父親になって約半年が経った。
娘はここ数週間、やたら感情が豊かになってきて、前より笑うことが増えたし、怒ることも増えた。
つい先日まで「何かを訴えたい」時の行動が「泣く」一択だったのに、「泣く」「怒る」「甘えたような変な言葉を発する」とバリエーションが出てきて、少しずつ成長してるんだな、とじんわりと感動を覚える。
娘もスクスク育っているのでもう時効だろう ・・・ということで、娘が産まれる前に行ったパパママ教室に関する愚痴を書き残しておきたい。
同じような不満を感じた父親は割と沢山いるのではないだろうか。
パパママ教室は、文字通り、パパとママになる予定の人が行くセミナーみたいなもの。
うちは、私と嫁さんの2人で、保健所(市町村)主催のものと、通っていた産婦人科主催のもの、計2回参加した。
内容は、人形を使っての風呂入れ体験だったり、男性には重りをお腹に巻いての妊婦体験があったり、家で破水した際の行動や、力む時の呼吸法など、様々。
中々一発で覚えられる内容ではなくて、特に子供が産まれてからの世話の数々は、実際にやってみて初めて理解できたことばかりだった。
まさに「百聞は一見に如かず」だが、さらっとでも事前に知っておけたのは心構えとして助かった。
首が座っていない乳幼児をお風呂に入れるの、ほんと難しいんですね・・・。
問題は、そのパパママ教室の講師役となる助産婦さん。
参加した2回とも、およそ50代くらいの女性の方で、仕事も子育てもバリバリやってきました、と語る方々。
この方々が、もう本当に、面と向かって男を馬鹿にする。
具体的には、「男は妊婦や母親の気持ちを分かろうとしない」「当たり前のように育児に参加しない」「ナイーブな妊婦に対して無神経な言動を繰り返す生き物」などと、そりゃあもう、立て続けに。
おそらくご自身の体験に基づく発言だとは思うし、それを反面教師として世の父親に頑張って欲しいという意図なのかもしれないが、それ、パパママ教室に参加してる父親予備軍の前で言うことですか?
ひたすら男性を批難して「だから女性って大変ですよね~」という感じで、それを聞いている周囲の妊婦さんたちも頷く流れがあったりで、自分としては心中ムカムカな訳です。
そりゃあね、男ですから。生物学的に、妊婦にはなれませんよ。
だから、妊婦の気持ちも、母親の大変さも、完全に「理解する」ことは不可能です。
私に母乳はあげられませんし、つわりで食の好みが変わるのもよく分からないです。
でも、だからこそ、「分かろう」としてパパママ教室に参加するんですよ。
どう考えても一番大変なのは肉体的にも精神的にも嫁さんな訳だから、じゃあ夫として・父親として何がが出来るのか、色々考えるんです。
つわり時期を中心に家事の分担を変えたり、仕事帰りに嫁さんから預かったメモ片手に買い物したり、気晴らしになると思ってケーキを買って帰ったら「つわりでそういう気分じゃない」と言われてしょげたりとか、自分なりに試行錯誤して・・・。
その一環としてパパママ教室に参加してるのに、そこで「男は妊婦や母親の気持ちを分かろうとしない」「当たり前のように育児に参加しない」などと言われて、正直に、本当に嫌でした。
誤解されたくないのですが、別に「手伝ってやってる感」みたいなことをアピールしたい訳ではないのです。
妊婦を夫がサポートしたり、男性が育児に参加するのって、「当たり前」だと思うんですよね、自分は。
だから、職場とかでも「イクメンですね」「偉いですね」とか言われて、「偉いのか?」と疑問符が浮かぶんですよ。(世の中の男性って、そんなに育児に参加してないんですか?)
だから、「イクメン」という言葉自体に違和感があってですね・・・。
そこにあるのはただ単に「親」でしょうよ。
ググってみたら同じような主張が・・・。
まあ、まあね、日本人男性の育児参加率が低いという話は有名ですし、それを打破しようとするムーブメントやひとつの指標として「イクメン」という言葉が掲げられるのは、理屈としては分かります。
とはいえ、本質的な意味としては、全然しっくりこないです。
実際に父親になってみて、尚さらそう思いますね。
うちは、結婚時に2人で「すべての『仕事』を2で割って分担する」というルールを決めているので、子供ができる前は「給料をもらう仕事は夫」「家事は嫁さん(専業主婦)」という分担で回っていました。
妊娠が分かってからはこれを微調整する必要がありましたし、実際に娘が産まれてからは「育児」という新たな『仕事』が発生するので、それもまた2人で分担する。
が、どうしても「育児」だけは嫁さんがメインにならざるを得ないので(私はおっぱいをあげられないので)、そうなると嫁さんが元より受け持っていた「家事」の一部分を私が担当することでちょうど「2で割れる」訳ですね。
と、我が家はこういう考え方で『仕事』を分担してます。
まあ、そこまで正確にカウントしてる訳ではないですが・・・。
だから、「男性の育児への参加」というフレーズ自体が、自分としてはしっくりこないのが本音です。
とはいえ、誤解を恐れずに書きますが、育児はどうしても母親主体にならざるを得ないものだと思ってます。
どうやったって、完全に「割る2」には出来ないものだと。
以前下のような記事も書きましたが、男から母乳は出ないし、子供はやはり自分がそのお腹に入っていた母体を先に認識します。匂いもそう。
これは紛れもない女性の育児におけるアドバンテージであり、同時にディスアドバンテージでもある。
だから、「育児」において男性はどうやったって「後発組」にならざるを得ない訳で、ここを取っ払ってまで「男性がやるのも当たり前だ!」とも思いませんね。
無理なものは無理ですから。
でも、「後発組」だからこそ出来ることもある訳で。
また話がいったりきたりしますが、例えば、「奥さんが専業主婦」「旦那さんが始発から終電まで毎日仕事」という環境であるならば、私は、旦那さんに「育児」を分担させるのは酷だとは思います。(あくまで例ですよ)
この場合の旦那さんには、これ以上『仕事』を受け持つリソースが無いのですから。
こういう、個々の状況を度外視して「男性も育児に参加するべきだ!」とも、思わないですね。
この家庭には「育児」以前の段階での改善が求められるでしょう。
要は、夫婦間の「納得」な訳です。(「納得」は全てに優先するぜッ!!)
うちの場合は、「すべての『仕事』を2で割る」という約束で、「納得」を作ってます。
仮に男性が育児参加ゼロでも、その奥さんが真にその状態に「納得」しているのであれば、それは全然問題ないでしょう。
ただ、だからこそ、その「納得」をスムーズに気持ちよく行うために参加しているパパママ教室で、ことさらに「男なんて~」と言われるのは、本当に腹が立ちました。
「イクメン」という単語を「イクメン」のままにしているのは、他でもないその助産婦さんたちでしょう。
男も女もなく「親だから」育児をやる。でも、どうしても男性には受け持つことのできない分野がある。
その「どうしようもない部分」(≒女性が持つ育児のアドバンテージ&ディスアドバンテージ)について、馬鹿にしながら「男には分からない」と言われてしまうと、本当の本当にどうしようもないのです。
ただただ虚しいですね。
自分でも当時の怒りが巡り巡って沸いてきて何を書いているのかよく分からなくなってきましたが、つまりはパパママ教室の愚痴でした。
助産婦さんもひとりの女性として、おそらく色んなご苦労もされてますし、男性に対して愚痴のひとつも言いたくなるのは、分からなくもないんですけどね・・・。
でも、助産婦というお仕事をされていて、しかもパパママ教室というシチュエーションであるならば、もうちょっと、その、「持っていき方」を考えて欲しかった。
それだけです。