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感想『仮面ライダージオウ』第29話「ブレイド・ジョーカー!?2019」ZI-O signal EP29

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『仮面ライダージオウ』第29話は、山口監督&下山脚本によるブレイド編の前編。いや、正確にはブレイド&ディエンド編かな? 山口監督はキカイ編ぶりの登板ですね。

 

しかしまあ改めて、本当にブレイド編をやるとは・・・。先にディエンドこと海東の登場を報じておいて、次回予告のタイミングでその実態はブレイド編であることを明かし、まさかの剣崎と始の登場をドカンと放り込む。このやり口、完全にオーズ編のそれですね。『平成ジェネレーションズFOREVER』といい、今年はサプライズの仕掛けとタイミングがかなりしっかり用意されている印象。

 

それにしても『仮面ライダー剣』。『剣』は私が高校生の頃の作品で、これまた熾烈にハマっていたのをよく覚えています。「序盤が面白くない」なんて意見を見かけることも少なくないですが、私は序盤こそ結構好きなんですよ。沸点の低いライダーたちがどんどん争って、敵の幹部もそれに参戦して、混戦を極めていくあの感じ。『龍騎』で示された多人数ライダーの要素と、『アギト』『ファイズ』におけるライダーバトルと群像劇の融合。それらを取り込んで再生産したのが『剣』という印象で、以前もブログに書きましたが、「平成ライダーのフォロワーとしての平成ライダー」だと感じていて。

 

だから、放送当時にあの序盤を観ていた頃、「初めて観るはずなのに初めての気がしない!」というか。それは転じて、「すげぇ!自分は平成ライダーを観ている!」という感動だったんです。『クウガ』から、シリーズ化されるかもまだ分からない作品群が始まり、それがついに「中期シリーズ」に踏み出した頃。それこそが、『剣』序盤のあの特有の雰囲気に滲み出ていると思うんですね。単作の連続からシリーズへ。そんな再生産の性格があった序盤を経て、バトルファイトという広大なSF設定に少年漫画性を盛り込むことで、『剣』もまたジワジワとオリジナリティを濃くしていく訳ですが。

 

そんなこんなで前置きが長くなりましたが、『仮面ライダージオウ』の感想を綴る「ZI-O signal」(ジオウシグナル)、今週もいってみましょう。

 

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剣のエンディングの、その後

 

ネタバレ全開で書きますが、まずは『剣』のあらすじとそのエンディングをおさらいしておきたい。

 

『剣』は人類とアンデッドの戦いを描いてきた作品ですが、実はその人類もヒューマンというひとつの種族に過ぎず、はるか昔に種の繁栄をかけた種族間のバトルファイトが行われていたことが判明する。前回勝者であるヒューマンこそが、今の人類の始祖であるという設定だ。そして、そのバトルファイトのイレギュラーな存在であるジョーカーは、ヒューマンアンデッド(相川始)やマンティスアンデッド(カリス)の姿を自在に借りながら、人間の社会で生きていた。

 

解放されたアンデッドを再封印するために戦う剣崎や橘だったが、戦いは熾烈を極め、果てに決着。なんと、始ことジョーカーが勝者となってしまう。ジョーカーの勝利は生き残る種族がいないことを意味するため、大量のダークローチを生み出し、世界を混沌に陥れる。

 

そこで、ブレイドこと剣崎は、アンデッドと融合して変身するライダーシステムの原理を利用し、積極的にアンデッドを取り込み、自身をもうひとりのジョーカーとすることに成功。バトルファイトの参戦者がふたりに増えたことから、その戦いは決着せず、ダークローチの発生も止まる。剣崎は、友情を結んだ始とこれ以上は互いに関わらないことを告げ、「決着がつかない」状態を永久に持続させるため、世界の果てに姿を消したのだった・・・。

 

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改めて振り返っても、壮絶なエンディングですよね、これ。当時は、観終わった後に呆然として、何も手に付かなかった記憶があります。「世界のルールそのものに反抗する」という物語のパターンは確かにあるのですが、主人公が壮絶に自身を犠牲にするプロットは、中々にショックで。

 

しかし『剣』が面白いのは、剣崎というキャラクターの造形にあって、彼の人々を守りたいという信念や始との不器用ながらも熱い友情の成長が描かれてきたので、彼自身が自らを犠牲にするその選択に、悲壮感よりも納得感が勝ってしまうんですね。「確かに、剣崎なら、この決断を選んだだろう」。そう納得してしまうからこそ、単純なバッドエンドではない、かといってハッピーでもない、絶妙な余韻がある。

 

そんな『剣』のエンディングのその後、ということで、本来であれば描かれることすらタブーにも感じてしまう代物。これまでも、短編小説等で「その後」は描かれてきたし、剣崎は『ディケイド』や『仮面戦隊ゴライダー』等にも登場していたけど、今回の『ジオウ』はそのどれよりも直接的な続編という雰囲気で、これが描かれるだけでピリッと緊張してしまう感覚がある。

 

 

懐かしのロケ地も登場しつつ描かれる「その後」。始はハカランダを出てひとりで暮らしており、剣崎は相変わらず世界を放浪していた模様。白ウォズは、ゲイツが救世主になる未来を拒否し始めたことから、一転して世界の破滅を画策。

 

①世界を破滅させたい → ②ブレイドとジョーカーを戦わせてもし勝者が決定すれば世界は滅びる → ③そのための撒き餌として天音を利用、という流れだと思うけど、白ウォズ、圧倒的『剣』オタクかのごとき設定の活用である。バトルファイトとジョーカーのルールを利用した展開は『仮面戦隊ゴライダー』でもあったけれど、今回の使い方も中々に面白い。(ちなみにどちらも下山脚本である)

 

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しかし、ここまで長々と書き散らした『剣』の設定やエンディング等々について、『ジオウ』本編は全くに近いレベルで触れない。これはリュウガ編と同様のパターンで、原典の物語をネタバレ全開で長々と解説するよりも、画の賑やかさや手数の多さでカバーする方針と思われる。事実、リュウガ編に関しては本編のオチに触れることなく『龍騎』の続編を描いていたりで、呼び水としての付加価値もあったように感じている。

 

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アナザーブレイド2019

 

そんな白ウォズの画策によって登場したアナザーブレイドは、2004ではなく2019の刻印。発生時期が2019年だから2019ということで良いのだろうか。もしくは、本来であれば2004のところを、『剣』の設定を偽史にしてしまうとヒューマンアンデッドが勝利した人類の繁栄史そのものが覆ってしまうため、クイズ編におけるタイムパラドックス理論によりスライドして2019なのか。または、バトルファイトの決着がついていないのを「現在進行形」=「物語が完結していない(未だ歴史化していない)」と解釈したアナザージオウのパターンか。

 

どれにせよ、白ウォズの目的は「ふたりのジョーカーを出揃わせること」にあるので、偽史になるとむしろ困る訳ですね。正史のまま、そこにある「その後」を利用したい。ネタはどうあれ、白ウォズは狙って2019のアナザーブレイドを生成する必要があった。

 

そんなアナザーブレイドはまさかの重量級で、女性が変身したとは思えない図体。『オーズ』のガメルっぽくもありますよね、色合いとか。そして次回予告を観ると胸にハートやジョーカーのマークが浮き出ているので、上では「勝者を決定させることで世界の滅亡を狙っているのでは」と書いたものの、アナザーブレイド自体がダブルジョーカーの力を吸収・利用できる特性を持っているというパターンかもしれない。どちらにせよ、単体で世界を滅ぼせる存在が二体いるのであれば、その力は強大すぎる訳で。

 

アートワークスモンスターズ 仮面ライダー剣 ジョーカー

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そして、剣崎が怒っていた「封印を解いたな!」発言については、ジョーカーの力を使ったことのみを指しているのではないのかな、と。『剣』最終回で烏丸所長が(ヒューマン以外の全ての、つまり、マンティスを含む)ラウズカードを封印していたので、その禁を破ったことも含めて怒っている可能性がある。つまり始は、天音ちゃんの危機を察知してまず封印を破りカリスのカードを手に入れ、ジョーカーの擬態能力でもってカリスに変身した、と。とはいえそれはジョーカーの力の活用には変わりなく、誘発されるように、もうひとりのジョーカーである剣崎も引き寄せられ登場、という流れ。

 

オリジナルのジョーカーを前に融合係数がグツグツに上がった剣崎は最初っからブチギレ状態だったけど、とはいえ、天音ちゃんを助けたかった始の想いもある訳で、頑張って話し合いをすれば戦わずに済んだ感は否めない。しかし、ここでディスカッションをせずにいきなり殴り合うスピード感こそが、実に『剣』らしい。沸点の低いライダーたちが、まずは殴り合って、諸々はその後でやる。なんとも懐かしいプロットでむしろちょっと笑ってしまうという。

 

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ディエンドの乱入

 

そんなこんなでブレイドの話ばかりしていましたが、今回のもうひとつの目玉は、仮面ライダーディエンドこと海東大樹。

 

ディエンドとブレイドといえば、『ディケイド』におけるディエンドの世界が映画『MISSING ACE』の世界観を汲んだものだったのを思い出す。更には、次回のタイトル「トリニティはじめました!」は「ブレイド食堂いらっしゃいませ」的な味わいだし、アバンの最後のアレはもろにブレイド本編へのオマージュだし、遊び心とリスペクトが随所に散りばめられているなあ、と。

 

 

海東は飄々とした凪のような自己中野郎で、「お宝」と称しては他人の物を平気で盗む酷いヤツなのだけど、だからこそトリックスターとして物語的には使い勝手が良いんですよね。しかもライダーを召喚して使役できるので、画的にもグッと賑やかになる。今回の29話、オリジナルキャストが入り乱れたかと思いきやディエンドが召喚しまくったりで、ディケイドが登場しないのに実に『ディケイド』らしい回だったなあ、と。

 

インビジボゥで撤退する感じとか、自分にも非があるのに「まだかかってくるのか・・・」とか言っちゃう雰囲気とか、あの頃の海東のノリが十二分に堪能できて、楽しかったですね。そして、海東を投入することでジオウⅡを一時的に封じ、だからこそアナザーブレイドを倒す方法がない、という流れに持って行くのも上手い。盗まれたジオウⅡウォッチとゲイツリバイブウォッチがトリニティ生成に繋がる構成も無駄がない。

 

今回は話の前編にあたるので、とにかく「入り乱れる」感じで終わったけれど、次回のトリニティ登場からかなり逆算して作ってきている印象。黒ウォズがゲイツの上官ということが明かされ、過去の(未来の)様子もやっとこさ見えてきた感じ。黒ウォズにかけられている二重スパイ容疑だけど、これもまた種明かしがありそうだよなあ。これまでの言動を見るにオーマジオウに忠誠を誓っているのはマジっぽいけど、ゲイツたちの仲間を死に至らしめる情報を流したのは、何か別の背景がありそう・・・。

 

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さらば白ウォズ

 

公式サイトの次回予告にさらっと書かれてましたが、白ウォズは次回で退場の模様。

 

17話以来、ソウゴやゲイツたちをさんざん翻弄してきた彼とも、次回30話でついにお別れ。憎ったらしいヤツでしたが、もうお別れかと思えば、しみじみ憎ったらしくなりますね。トリニティのデビューと、白ウォズの最期をお見逃しなく!

平成仮面ライダー20作品記念公式サイト | 東映

 

敵サイドとはいえ生身の人間をそのままボコる訳にはいかないので、やはりアナザーブレイドをダブルジョーカーの力で強化させて、白ウォズがそっちに変身するとか、そういうパターンだろうか。もしくは、ゲイツが完全に救世主ロードを拒否したことで、「ゲイツリバイブ未来」の消滅が確定し、塵となって消えるか・・・。そして晴れて、黒ウォズが仮面ライダーウォズの正式変身者となるのね。ここまで長かったなあ。

 

話は逸れますが、スピンオフのライダータイムについて。龍騎(ビデオパス)もシノビ(東映特撮ファンクラブ)も、どちらも非常に面白かったです。龍騎は、17年前のあのヒリつく感覚を再び覚えさせてくれる出来で、原典における設定の応用も含め、見ごたえ抜群でした。まさかここまで「龍騎を観ていた人」に振り切った出来になるとは・・・。シノビは遊び心が爆発したコメディ寄りの仕上がりで、本当に新番組における中盤の回といった印象。諸々の作り込みが細かい。どちらも、3話まで観終えたら追って感想を書きたいところ。

 

一応、ビデオパスの[AD]と東映特撮ファンクラブのリンクを貼っておきますね。

 

tokusatsu-fc.jp

 

そんなこんなで、次回はブレイド編の後編。再び出会ってしまったジョーカーたちの物語は、どのように決着するのか。そして、始さんに再会した天音ちゃんはどうなるのか。このままだと息が合いそうにない三位一体・トリニティはどのように結成されるのか。

 

年明けから始まった未来編も、前回までのアナザージオウ編計4話でテーマ的には臨界点を迎え、次回30話ではついに白ウォズが退場。いよいよ物語は次のフェイズに移っていくことになる。そういう意味では、実は一番楽しみなのは次回予告なのかもしれない。『ジオウ』、色んな意味で本当に予測がつかない。楽しいぞ。

 

仮面ライダージオウ DXジオウトリニティライドウォッチ

仮面ライダージオウ DXジオウトリニティライドウォッチ

 
仮面ライダージオウ DXブレイドライドウォッチ

仮面ライダージオウ DXブレイドライドウォッチ

 
仮面ライダージオウ DXタイムマジーンゲイツモード&ディエンドライドウォッチ

仮面ライダージオウ DXタイムマジーンゲイツモード&ディエンドライドウォッチ