ジゴワットレポート

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どうして着ぐるみの怪獣が生まれたのか? NHK Eテレ『JAPANGLE』(ジャパングル)の特撮特集が素晴らしかった、という話

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タイトル通り、NHK Eテレの番組『JAPANGLE』(ジャパングル)の特撮特集が素晴らしかった、という話。

 

「特撮」、つまり「特殊撮影」が、どういう歴史で生まれ、いかなる職人の技で支えられているのか。今現在、どんなニュアンスで日本の文化として認知されているのか。

約20分でそれらを余すところなく紹介していたので、感動しましたね。構成力がすごい。

 

 

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番組の構成として面白かったのは、この手の特撮特集でよくピックアップされる「ゴジラ誕生秘話」「ミニチュアや操演の職人芸」の他に、東映のライダーや戦隊の映像も挟まれたり、プラモデルやフードモデルの造形模様が取り上げられていること。

 

「特撮」というとウルトラマンやゴジラの巨大特撮が代表格だけど、番組構成としてそれだけに限ったりせず、藤岡弘、氏の変身ポーズをしっかり観せてくれたのが嬉しかった。結構、巨大特撮だけで囲ってしまう特集も過去に多くあったので。

また、サンライズが映像を提供していたプラモデルの造形や工場ライン、フードモデルの型取りから着色まで、映像文化としての「特撮」とは少し距離があるけども、嗜好のベクトルとしては完全に隣人であるそれらをピックアップするのがニクい。特撮が好きなら、「そういうの」は漏れなく好きですよ、はい。

 

あとやっぱり、番組冒頭、ウルトラマンたちが子どもたちと触れ合っているシーンがすごく良かったですね。

ウルトラマンフェスティバルの映像だと思うんですけど、子どもたちを優しく抱擁したり、一緒にポーズを決めていたり。自分もそういう子どもだったので、ああいうのには弱い。あと、赤白帽のつばを頂点にしてかぶるウルトラマン被りも最高。完全にNHKの編集側に特撮好きがいるぞ・・・。

 

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「どうして着ぐるみの怪獣が生まれたのか?」の逸話は、やはり面白いですよね。

ちゃんと『キング・コング』の映像が出てきて、それを受けて日本が作ろうとしたら制作期間的に難しい、という例の流れ。そこで「じゃあ人が中に入ればいいんだ」という発想に行き着くのは本当にすごいし、それが「TOKUSATSU」という文化として海の向こうにまでフォロワーを作ったのが何とも感慨深い。

 

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国内の巨大特撮が冬の時代に到達していた数年前、その「TOKUSATSU」に惚れ込んだ監督の『パシフィック・リム』が界隈でカルト的な人気を博したのは記憶に新しいし、近年のハリウッド産のモンスター映画は「中に人が入っているっぽい造形」のものが多い。レジェンダリーのゴジラシリーズ最新作『Godzilla: King of the Monsters』では、ついにモスラやキングギドラが登場するという。

 

そうして、海を超えて何十年もかけて、架空の存在に胸を踊らせた人たちがキャッチボールをしていると思うと、ロマンがあるんですよね。たまに、無性にジーンときてしまう。

 

そんなこんなで、『JAPANGLE』特撮特集。

たった20分で「気ぐるみ怪獣が生まれた背景」「ヒーローの背後爆破の職人芸」「ミニチュア特撮のメイキング」といった特撮の美味しい部分を集めた構成になっているので、ぜひ、特撮をあまり知らない人にこそ観て欲しい内容でした。

 

まさか最新ウルトラマン『R/B』の舞台裏も観られるとは・・・。ビルが吹っ飛ぶシーンのメイキング、すっごく良かったですね。そしてレッドキングが可愛い。

 

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