Twitterでもはてなでも話題になっていたこの記事を読んだ。
要は、もう何年も前から言われている「本屋が減った」の話題。
ネットでも多くの人が「嘆かわしいことだ」といった反応を示すが、ここ数年はそれと同じくらい「Amazonが便利すぎて・・・」「電子書籍が手軽すぎて・・・」という声が増えてきたように思える。
私も本が好きな人間のひとりで、電子書籍よりやはり紙の本が好きだ。
漫画を電子書籍で読む機会も随分増えたが、とはいえ紙で読む方が好きだし、今も毎月何冊も漫画を買う。
漫画以外にも、小説もビジネス書も、やっぱり紙の方が好みだ。
だから、本屋に行くのも好きだ。
とはいえ、私が住んでいる田舎もめっきり本屋が減り、今ではTSUTAYAくらいしかまともな選択肢がない。
それでも、(TSUTAYAを含め)本屋が好きだからなるべく本屋に行くのだけど、田舎の民はこれにひとつの障害がある。
「店頭で販売されるのが遅い」のだ。
こちらの紀伊国屋書店へのインタビューで「発売日と店頭に並ぶまでのタイムラグ」について触れられているのだが、ライターの方はきっと首都圏にお住まいなのだろう。
だって、だってさ・・・。最後の文・・・。
アマゾンにも同じ日に出版社から卸されているはずだが、そうするともうひとつ悩みが増えてしまう。
アマゾンの倉庫から自宅までの配送と、最寄りの書店が店頭へ出すのとは、どちらが早いのかという問題である。
だが、それを見極めるのは至難の業のような気がするので、考えないことにする。
どうせ、たいした違いじゃない。
「どうせ、たいした違いじゃない。」
「どうせ、たいした違いじゃない。」
プッツ~~ン!
地方は・・・今も・・・今も・・・
発売日の2日遅れで店頭に並ぶのがデフォなんだ・・・
しかも、例えば金曜が発売日の漫画は土日を挟んで月曜に店頭に並ぶので、3日も遅れるんだ・・・
※ただし、『ONE PIECE』や『進撃の巨人』といった人気作だけはバッチリ発売日に店頭に並ぶ。
地理的なこと、流通の過程・・・。
それらを考えれば仕方のないことだと分かっているが、これが田舎民(非首都圏民)の知る辛さだ。
つまりは、「Amazonで買った方が手元に届くのが速い」のだ。
例えば上で挙げたように、金曜日が発売日だったとして・・・
金 発売日。Amazonから出荷
土 配送中
日 プライムお急ぎ便でも田舎なのでこの日に到着
月 店頭に並ぶ
・・・なんてこったい、これですよ。
これ、マジで「本屋に行く利点」が削られているんですよ。
あらかじめポチっておけば、発売日から間もなく「直接家に」届く。
本屋に足を運ぶ手間も無く、本屋より速いタイミングで手に入る。
別に一刻を争うほど本を渇望している訳ではないが、この利便性の差は中々埋められない。
なので、「本屋は好きだけど本屋に行くメリットが感じられない」という状況が生まれてしまい、これがとってもジレンマなのだ。
とはいえ、本屋に行く目的は主に2種類に分けられると思う。
1.目的の本を買いに行く
2.店内でブラブラする。(ウィンドウショッピング)
私が上に書いた「本屋は好きだけど本屋に行くメリットが感じられない」という状況は、主に1の場合に当てはまる。
目的の本をピンポイントで買いたい時は、Amazonで買った方が速くて便利、という結論しかない。
本屋が未だ持つ強みは2の方で、表紙や帯、その書店の陳列やポップを楽しんで、更には雑誌をパラパラめくってみたりする、あの特有の「ブラブラ」だ。
なので、何の気なしに時間を潰したい時や、「あんな本、こんな本はあるかな?」という大雑把な目的を持っている時は、本屋に出向く。
とはいえ、田舎民なので駅の構内に本屋がある訳でもなく(そもそも駅が無い)、目的がふわっとした「ブラブラ」のためにわざわざ車に乗って本屋に出向かなければならない。
仕事も子育てもしながら「ブラブラするために本屋に行く」のは楽ではない。
しかも、田舎の本屋はそもそもが小さいので、置いてある本の数も少ない。
そうなると、「それならいっそネットでテキトーにそれっぽい用語やタイトルを検索して探した方が楽なのでは・・・」という思考が迫ってくる。
結果として、私の場合は2より1の方が頻度が高いため、「店内でブラブラする」メリットより「本屋に目的の本を買いに行く」デメリットの方が上回り、そうして、本屋が好きなのに本屋に行く理由を次第に見失っていくのだ。
あの本屋独特の印刷物の匂いを、しばらく嗅いでいないかもしれない・・・。
田舎の本屋は学校への教科書販売等で販売ルートを確保している面もあると思うが、今や学校の現場でも電子化が進んでいるというし、いよいよ厳しい時代に突入していくことは免れないだろう。
私も、「自分が感じるデメリット」を飲み込んででも本屋を持続させようとは、哀しいかな思えない。便利さには勝てない。
本屋が生き残れる道とは、果たしてあるのだろうか・・・。