ジゴワットレポート

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ラルクを聴き、ラルクを識る。「ファンが選ぶおすすめの10曲」を真剣に考える。「好きな曲」ではなく「バンドの歴史や特徴が伝わる曲」を求めて

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L'Arc〜en〜Cielのファンになって何年になるだろう。しかし、「ラルクでおすすめの曲は?」と問われた際に、私はどういう答えを用意できるだろうか。

 

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「ラルクで好きな曲は?」なら、いくらでも語り倒せる(復刻版『DUNE』収録の「予感」が一番好き)。しかし往々にして、「好きな曲」と「おすすめの曲」は異なる。この場合、「ラルクをあまり詳しく知らない人に10曲をプレゼンする」と仮定して、いちファンとしてあらゆる観点からそれを追求していきたい。

 

プレゼンにおいて重要なのは、「受け手に最終的にどういうイメージや知識を持って欲しいか」、である。ゴールから逆算しなければならまい。

 

・91年に結成され、近年25周年を迎えた長寿バンド

・主に90年代後半にGLAYと双璧を成すロックバンドとして流行した

・メンバー全員が作曲可能で、音楽性が幅広い

・L'Arc〜en〜Cielはフランス語で「虹」という意味である

・旧メンバーが逮捕されるなどのスキャンダルもあった

・定期的な大型タイアップで耳馴染みのある曲も多い

 

この辺りを曲目でカバーすることで、「曲を聴くと同時にL'Arc〜en〜Cielというアーティストの概要を知ることができる」もしくは「ラルクが歩んできた歴史を大まかに追体験することができる」、そういう選曲はできないだろうか。

 

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ということで、以下が、ラルクファンが真剣に選んだ「おすすめの10曲」である。まず結果から説明し、選んだ経緯をその後に解説したい。

 

ちなみに、「あまり詳しくない人に勧める段階」でアルバム曲やカップリング曲を挙げるのは選者の自己満足に感じてしまうので(私見)、全てシングル曲から選んでいる。

 

 

 

デビューシングル『Blurry Eyes』

Blurry Eyes

Blurry Eyes

  • L'Arc~en~Ciel
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まずは欠かせないデビューシングル。ラルクは4人で構成されるが、この曲はベース担当兼リーダーのtetsuyaが作曲を担当している。

 

「ラルクとV系」については話せば長くなるので省略するが、『Blurry Eyes』はどちらかというと「V系っぽい」ナンバーに分類できるだろう。機会があればPVを観て欲しいが、ばっちり化粧したメンバーの初々しい姿を拝むことができる。hydeが完全美少女なのも眼福。

 

曲はジャンル的にはややポップ寄り。hydeとtetsuyaの印象的なコーラス部分や、急に3拍子に入る構成など、聴きごたえも抜群。「貴方」の心が離れていく哀しさや寂しさを表現した歌詞になっており、それが食い合わせの悪そうなポップなメロディに乗ることにより、独特の物悲しさを演出している。

 

 

幻のシングル『the Fourth Avenue Café』

the Fourth Avenue Cafe

the Fourth Avenue Cafe

  • L'Arc~en~Ciel
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アニメ『るろうに剣心』のタイアップ曲。しかし、シングルカットによる発売を翌月に控えた97年の2月、当時ドラムを担当していたsakuraが覚せい剤取締法違反で逮捕。バンドは活動休止となり、このシングルの発売も中止となってしまう。そのため、シングル格でありながらその機会を損失してしまった「いわくつき」の名曲となっている。

 

後の06年に、活動15周年を記念したシングル再発売企画により念願のリリースを果たし、15周年記念ライブでは開幕1曲目に演奏された。

 

ホーンセッションが鳴り響く軽快でお洒落なメロディは、ギター担当のkenが作曲したもの。こちらも先の『Blurry Eyes』と同じく失恋ソングだが、メロディの与える前向きなニュアンスが印象的。

 

 

バンド名を冠した代表曲『虹』

虹

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メンバーの逮捕により活動を休止していたラルクが、復活時に発表したナンバー。「L'Arc〜en〜Ciel」はフランス語で「虹」の意味であり、再始動を込めた大事な一曲である。今でもファンから永く愛されるナンバーで、ライブで歌われる回数も少なくない。ちなみに、奇しくも虹の色数と一致する7枚目のシングルでもある。

 

作曲はギター担当・ken。彼特有の「切なメロディ」が炸裂した一曲で、じわじわと盛り上げてから爆発するサビ冒頭の高低差が特徴的。歌詞の最後が「終わらない未来を捧げよう」で締めくくられている辺り、当時のメンバーの心境を思うとグッとくるものがある。

 

 

歴代最高売上のロックナンバー『HONEY』

HONEY

HONEY

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『虹』で活動を再開したラルクは、新しいドラマ―・yukihiroをメンバーに迎える。その後、当時のバンドブームも影響もあり、一気に知名度を上げていくのであった。

 

その最中に歴代最高売上を記録したシングルが、『HONEY』である。作曲はボーカル担当のhyde。彼自らギターを構え、2本のギターがひたすらにジャカジャカと鳴り響く、勢いたっぷりの仕上がりになっている。有名なので、知っている人ももちろん多いだろう。ベタながら、間違いのない一曲。これが好きな人は漏れなく『HEAVEN'S DRIVE』も好き。

 

 

資生堂CMソング『NEO UNIVERSE』 

NEO UNIVERSE

NEO UNIVERSE

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バンドとしての地位を確立し円熟期に差し掛かった頃のナンバー。資生堂「ピエヌ」のCMにも起用されていたので、聴き覚えがある人も多いだろう。作曲は「切なメロディ」のken。その特性が十二分に発揮されている。

 

物悲しさを漂わせながらクリーンな雰囲気でまとまっており、PVの架空未来都市の映像も相まって、透明感を覚える仕上がりになっている。キーが高く、カラオケで入れて爆死した人も少なくないだろう。当のhydeですらライブではキーを下げるのだから。「悲劇だとしても、あなたに巡り会えてよかった」。巡る季節や世界そのものの尊さを歌い上げる、心地よい一曲だ。

 

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再始動のハガレンOP『READY STEADY GO』

READY STEADY GO

READY STEADY GO

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これも有名なナンバーで、アニメ『鋼の錬金術師』のOPである。作曲はポップなメロディに定評のあるtetsuya。この時ラルクは活動休止期間に入っており、『READY STEADY GO』は2年5ヶ月ぶりのシングルとなった。

 

リーダーである彼は、各種インタビューで「アニメとのタイアップ」について度々語っている。アニメのOPに起用されることは、若く新しいファン層を開拓することに繋がるからこそ、バンドにとってありがたいのだ。hydeはあくまでフロントマンであり、バンド自体の運営や企画をリーダーtetsuyaがしっかりと監督しているのが、ラルクという組織の面白さでもある。

 

『READY STEADY GO』はご存知の通り勢いが有り余るほどの疾走感にあふれたナンバー。サビでコーラスの掛け合いがあることから、ライブでも盛り上がる一曲として多用される。

 

 

聴かせるメロディと芸術的すぎるPV『叙情詩』

叙情詩

叙情詩

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ファンとしては少し意外だが、ラルクに「ジャガジャガと激しいロックナンバーを主体としたバンド」のイメージを持っている人と出会うことが多い。おそらく先の『HONEY』の影響があるのだろう。

 

しかし、実はラルクの真骨頂はそこではない、というのが私の意見だ。「じゃあどんなのが真骨頂なの?」と問われたら、この『叙情詩』を答えとして提示したい。じっくりバラードながら、味のあるダウナーなメロディ、hydeによる完成された世界観の歌詞など、とにかく聴いてもらえれば「厚み」は伝わるだろう。 作曲はギターのken。宗教画の世界に迷い込んだかのような芸術的すぎるPVは、一見の価値アリ。

 

 

07年の再始動ナンバー『SEVENTH HEAVEN』

SEVENTH HEAVEN

SEVENTH HEAVEN

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各メンバーのソロ活動が盛んになり、ラルクはこの時期またもや活動を休止していた。それが明けての1年10ヶ月ぶりのぶりのシングルが、『SEVENTH HEAVEN』である。

 

いわゆる「Aメロ」「Bメロ」「Cメロ」構成には違いないが、その全てがサビのような作りになっており、初見時には相当戸惑ったのを今でも覚えている。異国の雰囲気がただようダンサブルなメロディーで、聴けば聴くほど味が出る。こういう曲をシングルで出せるのが、ラルクの面白いところだ。

 

 

ダークな打ち込みが特徴的『DRINK IT DOWN』 

DRINK IT DOWN

DRINK IT DOWN

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作曲はドラム担当のyukihiro。彼が得意とする打ち込みサウンドに所々ノイズが乗っかるという、ダークな仕上がりになっている。他3人が作曲したものとは確実に毛色が違うからこそ面白い。

 

ゲーム『DEVIL MAY CRY 4』のテーマソングとして起用されたこともあり、まさに「悪魔」な世界観で完成されている。ここぞというタイミングで綴られる英歌詞や、tetsuyaお得意の伸びのあるコーラスなど、全編にわたって「かっこよさ」がすごい。誤解を恐れず言うならば、「中二的」なかっこよさが満載だ。

 

 

最新シングル『Don't be Afraid』

Don't be Afraid

Don't be Afraid

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こういう時にツウぶって活動初期の曲を大量に紹介したり、ましてやインディーズ時代の曲を持ち出すのは、私は好きではない。ラルクの歴史と多様性を伝える選曲で固めてきたのだから、最後に挙げるのはやはり最新シングルだろう。

 

16年12月に発売されたナンバーで、作曲はtetsuya。映画『バイオハザード:ザ・ファイナル』の日本語版主題歌にもなっている。勢いのあるロックナンバーで、ある種ラルク的に伝統のサウンドであり、それでいて新鮮さもある、長寿バンドならではの一曲だ。ファン的には、hydeのソロナンバーに近い印象を抱いてしまうあたりが、ちょっとしたニヤニヤポイントである。これを作曲したのがhydeじゃないからだ。

 

 

・・・ということで、以上、10曲でした。ラルクの歴史を追体験しながら、幅のある音楽性に親しみ、様々な曲調を楽しむことができる。そんなラインナップに仕上がったのではないだろうか。

 

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さて、ここからが同じファンに向けての言い訳タイムである。「あれが入ってない!」「それよりアレだろ!」。分かる・・・。私も心で泣きながら10曲に絞ったのだ。

 

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まず、「活動時期」の欄を見ていただきたい。アルバムタイトルを挙げながら、大きく4つに活動時期を分類している。満遍なく抽出するためだ。

 

次にそこから、各「活動休止期間からの復活シングル」をピックアップ。ラルクの歴史を語る上で欠かせないナンバーばかりだ。そして、デビューシングル、最新シングル、最高売上シングル、発売中止シングルなど、バンドの沿革において意味を持つ作品をはめ込んでいく。

 

4人全員が作曲できる音楽性の広さを込めるために、それが反映されるよう曲目を調整。曲の雰囲気が偏ってもつまらないので、大雑把に「ロック」「ポップ」「バラード」に分けてそれぞれをカバーできるように追加調整。タイアップによる知名度も考慮に入れる。

 

そうすると、割と必然的に、このラインナップが完成したのである。もちろん、「あれもある」「これもある」は無限にある。しかし、それを言ってしまったらもう全てのCDを押し付けることになる。苦渋の10曲なのだ。

 

とはいえ、もし「何かレンタルで借りるとしたら?」ということであれば、ファン投票によって収録曲が決定した『Clicked Singles Best 13』や、メンバーが選曲した『QUADRINITY 〜MEMBER'S BEST SELECTIONS〜』あたりがベターだろう。

 

Clicked Singles Best 13

Clicked Singles Best 13

 
QUADRINITY ~MEMBER’S BEST SELECTIONS~

QUADRINITY ~MEMBER’S BEST SELECTIONS~

 

 

この記事を書きながら久々にL'Arc〜en〜Cielにじっくり向き合える時間が取れたので、非常に楽しい作業でした。「好きな曲」ではなく、「バンドの歴史や特徴を伝える曲」を選ぶ(言うなれば「プレゼンベスト」?)。結構楽しいので、好きなアーティストがある人は、やってみてください。

 

25th L'Anniversary LIVE

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