ジゴワットレポート

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感想『仮面ライダージオウ』第33話「2005: いわえ!ひびけ!とどろけ!」ZI-O signal EP33

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『仮面ライダージオウ』第33話は、諸田監督&毛利脚本による響鬼編前編。改めて振り返ってみると、諸田監督、『響鬼』当時もかなり同番組を監督されているんですよね。しかもなんと、驚くべきことに、桐谷京介が初登場する三十之巻「鍛える予感」の監督が、諸田監督なんですよ。何の気なしに調べてみて、思わず「おおっ!」と声を上げてしまうという。白倉プロデューサー、これはやはり狙ったやつでしょうか。どうなんですかね。

 

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京介のカムバックについては、先週も載せたように、色々と思うところがあったので、個別に記事を書いた次第でした。実際に映像作品に登場した京介、もとい中村優一さんを観て、時の流れを実感するなど・・・。中村さんは『電王』の桜井侑斗役としてのシリーズ出演が多く、また、双方のキャラクターとも一見した雰囲気が近しいので(ちょっとツンケンしていて自信に溢れている感じ)、察するに、今回は演じ分けが結構なテーマだったんじゃないのかな、と。結果として、声を気持ち低めに、威厳を醸し出す感じで調整されていて、服のセンスを含めてどことなく感じる「ヒビキさんっぽさ」が良い感じでしたね。

 

そんなこんなで、『仮面ライダージオウ』の感想を綴る「ZI-O signal」(ジオウシグナル)、今週もいってみましょう。

 

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響鬼を襲名できなかったただの鬼

 

上の記事でも書いたように、桐谷京介というキャラクターは、最終的に響鬼の弟子として収まった存在であった。「明日夢はヒビキさんに師事するのか、しないのか、するのか、しないのか・・・」というフワフワした空気感があった当時、桐谷京介はそこに土足で上がってきた。彼なりの背景や理由も追って描写されたが、鬼の力を得たいという気持ちだけは根強く、最終回では京介変身体への変身を遂げている。

 

あれから14年。トドロキが京介を指して「響鬼を襲名できなかったただの鬼」と評するのは、中々にショッキングである。まだ襲名していないだけで、鬼になる精神力と肉体を手に入れたのに、我々が知らない14年の間にドロップアウトしてしまったのか・・・。これが、決定的に道を違ってしまったのか、何らかのトラブルやアクシデントで躓いている最中なのかは分からいけれど、後編のラストでは、また京介が鬼の道に戻るシーンが観られたら良いな、と、どうしても願ってしまう。

 

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響鬼を襲名していないのになぜ弟子(鼓屋ツトム)を取っていたのか、その辺りの背景は後編で説明されると思われる。もしかしたら、明確な弟子というよりは、それこそヒビキさんと明日夢のような、人間として通じ合った間柄だったのかもしれない。それが高じて、「鬼としての正式な弟子にしたい」と主張するも、「まだ響鬼を襲名していないのにそれは出来ない」とか、そういうイザコザがあったのだろうか・・・。

 

何にせよ、京介はツトムを助けようとしているのだろう。あの京介が、紛いなりにも誰かの師になっていることは微笑ましいが、その背景に何があったかを考えると、不安も少なくなく。予告では京介の「俺は師匠のヒビキさんのようにはなれなかった」という独白が聞こえるけども、果たして、登場する響鬼は「だれ」なのか。まさかのヒビキさんなのか、京介が晴れて響鬼になる展開なのか。『ジオウ』、もはや予告が一種のミステリーとして機能するから面白いですよね。

 

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ツトムという少年

 

さて、そんな京介の弟子だったという、鼓屋ツトムという少年。ソウゴの当時の担任の先生はクラスで「王様になりたい」という子もいれば「鬼になりたい」という子もいて、困惑しただろうな・・・。この世界における「鬼」は、言うなれば「特殊隊員」のようなもの。専門性の高い警察官や消防士で、その総称が「鬼」なので、知らない人は知らないのかもしれない。魔化魍は原則として野山に発生するので、「鬼」の活動って、明確に職業でありながら結構シークレットな部類なんですよね。

 

話を戻して、鼓屋ツトム。この「つとむ」という名前、『響鬼』を観ていた人はピンときたと思うんですが、当時の『響鬼』にも津村努(つむら・つとむ)というキャラクターがいたんですよね。しかも、「一度鬼になることを目指した」けど「挫折してしまった」という過去を持った青年。流石にヒビキさんの弟子ではなかったが、一時期は猛士に所属し、修行にも入っていたという。

 

「鬼」という職業を考えれば、下積み期間は長いし、命の危険はあるしで、そりゃあ、簡単な道ではないんですよね。津村努も、そんな悩みを抱えた上で、「鬼」になる道を断念した。その「つとむ」という名前を、まさかの京介の弟子、しかも「一度鬼になることを目指した」キャラクターに割り振ってくるなんて、なんてニクいことをするんだ・・・!流石にびっくりですよ。

 

津村努というキャラクターは、スタッフ陣が変更となる前半期の最後の方に数回だけ登場して、その後出てくることは無かった。下記は高寺プロデューサーの2014年のツイートだが、本来であれば、津村努はもっと明日夢と関わってくる予定だったのだろう。

 

 

上でも書いたように、桐谷京介には「明日夢に鬼になるか否かを判断させる」という役割があった訳だが、奇しくも津村努にもその役割が割り振られていたのだと、察することができる。津村努が鬼になるのを諦め、それ見た明日夢が、自身に問いかける。

 

そういう意味では、「京介」と「つとむ」は、実は底の部分で同じ路線のキャラクターだったのかもしれない(京介の役割遂行はかなり強硬だったとはいえ・・・)。その14年後、「京介」は「つとむ」を弟子に取るも、「つとむ」は鬼になることを諦め、そんな弟子を「京介」は必死で救おうとする。なんとも奇妙な巡り合わせである。鼓屋ツトムは、さながら、津村努のリ・イマジネーションなのだろうか。

 

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燃えない服

 

書かずにはいられない!この話題!トドロキさんが変身解除する瞬間、全国の響鬼ファンは、最悪の事態を想定したはずである。まさか!師匠譲りの・・・!? しかし、期待とは裏腹に(裏腹に?)、服は無事であった。まさかの。まさかの着衣・・・っ!圧倒的着衣!!!

 

ご存知のとおり、鬼になる瞬間、炎が身を包むため、服は燃えてしまう。ヒビキさんが着ているセンスの良さそうな服も、毎回律儀に燃えていたのだ(だからこそマスクオフに劇中なりの理屈がある)。トドロキにおいては、彼が晴れて免許皆伝を成し遂げる回で裸を披露したこともあり、鬼の中でもトップクラスに「服が燃える」印象が強い。だからこそ、トドロキがウールによって敗北した瞬間、全国の響鬼ファンは目を覆いながら目を見張ったのである。

 

十六之巻「轟く鬼」

十六之巻「轟く鬼」

 

 

まあ、大人の事情はさておき、オタク的な理屈をつけるなら、吉野の技術開発局で耐熱繊維が開発されたと、そういうことなんでしょう。おそらく、猛士社内ではサンプル品とカタログが定期的に回覧されていて、しかし、それなりに値も張る、と。ヒビキさんなんか、出始めの頃は「燃えないと、なんかこう、物足りないんだよね」とか何とか言って、でも数ヶ月後くらいに普通に買ってそうですね。

 

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平成ライダーの終わり

 

さて、この第33話をもって、平成の「平成ライダー」は終わり。次回からは、令和の「平成ライダー」が幕を開ける。「平成ライダー」と共に半生を過ごしてきたオタクとしては、感慨深いやら、どこか寂しいやら・・・。

 

平成から新元号へと入れ替わるこのタイミングに、どんなエピソードがふさわしいのか……『ジオウ』の企画段階から、ずっとカンカンガクガクだった問題の一つでした。
ある時、一同ふと気づくわけです。平成ライダーの中に唯一、「継承」「世代交代」をテーマにした番組があったことに。
言ってみれば、このタイミングで『響鬼』編をお送りするために、逆算してレジェンド編を再開したようなところもあります。

平成仮面ライダー20作品記念公式サイト | 東映

 

『ジオウ』が始まった頃、私はてっきり、この時期には新しい仮面ライダーが出てくるんじゃないかと予想していたんですよ。それこそ「仮面ライダーレイワ」のような。銀色のテラテラした服を着たイケイケなイケメンが突如として登場して、「お前たちの時代は終わった」とか何とかカマして、ジオウたちと敵対するとか、そういう妄想をしていたんですね。その手の仕掛けを打ってくるのでは、と。ゲイツやウォズが「令和!?そんなのは聞いたこともない!」とか言い出せば、タイムトラベル的に面白くもなるのかな、なんて。

 

しかし、フタを開けて見れば、かなり堅実な路線でした。まさか、この世代交代のタイミングで『響鬼』を持ってくるとは。確かにテーマ的には相応しいのだけど、『響鬼』は同時にシリーズ随一の異端作でもあるので、それがこの記念すべきタイミングに割り振られると言うのは、どうにもジーンときてしまいますね。

 

あ、なんかずっと『響鬼』の話ばかりしてしまいましたが、ジオウ組の話も。今回は、ソウゴたちが「ジオウⅡでなければアナザーライダーは原則として倒せない(対応ライダーのウォッチを持っていないので)」ということをしっかり認識しているのが良かったですね。そして、その圧倒的なチートさで攻撃を加えていくジオウⅡと、親衛隊長のように先陣を切るゲイツリバイブの構図は、観ていて非常に微笑ましかったです。協力体制と言いながら、さらっと上下関係が出来ているのが面白い。

 

ウォズのギャグキャラ化については、あまり違和感はなく。そもそも彼は1話の頃から仰々しい喋り方と立ち振る舞いでギャグスレスレのところがあったので、ついに本領発揮か!・・・などと感じながら観ていました。

 

ということで、今週はこの辺りで。次回「2019:ヘイセイのオニ、レイワのオニ」は、やはり「だれ」が響鬼なのか、という点に尽きますね。それに絡めて、ドロップアウトした京介に何らかの救済があれば嬉しいところですが、果たして。

 

そして来週はついに!『平成ジェネレーションズFOREVER』のBDが発売!劇場では2度観ましたが、そりゃあまあ、泣きまして。多分家で観ても涙ぐんでしまうと思うんですけど。何より、BDに収録予定のオーディオコメンタリー(白倉伸一郎 プロデューサー×脚本家 下山健人×山口恭平 監督)がめちゃくちゃ楽しみなんですよ。佐藤健くんオファーの背景とか、秘密裏に行われた撮影とか、そういう裏話も聞けるのかな、と。早く届いてくれ・・・!

 

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仮面ライダージオウ DX響鬼ライドウォッチ

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平成仮面ライダー20作品記念ベスト(CD3枚組)

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