皆さん、映画の公式サイト、アクセスしますか?
もしくは、何を目的に公式サイトを閲覧しますか?
映画鑑賞が趣味と言っておきながら、最近は一昔前に比べて公式サイトに行くことが少なくなったなあ、と感じる今日この頃。
その理由は明白で、SNSがあるから。公式Twitterアカウントさえフォローしていれば、キャストの発表も、予告編の公開も、入場者特典の詳細も、全部TLに流れてくる。
これが便利すぎて、わざわざ自分から足を運ぶ機会は年を追うごとに減っている気がする。(もちろん、ひどくやる気のない公式アカウントもあるけど・・・)
それでも公式サイトにアクセスすることはやっぱりあって、自分の場合その理由は、上映館リストを観たいから。
特に自分は田舎住まいなので、ちょっとマイナーな作品とかは遠征が必要になるし、公開日から数ヶ月遅れで上映が開始されることも多い。
だから、上映劇場リスト、つまり公式サイトにおける「THEATER」というタブを目的にアクセスすることが多い。
しかし。しかし、である。
ここ数年、問題(?)・・・というか、不便に感じているのは、公式サイトの作り。
つまり言いたいのは・・・
いきなり問答無用で予告編を流す公式サイト、あまりにも多くないですか・・・?
最近で挙げれば、例えばこれとか・・・
これとか・・・
これとかです。実際にアクセスしていただければ分かると思います。
自分はかなりの頻度で「THEATER」(上映館リスト)目的なので、そもそも論として、「映画の公式サイトに予告編の視聴を目的にアクセスする人ってどれだけいるんだろう?」という疑問が沸く訳です。
つまり、自分のような「予告編の鑑賞以外を目的にアクセスする人」にとっては、いきなり画面いっぱいにドーーンと予告編が流れるの、「うるさい」んじゃないかと。
ということで、Twitterの機能を活用して、実際にアンケートを取ってみました。
質問。『映画の公式サイトを閲覧する際に、主になにを目的としていることが多いですか?』(なるべく多くの回答を得たいので、RTしていただけると嬉しいです。また、「その他」の方は良かったらリプライ等で詳細を教えてください。よろしくお願いします。)
— 結騎 了 (@slinky_dog_s11) 2017年10月31日
まあ、そもそも自分がTwitterで映画関連のことを呟く頻度が高いので、フォロワーの嗜好も当然偏ってるでしょうし、選択肢のチョイスも甘かったかな、とは思うんですけど、とはいえおかげさまで4,700票以上を得ることができました。
投票してくださった皆さん、本当にありがとうございました。
この結果を見ると、自分と同じように上映映画館の情報を求めてアクセスする人が、全体の約6割。
そして、肝心の予告編目的は、なんと1割。かなり少ない・・・。
以下、「その他」に入れてくれた方々のご意見をまとめたものです。
・前売り券情報
・入場特典の詳細
・公開日のチェック
・試写会等のイベント情報
・作品のあらすじ、登場人物など
・楽曲関連(クレジットやサントラ情報)
・サイト構成
・ファンレターの送り先
・鑑賞後の余韻に浸るため
・公開後のディスク発売情報
・待ち受け画像やスクリーンセーバー等のDL
・映画そのものの雰囲気を掴むため
・全体的に(鑑賞に向けての予習)
こうやって「その他」の詳細を見ると、既存の「映画情報まとめサイト」(例えば「映画.com」とか)では得にくい情報が多く、確かに公式サイトの必要性を感じるものが多いなあ、と。
さて、本題の予告編ですが、公式サイトで予告編を観る人が1割しかいないのであれば、果たして皆どこで予告編を観ているのか。
これは予想ですけど、おそらく「YouTube」と「SNS」が強いのではないかなあ、と。
「何かしらの映像を観たい時は取りあえずまずYouTube」という人は多そう。(自分も割とそうなので)
そして、後者の「SNS」。
自分が上にも書いたように、やはり最近はSNSで情報を得ることが多く、以前のように、色んな公式サイトを巡回する機会はかなり減った。
そんなSNSと情報の露出については、先日読んだ『新しいメディアの教科書』という本が面白かった。(アマゾンプライムの読み放題で読めるのがありがたい・・・)
この本の前半は主にウェブ広告の歴史について書かれていて、その最新型である「SNSからどう閲覧するのか」というくだりが面白かった。
つまり、ウェブ黎明期の頃の「需要>供給」が、すでに「需要<供給」に逆転してきており、誰もが能動的に情報を獲りに行かなくなったというのだ。
だから、「どういう情報を取りそろえておくか」ではなく、「人が集まる場所にいかに効率よく情報を横断させるか」という観点が求められている、と。
かのFacebookも、そのSNS内で流れてくる「ニュース記事へのリンク」ではすでに弱く、Facebook内でそのまま(対象のサイトに移動することなく)閲覧できるようになってきた。
この閲覧に向けた移動のひと手間が、現代の消費者には高いハードルになっている。
だから、例えばTwitterの公式アカウントで映画の予告編が公開された時に・・・
A.予告編のYouTubeへのリンクをツイートに貼る
B.予告編を載せた公式サイトのページへのリンクをツイートに貼る
この二択では、全く意味が変わってくる、という訳だ。
おそらく圧倒的に、再生数を稼ぐのはAだろう。
Aなら、Twitterの公式の機能でそのまま映像がツイートに埋め込めるので、Twitterアプリから移動せずにワンタップ(クリック)で再生が可能となる。
Bは、一度アプリからウェブブラウザに切り替わってしまう上に、更に再生ボタンを押さないと再生が始まらない場合も少なくない。
このように、SNSを含めたウェブ情報伝達の勢力図はものすごい勢いで塗り替わっているのにも関わらず、さていまだに「公式サイトに訪れた人にいきなり予告編を観せる」という方法にはどれほどの効果があるのだろうか、という話である。
そもそも、「その映画に多少なりと興味のある人」の果たして何割が実際に公式サイトにアクセスするのだろうか。
そして、その中でも1割の人しか目的としていない「予告編の視聴」をいきなり始めてしまうのは、どこまで効果的なのだろうか。
まあ・・・ こんな訴え(?)を場末のブログに書いたところでどうとなる訳ではないのですが、なんとかなりませんかね、これ。
自分も含めて約6割の人が目的とする「上映映画館リスト」が極端に探しにくいサイト構成も少なくないんですよね、残念ながら・・・。
良かったら、色んな方のご意見を、もっと聞いてみたいです。
意外と、「いきなり流れるのはあれはあれで助かってるよ」とかあるのかな?
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