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感想『仮面ライダージオウ』第6話「555・913・2003」ZI-O signal EP06

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『仮面ライダージオウ』6話はフォーゼ&ファイズ編の後編。天ノ川学園高校を舞台にした前回の5話から少し軸を移し、予想通りファイズを中心とした作りに。先週の感想で書いた「巧と草加の屈折した友情」について、『ジオウ』なりの「ファイズ解釈」をしっかりと示してくれたので、結構満足度は高いですね。『ジオウ』、本当に回を増すごとに面白くなるな・・・。

 

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ということで、『仮面ライダージオウ』の感想を綴る「ZI-O signal」(ジオウシグナル)、今週もいってみましょう。

 

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王として道を示すソウゴ

 

6話における『ジオウ』の「ファイズ観」というか、つまりは「解釈」において、私個人が持っているそれと実際に描かれた内容がかなり近かったので、素直に嬉しかったですね。Twitterの方で放送当日に感想を書いたので、ちょっとそれをセルフ引用しておきます。

 

 

3・4話のエグゼイド編でも感じていて、今回のフォーゼ&ファイズ編で確信に変わった部分として、ソウゴの「王としてのスタンス」をストーリーの肝のところで提示する作りなんだな、と。こういったお祭り作品だと、先輩に負けないどころかもはや無礼の域に達しているディケイドや、その矜持を先輩にも認めさせるほど力強いゴーカイジャーがいたけれど、ジオウはそれらとはちょっと違ったアプローチで攻める印象。

 

つまり、レジェンドたる先輩たちに対して、「俺はこうだぜ!」と肩を並べるのではなく、かといって「学ばせていただきました!」という後輩要素推しでもなく、「王として自分はこう思う。民はこうじゃないと」と自らのスタンスを示す。

これ、すごく上手いというか、突拍子のない夢だった「王様になりたい」が、いつの間にか「こいつなら本当に王様になれるのかも・・・」に変わってくるんですよね。前線に立つというより、一歩引いた視点から民の悩みや葛藤を俯瞰してる感じ。ナチュラルにそういう視点に立てる辺り、本当に王様の素質があるのかも? と思わせてくれる。

 

ソウゴがこのポジションを獲得できるのであれば、レジェンドと大きく衝突することなく、どちらかが割を食うこともなく、「レジェンドの先輩っぷり」と「現行主人公の魅力」をストーリーに同居させることができるんですよね。今週なんか、自己犠牲を否定するソウゴを見て巧がちょっとだけ反省するかのような仕草もあって、観ていて非常に面白い。

 

番組開始当初、荒唐無稽なイメージが強かった「王様になりたい」。それが、回を重ねるごとにソウゴという人間の底に流れるイズムとしてじんわりと伝わってくる。ここが『ジオウ』のすごく好きな部分だなあ、と。

 

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ファイズにおける「死」

 

話が行ったり来たりしてしまって恐縮だけど、前述の『ファイズ』の「解釈」の話。ツイートにも書いた自己犠牲というトピックの他に、大前提として、『ファイズ』ってものすごく哀しい物語なんですよね。オルフェノクとして蘇ってしまった人間がその運命を呪い他人を殺してしまったり、いじめを苦に死んだ少女が怪人となって復讐を果たしたり。他でもない主人公も、他人との関わり方や同族殺しのジレンマに悩み続ける。

 

そんな『ファイズ』の物語において、「死」というのは非常に重要なキーワード。単純に作中で命を散らしていった人間も多いが、「死」を乗り越えたことを誇りに思う怪人もいれば、「死」を乗り越えてしまった自分を呪い続ける怪人もいる。「死」が終わりでなくなる時、もしかしたらそれは一種の救いなのかもしれない。そういう、人間誰もが持つ長期的な恐怖に向き合わせてくれるのが、『ファイズ』という物語。

 

仮面ライダー555(ファイズ) Blu-ray BOX3<完>

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だからこそ、「山吹カリンという人間の死を受け入れるか」「他人を犠牲にしてでも彼女を生かし続けるのか」というテーマは非常にファイズ色が強く、その自己犠牲のサイクルから脱するために戦うジオウとゲイツのシーンでは、物悲しい女性ヴォーカルの音楽が流れる。 

本来であれば時代を跨いだダブルライダーの活躍という盛り上がり所なのに、そこをあえてビターで若干後味が悪いテイストに仕上げ、でも最後には主題歌できっちり盛り上げる。坂本監督のファイズ観というか、かなり的確にファイズらしさが演出されていて、とても良かったなあ、と。

 

巧も、「流しのクリーニング屋」という美味しいシーンもありながら、猫舌もちゃんと披露して、ワンカットながら本編2話当時の演技まで披露してくれた。草加も、仲間のために汚れ役を引き受けるという非常に草加らしい行動を取っていて、つくづく「解釈」が素晴らしい。『ファイズ』大好きな自分ですが、この2018年にこうも『ファイズ』の匂いを嗅げるとは。幸せだなあ。(巧が草加を救うのに「間に合った」というのも、なんともニヤリとさせてくれる)

 

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アナザーファイズによる歴史改変

 

ライブラリ映像を使った演出によると、アナザーファイズは『ファイズ』本編2話時点で発生している。あの後おそらく、真理と巧は一緒に東京を目指すのだろう。そのまま、啓太郎とも出会って、草加とも出会って、案外、ファイズやカイザがいない『ファイズ』の物語は、ドロドロ人間模様の直球昼ドラになっていたのかもしれない。

 

 

アナザーファイズ、ファイズの顔面の奥にオルフェノクがいるデザインになっていて、諸々の設定を考えても非常にニクいデザイン。素晴らしい・・・。

 

仮面ライダージオウ DXファイズライドウォッチ

仮面ライダージオウ DXファイズライドウォッチ

 

 

とはいえ、どうしても考えてしまうのは、「アナザーファイズが消えた時点で巧も消えてしまうのではないか」問題。

 

5話のアナザーフォーゼが発生したシーンで、歴史が改変され、フォーゼと戦っていたスコーピオン・ゾディアーツも消えた。また、エグゼイド編でも、バグスターウイルスやゲーム病といった概念が消失しているように見受けられた。このことから、アナザーライダーが発生すると、正規の仮面ライダーだけでなく、その「敵」に相当する存在も歴史から消えてしまうことが想定される。

そうなると、まるで三段論法のように、オルフェノクである巧自身もアナザーファイズが発生した時点で消失することになってしまう。しかし、巧は変身解除したまま、2018年でソウゴと出会うまで生存している。

 

これ、身もふたもない言い方をしてしまえば「馬に蹴られる」案件だとは思うが、それはそれとして真面目に考察してみよう。考えられるのは、大別して以下のの3つ。

 

①オルフェノクは仮面ライダーファイズの誕生に関係なく人類の進化形態として出現したので、この場合の「敵」には該当しない。(ゾディアーツやバグスターウイルスは対となる仮面ライダーの誕生にその出自が関係しているため、概念上の「敵」に該当する。この場合、エレファントオルフェノクも消えない)

 

②乾巧は『ファイズ』における主人公なので、その概念において、「オルフェノクだから消える」より「主人公が別の人生を歩む」という歴史改変効果の方が優先された。(結果論として巧は自動的に普通の人間になり果てる。この場合、エレファントオルフェノクは消える)

 

③その他、歴史改変にはまだ何かしらの法則が存在する。 

 

ざっとこんなところだろうか。まあ、無理やり理屈を持ってくるなら①なんだけど、以降の描写であっさりと覆されそうな際どさがある。②は、本当に身もふたもないやつ。レジェンドキャストを出演させるという大人の事情から逆算して考える、オタクの悪いところ全開の選択肢。実際どうなんでしょうね。果たしてそこまで考えられているのかが、そもそも疑問ではありますが。

 

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ファイズアーマーの活躍

 

坂本監督の撮るアクションシーンは今回も面白く、何より、変身シーンに工夫があったのが良かった。ベルトを回す前の変身者の背景に出る紋章みたいなやつが、画面上でぐるっと移動する面白さ。また、ファイズアーマーは本来のファイズが持つガジェットの魅力をしっかりと再現していて、敵を倒した後に歩きながら爆炎を背負うゲイツが痺れるほどにかっこいい。ベルト操作時に手に装着したフォーゼアーマーが外れて浮いているのも、お茶目だった。

 

5・6話は坂本浩一監督でした。
パイロットで第1~4話を撮り、映画も3本手がけ、まさにフォーゼの守り神。
でも、今回のお題は「フォーゼ&ファイズ」……新規アーマーはバンバン登場、15年にわたる複雑怪奇な事件、ソウゴ・ゲイツ関係も進展……と、てんこ盛りすぎ、OAではだいぶカットせざるをえませんでした。
それでもフォーゼ愛・ファイズ愛で全体をくるみ、見事なエンタテインメントに仕立ててくれた坂本監督。あらためてレジェンドの強さを感じました。

平成仮面ライダー20作品記念公式サイト | 東映

 

・・・ということで、カットも多かった模様。Blu-rayの特典とかでカットシーンが収録されると良いな。最後にアナザーフォーゼと戦うシーンで、てんびん座の女子生徒をアナザーフォーゼが襲ってそこにソウゴが駆けつける流れなんか、若干唐突だったしね。まあ、最低限の流れは追えるので問題はないけど。

 

そういえば、今回ちょっと気になったのは、アナザーフォーゼを2018年で倒したこと。2011年で倒さなくても良かったのかな。それとも、素体であるアナザーファイズを2003年でゲイツが倒したので、もしジオウがアナザーフォーゼを倒さなくても、いずれ自動的に消滅していたのだろうか。「該当年度で倒す」と「該当ライダーのアーマーで倒す」が、どちらも満たしてないといけないのか、後者の条件が強いのか、この辺りがまだ微妙にはっきりしない感じ。

 

あ、あと補完計画6.5話は、メタネタがあまりにも多すぎて笑うしかなかったですね。まさか『BLEACH』をこんなにも出してくるとは・・・。

 

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そんなこんなで、非常に満足度が高いフォーゼ&ファイズ編でした。さて、来週はウィザード編。『ウィザード』は、人々に希望を与え続ける主人公が実は共依存ズブズブの内心アンバランスな男、という辺りが好きな要素なので、そういうところがアレンジされていると嬉しいかな。

 

んー、気付いたら約6,000字。やはり『ファイズ』については書いていると長くなる・・・。