ジゴワットレポート

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感想『仮面ライダージオウ』第20話「ファイナルアンサー?2040」ZI-O signal EP20

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『仮面ライダージオウ』もついに第20話。ついこの前始まったと思うのですが、もうすぐ折り返し地点なんですね。早いなあ。この「ジオウシグナル」もこれで20回書いてきたことになります。毎回4,000字オーバーくらいなので、累計8万字以上は書いている? うわぁ・・・。そして今回もまた土曜更新になってしまいました。何とかペースを上げたいところ。毎回同じこと言ってるけど。平成ライダーの同人誌制作と平行作業中なので、尚更意識していかないとペースは上げられないはず・・・!

 

さて、そんな20話は、前回に引き続き諸田監督&下山脚本のクイズ編後編。ジオウと黒ウォズ、ゲイツと白ウォズ、両陣営の火花が散る、と誘導しておいて、ソウゴとゲイツの奇妙な信頼関係はそう容易に崩れませんよ、という話。まあこの展開は視聴者の多くが感覚で分かっていたことで、ミスリード、というほどでもありませんでしたね。

 

ということで、『仮面ライダージオウ』の感想を綴る「ZI-O signal」(ジオウシグナル)、今週もいってみましょう。

 

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諸田監督の「引き」のショットと光の演出

 

今回すごく印象的だったのは、諸田監督の画作り。前回もそうだったのですが、アナザークイズが出現した冒頭の研究施設、これをかなりの「引き」で捉えてるんですよ。一瞬どこでゲイツとウォズが戦っているのか分からないくらいの引きのショットから、一気にいつものような「寄り」に戻す。こういうのって、こう、なんとなく、「仮面ライダーって本当に日常のあちこちで戦ってるんだ」という気になるんですよね。気持ちの良い錯覚というか。

 

中盤のジオウとゲイツの戦闘シーンも、水辺の広場を引いたカットで撮っていたのが印象的で。あれだけ街中のロケーションだと、早朝かもしれないし、人払いが大変だったのかもしれないし、とにかく引きの画って手間がかかると思うんです。でも、だからこそ、スーツの造形を堪能できる寄りの画とは違った臨場感がある。これが好きなんですよね。

 

あと、後半の廃工場。ここの光の演出もすごく良かったですね。暗い屋内と差し込む日光のコントラスト。空中に浮かぶ細かいホコリが視認できそうな、あの空気感。ジオウがまとったダブルアーマーのメタリックな感じとの相性も良く、また、ゲイツとクイズが共闘した屋外ロケーションとの対比もあって、美しいカットの連続でした。

 

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クイズの記憶が消えない問題

 

さすがにレアな展開だったからか、公式サイトでフォローの入った「クイズの記憶が消えない問題」。

 

【仮面ライダークイズとアナザークイズが共存できたのは?】


仮面ライダークイズこと堂安主水が、「2040年の未来から連れて来られた」のが問題です。

 

2019年に来たクイズの力をオーラが吸収し、アナザークイズをつくりだしました。これまでなら、そこで歴史が変わり、主水はライダーではなかったことになるはず。
ところが、そうはなりません。
白ウォズが彼を現在に連れてきたのは、彼が仮面ライダークイズだったから。ライダーでなかったことになったら、白ウォズが連れてくる理由がないので連れてこなかったことになり、アナザークイズも誕生しなかったことになります。

 

まさにタイムパラドックス。

 

だから、アナザークイズが誕生しようが、白ウォズがクイズウォッチを生成しようが、主水がライダーだった歴史が変わることはありません。
まして「記憶がなくなる」こともない。ゲイツは経験上そのことを案じてましたけど、こと今回にかぎっては杞憂だったわけです。

 

ということで、彼が未来から来た時間旅行者だったからこその現象なのでした。
時間モノって難しいですね……。

 

平成仮面ライダー20作品記念公式サイト | 東映

 

これまでも『ジオウ』作中における「?」に対して色々と考察してきた訳ですが、まさかこの真っ当な「タイムパラドックス理論」を採用しても構わない物語だったとは。若干「それならそうと早く言ってくれよ」感もありますが、まあ、まあ。ということで、前提条件を覆せないという理屈で「クイズとアナザークイズの共存」「クイズミライドウォッチ生成後も主水の記憶は消えない」が果たされている、という話。

 

とはいえ、ここからはちょっと苦言なのですが、結果としてクイズの力が失われず記憶もそのままであるならば、ゲイツがそれについて悩むくだりと作劇上の整合性が取れないよね、と。ゲイツは、父の本心を確かめに来た主水の記憶が消えることを危惧して、その上で「ジオウならどうする?」という考え方に至った訳で。それ自体は、ソウゴとゲイツの関係性の妙を魅せる上で良い流れだと思うんです。しかし、結果としてミライドウォッチが生成されても主水の記憶はそのまま。その理屈は前述のとおりだけど、でもそれだと、「なんのためにゲイツは悩んでいたの?」になっちゃう。

 

公式サイトには「20話で考察するシーンもあったのですがカットされたので、ここでフォローしておきます」とあるので、カットされた結果であることは分かるんですけど、でも結果としてこの凸凹な感じはやっぱりモヤってしまいますね。「クイズとアナザークイズが共存できる理屈は~」という「作中設定の整合性」ではなく、シーンごとの意図と意図をかみ合わせる「作劇上の整合性」の話。仮にいくら「作中設定の整合性」が整っていても、「作劇上の整合性」が取れていないと、やっぱり観た後に「しこり」が残っちゃうんですよ。

 

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『ジオウ』は、「タイムパラドックス」「時間旅行」「過去改変による歴史修正」「レジェンドの偽史」等々、時間モノに真っ向から取り組んだ結果、その組み立てにエネルギーを注ぐためか「作劇上の整合性」がちょっとズレる時があるんですよ。端的に言ってしまえば、「思ったよりノリきれない」という感情に至ってしまう時がある。でも、そういう小難しい理屈をエンタメに昇華させている点はすごく好きですし、特に私のようなオタクにとってはあれこれ唱えながら観られるので面白いんですよね。

 

などと、ちょっとネガティブなニュアンスになってしまいましたが、要は「ゲイツくんのせっかくの悩みに対して物語がフォローしてくれなかったのはちょっと残念だったね」という話です。

 

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仮面ライダーウォズの所作

 

ウォズが変身するウォズですが、段々と役者とスーツアクターの動きがシンクロしてきた感じがあります。こういうのを追っていけるのが連作の面白さですよね。特に、序盤の「どいつもこいつも尻尾を巻いて逃げる犬じゃないか」のくだり。脚の動きから上体の逸らし方に至るまで、「ウォズだ!!」って感じ。さすがプロはすごい。

 

仮面ライダージオウ RKF ライダーアーマーシリーズ 仮面ライダーウォズ

仮面ライダージオウ RKF ライダーアーマーシリーズ 仮面ライダーウォズ

 

 

あと、仮面ライダーウォズは、フューチャリングしても全体のシルエットがほとんど変わらないので、スマートさが損なわれなくて良いですね。いつでも細身のプロポーションで、のらりくらり、ヒラヒラとしていて。従者でありながら時に強く発言するウォズのキャラクターとも親和性が高い。

 

対するジオウやゲイツは、アーマータイムでレジェンドライダーの鎧をまとうので、シルエットがガラッと変わる。ウィザード、鎧武、オーズのアーマーあたりは顕著ですよね。ダブルもそうか。ウォズはそういうことはなく、あくまで自分の制御下で他ライダーの力を使役する感じが、不遜な印象を抱かせてくれる。良い意味で「イヤな感じのエラさ」みたいな。だからこそ、このウォズがいつかぎゃふんと言う展開が来るのかなあ、と考えちゃうんですよね。ゲイツリバイブがウォズを攻撃したら、すごくキレそうな感じもする。

 

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ジオウⅡ、間もなく登場

 

ジオウの新たな姿が公開され始めましたね。しかしディケイドアーマー、印象としてはかなり短命だったような・・・。中間フォームが取り上げられるのは好きなので、今後もちょいちょい登場して欲しいのですが、どうだろうか。

 

 

ジオウⅡ、こう、ストレートな「パワーアップ感!」がありますよね。単純に角がビュンビュン生えていると強そうな感じもあって、好きです。前垂れが二本になっていて、ほんのり高貴な印象があるのも面白い。しかし、このデザインはすごく横に太く見えるので、生身のソウゴの細さと印象に開きがあるなあ、とも思ったり。

 

ふたつの腕時計が合体しているイメージというか、海外によく行くビジネスマンが両腕に腕時計をはめている、なんて話があるじゃないですか。なんか、あの手のちょっと普通じゃないゴージャス感がありますよね。そして、ストレートな「ツー」のネーミングも面白い。平成ライダーは、あんまりこういうナンバリングで呼称したりはしないので。

 

仮面ライダージオウ DXジオウライドウォッチ?

仮面ライダージオウ DXジオウライドウォッチ?

 

 

さて、そんなジオウⅡに変身するためのライドウォッチⅡですが、黒ウォズが未来から持ってきたものなのかな。未来のオーマジオウから譲り受けたアイテムとかだろうか。歴史の分岐点であるオーマの日を前に、段々と「ゲイツリバイブ未来」の確度が高くなってきている。黒ウォズは「オーマジオウ未来」を強固なものにするべく、本来であればもっと後にもたらすべきだったジオウの強化を図る、という展開かな。

 

ひとつのライドウォッチがふたつに分かれて両方に挿さるということで、まさに「ジオウにジオウがアーマータイムする」という感じ。そしてその結果が「二本の腕時計」、と。分かりやすくて好き。

 

といった感じで、次回は龍騎編。おそらく龍騎編の後編にジオウⅡが登場すると思われるが、ミラージオウと合体して「二本」になったりして、などと、妄想が捗る。「ライダー」の文字が反転しているデザインはインパクト抜群ですね。せっかくのパワーアップ回をちゃんとレジェンドに絡めてくるあたりが『ジオウ』らしい。

 

原典である『龍騎』は、「戦う意味」を巡るお話。それを受けて、ソウゴが新たな力を手にする。『龍騎』が持っていた物語の旨味の部分がジオウの強化に受け継がれたら良いなあ、と期待するところです。

 

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仮面ライダージオウ 時冠王剣 DXサイキョーギレード

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