ジゴワットレポート

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【朗報】ベイダー卿の小腸はご無事!『スター・ウォーズ空想科学読本』感想

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STAR WARS スター・ウォーズ空想科学読本 (講談社KK文庫)


講談社から講談社KK文庫として出版されている『スター・ウォーズ空想科学読本』を読了。

 

「空想科学読本」は言うまでもなく柳田理科雄氏による長寿シリーズで、アニメや特撮のあれこれに科学でもって真正面からツッコミを入れていくスタイルが売りな訳だが、その面白さは本作でも健在。

たまたまネットで見かけて本書を買ったのですが、他にも『ポケモン空想科学読本』等のシリーズが出てるんですね。これをきっかけに科学に目覚める子供たちがいると思うとワクワクするなぁ。

 

ポケモン空想科学読本1

ポケモン空想科学読本1

 

 

子供向けの文庫本で挿絵も多く字も大きいが、中身はちゃんと真面目な科学。私も決っっっして科学が得意な方ではないので、「なるほど」と感心しながらも馬鹿笑いさせてもらった。

 

例えば【ダース・ベイダーから『人体の仕組み』を学ぼう】のコーナーでは、ベイダー卿の身体を生かし続ける黒い装甲服の性能を考察。それと同時に、ベイダーがオビ=ワン・ケノービとの戦いでいかに傷付き、その後いかにマグマに全身を焼かれたのか、そのダメージを推察していく。

例の呼吸音は機械音なので、おそらく呼吸器は損傷している。栄養補給のために液体を飲むシーンがあるので、消化器もダメそう。脳と脊髄が装甲服に繋がれているので、神経系もアウト。火傷で失われた皮膚も、もちろん損傷。分かってはいたが、改めて並べられるとベイダー卿はめちゃくちゃ重体だ。ホイホイ前線に出て行ってる場合じゃない。

 

しかし、前述の液体を飲むシーンについて、もしその液体が食べ物の代わりであるならば、腸液による「消化」はダメでも小腸による「吸収」は可能。それすらダメなら点滴が必要になっているはずだからだ。つまり、「吸収」のはたらきを持つ小腸は健在かもしれない!やったぜ!!

・・・といった、毎度お馴染みの馬鹿馬鹿しい結論が導き出される。これぞ空想科学読本!

 

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また、惑星ダゴバでR2-D2が沼に潜んでいたドラゴンスネークに飲み込まれた際に、水面から40度ぐらいの角度で吐き出され、3秒後に地面に落下したシーンについて。

仮に惑星ダゴバの重力を地球と同じと仮定すると、時速82kmで吐き出されたことになる。これは、高度27m、8階建の窓から落ちたのと同じだというのだ。

武勇伝に事足りないR2-D2の強度、おそるべし。

 

他にも、「C-3POの人工知能は人間の快・不快をディープ・ラーニングしたのでは」「メディ=クロリアンは実質ミトコンドリアでは」「ライト・セーバーはプラズマやレーザーで再現できるのか」などなど、ドSFの世界にド科学で切り込んでいく相変わらずのスタイルで、楽しく愉快に学ばせてくれる。

 

特筆すべきは、筆者である柳田理科雄氏が61年生まれということもあり、おそらく完全なる「スター・ウォーズ世代の人」なのだろう、ということ。低年齢向けに書かれたライトな文章の端々に、隠しきれない「世代」の熱い語りが挟まってくるから面白い。「ここは当時劇場で笑いが起こったんだ」とか「Xウイングのここがカッコいい!」とか、ちょいちょいオタクの一言が挿入されている。

そういう意味で、児童向けの文庫でありながら、大人なスター・ウォーズ好きにもオススメしたい。

 

ちなみに、ちゃんと現在進行中の続3部作やスピンオフにも触れられている。『ローグワン』における盲目の僧侶・チアルートが弾丸を回避できる確率まで計算されていて、やはり笑いが絶えない。

 

STAR WARS スター・ウォーズ空想科学読本 (講談社KK文庫)

STAR WARS スター・ウォーズ空想科学読本 (講談社KK文庫)