ジゴワットレポート

映画とか、特撮とか、その時感じたこととか。思いは言葉に。

アトロクを聴き続けた1年間がもうすぐ終わろうとしている

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「アトロク」こと『アフター6ジャンクション』を聴き始めて早11ヶ月。ついこの前始まったと思ったのに、おそらく2月は逃げて3月は去るだろうから、すでに1周年は目前、と言っても差し支えないだろう。

 

前身である「タマフル」ももちろん聴いていたが、一気に週5日放送の5倍増しになり、私の生活サイクルに馴染ませるのが大変だった1年前。とはいえ、宇多丸さんの流暢なトークで進行していく「タマフル」とはまた違い、各曜日パートナーとの掛け合いは新たな空気感を生成していたし、今やすっかり日々のルーティーンとして定着している。

 

www.tbsradio.jp

 

「カルチャー・キュレーション・プログラム」ということで、その看板通り怒涛の勢いでカルチャー特集が組まれていく同番組。私も年々趣味の範囲が狭まっているので、見識を広めてくれる貴重な機会にもなっている。「なるほど、そういう分野もあるのか」という発見。そこからそれ自体にずっぽりとハマることは残念ながら少ないのだけど、それでも、様々なフィールドにおける趣味嗜好を初心者向けに分かりやすく説明してくれる流れは非常にありがたい。

 

また、回を重ねるごとに各曜日のパートナーと宇多丸さんの掛け合いが加速度的に洗練されていく様も面白く、練習終わりの部室でダベっているかのような、あの独特の「お決まり感」がいつのまにか熟成されていく。まるでリスナーである私も同じ部室でその会話に混ざっているかのような錯覚をしてしまうので、つくづくラジオって良いなあ、と思わせてくれるのだ。

 

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思えば私のラジオとの出会いは大学生の頃で、バイト先の店内で毎日決まった番組が流れていたのがきっかけである。ラジオの魅力は、「自分が獲りに行かない情報」が気軽に得られること。初めて聴くアーティストの曲が流れ、それを機にCDを買ったりDLしたことも何度もある。タイトルだけ見ると全く嗜好に該当しないようなイベントが紹介され、結局は興味を抱いたりも。

 

今やSNS大時代となり、情報の範囲は狭くなった。RTやシェア等で様々な情報が流れてくると錯覚しがちだが、結局は自分が作ったTLの中での、フォローしている人からの伝達に過ぎない。まるで情報の波に呑まれているようでも、その実、自らが限定した空間の中で自分用にカテゴライズされた情報がグルグルしているだけである。だからこそ、「自分が獲りに行かない情報」に触れられる環境の価値は、年々上がってきている。私にとっては、そのひとつがラジオなのである。

 

After 6 

After 6

After 6

 

 

閑話休題。アトロクの各曜日パートナーに関して、当初は名前を覚えるのが大変だった自分もいたが、今ではすっかり全員をフルネームで呼べるようになった。

 

月曜日の熊崎アナは、とにかく爽やかな好青年といった印象で、反面、良い意味で応用力に乏しい一面があるのが可愛い。宇多丸さんから幾度となく指摘が入る「納得していない原稿を納得していないまま読む」というくだりは、もはや指摘がなくともそのイントネーションだけでゲラゲラ笑えるようになってしまった。そういう素直な様子が印象的だからこそ、グラビアトークの際のブーストのかかり具合が心底印象深く、その熱のこもった話のトーンだけで笑いを堪えるのが大変であった。

 

続く火曜日の宇垣アナは、自身のポテンシャルをこれでもかとラジオという媒体にぶつけている様子が、結果として驚異的なキャラ立ちに繋がっている。自身も語る「闇」の側面であったり、撃ち抜くタイプのアサルト型トークであったり、時に宇多丸さんの制御が効かないという「演出」に至るまでが彼女の魅力である。「演出」とカッコをつけたのは、彼女自身、自らのポテンシャルをかなり高い位置から俯瞰してクレバーに操作している印象を受けるからだ。昨日の放送でついにTBS退社が正式発表となったが、「新春アトロク放談」におけるアナウンサーインタビューを聴いていたリスナーは、どんなネット記事よりも彼女の退社に説得力を覚えていることだろう。

 

水曜日の日比アナは、おそらく5人のアナウンサーの中でずば抜けて「真面目」である。というのも、一時期、「曜日を覚えてもらおう・印象付けよう」というムーブの中で、該当曜日を宇多丸さんとパートナーが一緒に読み上げる、という状況があった。一時は全員がそれを頑張っていたのだが、いつの間にか自然消滅。しかしこの水曜日だけは、日比アナが賢明に宇多丸さんの「水曜日」に自身の「すいようびっ!」を重ねていくのだ。なんと健気な・・・!彼女の、遠慮がちで、しかし確実にミッションをこなそうとするあの「すいようびっ!」を聴くだけで、胸が締め付けられるようである。転じて、その様子も含めた、健気で真面目で素直な印象が、彼女の魅力となっている。

 

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宇内アナが登場する木曜日は、一週間の中でも飛び抜けて妙な明るさがある。彼女の底知れぬ陽性のキャラクターと、気持ち良いくらいのケラケラとした笑い声に癒されているリスナーも多いのではないだろうか。また、彼女自身が大のゲーマーということもあり、木曜日はゲームの話から導入が始まるのもすっかり通例となった。「コナン」といい、「ハリー・ポッター」といい、宇内アナの狂気すらはらんだあのアグレッシブさがあってようやく成立する新概念の数々は、特有のグダグダ感を含めて、毎週の楽しみのひとつだ。

 

そして金曜日の山本アナは、現在34歳ということもあるのか、宇多丸さんと居酒屋で飲みながら進行しているようなフリーダムな空気感が持ち味である。こういう空気感を作れることこそが、山本アナのキャリアの証明なのだろう。毎回、最高にどうでもいい話から始まるオープニングトークといい、後輩の女子アナを揶揄するお決まりのパターンや、番組を抜けていく宇多丸さんを阻止するくだりなど、「ま~た やってるよ」という面白さをこれでもかと提供してくれる。前述の部室の喩えでいくと、金曜日が一番それらしいかもしれない。ただし、おそらくこの部活に女子はいない。

 

などなど、各曜日パートナーの皆さんについて偉そうにあれこれ語ってしまったが、本当に毎日面白く聴いている。スタッフの皆さんも、これだけの物量をさばくのは本当に大変だと思います・・・。いつもありがとうございます。

 

毎回のようにオープニングトークで天気をdisっていた一年前。ラジオ番組は、前述の「部室感」というか、番組スタッフとキャスト、そしてリスナーが共犯となって、「お決まりの空気感」を作っていくことにこそ旨味がある。その過程こそが美味しいのだ。「アトロク」は、3時間を週に5回ということで、ものすごい速度でその旨味の熟成が進んでいった感覚がある。もうほぼ1周年とは・・・ この前始まったはずでは・・・。

 

宇垣アナの続投や如何に、という点も含めて、平成31年度も「アトロク」が楽しみである。(気が早い)

 

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