最近改めて全巻持っている『結界師』を読み返しているんですが、やっぱり、雪村時音というキャラクター、私の好みにおける究極理想形の「お姉さんキャラ」だと思うんですよね。
いや何というか最高ですよね、時音。
まず入口として属性的なところから挙げていくと・・・
・年上
・幼馴染
・(主人公が男子中学生に対する)女子高校生
・黒髪ロングのポニーテール
・姉御肌
・性格は時折キツいけど基本やさしい
・努力家
んん~~~~、素晴らしい。もはやここで十二分に素晴らしい。
てか「年上幼馴染」ですよ。もうここで200点くらい出ますね。
主人公が眠そうに家を出る。夜に学校を守る仕事があるから仕方ない。
しかし時音は疲れを感じさせない爽やかさで登校する。is最高。
常に良守のポテンシャルの高さや最強クラスの祖母に多少の引け目を感じながらも、毎日の修行の量と質を欠かすことがない。is最高。
主人公が敵の挑発や攪乱に容易く乗ってしまう単細胞タイプなのですぐに場が乱れそうになるが、そこで冷静に一喝して指でクイっとしながら「こっちおいで、作戦を練るよ」と言ったりする。is最高。
どうしようもない主人公を蔑む時の切れ長の目線。is最高。
努力家ゆえか天然でプライドが高いので主人公に助けられた後に素直にお礼を言うのに抵抗があるけど、それをちゃんと悩んで謝ったりする。is最高。
『結界師』って、主人公がどうしようもなく野暮ったい奴で。少年漫画の主人公でこんなにモッサリした容姿の奴も中々いないと思うんですけど。それでいて学校ではずっと寝ててケーキ作りが趣味だったりする訳で。
おそらく時音は全部その裏をいく造形で出来上がったキャラクターで、勤勉で真面目、ハキハキしていて目標意識が高い、と。だから、主人公である良守より家業に対する責任感が強いし、いざという時に自分が犠牲になってでも仕事を優先しちゃったりする。
時音の魅力が溢れるシーンとして挙げたいのは、もちろん少年漫画的なムフフなシーンもあるにはあるのだけど、そこではなく、緋田郷の土地神のくだり。ここが好きですね。
紅い傘を持ったお地蔵さまが烏森に現れて、その能力によって仲間や校舎が沈んでいく(学校が崩壊する)危機が訪れるくだり。
で、そのお地蔵さまは、緋田郷という地の土地神。『結界師』という作品の最終的な黒幕の指示によってその土地神が住んでいた土地は狩られてしまい、追い出される形で烏森に現れた。
お地蔵さまはもちろん「神」なので、こちらに危害を加えるからといって下手に手出しをしてはいけない。傷つけてしまっては、それは罪に該当する。
しかし、暴走するお地蔵さまは学校をあわや沈めるところまで追い詰め、良守やその仲間も命の危機にさらされる。
ここで時音は、ためらう様子もなく、結界術でお地蔵さまを滅してしまうんですね。
それが重罪だと分かっていても、「烏森を守る」という家業を受け継いだ者として、仲間と学校を守るためにも、優先度を判断して神ですら滅してしまう。そのせいで、後で罪を問われて連行されたりするんですけど。
ここが、「雪村時音」というキャラクターの肝だと思うんですよ。
状況によっては即時にクレバーな判断ができる。だからこその強み。
ここで神を殺してでも烏森や仲間を守るという判断は、時音が持つ「大事なもの」の判断基準を的確に表現していると思うんですよね。
でも、その判断が冷静だからこそ、「負け」に対する判断も早いところもあって。
主人公である良守が根拠もなく「まだやれる!」とか叫ぶ一方で、時音が冷静に戦況を分析して諦めかける場面があったりする。でも、その「弱さ」もまた時音の魅力なんですよね。「強み」の部分が、むしろ丸っきり「弱み」だったりする。そこがまた、いい・・・!いや、むしろ「弱さ」より「脆さ」ですね。「強さゆえの脆さ」。
あとはもう単純に、可愛い。
田辺イエロウ先生の描く女の子はどれも可愛いんですけど、やっぱり時音が一番ですわ。時点が刃鳥さん。(個人的見解です)
・・・というか書いてて気付いた、というか、分かっていたことではあるんですが。
自分、「しっかり者で姉御肌のお姉さんキャラ」に物凄く弱いんですね。(今更)
『烈車戦隊トッキュウジャー』のミオとか。
『侍戦隊シンケンジャー』の白石茉子とか。
『轟轟戦隊ボウケンジャー』の西堀さくらとか。
『交響詩篇エウレカセブン』のタルホ・ユーキとか。
・・・なんというか、ただ単純に「頼れるお姉さん」というだけじゃなくて、その「お姉さん」が持つ「強み」の部分がある時くるっと「弱み」になっちゃうというか。その軸の強さと弱さの共存というか。やっぱり、うん、「強いからこその脆さ」、ってやつ。
あとはもう、ビジュアル的な、「お姉さん感」ですね。
・・・段々自分でも何を書いているのか分からなくなってきましたが!!!
あと時音は、いつまでも良守の目標として在り続けるのが良いですよね。
良守が基本的に土地に選ばれた才覚の持ち主なんですけど、彼の圧倒的なポテンシャルの前に、読者としても時音のパワー不足を感じてしまうのが本音。
でも、良守は幼い頃に自分をケガまでして守ってくれた時音をずっと同じ結界師として尊敬してるし、技術的な面で目標だし、でも、女性としても好きで守りたいと思ってる。
この絶妙なバランスというか、時音のパワー不足を誰よりも主人公があまり感じていない辺りが、転じて時音の魅力だと思うんですよね。
時音本人が「自分はまだまだ・・・」「私なんかいなくても・・・」とか思っても、主人公やそれに近い登場人物が恋愛感情抜きで(ここ大事)「そんなんじゃねーよ、お前はすげーよ」「お前がいてくれるから俺(達)はやれるんだよ」って言ってくれるあのバランス。てかこれ上で挙げた他のキャラクターも全部こんな感じじゃねーか!!!おい!!!おい俺!!!!!!
というか・・・
俺は!!!!!!!時音が俺より「年下」だなんて!!!信じたくないんだ!!!!うわああああああああああああああああああ!!!!!!!!!
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