『仮面ライダージオウ』第27話は、田崎監督&下山脚本によるアナザージオウ編通算3話目。いやぁ、またもや土曜更新、しかもこれを書いている時点で夜の10時過ぎという体たらくでして。この時期はどうにも、年度末に向けて仕事が忙しく、ジオウシグナルに限らずブログの更新頻度が下がってしまうのが残念な感じ。更新から次回放送まで時間が無いですが、前回の復習がてらお読みいただけると幸いです。
いきなり話は脱線しますが、『リュウソウジャー』初回、とっても面白かったですね。前作ルパパトがキャラクター描写に重きを置くタイプの作劇だったのに対して、王道の設定と特撮の画の魅力でインパクトを狙うという、ある種正反対の作り。とにかくロボ戦の撮り方が素晴らしくて、録画を何回も何回も観ました。また追ってこちらの感想もブログにまとめたいところ。
そんなこんなで、毎年恒例のスーパーヒーロータイムの映像も新しくなったところで、『仮面ライダージオウ』の感想を綴る「ZI-O signal」(ジオウシグナル)、今週もいってみましょう。
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おじさんの叱り
パイロット監督も務められた田崎監督が今回また担当されているのですが、公式サイト等を読むと、次回が「一種の最終回」とのことで、そこを狙っての人選なのかな、と。未来でオーマジオウと邂逅し、現代でソウゴとゲイツが信念をぶつけ合った年末の回も田崎監督だったので、重要回を見据えたローテーションといった印象。
28話、「一種の最終回」です。
もちろん『ジオウ』はまだまだ続くので、節目というか一区切りというか。何に区切りをつけようとしているかというと、ソウゴのホンネが聞きたいというところ。
「ソウゴの本音が聞きたい」。つまりは、ゲイツやツクヨミが家を出ていき、敵対関係が色濃くなり、互いに感じていた友情を脇において戦うここ数話の展開において、その一連の中で積み重なったソウゴの本音が、ここに来て聞けるのかな、と。
以前より書いてますが、ソウゴって、本当に不思議なキャラクターなんですよね。良くも悪くも達観しているというか、掴みどころが見えにくい、というか。それでも、民のために平和を目指し、その王の素質を覗かせながら時にクレバーに立ち回る様子が描かれることで、遅効性でキャラの旨味を見せてきた訳ですが、確かにソウゴが本音を吐露するようなシーンはあまり記憶にない。浮世離れした感じは、良く言えば大人びているし、悪く言えば年相応の子供らしさを隠している、とも取れる。
そんな一言では言い表せない常磐ソウゴの人格は、幼い頃に両親をバス爆発事故で亡くし、王様になるという夢を植え付けられ、おじさんに引き取られることで形成されてきた。家族を一気に失ったショックと、常識から外れた夢。そしておじさんは、そんな不安定な様子を見せるソウゴを、正面から叱ったことは無かった。結果として常磐ソウゴは、子供らしさを無意識に封印し、大人らしく、つまりは「王様らしく」達観したように振る舞うことで、自分をコントロールしてきたのかもしれない。みんなのために、平和のために、荒唐無稽な夢を自信満々で語るように。そういった虚像を信じ込んで演じることで、いつしかそれが真に自分に馴染むように、「常磐ソウゴ」という人間が出来上がっていった。
一連のバス爆発事故からの流れを観ていると、ソウゴのそういった物悲しいかもしれない背景に思いを馳せてしまうのだけど、だからこそ、今回のおじさんの叱咤が胸に沁みる訳ですね。いやぁ、普通に良いシーン過ぎて、ちょっと泣いちゃいましたよ。生瀬さん、さすがの名優・・・。
「寂しい時に寂しいって言えない人間なんて、人の痛みが分からない、王様になっちゃうぞ」。これこそ、孤独の淵から王様を夢見て人格を再形成してきたソウゴにとって、最も響く叱咤なんですよね。つまりは、彼の一番のポイントであった「達観した様子」そのものを突く言葉。友達がいなくなって、「それでも仕方ない」「夢で見たように戦うしかない」と、王様のようにどこか余裕を演じて目の前の事態に流されていたソウゴ。彼自身が、「王様」ではなく「常磐ソウゴ」として、感情をしっかりと吐露する。そこに、ゲイツとの戦いとはまた別の決着があると思うんですよね。
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ゲイツと黒ウォズ
さて、話を冒頭に戻しますが、黒ウォズとゲイツリバイブの戦闘シーン。ゲイツリバイブのスーツの造形美を堪能できる接写のカットが多く、眼福でしたね。
黒ウォズはゲイツに負けるはずがないとタカをくくっていたようですが、彼らがそもそもどういう人間関係にあるのか、相変わらずよく分からないという。『ジオウ』は、キャラクターのバックボーンをびっくりするくらい説明してくれない作品なので、想像が膨らむどころか、逆に発展していかない感じ。うーん、やはりもう少しこの辺りは情報が欲しい。
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察するに、ゲイツとツクヨミは未来の警察的な組織に属していると思うんだけど(あくまでニュアンスの話)、そうなると、黒ウォズは元警官といったところだろうか。同期で幾度となく戦闘訓練を行った中だが、ある時ウォズはオーマジオウの思想に感化されてしまい、職を辞してオーマジオウの軍門に下った、とか。タイムジャッカーは、その名称から考えると、時をかける犯罪者集団なのかなあ、と。ルパンレンジャーとパトレンジャーじゃないけど、警察側であるゲイツやツクヨミと、犯罪者であるタイムジャッカーは、そういった捜査線上で何度か面識があるとか、そういった感じではと勝手に予想している。
しかしゲイツリバイブ、まさかのリスク型。未来創造能力までもを有するジオウⅡに匹敵するパワーがあるので、それも当然といったところか。ゲイツくん、血を流しながら戦いに挑む様子が似合いすぎているぞ。
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王選別の儀式
さて、真相の続きはまだ次回へ引っ張られましたが、バス爆発事故について。スウォルツが仕掛けた王選抜の儀式であることが判明。2000年生まれの子の中にその資格を有する者がいる、とのことで、生き残りをかけたバス事故を起こす、といった内容。
いちご狩りバスツアーに2000年生まれの子ばかりが運良く揃うということはないので、劇中でスウォルツが触れていたように、彼が招待して客層をいじっていた模様。例えば小学校を襲うなどすれば、もっと手早く確実に2000年生まれの子に危害を加えられそうだけど、なぜいちご狩りバスツアーだったのか。例えば、このバスはスウォルツが介入しなくても事故に合う予定のもので、それを利用する形で、あくまで歴史の水面下で王の選抜を行いたかった、とか、そういう感じなのだろうか。
そうなると、運転手として登場した士は、彼自身に何らかの原因があるというより、彼もまたツクヨミと同じようにソウゴの過去を知るために事態に接触していたのかもしれない。バス運転手に成り変わることで、ソウゴの身に何が起きたのかを探ろうとした。この仮定でいくと、まず普通の運転手による通常のバス事故があり、次にスウォルツが介入したバス事故もとい王選抜儀式があり、そして士やツクヨミが接触した今回と、史実は計2回の変更を加えられているのかもしれない。
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ディケイドこと士の目的は依然として不明なのですが、彼が自らの行動でソウゴの過去を探っていたとすれば、やはり平成ライダーの歴史や物語そのものとの関係が疑わしく思えてくる。士は、何のためにソウゴの過去を知ろうとするのか。彼にディケイドの力を分け与えたのには、どのような目的があったのか。そして、スウォルツが言うところの「2000年生まれの子が資格を持っている」は、2000年に仮面ライダークウガが活躍したことと関係があるのか。謎は謎を呼ぶ。次回、もう少し情報が貰えるかな。
そして、スウォルツが子どもたちをさらっていったシーン、突入した時空トンネルのような穴の内部がタイムマジーンで移動する際のものと同一だったので、やはり時間を移動したと考えるのが自然。ダイマジーンが暴れる、未来の日本。そこに移動し、子どもたちの中の有資格者を見極め、王になるよう発破をかける。常磐ソウゴという人間は、スウォルツに「作られた」人格というオチですよね、これ。うーん、中々に辛いぞ。
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ソウゴとゲイツ、約束の戦いへ
ゲイツがリバイブの力を手に入れたことで、「ゲイツリバイブ未来」の可能性が高くなってしまった現状を、当然、黒ウォズはよく思わない訳ですね。通常なら、ジオウが特段敵もなく覇道を突き進むだけだったのに、それが根底から覆される未来の可能性が邪魔をしてくる。そうなると、いよいよなりふり構わなくなってくる。
以前、タイムジャッカーを利用するだけ利用した黒ウォズですが、今回は割とガチ目なお願い。白ウォズの「未来を引き寄せる能力」を逆手に取ることで、ビヨンドライバー一式の奪取に成功。変身することで、ゲイツリバイブの猛攻を止めようとする。今後、仮面ライダーウォズは基本「どっち」になっていくのだろうか。やはり、黒ウォズの方かなあ。変身エフェクトが白の方とちょっと違うのが良かったですね。
そして、ソウゴを呼び出したゲイツは、決戦の地へ向かう。ソウゴも、ゲイツと戦うべく、バイクを駆る。次回、それぞれの苦悩を胸に再び対峙した男たちは、どのようなドラマを繰り広げるのか。予告からして「最高な回」のオーラがびんびん放たれていて、めちゃくちゃ楽しみですね。
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ディエンド乱入!
そして、やっぱり登場、ディエンド。ちゃっかり変身することまで確定しているのも嬉しいところ。
皆さん、お待たせしました✨
— 戸谷公人 (@kimitotani0507) March 17, 2019
そしてただいまー😊
10年ぶりに仮面ライダーディエンド
海東大樹役として
またお宝を奪いに仮面ライダージオウに出演させて
頂きます!
ようやく発表できました✨✨
沢山の方々に喜んで頂けて
本当に嬉しい限りです!#仮面ライダージオウ #仮面ライダーディエンド pic.twitter.com/2bQ8D23YZU
ディエンドといえば、お宝を求めてストーリーをこれでもかと引っ掻き回すトリックスターなのですが、ここはむしろ、彼を通して士の真の目的に迫るようなプロットが観たいなあ、と。彼らふたりの奇妙な関係も、まあ、そりゃあ、過去に色々とあった訳ですが(大戦とか大戦とか大戦とか)、だからこそ、互いに腹の底が知れてるところもあって。海東が物語を転がすことで、士の行動が肉付けされていくような、そんな語り口を期待してしまうところですね。
といった感じで、そろそろ日付が変わってしまうアレすぎる時間帯での更新ですが、ジオウ27話の感想でした。どうしても「谷」のタイミングというか、「繋ぎの回」なので、感想を書くのが難しい・・・。
次回28話は、第二章「未来編」の最終話、と捉えて良いのかな。これが終わったら今度はどんなストーリーになるのか想像がつかないのですが、だからこそ、ディエンドを絡めてまた新しい面白さを提示して欲しいところ。時期的に、そろそろジオウの最強フォームに向けた構成になっていくのかな。