正解なのですが、こういう点でも従来のアナザーライダーと少し違ってますよね。

 

そんなアナザージオウは、過去のアナザーライダーの姿に変身できる。しかし、その素はジオウの力なので、ビルドやエグゼイドのアーマーでは倒せない。通常のルールでいくなら、ジオウか、もしくはジオウアーマーでしか撃破できない訳ですね。

 

仮面ライダージオウ RKFライダーアーマーシリーズ 仮面ライダーゲイツリバイブ

仮面ライダージオウ RKFライダーアーマーシリーズ 仮面ライダーゲイツリバイブ

 

 

しかし、白ウォズによると、それすらも超越できるのがゲイツリバイブとのこと。ゲイツリバイブは、おそらくジオウⅡと同じように、「アナザーライダー撃破ルール」を超越するパワーを持っていると思われる。ジオウⅡがリュウガアーマーでなくてもアナザーリュウガを倒せたように、ジオウ、もしくはジオウアーマーが無くても、ゲイツリバイブ単体でアナザージオウを倒せる。これまた魔王に匹敵する力ですね。さすがの救世主。

 

あと、アナザーライダーって、その生い立ち的に簡単に再登場できないので、こういう設定で出てくるのは面白いですね。スーツの再利用的な事情も含めて、お祭り感があって。画のバラエティが豊かなのは良いことだ。

 

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「私は君にそういう魔性の部分を求めているんだ」

 

先週、未来創造能力の存在で視聴者を凍り付かせておいて、その翌週に「アナザーライダーが現れたらゲイツやツクヨミと会えるでしょ?」とか言わせちゃうこの感じ。おい~~言わせちゃう~~?? おい~~!!!

 

下山さんの描くソウゴって、素朴な感じに魔性の部分を(無自覚に)覗かせるのがポイントだと感じていたのですが、黒ウォズにそれを言わせるあたり、かなり狙って書いてそうですね。最近はこのバランスもヒートアップしていて、「素朴」な部分がツクヨミやゲイツに離れられてひとりぼっちになっていく流れに効いてくるし、「魔性」な面は言わずもがなの未来創造能力に繋がってきた。番組開始当初は微妙に掴みどころに欠ける印象もあったソウゴですが、段々と輪郭が見えてきて、しかもその輪郭がことごとく不穏というのが面白い。

 

不謹慎だと言いながらも、アナザーライダー発生による仲間との再会を願ってしまうソウゴ。彼のその「寂しさ」を覚える感覚は、8歳の頃に両親を失ったからこそ植え付けられたのだろうか。前述のように、その原因こそがツクヨミだとしたら、本当にいよいよ救いのない展開ですが。今視聴者は、崖の上ギリギリの地点に立たされていそうな、そんな予感がしてしまうんですよね・・・。

 

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オーマの日は海岸で

 

ソウゴが見た予知夢は、海岸でのオーマの日。ジオウとゲイツが戦うその頭上では、獅子座の一角を象る星・レグルスが輝く。海の決戦とはまた情緒的な・・・。

 

一方で、タイムジャッカー側も不穏な動き。アナザージオウを作ったのはスウォルツですが、ウールとオーラもその存在自体は知っていたようで。異様に驚いたりしていましたが、その背景は現状不明。何らかのタブーなんですかね、アナザージオウは。タイムジャッカー側にも制御しきれない力を持っているのか。

 

タイムジャッカーらの目的は「新たな王の擁立」な訳だけど、それは同時に、その新しい王をある程度支配下に置きたい、というニュアンスもあると思うんですよね。だからこそ、自分たちの制御を上回るほどのアナザーライダーは作りたくない、とか。

 

しかしまあ、以前も書いたと思うんですが、『ジオウ』、本格的に混沌としてきましたね。仮面ライダーというコンテンツの基礎の部分として、「怪人が出現」「人が襲われる」「仮面ライダーが怪人を倒す」という流れがあって、平成ライダーにおいても、手を変え品を変えその流れに様々な応用を用いてきた訳です。『ジオウ』はいよいよいくところまでいっているというか、今回も確かに絵面は「怪人が出現」「人が襲われる」「仮面ライダーが怪人を倒す」なんだけど、意味としては従来のそれに全く則っていない、というか。

 

その昔『龍騎』がそうしていたように、絵的なニュアンスと印象で仮面ライダーの基礎的なノルマを消化しておいて、本質的には全然別の戦いをやっている、と。これ、実に白倉さんらしいやり方なんですよ。

 

毎年のように変化球をぶつけてきた平成ライダーですが、そういう積み重ねがあってこその『ジオウ』だなあ、と。記念作なので、もっと明朗に、分かりやすく、先輩ライダーと一緒に怪人を倒して派手にドーンな話にもいくらでもできたはずで。しかし、そうはしない。そこに平成ライダーの精神性が生きているんですね。今週の、「過去の変身者が襲われている」とか「対応アーマーで倒せない」とか、そういう小難しい要素をどんどん盛り込んで、しかし絵的には単純明快な「怪人を討伐するライダー」に収まっている。こういうバランスの物語を繰り出せることこそが、平成ライダーという歴史の面白さなんですよね。

 

といった感じで、次週、ついに来る、ゲイツリバイブ。救世主の新たな力が楽しみです。ゲイツが愕然とする「2009年の真実」とは・・・。

 

仮面ライダージオウ DXゲイツリバイブライドウォッチ

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仮面ライダージオウ 裂風削烈 DXジカンジャックロー

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