まさか当選するとは思わなかった、『変身ベルト DX飛電ゼロワンドライバー』の先行抽選販売。
今年、唐突にこういった特殊な販売スタイルがアナウンスされたが、やはり宣伝の意図が強いのだろうか。事実、すでにネットには同商品のレビューが溢れかえっており、この記事も、発売前にしてすでに相当「出遅れ」な印象である。
令和元年!新時代の仮面ライダー「仮面ライダーゼロワン」の変身ベルト「DX飛電ゼロワンドライバー」の先行抽選販売が決定!!
— プレミアムバンダイ (@p_bandai) July 17, 2019
抽選販売受付は2019年8月1日(木)スタート☆ #仮面ライダーゼロワン #飛電ゼロワンドライバーhttps://t.co/d7Xg6ecVLu pic.twitter.com/nu8dd5HH5u
直近10年ほどの仮面ライダーの玩具は、個人的に、「クリスマスツリー型」だと思っていて。まず「木」を買ってもらい、一年をかけて多彩な「飾り」を売る。途中で、頂点に挿す「星」とか、重要度の高い「電飾」とか、そういう物を挟みながら、気付いたら豪華絢爛なツリーが完成している・・・ というイメージ。
といったところで、お盆休み真っ最中に我が家に届いた、今年の「木」。
商品名丸見え仕様で届きました。こういう印刷をされると、段ボールが捨て辛くなるじゃないか・・・!
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パッケージはこちら。ゼロワンの顔がこれでもかと大きく載っている、お馴染みのデザイン。
実はこのパッケージも、ここ数年で大きなリニューアルがあった。それは、前後の入れ替え。通常、正面から見た時の「飛び出ている上部」を奥とするのがセオリーだが、『エグゼイド』辺りからだったかな、それを前後逆にしている。これにより、パッケージ正面デザインを大きく広く使うことができる、という訳。
写真を撮り忘れましたが、ゼロワンライドウォッチも付属していました。
これが今年の「木」、『変身ベルト DX飛電ゼロワンドライバー』。画面右にあるスライドする部分を取り付けることで完成。電池は、単4が3本。あろうことか自宅のストックを切らしていたので、『ウィザードライバー』の電池を拝借してしまった・・・。ごめんね、後で買って入れておくからね。
こちらが、今年の「飾り」。プログライズキー。
おそらくICカードのイメージだと思われるが、設計の都合上か、割と厚みが出ている。しかし、これはこれでカセットテープらしさがあって好きだ。クリアパーツをくるっと回転し、展開することができる。このクリアパーツがかなりしっかりとした素材で、すでに2歳の娘が何度も遊んでいるが、びくともしない。よっぽどじゃないと割れることはないだろう。流石のバンダイ製品である。
展開すると、中にはモチーフの生物の骨組みがデザインされている。上の2枚の写真を見比べていただければ分かると思うが、展開前のクリアパーツに載っているバッタのデザインと、展開後の骨組みバッタのデザインは、位置がちゃんと重なっている。これは、先行で販売されたフライングファルコンも共通。ボタンを押すと内部が発光するので、「骨組みが透けて見える」ようになっている。

仮面ライダーゼロワン DXフライングファルコンプログライズキー
- 出版社/メーカー: バンダイ(BANDAI)
- 発売日: 2019/08/03
- メディア: おもちゃ&ホビー
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セタッチで認証。写真は光の加減で見辛くなってしまったが、プログライズキーの黄色い丸の部分には矢印がデザインされており、それをドライバーの同じ矢印に重ねることで、一次認証が完了する。
この赤の部分がね、とても良いんですよ。艶があって。あと、全体的に矢印のフォルムになっていて、ドライバーの一部をスライドさせるギミックに寄せているのかな、と。
プログライズキー、いい感じの「近未来SFガジェット」。英語とクリアパーツでデザインされているのがどうようもなく好き。自分、こういうのが大好きな子どもだったよ・・・。『ビーファイターカブト』のコマンドボイサーとかさ。
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そんな『ゼロワンドライバー』は、変身までの手順がまあまあ面倒臭い。
ゼロワンドライバーで感動したのは、「手順の面倒さ」。①プログライズキーを起動してモード変更 ②必ず指定の方向からかざして認証 ③ドライバーに装填して追加認証、という手順をどれかひとつでも漏らすと変身できない。ちゃんと手順を覚えて段取り通りやる必要がある。しかし、それこそが楽しい。 pic.twitter.com/y29nUg29TL
— 結騎 了 (@slinky_dog_s11) August 14, 2019
近未来ガジェットならではの「手順を覚えて使いこなしていく感覚」が手軽に味わえるのが楽しい。これこれ、これなんだよなぁ。変身ポーズでじっくり尺を取るのも好きだけど、こういう、手元で細々と段取りして変身に辿り着くのも好き。ファイズドライバーとかの感覚。
— 結騎 了 (@slinky_dog_s11) August 14, 2019
例えばキー側の起動を忘れていると装填してもエラーが鳴るし、一次認証時はちゃんと矢印を合わせるように角度を考慮してかざさないといけない。でも、こういうのを「なるほど、こうか!こうか!?」といいながら習得しているのが楽しいんだよね。グッとくるよね。
— 結騎 了 (@slinky_dog_s11) August 14, 2019
Aプログライズキーで一次認証をした後に、あえてBプログライズキーを二次認証で装填すると、ちゃんとエラーが鳴るのが素晴らしい。仮面ライダーに限らずこの手の鳴り物玩具は「最後の動作さえ合っていれば過程を問わずに音声が鳴る」のが多いけど、ゼロワンのはそれを許しにいかないスタイルだ。
— 結騎 了 (@slinky_dog_s11) August 14, 2019
Aプログライズキーで一次認証をさせたらちゃんとAキーを装填しないと変身できないし、追加キーのモード変更を忘れずにやっておかないと必殺技アクションも音が上手く噛み合わない。「手順通りの楽しさ」というより「手順を間違えた場合のもどかしさ」で攻めていく感じ。すごくいい。
— 結騎 了 (@slinky_dog_s11) August 14, 2019
こういう、「洗練された無駄」が最高なんだ.........
— 結騎 了 (@slinky_dog_s11) August 14, 2019
セルフ引用したツイートの通りなんだけど、このベルト、「手順通り」を結構なレベルで要求してくる。
プログライズキーのモード変更→一次認証→二次認証という大きく3つの手順だけど、それを少しでも間違えたり漏らしたりしてしまうと、エラーが鳴ったり、変身音声がチグハグになったりする。一次認証のセタッチは、前述のように、矢印の位置を合わせるように行う必要がある。反対側からかざしても、認証は上手くいかない。
もちろんそれは、玩具の設計を盛り込んだ上でのデザインだと思うが、こういう「洗練された無駄」が良いんですよね。パッと手間なく変身できるのもそれはそれで良いのかもしれない。でも、「まずこうして」「ああして」「こうなることでやっと変身」という一連の流れには、独特のリズムとカタルシスがある。
近年、仮面ライダーに限らずバンダイの玩具は、「アイテムを使って長々と手順をクリアしてから変身する」傾向が強い。それにより、変身バンク映像が長いとか、観ていたらダレるとか、そういった声も少なくない。しかし私は、その「手順の多さ」が結構好きなんですよ。バンク映像で言うなら『デジモンアドベンチャー』で育った世代なので、長いのはむしろ燃えるのだ。(そろそろ夏が終わるが、また今年も「選ばれ」なかった・・・)
例えば戦隊シリーズになるが、『電磁戦隊メガレンジャー』には、ギャラクシーメガというロボットが登場する。このギャラクシーメガ、毎回のようにわざわざ宇宙で合体してから地球に舞い降りる設定であり、その「洗練された無駄」が当時の私はすごく好きだった。そりゃあ、宇宙で合体しない方が話は早いのだ。でも多分、絶対的に「そういうこと」じゃあない。
また、『未来戦隊タイムレンジャー』のタイムロボも、毎回、未来からタイムトラベルを経て現代に送り込まれるという設定であった。なんという手間!だがそこがいい・・・!(このプロバイダーベースのミニチュアがまた最高にかっこいいのだ)
などなど、「洗練された無駄」というのは、どうしようもなく「僕たち・私たち」の心をくすぐるものだと、『ゼロワンドライバー』を遊んで実感したのであった。
重要なのは、先の例における『メガレンジャー』も『タイムレンジャー』も、その「洗練された無駄」を描くための設定をしっかりと作り込んでいることにある。だからこそ、その無駄が無駄じゃなくなる。むしろ、無駄こそが映えてくる。
『仮面ライダーゼロワン』は、デジタルやAIがテーマ。複数回の認証を経てやっと変身できる仮面ライダーというのも、「いかにも」ではないか。