ジゴワットレポート

映画とか、特撮とか、その時感じたこととか。思いは言葉に。

2ちゃんねるでSSを書いていたあの頃の思い出

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もう10年以上も前のことだが、2ちゃんねるでよくSSを書いていた。

 

今はもう2ちゃんねる(現5ちゃんねる)はめっきり見なくなってしまったが、当時はどっぷり浸かっていた。まだガラケーだった頃で、暇さえあれば2ちゃんを開いて時間を潰す。ROM専ではなく、よく書き込んだし、スレも立てた。

 

もちろん(もちろん?)、主な生息地はVIPで、『VIP STAR』だとか、クリスマスの正拳突きだとか、ご多分に漏れずそういうネタで楽しんでいたあの頃。当時はFC2でブログをやっていて、好きな漫画や映画の感想を書いていたけれど、やっぱりたまに創作欲のようなものが湧いてくる。

かといって小説を書くとかそこまで本腰入れる決意も無くて(書いたこともあったけど)、そういう時は2ちゃんを開いて、スレを立てる。SSを書き出す訳だ。

 

そんなに毎日のように書いていた訳ではないけれど、打率としては6割くらいだったかな。この場合の「ヒット」は、ある程度レスがついて反響もあって、そこそこ書き続けられた状態を指す。残りの4割は、レスも付かず、書いている自分もそのうち「これの何が面白いんだよ馬鹿野郎・・・」と無我の境地に至り、放置するに至るパターンである。(そうやって放置したスレを一時間後に覗くと「俺は読んでたぞ」みたいなレスがついて心の中で平謝りしたり)

 

ジャンルは、二次創作ではなく完全オリジナルが多かった。星新一のSFや、『世にも奇妙な物語』『週刊ストーリーランド』的な、一発ネタを転がして発展させるやつを色々と書いていたと思う。今でも思い出せる記憶はあるが、いくつかのワードでググると完全にそれが出てきたので、詳細は書かないでおく。何か便利なアイテムとか、不思議な事象を先に提示して、それを解明していく道筋のものが多かったかな。

 

当時の稚拙な自分なりに、謎を蒔いたり、要素を回収したり、伏線を配置したり。今でも思い出してアドレナリンが出るほどに上手くいった例もあれば、顔が真っ赤になるような低クオリティもあった。

 

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2ちゃんで書くSSは、ブログや小説投稿サイトと違って、読んでくれる人の反応が嫌というほどにリアルタイムで展開される。IDで区別しなければ、書き手と読み手の書き込みは同じ。なので、辛辣な意見もあれば、こちらの期待通りの反応をくれる人、先の展開を予想して箇条書きにしてくる奴、0時になったからといってIDチェックを行う奴、全く関係ないスレからの誤爆など、独特の空気感と速度があった。

 

なので、読んでくれる人の期待をリアルタイムで汲みながら、受けた要素を取り入れ、予想された展開を避け、その場その場で書きながら(稚拙な)物語を作り続ける。しょうもないSSだったけど、脳の運動という意味では結構な稼働率だったのかもしれない。

 

運良く書いたSSが好評だと、スレの勢いが加速し、パートスレに発展していく。「パートスレはパー速でやれ」という定型のやり取りが行われ、何日も続く長丁場になったりもする。書き手が休憩を取ったりすると、「支援」「保守」「ほ」「④」といったレスが付き、読み手が書き手の帰還を待つ。用事があって外出したその先で、ガラケーでスレを覗くと、自分が続きを書くのを待ってくれているレスが並んでいる。これほど承認欲求を満たせるものもない。

 

SSの他にやる夫スレもいくつか書いていて、自分(書き手)が好きなコンテンツを何も知らないやる夫が学んでいく、という定型のパターンを試していた。なんとかガラケーから更新しようとして崩れまくったAAを貼ってしまったのも今では懐かしい思い出である。(久々にググってみたら「2ch全AAイラスト化計画」が今も現役で驚いた!)

 

そこそこ続いたSSはその多くがアーカイブ化されていて、今でも何年かに一度、自分が書いたそれをふと思い出して読み返したりする。また、スレ自体がまとめブログに記事としてまとめられていたり。当時は>>1の書き込みだけピックアップされているまとめが読みやすいと思っていたが、今は全くの逆で、書き手以外のレス(諸々のリアクション)の方が読みたいくらいだ。

 

そうやって、「書いたものが誰かに読まれる面白さ」を小刻みに感じていたあの頃の感覚が、ブログを書いている今に通底しているのかな、と思う。結局、それが物語でないにしても、「何かを書いて表現する」ことに関する中毒なのだろう。

 

取り留めのない、懐かしい思い出話でした。

 

僕たちのインターネット史

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