ジゴワットレポート

映画とか、特撮とか、その時感じたこととか。思いは言葉に。

ドラゴンボールをよく知らない人の、映画『ブロリー』感想

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人生初、本格『ドラゴンボール』体験!

 

ということで、観てきました。映画『ドラゴンボール超(スーパー) ブロリー』。TwitterのTLでものすごく評判が良いので、「よ~~ッし、いっちょオラも観てみてやっかァ~~」(すぐ真似をする)という感じで鑑賞することに。

 

言わずもがなのビッグタイトルなのに、この約30年の人生で、どうにも『ドラゴンボール』にハマる機会にだけは遭遇してこなかった自分。なので、「ジャンプ+」で絶賛復刻連載中の原作を、週一で読んでいる段階です。悟空が青年になり、それこそ今回の映画でも出ずっぱりだったベジータが攻めてきて、今ちょうど戦っているところ。もちろん(?)、アニメシリーズも全くの未見。

 

劇場版『ドラゴンボール超 ブロリー』オリジナル・サウンドトラック

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Twitterで「予習要りますか?」みたいなツイートをしたら、フォロワーのドラゴンボール好きの方々は口をそろえて「ほぼ要らない」と。「そんじゃァ、ま、映画館に行くかーーッ!」(すぐ真似をする)という気軽な感じで座席を確保。あ、以下は本編のネタバレがありますのでご注意を・・・。

 

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普段アニメ映画をあまり積極的に観る方ではないので、久々な感じでワクワクドキドキ。東映アニメーションの猫ちゃん、久しぶり。いざ本編が始まると、まずは濃厚なドラマパートが続く。

 

原作でちょうど「サイヤ人はほとんど生き残っていない」あたりを読んだばかりだったので、サイヤ人がうようよ生活している様子を見て、「お~!こ、これが滅亡前の!」とほのかな感動を覚える。そして、「惑星ベジータ」のテロップ。ベジータ、お前、惑星の名前だったのか。下手に原作を途中まで読んでいるので、ふわっとした認識の輪郭が整っていく作業が続く。

 

しかも、惑星ベジータを滅ぼしたのはフリーザだったのか。そいつは知らなかった・・・。

 

フリーザ、白くて背が小さくて中尾隆聖ボイスで喋るやつ、程度の認識しかなかったので、今回の映画では彼の色んな一面を知ることができた。イメージ通りの鬼畜な感じから、ギャグもやれるコミカルなテイストも。いや~、しかし、圧倒的なパワーでネチネチとサイヤ人を虐げる感じは、いかにも、って感じで良かったですね。

 

余談ですが、私にとっての中尾隆聖ボイスは、いつになっても「ぽろり」なのです。

 

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やがて、惑星ベジータは破壊され、三者三様のサイヤ人が生き残る。

 

父の愛でもって惑星から射出された幼子、カカロット。傲慢な父に育てられた王族の子、ベジータ。父親から過度の復讐心を植え付けられて育った戦闘マシーン、ブロリー。この3人が、どのような父親に育てられたのか、どんな感情に影響を受けたのか、どのような願いを背負わされたのか、それらがすごく丁寧に描かれていくんですね。

 

フリーザの手によって一瞬で惑星が消滅し(最後まで抵抗して戦った孫悟パパかっこよかった。それにしても息子にそっくりすぎ)、3人の「母星を失った者たち」は各々の人生を歩むことに。

 

ここまでの流れが本当に濃密で、カカロットを心配するパパが地球に息子を飛ばすくだりにはちょっとホロリときたし、母星の消滅を嘆かないベジータの骨太な感じとか、潜在能力で一点突破してサバイバルしていくブロリーとか、見ごたえがある訳ですよ。

 

この流れなら当然、後半は、運命に導かれるままに集った3人のサイヤ人が、亡くした星への想いや、両親に対する感情とか、たぎる復讐心とか、そういうのを交わしながら戦うんだろうな、と思う訳ですよ。こりゃあ、劇的なのが描かれるぞ、と。

 

「おめェの復讐心は、本当におめェのモノかァー!?」とか、「惑星ベジータなぞ、もはやどうでもいい。俺の強さだけが存在の証!」とか、「この復讐心が偽りなら、俺は一体、何のために生きているんだァーーッ!?」とか、そういう、そういうやつ、そういう男たちの濃密で運命的なドラマが描かれると思うじゃないですか。思いません? 思いませんかね??

 

 

 

 

 

 

 

全然、描かれない!!!!!!!!!

 

 

 

バトル!バトル!バトル!

拳!拳!拳!

怒髪!怒髪!怒髪!

オーラ!オーラ!オーラ!

光線!光線!光線!

 

 

ドッ!ガッ!ドガガガッ!!!ドーン!!ドーーーーン!ガッ!ドガガガッ!バババッ!!!ドーーーーン!シュアアァァァァ!!ドーーーーン!ドーーーーン!ドーーーーン!ブーーン!!グワァッ!!ドーーーーン!ドーーーーン!シュアアァァァァ!!ドーーーーン!ドーーーーン!ドーーーーン!ドッカーンッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!

 

 

 

そして映画は終わる。悟空とブロリーが良い好敵手になりそうな、そんな余韻を残しつつ、悟空の器のデカさを見せつけて映画はサクッと終わっていった。マジか・・・。華麗に幕を下ろしていく三浦大知のスタイリッシュで力強いナンバーを聴きながら、独特の余韻に浸る。この前半部に対する後半の展開・・・。こんなバランスがあるのか。

 

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もちろん、どんどん戦闘狂として歯止めがきかなくなっていくブロリーの、その圧倒的パワーに裏打ちされた生い立ちの悲哀っぷりとか、そういうのは感じるんですけどね。私が前半部を観てなんとなく予想していた、「母星を失った男たちのドラマ」とか、「王の一族というだけで復讐の矛先を向けられる宿命」とか、「その全てを超越して寛大な精神で包み込む『優しい強さ』の持ち主・孫悟空」とか、そういう展開は全く描かれない。

 

代わりに展開されるのは、戦闘を楽しみながらも苦戦を強いられ、次々と段階を踏んでパワーアップしていく悟空やベジータ。そして、尻尾を失くした代わりに人間態のまま大猿のパワーを発揮するブロリー。彼らの、度肝を抜かれるド派手バトルな訳です。

 

そして驚くことに、ろくに戦闘場所も移動しない。物語の中盤で3人が出会った氷原、ひたすらず~~っとそこで展開されていく。(地面を割りまくってマグマが見えたり、圧倒的すぎて異次元空間のイメージ映像?みたいになったりはしたけど。あ、あと一時撤退はしてましたね)

 

そのバトルシーンが、アニメーターの血と汗と意地を煮込んでゼラチンで固めたような映像がずっとプルンプルンと脈打っていて、さすがに興奮するんですよ。こんなの観せられたら、そりゃあ、良い意味で脳が麻痺する。

 

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原作でも印象的だった「空中戦における位置取り」合戦と、その一手一手の攻防。打撃をくらい、吹き飛ばされ、また空中で切り返して向かってくるサイヤ人の一連の動きを、カットを割らずに引きのカメラで捉えて独特の滞空感を演出する。ものすごい勢いで「寄り」と「引き」、そしてサイヤ人同士の読み合いを描くのに、絶対に「何をやっているか分からない」には至らない、神経質なまでに整理された画面構成。

 

激しい時にはあえて粗削りなタッチで勢いを重視し、緩急をつける時は美麗な彩度でじっくりとクールダウン。そして、髪色の変化と連動して戦闘シーンも加速度的に熱量を増していき、後半ではセルルックなCGを活用した縦横無尽なカメラワークで観る者を惹きつける。光が空間を覆い、地面を割る。打撃が肉を打ち、汗が舞う。

 

キャスト陣の咆哮だけが連続する怒涛の展開に、「脳は追いつかない」けど「目は追いつく」。ずっと戦っているだけなのに、その組手と攻防が持つ情報量が凄まじい。おかげで脳が心地よく疲労していく。心臓を底から叩き上げるような劇伴も相まって、強制的に全身が興奮させられる。思わず拳を握って、心中で歓声を上げる。

 

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「なるほどこれがドラゴンボールか」、と。

 

前半部でほのかに期待したドラマ的な展開を、ただ捨て置くのではなく、それすら包括する勢いと力業で物語をまとめ上げる。もはや「言葉はいらない、拳で語れ」などといった文句も要らないほどの、圧倒的な「圧」と「熱」。

 

「うおおおおお!!!」で脳が塗りつぶされるので、数十分前に期待したドラマが描かれなくても、大して残念さは残らない。むしろ、全く想像していなかった満足感を覚える。すごいバランスだ。悟空のIQがどれくらいかは気になったけど。あと、公式サイトを見てみたら青髪モードの名前がややこしすぎて笑ってしまったけど。

 

ということで、人生初のしっかりとした『ドラゴンボール』体験でした。観る前、そして前半を観ている時に予想した感想とは、全く違った満足度。しかしまあ、「ここまで」やられたら、そりゃあ感服ですよ。すごく面白かったです。そして、低音が鳴り響き画面を縦横無尽に駆けるこのバトルシーンは、ぜひ映画館の音響と大画面で。

 

取りあえず、まずは、原作を最後まで読まなきゃ・・・。

 

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