ジゴワットレポート

映画とか、特撮とか、その時感じたこととか。思いは言葉に。

生まれて初めて買ったCDはglobeの『genesis of next』だった

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私が生まれて初めて自分で買ったCDは、globeでした。いやぁ、懐かしい。

 

タイトルは『genesis of next』。平成リメイク版のアニメ『サイボーグ009』のEDテーマで、同CDにはOPテーマの『What's the justice?』も収録されていました。幼心に、「なんで表題がEDの方なんだ!」と憤っていた記憶が・・・。

 

genesis of next

genesis of next

genesis of next

 

 

「初めて買ったCDがglobe」というだけで、かなり世代が限定される感じもありますが。当時すでにglobeは全盛期を過ぎた印象もあったけれど、この『genesis of next』は今でいうEDMの流行を先取りした印象もあって、とてもかっこいい。TKサウンドが魂に刻まれている世代としては、何度聴いてもたまらないですね。

 

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TKサウンドの真骨頂は「一定フレーズの繰り返し」にあると思っていて。音符・小節・フレーズ・全体構成といったあらゆるスケールにおいて、特定のメロディが細かく変化しながら配置されている。ダンスミュージックとしてのノリの良さと、打ち込みサウンドの近未来感、そしてそこに乗っかってくる、歌謡曲の文脈を経たキャッチーなメロディ。「繰り返し聴いても飽きない」どころか、「繰り返し聴くほどに味が出る」。

 

そんな「繰り返し」が積み重なった結果か、『genesis of next』は9分49秒というとても長い楽曲だ。所見だと(所聞だと?)身構えてしまうほどのボリュームだが、聴いているうちに、この長い尺が持つ壮大さが実感できる構成になっている。同じフレーズをあえて違う音程でズラしたりしながら、ラスサビに向けてじわじわと高めていく、実家の畳部屋のように安心する作り。さすがTK。

 

genesis of next(original mix)

genesis of next(original mix)

  • globe
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 


globe / genesis of next

 

そしてまた歌詞が良いんですよ。前述のように『サイボーグ009』のEDだった訳ですが、所々にそれを感じることができる。

 

冒頭で9からカウントが始まるのもそうですが、「結晶時間」のエピソードを汲んでいる印象があるんですよね。「結晶時間」といえば『009』の傑作エピソードで、加速装置が故障して周囲が止まった世界をジョーが孤独に生きる、という内容。歌い出しの「また覗いたいつものカギ穴。闇にうっすら自分の影だけ。残ったキズ、ボクは癒せず。そこは lonely planet」の辺りとか、思わずニヤリとしてしまう。

 

クライマックスの歌詞も印象的。「探さなくていいからね、だから。私のこれっぽっちの夢なんて。かけらだけでいいからね、そして。愛を誰かにあげてほしいの」。この辺りなんて、宇宙から流れ星となって落ちていくサイボーグ戦士の生き様を描いたようにも取れる。そして、締めも良い。「甘い時に揺られ空を眺め、眠る夜の雨に涙隠し、過去をかばい痛む傷を癒し、明日を消さずに生きれるかな」。

 

009たちの戦いって基本的に「報われない」というか、何かしらの傷や遺恨が残るパターンが多いのだけど、それでも愚直に明日のために戦い続ける悲壮感が魅力なんですよね。『genesis of next』の歌詞は、(恋愛ソングっぽいくだりもあるけれど)、そういった悲壮感が随所に散りばめられていて、それが実に『009』っぽい。

 

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ついでに触れると、この平成リメイク版の『サイボーグ009』における音楽を担当したのも小室哲哉で、打ち込みだけでない、彼が奏でるクラシックの「うねり」を堪能することができる。あのメインテーマの壮大さは最高・・・!

 

サイボーグ009 - CYBER MUSIC WORLD

サイボーグ009 - CYBER MUSIC WORLD

 

 

あと「009の音楽」でいくと、2012年の『009 RE:CYBORG』における川井憲次のメインテーマがまた良いんですよ。近作で挙げると『ウルトラマンジード』『仮面ライダービルド』で特撮好きにもお馴染みの、安心安定の川井サウンド。ストリングスの拳の効かせ方が絶妙。

 

Re:Cyborg

Re:Cyborg

  • 川井憲次
  • アニメ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

などとまあ、壮大に話が逸れましたが、『genesis of next』いいよね、というやつです。このシングルを自分のお小遣いで買って、部屋で何度も聴いていたあの頃。もっと言えば、CD屋で買って家に帰るまでのあの時間。何もかもが懐かしい。

 

今の世代のティーンは、CDを買うのだろうか。「生まれて初めて買ったCDは?」という質問はもう成立しないのだろうか。相当する質問は「生まれて初めてダウンロードした曲は?」なのかな。いや、時代はストリーミングだから、ダウンロードという概念すら薄まっていくのか・・・。恐ろしい。ついていけない自分の感覚が。

 

そして、確かglobeの次に買ったシングルが『仮面ライダー龍騎』挿入歌の『果てしない炎の中へ』だったと記憶しているのだけど、まさか劇中使用が一回きりとはな!!なんでや!!な~~にが「ゲルニュートのテーマ」だ!!!

 

果てしない炎の中へ(tv-size) [feat. 寺田恵子]

果てしない炎の中へ(tv-size) [feat. 寺田恵子]

  • RIDER CHIPS Featuring 寺田恵子
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