アニメ『ポプテピピック』が『星色ガールドロップ』をネタにしてくることは放送前から誰もが予想していた訳だが、予想以上に(映像も含めて)OPテーマが良かった。
だからこそ、この度発売されたサウンドトラック『ポプテピピック ALL TIME BEST』において一番楽しみにしていたのは、『星色ガールドロップ』OPテーマ『Twinkling star』だ。
フタを開けてみれば、完全なるフル尺の4分20秒。す、素晴らしい・・・。これだ、これを待っていた。
声優には詳しくない私でさえ名前を聞いたことのある、星降そそぐ(小倉唯)・月野しずく(水瀬いのり)・夕陽ころな(上坂すみれ)の3名による「いかにも」なゲロ甘ソング(褒めてる)。
あまりこの手のアイドル系ソングに耐性が無いので、最初は聴いていてこっ恥ずかしい感じもあったが、次第に彼女らのはちみつ+練乳に砂糖をかけたように語尾を「~ンッ↑」と引っ張り上げるゲロ甘な歌声(褒めてる)がクセになってしまった。
「キュン!キュン!」ではなく、「きゅぅぅんっ!きゅぅぅんっ!」と歌うの、ごはんですよより中毒性がある。
「ぷりーず!りーめんば~~!」の導入から、素晴らしく「ありがち」なAメロ、最高に「ありがち」なBメロを経て、もはや初見でも馴染み深さがヤバい「ありがち」なサビに至るまで、それ単体のコード進行やメロディラインの直球さが、ジョークソングとしての完成度を青天井で高めていく。
フル尺はここからが本番。1番が終わると軽快なギターが2番への橋渡しを行い、Aメロ前半に変化を加える王道の作りへ。(歌詞でメンバーの名前をもじった「太陽」「月」「星」が用いられているのが芸コマ)
Bメロ、サビときて、間奏のギターソロもエフェクトのチョイスと伸びのあるサウンドがとっても耳に優しい。
そこからの間奏後半、メンバー3人が交互に新たなメロディを披露し、「ドロップスターズのライブがあったらここで観客との掛け合いが盛り上がるんだろうな・・・」という想像をしてしまうほどの展開へ。
続けて、曲の冒頭であった「ぷりーず!りーめんば~~!」に満を持して回帰する構成。ベタすぎて、もはやエモすぎる。冒頭より伴奏が減っていて、クライマックスに向けての前奏フレーズとして完璧。
ラスサビも「I love you」の「you」のコード進行を変化させて繰り返させる構成が「分かってるぅ~~!」としか言いようがない。なんてこったい。最高だぜ『Twinkling star』。最高だぜドロップスターズ。ありがとう、ありがとう。
「ありがち」を、「ベタ」を、逃げずにどこまでもやる。そこにブレーキが無いからこそ、それが単に『ポプテピピック』本編の前座でしかないジョーク構成を際立させ、一周して『星色ガールドロップ』の実態がない儚さまで演出する。
なんだか、妙に印象深い一曲になってしまった。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
その他、期待していた挿入歌は以下のもの。
このEDテーマは、メロディの爽やかさに加えて、歌詞がとても良い。あの不条理で規格外な2人にド直球の友情ソングをあてがうセンスといったら。
フェルトの映像が印象的だった『恋してポプテピピック』。フル尺を期待していたけどそこは叶わず、残念。「サブカルこねくり回しても偽物だらけ」「未知なスリル教えてあげる」。 歌詞がとっても「らしい」ワードチョイスでまとまっていて、何度聴いても楽しい。
フェルトポプ子とフェルトピピ美、クランクアップ後のオフショット…#ポプテピピック #pptp #popteamepic pic.twitter.com/yTSmvyRUGu
— UchuPeople (@UchuPeople) 2018年3月26日
クソ空耳ソング。歌ってる内容が結局「信者」「アンチ」等々で、最後に「いつまで同じ争いすんの?」と突き放すあたりが感慨深い。元ネタは言うまでもなくEarth, Wind & Fireの『Let's Groove』だが、個人的にはこれに岡崎体育も入っているのでは、と書き置いておきたい。
最終回にして原作者作詞という爆弾。最後にすべてを蒼井翔太が持って行った印象が強いが、この『心の大樹』の完成度を見逃してはならない。卒業ソング風に始まっておきながら、『天使にラブソングを』を明らかにパロったかのような軽快な手拍子が入る流れには、もはや笑いをこらえきれない。
「頑張ってない証拠だぞ」からの「こ~ろ~す~ぞ~(ころす~ぞ Baby)」の持つインパクトがあまりにもあまりすぎて、今度から気分が落ち込んだ時はこれを聴くように心がけていきたい。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
アニメ『ポプテピピック』の確信犯(誤用)的な面白さ、スタッフ陣の斜め上の力の入れようについては、各種インタビューがほぼ完璧に網羅してくれたので、今更特筆して語れることは少ない。(それぞれに付いているブクマの数から、本アニメの勢いを改めて感じるところである)
自分が以前書いた感想はこんな感じです。
最終回、1話の「出会い」を見事に回収し、正統派最終決戦展開を真っすぐにパロって、それでいてループ物を提示して視聴者の考察欲までもを満たすのが上手い。
しかし、それだけでは「良い最終回だった・・・」になってしまうからか、それまで微塵も前振りが無かった蒼井翔太が実写で登場するという、理解度が周回遅れするバランス。
トッポじゃないけど、「最後までちゃんとクソだよな!」という思いを抱かせてくれるあたり、ブレない。
上の記事でも書いたけど、『ポプテピピック』の提示したバランスって、好き好んでも忌み嫌っても(信者でもアンチでも)、双方とも「やけにツウぶっている」ように見えてしまうものに調整されていて、そこが好きなんですよね。
アニメそのもののクオリティというより、ムーブメントの温度調整が上手い。
3ヶ月間、楽しませてもらいました。
2期があっても無くても「『ポプテピピック』らしい」ので、本当にズルいなあ。