やっと観れました、『SSSS.GRIDMAN』。Twitter等で見かけていた評判に違わない、胸が熱くなるアニメですね。こういう作品が観られるのが、とにかく幸せだなあ。
私自身アラサーですが、まさに原典である『電光超人グリッドマン』の世代で。「ベービダンダン!ベービダンダン!」の主題歌を口ずさんでいたのをよく覚えてます。『グリッドマン』は93年の放送で、円谷でいくと80年の『ウルトラマン80』から現行ウルトラマンが途絶えていたタイミング。当時VHSが爆発的に普及した影響で過去のウルトラマンを沢山観てはいたけれど、やっとこさ新作の『ウルトラマンティガ』が放映されたのは96年。もう自分自身も小学生で、周囲にはチラホラと特撮ヒーローを卒業する子もいた記憶。
つまり、そんな「ウルトラ新作、谷の世代」において、『グリッドマン』というのは貴重な「ぼくたちのヒーロー」だったんですよ。ちなみに『仮面ライダーBLACK RX』も88年なので、仮面ライダーも谷の時代に突入していた。ずっと続いているスーパー戦隊は本当にすごい。
もちろん、テレビシリーズでの新作に限らなければ、93年にVHSが発売された『ウルトラマンパワード』等も十二分に「ぼくたちのヒーロー」なんですけど、やっぱり毎週テレビで観られるというアドバンテージは大きくて。『ティガ』からの平成三部作、後の2000年に放送が始まる『仮面ライダークウガ』と、スーパー戦隊以外の特撮ヒーローが毎週観られる状況に慣れてきたのは小学生高学年〜中学生頃。ちなみに地元は田舎すぎて『超光戦士シャンゼリオン』等は放映されませんでした。南無。あの頃は本当に、レンタルビデオ屋のVHSが宝の山に見えた。
話は脱線しましたが、そんな「ぼくたちのヒーロー」として思い入れの強い『グリッドマン』が、まさか自分がアラサーになったこの平成も終わるタイミングでアニメになる、と。しかもスタッフ陣が名だたる方々で、否が応でも期待は高まる訳ですよ。特に怪獣デザインの面々が豪華すぎて目眩がするほど。
前述の背景からも『グリッドマン』に思い入れの強い同世代の特撮オタクは多いようで、このムーブメントのコアでは「まさかグリッドマンがフィーチャーされるなんて!」というショックにも似た喜びが脈打っているのだと思われる。
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そんな『SSSS.GRIDMAN』を最新の5話まで観て最も感銘を受けたのは、怪獣出現とグリッドマンの戦いが歴史もしくは記憶改竄で無かったことになる、という設定。
原典の『グリッドマン』はご存知コンピーター・ワールドでの戦いがメインで、敵が送り込むコンピーターウイルスをワクチン的なグリッドマンが討伐する、それを特撮ヒーローとして整えた作品。当然、コンピーターの中でのみ行われるからして、その戦いを知るのは基本的に関係者のみである。この「誰も知らない電脳空間で戦うヒーロー」という設定が、もしかしたら現実にも行われているのかもしれない、という儚い妄想を誘発するのだ。
『SSSS.GRIDMAN』は、「戦いの一切がリセットされる」という展開を用いることで、この「誰も知らない世界で戦うヒーロー」という『グリッドマン』の肝である設定を踏襲している。その戦いを知るのは、主人公とそれをサポートする学友、そして怪獣を送り込む敵キャラクター。基本的にはこの面々に限られていく。もしかしたら我々の日常もリセットされているだけでグリッドマンが戦ったあとかもしれない、なんて。
それでいて、あの頃叶わなかった「ビルに囲まれ青空の下で戦うグリッドマン」も描いちゃうのだから、このリセット設定がいかに秀逸かが回を増すごとに心に響いてくる。山間部で戦うグリッドマンなんて、まさかそんな映像が観られるとは。眼福眼福。
また、特撮成分でいくと、「着ぐるみのように瞬きしない怪獣」「ミニチュアのように吹っ飛ぶ自動車」「これでもかと張り巡らされた電線」など、巨大特撮をアニメでやるという強い気概が伝わってくる演出が多い。
アニメで特撮を、という文脈でいくと、当然『新世紀エヴァンゲリオン』が挙がる訳だが、音楽が鷺巣詩郎氏とこの辺りも抜かりがない。最大公約数を獲れる良い意味でクセのないキャラクターデザインや、オーバーバースを多用したロボットアニメ演出など、単に「あの頃グリッドマンを観た特撮好きへ」だけに終わらせないバランス感覚も良い。随所にちゃんと呼び水が仕掛けられている。
物語でいくと、Aパートでドラマ、Bパートで変身とアクション、最後に日常パートで締める、といった構成が何千回と観てきた特撮ヒーローの文法で、どこかくすぐったさを覚えるほどに楽しい。主人公が敗北して落ち込むヒロインとか(3話)、変身のための状況が整わずに四苦八苦する流れとか(5話)、良い感じで「あるある」だ。それでいて記憶喪失を活用したボーイ・ミーツ・ガールにもなっているので、すんなり構えることなく観られる。
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さて、そんな『SSSS.GRIDMAN』、これまた考察が捗る内容にもなっている。ついつい、実はリセットという認識なのは同盟や関係者だけで彼らこそが何度も仮想世界に放り込まれているのでは、などと考えてしまう訳で。
個人的には、2話で消えたバレーボール部の女の子の住所が連絡網として現存していたのに、4話では襲われた野郎どもがLINEのグループから存在自体消えていたりで、この辺りのブレが意図的なものか否か気になるところ。記憶・歴史改竄が及ぼす範囲、ってのは結構重要だと思うんだけどな。
主題歌はコード進行が懐かしいテイストなのにアレンジが今風のキラキラしたやつで、歌詞も相まってこれまた絶妙に童心をくすぐられる。歌っているのが現行の『ウルトラマンルーブ』と同じ方なのは偶然なのだろうか。あ、話しついでに近年のウルトラマンでいくと、「敵キャラクターが怪獣を送り込んでくる」という『グリッドマン』に似た設定がここ数年続いていて、こんなところにもほのかに受け継がれているのかな、などと感慨にふけったり。
ざっくばらんに書いてしまったけれど、『SSSS.GRIDMAN』、とっても面白いです。このブログや私のTwitterをフォローしている人は、私が六花派かアカネ派かなんて愚問は抱かないと思いますが、そういう楽しみ方も含めて間口が広いなあ、と。決して特撮好きだけに狭く作ってない。そこがすごく良いと思います。
また全話終わったら感想を書きたいです。
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