ジゴワットレポート

映画とか、特撮とか、その時感じたこととか。思いは言葉に。

洋画

待望のディズニー動画配信サービス「Disney DELUXE」が遂に発表されてしまった(各種情報のまとめ、感想など)

いやぁ、ついに発表されましたね、「Disney DELUXE」。 「ディズニーが自社保有のコンテンツ(ディズニー・ピクサー・スターウォーズ・マーベル)を網羅した定額動画配信サービスを展開する」という話は2017年頃からあって、2018年11月にその名称が「Disney+…

感想『スパイダーマン:スパイダーバース』 アメコミ文化の「意義」を体現するしたたかな到達点

2016年の映画で、『GANTZ:O』という作品がある。アニメ化・実写映画化もされた漫画『GANTZ』の大阪編を長編アニメーションとして映画化したもので、綺羅びやかな大阪の街並みやおどろおどろしい妖怪たちがフルCGで描かれた。 『GANTZ』という作品は元より非…

「リアルサウンド映画部」に『アクアマン』の作品評を寄稿しました

お仕事の報告です。 「リアルサウンド映画部」様から依頼を頂戴しまして、『アクアマン』の作品評を寄稿しました。これまでもいくつか執筆依頼をいただいてきましたが、直球に「映画」を扱っているサイトに書くのは初めてでした。ありがたいことです。 reals…

感想『ミスター・ガラス』 奇怪なヒーロー映画が着地した純な結論について

元より、M・ナイト・シャマラン監督の作品は数えるほどしか観たことがなかったが、TwitterのTLでは程なくして公開される『ミスター・ガラス』への注目度が高まっていた。少し調べてみると、同監督の『アンブレイカブル』『スプリット』と世界観を共有する特…

これがディズニーの描きたいことなら私にとっては辛い。『シュガー・ラッシュ:オンライン』感想

『シュガー・ラッシュ:オンライン』、私の感想を率直に言ってしまうと、かなり「しこり」が残りました。話の大筋というか、「歩みたい人生の選択」「与えられた役割からの脱却」「共依存からの自立」という、掲げられた個々のテーマについては、良いと思う…

ジゴワットレポートの映画ランキング2018

さてさて、今年もこの季節がやってきました。今年映画館で鑑賞できた作品は36本。やはり、娘が大きくなってきて、段々と自由な時間が取れなくなってきた・・・。一年間は52週ということで50本前後を密かな目標にしているのだけど、中々難しいですね。 加えて…

BD / DVDが1枚500円の「どれ6」(Amazonサイバーマンデーセール)からどの映画を選ぶか

当ブログでもバナーを貼っているAmazonの一大セール「サイバーマンデー(2018)」ですが、昨日TwitterのTLで「どれ6」というのが流れてきまして。BD / DVDを6枚選んで総額3,000円とのことで、なんと単価500円。これはもうまんまと乗せられちゃいましょう、と…

感想『ヴェノム』 魅力的なバディは、その成熟過程が濃密に描かれてこそ映えるはず

まずは、本作が無事に制作から公開にまで辿り着いた、そこに敬意を表したい。 サム・ライミ監督版『スパイダーマン』から、『アメイジング・スパイダーマン』を経て、遂にMCU入りを果たしたスパイダーマンの実写映画シリーズ。ヴェノムと言えば『スパイダー…

感想『search サーチ』 多くの伏線を圧倒的情報量で隠蔽する、「現代的」サスペンスリラーの傑作

『ウルトラマンX』に、テレビやスマホの映像だけで隊員たちやウルトラマンの活躍を編集した「激撮!Xio密着24時」という回がある。暗躍する宇宙人を捕える隊員たちはタイトル通り密着24時パロディ映像に出演し、ウルトラマンが光線を放つシーンでは一般市民…

感想『イコライザー2』 デンゼル・ワシントン扮するマッコールが前作同様にサイコで最強

三連休最終日になんとか時間を作って『イコライザー2』を鑑賞。前作が2014年公開だったので、実に4年ぶりのイコり。 元CIAエージェントのロバート・マッコールが悪を挫く、痛快アクションスリラー映画の続編。さすがのデンゼル・ワシントンと言うべき、「人…

漫画『スモール・ソルジャーズ』の単行本をついに入手!やった!悲願達成!

やったああああ!!!!!!!ついに!!!!ついに手に入れた!!!!! 中古市場と睨めっこすること、苦節数年! ついにゲット!! 漫画版『スモール・ソルジャーズ』の単行本! 嬉しい!めちゃくちゃに嬉しいッッ!もちろん中古だけど!それでも!!それ…

感想『アントマン&ワスプ』 ミニマムスケールで描く「ユニバースの箸休め役」は続編でも健在

数えてみたら、この『アントマン&ワスプ』でMCUは通算20作目に到達(映画作品のみカウント)。思えば遠くへきたもんだ・・・。 直前の『インフィニティ・ウォー』がクロスオーバーを主軸に据えたドッカンドッカンのお祭り映画だったのに対し、『アントマン&…

感想『インクレディブル・ファミリー』 ギミックの数でカバーしきれない構造的な惜しさ

前作『Mr.インクレディブル』が2004年ということで、時が経つのは本当に早い。マイケル・ジアッキーノによるメインテーマはあまりにも有名で、あのジャジーな変拍子は学生吹奏楽界の新たな定番になったほど。14年ぶりの続編でも同氏による音楽が堪能できたの…

感想『ミッション:インポッシブル / フォールアウト』 イーサンのキャラクター造形で過去作を総括するシリーズ最高傑作

率直にシリーズ最高傑作と言って良いのかもしれない。 それは、もはや笑うしかない怒涛の生身アクションもそうなんだけど、シリーズ初の監督続投作として、どこか過去5作をまとめ上げる気概を感じるからだ。 作品のテーマだけでなく、主にイーサンのキャラク…

私が「オススメの映画教えて」と問われたら薦めている映画10本

「趣味とかは? 休みの日は何してるんですか?」 「映画館に映画観に行ったりですね」 「へぇ、映画よく観るんですね。オススメの映画教えてくださいよ」 映画鑑賞を趣味にしていると、上記のような会話イベントが定期的に発生する。 こういう時に、変にマニ…

感想『ジュラシック・ワールド / 炎の王国』 崩壊したのは誰の王国か。シリーズ5作目として正道アプローチで組まれた娯楽作

『ジュラシック・ワールド / 炎の王国』を語るにおいて、まずその邦題に言及せねばならない。 原題は『Jurassic World: Fallen Kingdom』なので、単純に訳すれば「王国の崩壊」「壊滅する王国」といったところか。 しかし、邦題は『炎の王国』。本作を実際に…

感想『ハン・ソロ / スター・ウォーズ・ストーリー』 スピンオフのノルマをこなし、『新たなる希望』を踏襲する。エンタメ映画として隙のない出来(+ 4DXの感想)

公開から1日遅れで鑑賞。 本国では何やら興行成績が振るわないと聞き、「あのハンのスピンオフがまさか微妙だな出来だなんてそんな・・・」と内心ヒヤヒヤしたものの、杞憂であった。 やはり何事も自分の目で確かめなければならない。 アート・オブ・ハン・…

感想『スパイダーマン ホームカミング』 なぜスパイディは愛されるのか、ホムカミはその答えで構成された逸品である

もちろん公開当時に映画館で鑑賞した作品だが、感想を書き忘れていたのと、『インフィニティ・ウォー』にあわせて買ったBlu-rayで再鑑賞できたので、改めて感想を書き残しておこうかと。 『スパイダーマン ホームカミング』は、ついにMCU入りを果たした新シ…

約100分で観られるおすすめの「短い映画」15本

私は短い映画が好きだ。 別に長い映画が嫌いという訳ではないが、短い方が集中力を高く保ったまま鑑賞できるし、短い所用時間で多い本数を鑑賞することもできる。「短い」ことにより説明不足に陥っている映画もあれば、「短い」からこそスマートに成立してい…

なぜ同じ映画を何度も映画館で観るのか。私の答えは「それが映画を最大値で楽しめる方法だから」

TwitterのTLで以下のようなやり取りが流れてきた。なぜ同じ映画を何度も映画館で観るのか、という話題。 いつの間にか同じ映画を何度も映画館に見に行くという視聴体系が定着しつつあるが、3回見に行けばBD買えるし、15万もあればかなり充実したホームシアタ…

『レディ・プレイヤー1』サントラ13曲目を聴けばいつでもガンダムとメカゴジラが脳内で暴れてくれる

『レディ・プレイヤー1』、良い映画でした。 物語やそのテーマ自体は王道、映像表現はさすがのスピルバーグとしか言いようのないものばかりで、時代性のあるVRゲーム設定に、世界中のオタクの半生を救済するかのようなポップカルチャーの大行進。2018年春は…

忙しい人のための『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』本数別「予習・復習作品リスト」の提案

『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』、とにかく凄まじい映画で、単純に物量が多かった。 MCUシリーズ過去18作品の集大成な訳で、出てくるキャラクターも設定も要素もまるで大洪水。でも、その洪水がしっかり整備されたルートを流れていくのが快感。…

感想『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』MCUが繰り出すエンターテインメントの新たな形と、その反証としてのサノス

MCUシリーズ1作目の『アイアンマン』を劇場で観てから、早くも10年。 アイアンマン [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray] 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 発売日: 2015/08/28 メディア: Blu-ray この商品を含むブログ (3件) を見る …

『パシフィック・リム:アップライジング』の正直な感想。薄まった作家性と持ち込まれた次世代の色。このジレンマを愛せるか?

ゴジラやウルトラマン等の巨大特撮コンテンツの、コンスタントな新作リリースが難しい状況にあった2013年。 その界隈に驚くほどの熱を叩き込んだのは、ギレルモ・デルトロ監督が建造した黒船こと『パシフィック・リム』だった。 パシフィック・リム [Blu-ray…

2018年春(4,5月)公開映画のラインナップが大渋滞でやばいことになっている

趣味が映画館通いだと、年2回くらい(体感調べ)で「うっ!なんというラインナップだ!追いつかない!」というラッシュ時期と直面する。 ということで、2018年春、大作大渋滞な怒涛のラッシュが来ます。本当に全部観られるのだろうか・・・。 未見のクセにお…

感想『ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル』。前作の魅力を堅実にアップデートした最強の続編

『パシフィック・リム:アップライジング』『アベンジャーズ インフィニティー・ウォー』を控えながら『レディ・プレイヤー 1』『劇場版名探偵コナン』等々も待ち受ける2018年の春映画。 怒涛のラインナップで時間のやりくりが大変なのは自明の理。よって、…

1分あたり2億2千万の製作費が費やされた映画は面白いのか

先に結論を書いてしまうと、お金をかけたからといって、必ずしも面白い映画が出来上がる訳ではない。これはもう、くどくど説明しなくても誰でも分かっていることだろう。 『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』の製作費は、日本円で約375億1,00…

ワカンダに愛着を覚えた時、もうこの映画に惚れている。映画『ブラックパンサー』感想

率直に、とっても面白かったです。 映画界の生ける神話ことMCUの最新作として、そして、この貧困問題とテロが交錯する現代に発表されたエンタメ作品として、とても精度の高い作品だったなあ、と。 marvel.disney.co.jp なによりワカンダという国の描写ですよ…

なんでこれが定価2,484円なの? 価格破壊なの? ROBOT魂『ジプシー・アベンジャー』がすごすぎる

Amazonから届いて、実際に開封して、「じわり」とびっくらこいた。 こんなの価格破壊だろ・・・ どうしたんだよバンダイ・・・。 さかのぼること2013年、1作目『パシフィック・リム』公開時。 国内メーカーはこの作品の立体化にはほとんど参入しておらず、ア…

なぜ『セッション』のラスト9分19秒は素晴らしいのか?

映画『セッション』(原題:Whiplash)、本当に素晴らしい映画だった。 興奮したし、泣いた。アカデミー賞の助演男優賞・編集賞・録音賞を受賞しているにも関わらず、日本では上映館数が極端に少ないのが非常に悔しい。事前の情報や予告を観て期待値がうなぎ…