ジゴワットレポート

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感想『変身ベルト DX飛電ゼロワンドライバー』 僕たちは「洗練された無駄」がずっと好きだった

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まさか当選するとは思わなかった、『変身ベルト DX飛電ゼロワンドライバー』の先行抽選販売。

 

今年、唐突にこういった特殊な販売スタイルがアナウンスされたが、やはり宣伝の意図が強いのだろうか。事実、すでにネットには同商品のレビューが溢れかえっており、この記事も、発売前にしてすでに相当「出遅れ」な印象である。

 

 

直近10年ほどの仮面ライダーの玩具は、個人的に、「クリスマスツリー型」だと思っていて。まず「木」を買ってもらい、一年をかけて多彩な「飾り」を売る。途中で、頂点に挿す「星」とか、重要度の高い「電飾」とか、そういう物を挟みながら、気付いたら豪華絢爛なツリーが完成している・・・  というイメージ。

 

といったところで、お盆休み真っ最中に我が家に届いた、今年の「木」。

 

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商品名丸見え仕様で届きました。こういう印刷をされると、段ボールが捨て辛くなるじゃないか・・・!

 

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パッケージはこちら。ゼロワンの顔がこれでもかと大きく載っている、お馴染みのデザイン。

 

実はこのパッケージも、ここ数年で大きなリニューアルがあった。それは、前後の入れ替え。通常、正面から見た時の「飛び出ている上部」を奥とするのがセオリーだが、『エグゼイド』辺りからだったかな、それを前後逆にしている。これにより、パッケージ正面デザインを大きく広く使うことができる、という訳。


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写真を撮り忘れましたが、ゼロワンライドウォッチも付属していました。


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これが今年の「木」、『変身ベルト DX飛電ゼロワンドライバー』。画面右にあるスライドする部分を取り付けることで完成。電池は、単4が3本。あろうことか自宅のストックを切らしていたので、『ウィザードライバー』の電池を拝借してしまった・・・。ごめんね、後で買って入れておくからね。


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こちらが、今年の「飾り」。プログライズキー。

 

おそらくICカードのイメージだと思われるが、設計の都合上か、割と厚みが出ている。しかし、これはこれでカセットテープらしさがあって好きだ。クリアパーツをくるっと回転し、展開することができる。このクリアパーツがかなりしっかりとした素材で、すでに2歳の娘が何度も遊んでいるが、びくともしない。よっぽどじゃないと割れることはないだろう。流石のバンダイ製品である。

 

展開すると、中にはモチーフの生物の骨組みがデザインされている。上の2枚の写真を見比べていただければ分かると思うが、展開前のクリアパーツに載っているバッタのデザインと、展開後の骨組みバッタのデザインは、位置がちゃんと重なっている。これは、先行で販売されたフライングファルコンも共通。ボタンを押すと内部が発光するので、「骨組みが透けて見える」ようになっている。

 

仮面ライダーゼロワン DXフライングファルコンプログライズキー

仮面ライダーゼロワン DXフライングファルコンプログライズキー


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セタッチで認証。写真は光の加減で見辛くなってしまったが、プログライズキーの黄色い丸の部分には矢印がデザインされており、それをドライバーの同じ矢印に重ねることで、一次認証が完了する。


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この赤の部分がね、とても良いんですよ。艶があって。あと、全体的に矢印のフォルムになっていて、ドライバーの一部をスライドさせるギミックに寄せているのかな、と。


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プログライズキー、いい感じの「近未来SFガジェット」。英語とクリアパーツでデザインされているのがどうようもなく好き。自分、こういうのが大好きな子どもだったよ・・・。『ビーファイターカブト』のコマンドボイサーとかさ。

 

ビーファイター カブト カード入力システム コマンドボイサー
 

 

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そんな『ゼロワンドライバー』は、変身までの手順がまあまあ面倒臭い。

 

 

セルフ引用したツイートの通りなんだけど、このベルト、「手順通り」を結構なレベルで要求してくる。

 

プログライズキーのモード変更→一次認証→二次認証という大きく3つの手順だけど、それを少しでも間違えたり漏らしたりしてしまうと、エラーが鳴ったり、変身音声がチグハグになったりする。一次認証のセタッチは、前述のように、矢印の位置を合わせるように行う必要がある。反対側からかざしても、認証は上手くいかない。

 

もちろんそれは、玩具の設計を盛り込んだ上でのデザインだと思うが、こういう「洗練された無駄」が良いんですよね。パッと手間なく変身できるのもそれはそれで良いのかもしれない。でも、「まずこうして」「ああして」「こうなることでやっと変身」という一連の流れには、独特のリズムとカタルシスがある。

 

近年、仮面ライダーに限らずバンダイの玩具は、「アイテムを使って長々と手順をクリアしてから変身する」傾向が強い。それにより、変身バンク映像が長いとか、観ていたらダレるとか、そういった声も少なくない。しかし私は、その「手順の多さ」が結構好きなんですよ。バンク映像で言うなら『デジモンアドベンチャー』で育った世代なので、長いのはむしろ燃えるのだ。(そろそろ夏が終わるが、また今年も「選ばれ」なかった・・・)


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例えば戦隊シリーズになるが、『電磁戦隊メガレンジャー』には、ギャラクシーメガというロボットが登場する。このギャラクシーメガ、毎回のようにわざわざ宇宙で合体してから地球に舞い降りる設定であり、その「洗練された無駄」が当時の私はすごく好きだった。そりゃあ、宇宙で合体しない方が話は早いのだ。でも多分、絶対的に「そういうこと」じゃあない。

 

また、『未来戦隊タイムレンジャー』のタイムロボも、毎回、未来からタイムトラベルを経て現代に送り込まれるという設定であった。なんという手間!だがそこがいい・・・!(このプロバイダーベースのミニチュアがまた最高にかっこいいのだ)

 

 

などなど、「洗練された無駄」というのは、どうしようもなく「僕たち・私たち」の心をくすぐるものだと、『ゼロワンドライバー』を遊んで実感したのであった。

 

重要なのは、先の例における『メガレンジャー』も『タイムレンジャー』も、その「洗練された無駄」を描くための設定をしっかりと作り込んでいることにある。だからこそ、その無駄が無駄じゃなくなる。むしろ、無駄こそが映えてくる。

 

『仮面ライダーゼロワン』は、デジタルやAIがテーマ。複数回の認証を経てやっと変身できる仮面ライダーというのも、「いかにも」ではないか。

 

仮面ライダーゼロワン DX飛電ゼロワンドライバー

仮面ライダーゼロワン DX飛電ゼロワンドライバー

 
仮面ライダーゼロワン 変身ベルト DXエイムズショットライザー

仮面ライダーゼロワン 変身ベルト DXエイムズショットライザー